ここでは、睡眠時無呼吸症候群の治療で広く使用されるCPAP治療について解説いたします。睡眠時無呼吸症候群の症状があったり、治療方法が気になる方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
CPAP治療とは?
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、シーパップ)治療は、主に睡眠時無呼吸症候群という病気の治療に使われる方法です。睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まる病気で、この治療では寝るときに専用のマスクを顔に装着し、機械を使って気道に持続的に空気の圧力をかけます。
このことで気道が閉じるのを防いで、スムーズな呼吸を助けます。
CPAP治療には次のような特徴があります。
- 効果的: 気道を支えることで、呼吸が止まるのを防ぎ、質の高い睡眠を得やすくなります。
- 使いやすい: 自宅で毎晩使用できるため、病院に通う頻度が少なくなります。
- 種類が豊富: マスクにはいくつかの種類があります。鼻だけを覆うネーザルタイプ、鼻孔に直接装着するピロータイプ、鼻と口の両方を覆うフルフェイスタイプなどがあります。
CPAPで睡眠時無呼吸症候群は治る?効果とは
CPAPを使うと、いびきが減り、日中の眠気が改善される効果があります。また、長期的には血圧の安定や心臓への負担軽減にも役立ちます。CPAPは即効性があり、初日から効果を感じる人もいます。
CPAPの費用|レンタルか?自費購入か?
CPAP(シーパップ)は睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる機械です。患者さんがCPAPを使うか検討する時、レンタルと自費購入のどちらが良いか気になることが多いです。ここでは、それぞれの選択肢について詳しく説明します。
レンタルの場合
- 初期費用が少ない:月に数千円から1万円程度で借りられます。
- メンテナンスが簡単:機械の故障やメンテナンスはレンタル業者が対応してくれます。
- 短期間の利用向き:使う期間が短い場合や、CPAP治療が自分に合っているか試したい時に便利です。
- 交換しやすい:もし機械が壊れた場合、迅速に交換してもらえることが多いです。
自費購入の場合
- 初期費用が高い:購入には10万円から20万円程度かかります。
- 長期的に安上がり:長い目で見るとレンタルよりも費用が少なくて済む場合があります。
- 選べる機種が多い:自分の好みに合った最新の機械を選ぶことが可能です。
- 自分でのメンテナンスが必要:機械の清掃やメンテナンスを自分で行う必要があります。
CPAPのレンタルと自費購入の比較
特徴 | レンタル | 自費購入 |
初期費用 | 低い(数千円~1万円/月) | 高い(10万円~20万円) |
メンテナンス | 業者が対応 | 自分で対応 |
利用期間 | 短期間向き | 長期間向き |
機械の選択肢 | 限られる | 多くの選択肢がある |
故障時の対応 | 迅速に交換 | 自分で対応 |
どちらが適しているかは、患者さんの治療期間や経済的な状況によります。あなた自身の状況に応じて、医師と相談しながら最適な方法を選んでくださいね。
CPAP(シーパップ)専用マスクの種類
CPAP(シーパップ)用のマスクには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
ネーザルタイプ
ネーザルタイプは、鼻だけを覆うマスクです。こちらは顔に大きな部分が触れないため、比較的軽くて装着しやすいです。このタイプは特に、鼻呼吸がしやすい人におすすめです。
ピロータイプ
ピロータイプは、鼻孔に直接挿入するタイプです。顔に触れる部分が少ないので、肌に跡が残りにくいのが特徴です。ただし、ネーザルタイプに比べて外れやすいことがあります。
フルフェイスタイプ
フルフェイスタイプは、鼻と口の両方を覆うマスクです。鼻詰まりや花粉症などで鼻呼吸が難しい人に向いています。また、寝ている間に口を開けてしまう人にも良い選択です。
CPAP専用マスクの比較
マスクタイプ | 特徴 | おすすめの人 |
ネーザルタイプ | 鼻だけを覆う、軽量 | 鼻呼吸ができる人 |
ピロータイプ | 鼻孔に直接装着、肌に跡が残りにくい | 肌を気にする人、軽い装着感を好む人 |
フルフェイスタイプ | 鼻と口を覆う、安定性が高い | 鼻呼吸が難しい、口を開けてしまう人 |
あなたに最適なマスクは?
たとえば、「寝ている間にいつも口を開けてしまう」という方にはフルフェイスタイプが適しています。一方、「肌がデリケートで、マスクの跡が気になる」という方にはピロータイプが良いでしょう。
最適なマスクを選ぶには、医師としっかり相談することが重要です。個々の睡眠時無呼吸症候群の状態や生活習慣に合わせて、適切なタイプを選んでください。
睡眠時無呼吸症候群のその他の治療方法
マウスピース療法
マウスピース療法は、寝ている間に口の中にはめ込む装置を使う方法です。この装置を装着すると、下あごを少し前に出すことで、気道が広がりやすくなります。これにより、寝ている間に息が止まるのを防ぎます。以下にその特徴を表でまとめます。
特徴 | 詳細 |
見た目 | 歯医者さんで作ってもらうマウスピースのようなもの |
利用できる場所 | 家で気軽に使えます |
効果 | 軽度から中度の睡眠時無呼吸症候群に効果がある |
メリット | 持ち運びが簡単で、使いやすい |
デメリット | 装着に違和感を覚えることがあるため、慣れるまで時間がかかる場合がある |
具体例として、マウスピースを装着していると、夜中に喉が閉まりにくくなるので、いびきが少なくなります。そして、次の日の朝、目覚めがさわやかになる人が多いです。
手術
手術は、さまざまな理由でCPAPやマウスピースが利用できない場合に考えられる治療方法です。手術によって、喉を広げたり、筋肉を強化したりすることが目的です。手術方法にはいくつかありますが、主なものをまとめます。
喉を広げる手術
- 手術名称: 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術
- 方法: 口の中の余分な組織を取り除く
- 特長: 軽度から中度の症状で有効
鼻の手術
- 手術名称: 鼻中隔矯正術
- 方法: 鼻の曲がった部分を直す
- 特長: 鼻呼吸の改善に役立つ
具体例として、手術を受けた患者さんは、数週間から数ヶ月で手術の効果が現れ、息がしやすくなることがあります。その結果、夜中に目を覚ます回数が減り、睡眠の質が向上します。
手術を選ぶ際は、担当の医師とよく相談して、利点とリスクを理解することが大切です。どの治療方法が自分に合っているかは、専門家に診てもらうのが一番です。
CPAP(シーパップ)治療を開始するには
- 診断:睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは医師に診てもらいましょう。自宅で使える簡易検査キットや、病院で行う詳細な睡眠検査があります。
- 処方:診断が確定したら、医師があなたに合ったCPAP機器を処方します。どのマスクが良いかは、医師と相談して決めます。
- 使い方:機器の使い方は専門スタッフが詳しく教えてくれます。初めての人でも安心です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療はまずオンライン診療へ
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれないけど、治療って大がかりなのかな…」「仕事が忙しくて、なかなか病院に行く時間がない…」 そんな風に感じていませんか?
実は、SASの治療は、まずオンライン診療からスタートすることも可能です。近年、スマートフォンやパソコンを使って自宅から気軽に医師に相談できるオンライン診療が普及しつつあります。
例えば、次のような患者さんにとって、オンライン診療は大きなメリットがあります。
- 会社員Aさんの場合: 忙しい毎日で、病院に行く時間がなかなか取れないAさん。オンライン診療であれば、通勤時間や休憩時間などを利用して、診察を受けることができます。
- 子育て中のBさんの場合: 幼いお子さんがいるBさんにとって、病院までの移動や待ち時間は大きな負担です。オンライン診療であれば、自宅で落ち着いて診察を受けることができます。
オンライン診療では、SASの症状や治療法についての説明はもちろん、検査の予約や治療開始後の経過観察、治療に関する疑問点の相談なども行えます。
もちろん、オンライン診療だけで全てが完結するわけではありません。症状によっては、対面での診察が必要になる場合もあります。
しかし、オンライン診療をうまく活用することで、時間や場所の制約を減らし、よりスムーズに治療を進めることが期待できます。まずは気軽にオンライン診療を利用して、SASの治療について相談してみましょう。
これは、あくまでも対面診療を補完するものであり、症状によっては対面での診察が必要になる場合があります。しかし、オンライン診療をうまく活用することで、時間や場所の制約を減らし、よりスムーズに治療を進めることができます。まずは、気軽にオンライン診療を利用して、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療について相談してみましょう。
LP:https://www.morishitaekimae.com/lp/
予約ページ(対面):https://medicalpass.jp/hospitals/morishita
保険証送付ページ:https://morishitaekimae.com/send/
参考文献
- Prechaporn W, Hantrakul P, Ngamjarus C, Sukeepaisarnjaroen W, Sawanyawisuth K and Khamsai S. Pooled prevalences of obstructive sleep apnea and heart failure: a systematic review and meta-analysis. Heart failure reviews, no. (2024): .