アレルギーとは、体内に入った異物(抗原)に対し、それを排除しようとする免疫反応が過剰に起こった状態を指します。
人間の体にはもともと体に入ってくる異物(抗原)に対して、それを異物と認識して退治しようとする機能があり、これが免疫です。
免疫があることで、人間は病原菌を退治し、健康を維持することができます。
しかし、日常生活で避けることが難しいありふれた異物(抗原)、例えばダニであったり花粉であったり、に対して不必要に不快な結果をもたらす免疫応答が起こる場合、これをアレルギーと呼びます。
具体的には粘膜や皮膚の腫れや、かゆみ、咳、くしゃみなどの症状が起こります。アレルギー反応は抗原に対抗するために体内で、抗体と言うものが作られてはじめて発生します。そのため、抗原との二回目以降の接触で起こります。
たとえば、スズメバチにさされた場合、一度目は大事に至らなかった。しかし、この時に抗体が作られることで、二度目には激しいアレルギー反応が起き、ショック(アナフィラキシー ショック)が起こり、死に至ることがあります。
体にとって、免疫はなくてはならないものです。しかし過剰な免疫反応はありがたくない。適度な状態に落ち着けるよう薬を調整していく必要があります。
当院ではアナフィラキシー対策としてのエピペン処方、スギ花粉症に対する舌下免疫療法(シダトレン)、体質改善を目的とした漢方治療などを行っております。
「舌にスギ花粉の液をたらして、スギ花粉に慣らして行く」という治療法が「舌下免疫療法」。
花粉症の人に花粉の耐性をつけさせることで治療する方法です。
「シダトレン スギ花粉舌下液」が平成26年10月に発売され保険適応になりました。
まず初めに大切なことはスギ花粉症であることを明確に証明しなければなりません。問診・採血などで診断をします。
治療の手順としては、花粉エキスを舌の下に滴下し2分間そのままの状態を維持した後に飲み込みます。これを1日1回、3~5年間続けます(3年以上が推奨されています)。
最初の2週間は「増量期」として少量から初めて少しずつ増やし、「維持期」となる3週目からはずっと同じ量を維持します。
従来の皮下接種法と比較して副作用の頻度・程度ともに軽く、自宅治療が基本です。
心配な副作用であるアナフィラキシーの報告はほとんどありません。
ただし、新薬なので発売後1年間は2週間処方しか出来ないルールがあり、患者さんは2週間毎に医療機関を受診しなければなりません。
発売1年後の平成27年11月以降は1ヶ月処方が可能になります。
●重度の気管支喘息患者
●妊娠中、授乳中
●65歳以上の高齢者(試験データがないため)
●12歳未満の小児(試験データがないため)
●悪性腫瘍治療中の方、ステロイド内服中の方
スギ・ヒノキ飛散期となる1月~5月の期間は新たに治療開始することは出来ません。6月~12月の間に始めましょう。
さらに詳しく知りたい方は鳥居薬品のホームページをご覧下さい。