睡眠時無呼吸外来

睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気やいびきだけでなく、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病や重篤な合併症を引き起こす可能性があります。この症状にお悩みの方は、適切な治療が必要です。当クリニックでは、患者様の個々の症状や状態に合わせて、CPAP(シーパップ)療法などの効果的な治療法を提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

※他院からの治療引継ぎも積極的に対応しています。引継ぎ時には診療情報提供書が必要ですので、ご持参ください。

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは

バリアフリー

睡眠時無呼吸症候群(SAS : Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。10秒以上の無呼吸や気流の低下が1時間に何回くらい起こるかを無呼吸低呼吸指数(AHI : Apnea Hypopnea Index)と言い、現在のところAHI 5以上を睡眠時無呼吸症候群といいます。症状にはいびき、不眠、夜間の中途覚醒、起床時の頭痛、日中の眠気などがあります。

いびき・眠気だけじゃない!本当は怖い、睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群を持つ人は、心臓血管系の病気を併発している可能性が高く、また新たに心臓病や脳卒中を発症するリスクも高いことがわかっています。メカニズムは複雑ですが、無呼吸による低酸素状態が一因です。また、睡眠時無呼吸症候群はAHI 5以上で診断されますが、ひどい人はAHI 40〜60にもなります。これは1時間に40〜60回以上呼吸が止まっている状態を意味し、体に強いストレスを与えます。その結果、血圧上昇や心拍数増加、不整脈などの心臓血管系の負担が増加します。

睡眠時無呼吸症候群のリスク

睡眠時無呼吸症候群の検査について

まず、簡易型ポリソムノグラフィー検査(Polysomnography : PSG)で睡眠時無呼吸の有無をチェックします。検査結果に応じて、治療を開始するか、精密検査を行うかを判断します。

検査の流れ

  • 1. 問診診察等を行い、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方に、簡易型PSG検査を処方します。
  • 2. 患者さまと検査会社で日程を調整いただき、ご自宅で検査を実施します。
  • 3. 検査が終了し、検査機器を検査会社に返却後、おおむね2週間から1カ月で結果がクリニックに届きます。
  • 4. 結果に応じて、治療開始または精密検査を行います。
睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

PSGの結果、重症度の高い方には、持続陽圧呼吸療法装置(CPAP : Continuous Positive Airway Pressure)を行います。その他、手術や歯科装具などの治療法もあります。

睡眠時無呼吸症候群の予防方法

減量

睡眠時無呼吸症候群は肥満者に多い病気で、肥満によって気道が狭くなることが原因の一つと言われています。減量で無呼吸が改善する可能性もありますので、無理なく減量を試みましょう。

禁煙

喫煙は血中酸素の低下や気道の炎症を引き起こし、無呼吸に悪影響を及ぼします。また、心臓や血管の病気や癌を引き起こす重大なリスクとなりますので、これを機にぜひ禁煙をしてみましょう。

飲酒を控える

飲酒は眠気を誘いますが、睡眠の質を低下させます。また、筋肉の緊張を低下させてしまうため、無呼吸を悪化させてしまいます。飲酒(特に就寝前)は極力控えましょう。

睡眠薬などの精神安定剤の服用は最小限に

睡眠薬などの精神安定剤は、アルコールよりは安全に睡眠をサポートしてくれますが、同様に筋肉の緊張を低下させたり、呼吸を抑制する作用があるため、無呼吸を悪化させるリスクがあります。これらの使用は最小限にしましょう。ただし、治療上必要な場合もありますので、投薬を受けている場合は、主治医に一度相談することをおすすめします。

睡眠中の体勢の工夫

仰向けで寝ると、睡眠中の脱力であごが落ち込み無呼吸を誘発してしまうことがあります。それを防ぐために、「横向き」で寝ることなども推奨されています。ただ、睡眠中は無意識なので横向きを維持するのが難しく、様々な方法が考案されています。背中にテニスボールを挟み込み、寝返りを打ちそうになるとその刺激で横向きに戻るという「テニスボール法」という方法などが有名です。いろいろと試してみてください。

睡眠時無呼吸症候群と合併症

睡眠時無呼吸症候群は、その重篤な合併症から注意が必要です。この疾患は、単なるいびきや眠気だけでなく、心臓病や脳卒中などの生活習慣病のリスクを高めます。特に重度の睡眠時無呼吸症候群では、心血管系の負担が増加し、不整脈や心筋梗塞などの合併症が発生する可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群の合併症を予防するためには、早期の治療が不可欠です。定期的な医師の診断や治療を受けることで、合併症のリスクを低減させることができます。