CPAPとBiPAPの違いとは?息苦しさで悩む方へ|専門医が使い分けを解説

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療を始めた患者様から「CPAP治療を受けているが息苦しい」「BiPAPという治療法があると聞いたが、違いは何か」といったご質問をいただくことがあります。

森下駅前クリニックでは、呼吸器内科専門医として多くの睡眠時無呼吸症候群患者様の治療を行っており、一人ひとりの症状や病態に最適な治療法をご提案しています。今回は、CPAPとBiPAPの違いについて、医学的根拠に基づいて詳しく解説いたします。

 

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結論:最大の違いは「息を吐くときの圧力」。CPAPは1段階、BiPAPは2段階

まず結論!一目でわかる比較表

項目 CPAP (持続陽圧呼吸療法) BiPAP (二相性陽圧呼吸療法)
圧力設定 1段階(吸う時も吐く時も一定) 2段階(吸う時と吐く時で圧を変更)
例え 常に一定の風が吹くトンネル 呼吸に合わせ追い風・向かい風を調整
息の吐きやすさ 圧に逆らって吐くため苦しいことがある 吐く時の圧を下げられるため楽に吐ける
主な役割 気道の閉塞を防ぐ 気道の閉塞を防ぐ+呼吸の補助

圧力のかかり方の違い

CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、英語で”Continuous Positive Airway Pressure”の略称で、その名の通り持続的に一定の陽圧を気道に供給する治療法です。設定圧力は通常4-20cmH2Oの範囲で、吸気時も呼気時も同じ圧力が維持されます。

一方、BiPAP(二相性陽圧呼吸療法)は”Bilevel Positive Airway Pressure”の略で、吸気時の圧力(IPAP)と呼気時の圧力(EPAP)の2つの圧力レベルを使い分けます。これにより、吸気時はより高い圧力で気道を開き、呼気時は低い圧力にして息を吐きやすくします。

なぜCPAPは息苦しい?BiPAPが適応となるのはどんな人?

CPAPで息苦しさを感じる理由

CPAP療法では呼気時にも一定の陽圧がかかり続けるため、患者は呼気時にこの圧力に逆らって息を吐く必要があります。この呼気抵抗が「息苦しさ」として感じられる主要な原因です。

特に高圧設定が必要な重症睡眠時無呼吸症候群の患者では、この呼気困難感が顕著に現れることが報告されています。

BiPAPへの変更を検討する具体的なケース

大規模データ解析研究により、以下のような場合にBiPAP療法への変更が検討されることが明らかになっています。

・CPAP不耐性(CPAP療法開始90日以内にアドヒアランス(治療継続率)の基準を満たせない患者において、BiPAPへの変更により多くの患者が治療継続基準を満たすことができたと報告されています。)

・中枢性睡眠時無呼吸症候群(中枢性睡眠時無呼吸に対しては、BiPAP-STモードが有効な治療選択肢となります。)

・合併症を有する睡眠時無呼吸症候群(肥満低換気症候群や慢性閉塞性肺疾患(COPD)を合併している患者では、BiPAP療法がより適している場合があります。)

・高い治療圧が必要な重症例(高圧CPAP設定時の呼気困難感により治療継続が困難な症例において、BiPAPの呼気圧軽減効果が有用とされています。)

CPAPとBiPAP、それぞれのメリット・デメリットと費用

メリット・デメリット比較

CPAP療法のメリット

・閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する第一選択治療として確立されている
・装置がシンプルで操作が容易
・携帯用モデルが豊富で旅行時も便利
・BiPAPと比較して費用が安価

CPAP療法のデメリット

・呼気時の圧力抵抗による不快感
・高圧設定時の忍容性の問題
・中枢性睡眠時無呼吸には効果が限定的

BiPAP療法のメリット

・呼気時圧力の軽減により呼吸が楽になる
・複雑な睡眠関連呼吸障害に対応可能
・バックアップレート機能で呼吸補助が可能
・CPAP不耐性患者への有効な代替治療

BiPAP療法のデメリット

・装置がより複雑で設定調整が必要
・CPAP比較で機器費用が高額
・携帯性に劣る場合が多い

費用はどれくらい変わる?

日本の健康保険制度では、睡眠時無呼吸症候群の治療は保険適用となります。CPAP療法では月額約4,000-5,000円の自己負担で治療を受けることができます。BiPAP療法も適応基準を満たした場合には同様に保険適用となります。

月々の維持費用として、マスクやフィルターなどの消耗品、定期的な医師による診察・評価、機器のメンテナンス費用がありますが、これらも保険診療の範囲内で対応可能です。

ただし、BiPAP療法については、CPAP療法で効果不十分または不耐性が認められる場合に限定されることが多く、医師による詳細な評価が必要となります。

CPAPの息苦しさを感じたら…オンライン診療で専門医にご相談を

CPAP治療中に息苦しさや不快感を感じている方は、決して一人で悩まず、まずは専門医にご相談ください。症状や病態に応じて、以下のような対策をご提案できます。

・圧力設定の最適化:現在の設定が適切かどうかの再評価
・マスクフィッティングの改善:エアリークの確認とマスク調整
・機器の変更検討:BiPAPへの変更の適応評価

森下駅前クリニックでは、オンライン診療も行っており、お忙しい方や通院が困難な方でも専門医による診察を受けていただけます。睡眠の質の改善は、生活の質の向上に直結する重要な治療です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

睡眠時無呼吸症候群は、放置すると心血管疾患、糖尿病、脳血管障害などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。適切な診断と治療により、これらのリスクを大幅に軽減することができます。

CPAPからBiPAPへの変更が必要かどうかは、詳細な症状の評価と睡眠検査結果の解析が必要です。森下駅前クリニックでは、呼吸器内科専門医として豊富な経験を持つ医師が、患者様一人ひとりの状態に最適な治療法をご提案いたします。

息苦しさや治療への不安を感じている方は、ぜひお気軽にオンライン診療をご利用ください。適切な治療により、質の高い睡眠と健康的な毎日を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

引用文献

NCBI Bookshelf. Continuous Positive Airway Pressure – StatPearls. National Center for Biotechnology Information, U.S. National Library of Medicine. PMID: NBK482178.
Pałasiewicz G, Sliwiński P, Hawrylkiewicz I, et al. Acute effects of CPAP and BiPAP breathing on pulmonary haemodynamics in patients with obstructive sleep apnoea. Eur Respir J. 1998;11(4):887-92. PMID: 9510662.
Comfort During Non-invasive Ventilation. Front Med (Lausanne). 2022;9:874122. PMID: 35402465.
Compliance after switching from CPAP to bilevel for patients with non-compliant OSA: big data analysis. BMJ Open Respir Res. 2019;6(1):e000380. PMC: PMC6530496.
CPAP and Bi-level PAP Therapy: New and Established Roles. Proc Am Thorac Soc. 2011;8(4):341-7. PMC: PMC3119924.
A randomised controlled trial of CPAP versus non-invasive ventilation for initial treatment of obesity hypoventilation syndrome. Thorax. 2017;72(5):437-444. PMID: 27852952.
A comparison of continuous and bi-level positive airway pressure non-invasive ventilation in patients with acute cardiogenic pulmonary oedema: a meta-analysis. Eur J Heart Fail. 2006;8(3):279-85. PMID: 16569254.
Interac Network. CPAP Treatment for Sleep Apnea in Japan: A Comprehensive Guide. 2024年3月22日.
Efficacy of continuous positive airway pressure (CPAP) in the prevention of cardiovascular events in patients with obstructive sleep apnea: Systematic review and meta-analysis. J Cardiovasc Med (Hagerstown). 2020;21(4):250-258. PMID: 32248026.

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CPAPとASVの違いとは?適応となる症状や使い分けを専門医が解説

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)の治療には、主に「CPAP(シーパップ)」と「ASV」という2種類の在宅治療機器が使われます。CPAPは持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure)の略称で、一般的に最も広く用いられる治療法です。一方、ASVは適応補助換気(Adaptive Servo-Ventilation)の略称で、より新しい高度な装置です。

それぞれ名前は聞いたことがあっても、「具体的に何が違うのか?」「自分にはどちらが適しているのか?」と疑問に思われる方も多いでしょう。本記事では、専門医がCPAPとASVの違いや適応疾患、治療の選択基準、さらには治療法の切り替えタイミングや注意点について、最新のエビデンスに基づき丁寧に解説します。

 

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【結論】CPAPとASVの最大の違いは「呼吸サポートの方法」

まず結論から申し上げます。CPAPとASVはいずれも睡眠中の呼吸を補助する装置ですが、最大の違いは「呼吸の支援方法」にあります。

CPAPが一定の空気圧を送り続けて気道の閉塞を防ぐシンプルなサポーターであるのに対し、ASVは呼吸の状態をリアルタイムで感知して圧力を調節し、必要に応じて呼吸そのものを助ける高機能なパートナーです。以下に比較表を示します。

まず結論!一目でわかる比較表

呼吸サポートの方式 CPAP(持続陽圧) ASV(適応補助換気)
送気の仕組み 常に一定の圧力で空気を送り続ける 呼吸ごとにセンサーが呼吸状態を監視し圧力を自動調整
主に防ぐ・補助すること 上気道の閉塞を防ぎ無呼吸を起こさせない 呼吸中枢の弱まりによる無呼吸や低呼吸を補う
主な適応疾患 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)など 中枢性睡眠時無呼吸(心不全のチェーンストークス呼吸等)、CPAPで改善しない複雑な無呼吸例
心不全への使用 心不全合併OSA/CSR患者にも使用可能(症状改善報告あり) 左心機能低下の心不全例(LVEF≦45%)には原則禁忌

CPAPは「気道を広げ続ける」シンプルなサポーター

CPAPは寝ている間に一定の空気圧をマスク経由で喉に送り込み、喉や気道が狭く潰れてしまうのを防ぐ装置です。
エアクッションで気道を“支え続ける”ようなイメージで、常に一定の圧力をかけ続けることで睡眠中の無呼吸発生を抑制します。

閉塞型(閉塞性)睡眠時無呼吸症候群(OSA)では眠っている間に喉の奥が物理的に塞がることが原因で呼吸停止が起こりますが、CPAPはこの上気道の閉塞という問題に対処するシンプルかつ強力な方法です。

OSAに対する第一選択の治療法はまさにCPAPであり、中等症以上のOSA患者さんには真っ先に検討・推奨される標準治療です。

CPAP療法によって無呼吸が改善すると、日中の眠気やいびきが軽減するだけでなく、心疾患や脳卒中などの深刻な合併症リスクも低減することが知られています。
実際、研究によりCPAP使用者は未治療の場合に比べて心臓病や脳卒中、糖尿病のリスクが低く抑えられることが確認されています。

このようにCPAPは「喉を広げ続けることで呼吸を確保する」シンプルなサポーターとして、OSA治療の要となっています。

ASVは「呼吸そのものを助ける」高機能なパートナー

ASVは一言でいうと「患者さんの呼吸に合わせて自動で補助してくれる人工呼吸器」です。

内蔵されたセンサーが一息ごとの呼吸パターンを継続的に監視し、呼吸が止まりそうなときや浅くなったときには自動で圧力サポートを強め、正常に呼吸しているときには圧力を下げるというように、秒単位で送気を調節します。

例えば睡眠中に呼吸の間隔が異常に長く開いたり、呼吸数が極端に減速した場合、ASVは即座に「今、息を送らなければ」と判断して必要な空気を送り込みます。
一方で呼吸が安定している間は送気を弱めたり一時停止するため、過度な換気にならないよう調整されています。

このようにASVは呼吸リズムの乱れ自体を検知して補正できるため、単に気道を広げるだけのCPAPとは異なり「呼吸そのものをバックアップするパートナー」と言えます。
特に、チェーンストークス呼吸(周期的な過呼吸と無呼吸の繰り返し)など中枢性無呼吸では、患者さん自身の呼吸ドライブ(脳からの呼吸指令)が弱くなっているため、ASVのような高度な補助が有効です。

ASVは本来、慢性心不全患者さんの在宅人工呼吸器として開発・利用されてきた経緯があり、その高機能性ゆえにCPAPでは対応しきれない複雑なケースで力を発揮します。
なお、ASVも基本的な装着方法はCPAPと同じくマスクをつけるだけで自動作動し、難しい操作は不要ですが、CPAPに比べ設定調整項目が多く専門的判断を要する機器でもあります。

どのような症状にどちらが使われる?適応疾患の違い

前述のとおり、CPAPとASVはサポートの仕組みが異なるため、それぞれ適応となる症状・疾患も異なります。
ここでは「どんな場合にどちらが使われるのか」を具体的に見てみましょう。

CPAPが第一選択となる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」

CPAPの主な適応は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)です。
OSAは睡眠中に喉や気道が物理的に閉塞してしまうことで呼吸停止(無呼吸)が繰り返される病態で、肥満や顎の構造などによって気道が狭くなりやすい人に起こります。
症状としてはいびき、日中の強い眠気、起床時の頭痛などが典型的です。

このOSAに対し、CPAP療法は世界的に確立された第一選択の治療法です。
中等度以上のOSA患者さんには原則としてCPAP導入が推奨されており、適切な圧力設定のもと毎晩継続使用すれば、多くの場合で睡眠中の無呼吸低呼吸指数(AHI)は正常化し、睡眠の質が改善します。

CPAPによって酸素低下や覚醒反応が減少すれば、前述のように日中の眠気や生活の質(QOL)の向上が期待できるだけでなく、高血圧・心疾患・脳卒中などOSAに伴う長期的な健康リスクの軽減も報告されています。

実際、CPAP治療によりOSA患者の心血管疾患リスクが有意に低下したとの研究結果もあり、睡眠時無呼吸を甘く見ずに適切に治療することが重要です。

ASVが必要となる複雑なケース

ASVは、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)やCPAPでは十分改善しない特殊なケースで検討される治療法です。

CSA(中枢性無呼吸)とは、睡眠中に脳の呼吸中枢からの指令が一時的に低下・消失してしまうことで起こる無呼吸状態を指します。
喉が詰まるOSAと違い、CSAでは気道自体は開通しているのに呼吸の努力(胸やお腹の動き)が止まってしまうのが特徴です。

典型的なCSAの原因としては、慢性心不全に伴うチェーンストークス呼吸(心不全で血中二酸化炭素の変動や循環遅延が起こり呼吸中枢が乱れる)、脳幹部の疾患や脳卒中、重度の腎不全、高地環境、あるいは麻薬性鎮痛薬の服用などが挙げられます。
このような中枢起因の無呼吸は、気道を広げるだけのCPAPでは根本的な解決が難しいため、ASVの出番となります。

ASVは上記のように呼吸そのものを補助できるため、例えば心不全に伴うCSA(チェーンストークス呼吸)をCPAPより効果的に改善できるとの報告があります。

際、心不全患者でOSAとCSAが混在するような場合にCPAPとASVの効果を比較した試験では、ASV使用群の方が治療アドヒアランス(継続使用率)が高く、数ヶ月のうちに心機能(LVEF)や血中BNP値の改善が見られたとの結果も報告されています。

さらに、OSAとCSAが両方存在する複雑な睡眠時無呼吸にもASVが検討されます。

例えばOSA患者さんの中には、CPAP適応後に新たに中枢性無呼吸が出現・残存してしまうケースがあり(複合型睡眠時無呼吸症候群と呼びます)、こうした「CPAPでは無呼吸が取り切れない」場合にASVへ切り替えることで無呼吸の抑制と呼吸パターンの安定化が図れることがあります。

このようにASVは、閉塞性無呼吸にはまずCPAP、それでも難しい場合に登場する治療と位置付けられます。
ただし次に述べるように、ASVを使用する際には満たすべき条件や注意点があります。

【最重要】ASV治療には専門医による慎重な判断が必要

ASVは非常に有用な治療法ですが、どんな患者さんにも安全に使えるわけではない点に注意が必要です。

特に心臓に負荷のかかる治療でもあるため、専門医の管理のもとで適応可否を慎重に判断することが大切です。

心機能が低下した心不全には原則禁忌

心不全で心臓のポンプ機能が低下している患者さん(特に左室駆出率LVEFが45%以下の重症例)には、ASVは原則として使用しません。
これは、大規模臨床試験の結果に基づく重要な安全上の指針です。

2015年に発表された約1300人の慢性心不全患者を対象とした研究(SERVE-HF試験)では、LVEF≤45%の心不全患者に対しASV療法を追加して経過を追いましたが、ASVを使用した群で使用しなかった群に比べて死亡率(特に心臓死)が有意に増加するという予期せぬ結果が示されました。

つまり、心不全が進行して心機能が落ちているような患者さんでは、ASV治療がかえって予後を悪化させる可能性があるのです。

これを受けて、欧州心臓病学会(ESC)や米国心臓病学会(ACC/AHA)など国際的なガイドラインでも
「LVEFが低下した心不全患者にASVは推奨されない(クラスIII:施行すべきでない)」と明記されました。

日本の循環器学会ガイドライン等においても同様で、現在ASVは「心不全患者のうち左心機能が保たれているケース」でないと基本的に適応できません。

以上より、心不全をお持ちで心機能が低い方に対してはASV治療は禁忌(原則禁止)と心得てください。

ASVは本来、心不全の呼吸障害の改善を期待されて普及しましたが、このエビデンスを踏まえ現在は慎重な扱いが求められています。

治療開始前には必ず心機能の評価を

上記の理由から、ASVを開始する際は事前に心臓の状態評価が不可欠です。
具体的には心エコー検査等で左室駆出率(LVEF)を測定し、重症心不全(LVEFが著しく低下した状態)がないことを確認する必要があります。

また既往歴として心筋梗塞や心不全の診断がある方は、ASVよりもまず心不全そのものの治療最適化が優先されます。

睡眠時無呼吸のタイプによっては、心不全治療を行う中で無呼吸が改善する場合もありますので、総合的な判断が重要です。

ASV療法を担当する医師は、患者さんの心機能や基礎疾患、無呼吸のタイプを総合的に勘案して適応を決定します。

不適切な患者さんにASVを使うことはかえって危険を伴いますので、ASV導入の際には必ず専門医の指導のもと進めるようにしましょう。

 

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CPAPからASVへの切り替えを検討するタイミングとは?

では、現在CPAP治療を行っている方が「ASVに変更した方が良いケース」とはどのような場合でしょうか。

一般に、CPAPを試しても無呼吸・低呼吸が十分に改善しない場合や、CPAP使用中に中枢性無呼吸が目立つような場合が該当します。
具体的には、CPAP導入後もAHI(無呼吸低呼吸指数)が一定値以下に下がらないケースです。

保険適用の基準でも「CPAP施行にもかかわらずAHIが15以下に改善しない場合にASV適応を検討する」とされており、一つの目安になります。

複合型睡眠時無呼吸(CPAP治療中に中枢無呼吸が残存・出現する状態)では、CPAPでは対処困難なためASV切り替えが検討されます。

例えばCPAPをしっかり装着しているのに依然として夜間の酸素低下や睡眠分断が続き、検査で中枢性無呼吸が多数観察されるような場合です。

このような場合、担当医がASVへの変更を提案することがあります。
ただし繰り返しになりますが、ASV適応には心機能のチェックなどクリアすべき条件があります

したがって自己判断で装置を変えることはできません。
CPAPの効果不十分や呼吸パターン異常が疑われる際は、必ず主治医に相談して適切なタイミングでの検討を行ってもらいましょう。

CPAPが合わないと感じたら…オンライン診療でご相談ください

「CPAPを使っているけれどどうも合わない」「しっかり治療しているはずなのに日中の眠気が取れない」など、お困りのことはありませんか。

CPAP治療は効果的とはいえ、毎晩マスクを装着する負担や機器の違和感などから継続が難しく感じる場合もあります。

また人によっては、CPAPで十分気道が開通しているにもかかわらず他の要因で眠気が残ってしまうケースや、副鼻腔炎・鼻づまり等の影響でマスク装着が辛いケースもあります。

治療効果が思わしくないときや機器への不満があるとき、決して「自分には無理だ」と自己判断で中止しないでください

例えばマスクのフィッティング調整や加湿器の使用で装着感が改善したり、設定圧の微調整で効果が向上する可能性があります。
それでも難しい場合には他の治療オプション(マウスピース療法や体位療法、ASV等)の検討余地もあります。

医師やスタッフと相談しながら工夫を重ねることで、解決できる問題は多いものです。
当院では対面診療はもちろん、遠方の方やお忙しい方にはオンライン診療も活用し、患者さんそれぞれに合った睡眠時無呼吸の管理をサポートしております。
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PAP治療に関するお悩みがある方は、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

「いびきがひどいと言われる」「日中に強い眠気があって集中できない」――これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的なサインです。

心当たりがある方やSASを指摘された方は、まず専門医による評価を受けることをおすすめします。

当院では睡眠時無呼吸症候群のオンライン診療(検査・診断・CPAP療法等)を実施しております。

遠隔からの相談・問診により必要な検査や治療方針を迅速にご提案可能です。
詳しくは当院ホームページをご覧いただき、ご都合の良いタイミングでご予約ください。
適切な治療によって、いびきや日中の眠気から解放され快適な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

お一人で悩まずに、まずはお気軽にオンライン診療をご活用ください。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

Sleep Foundation. “ASV Machines: What They Are and How They Work.”
Medscape. “Obstructive Sleep Apnea (OSA) Treatment & Management.”
Medscape. “Obstructive Sleep Apnea (OSA) Treatment & Management – Approach Considerations.”
Cleveland Clinic. “ASV Machine: What It Is, How It Works & Effectiveness.” (Health Library, Last reviewed Dec 25, 2023)
日本循環器学会ほか. 「循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン 2023年改訂版」
Cowie MR, Woehrle H, et al. “Adaptive Servo-Ventilation for Central Sleep Apnea in Systolic Heart Failure.” N Engl J Med. 2015; 373(12):1095-1105. (PMID: 26323938)

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CPAP治療の目標AHIは5未満?数値が下がらない原因と改善策を専門医が解説

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する代表的な治療であるCPAP療法では、「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という指標が治療効果を判断する上で重要です。

AHIとは一体何なのか、CPAP使用中はAHIをどの程度まで下げることが目標になるのか。

そして、CPAPをしっかり使っているのにAHIがなかなか下がらない場合に考えられる原因や具体的な改善策について、最新のエビデンスを踏まえて専門医がわかりやすく解説します。

 

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そもそもAHI(無呼吸低呼吸指数)とは?睡眠の質を示す重要な指標

AHI(Apnea Hypopnea Index)とは、睡眠1時間あたりに何回の無呼吸(10秒以上の呼吸停止)や低呼吸(低下した呼吸)が生じたかを表す指数です。

簡単に言えば、睡眠中の呼吸の乱れの頻度を示すもので、この数値が高いほど睡眠の質が損なわれている可能性があります。

AHIは一晩の睡眠ポリグラフ検査で測定され、AHI=(無呼吸+低呼吸の合計)÷睡眠時間(時間)という計算式で求められます。

AHIの値により、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度分類が行われます。
一般的にAHI 5未満が正常範囲(SASではない)とされ、5以上で睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

その上でAHIが5以上15未満なら「軽症」、15以上30未満が「中等症」、30以上は「重症」と定義されています。

例えばAHIが30を超える重症の方では、1時間に30回以上も呼吸が止まったり浅くなったりしていることになり、日中の強い眠気や血中酸素低下による様々な健康リスクが高まります。

なお、CPAP装置には使用中のAHIを記録・表示する機能が備わっており、CPAP療法中のAHIはその治療効果を測る一つのバロメーターになります。
CPAP適応前の検査でAHIが高かった方でも、CPAPを毎晩適切に使用することでこの数値が大幅に下がります。

AHIがしっかり低下していれば、「空気の圧力で気道が十分に開いて確保され、無呼吸や低呼吸がほとんど防げている」ことを意味します。

一方、CPAP使用時のAHIが高いままの場合は、治療が不十分な可能性があります。
正常成人のAHIは5未満ですので、CPAPによって少なくとも5未満の値に抑えられることが理想です。

CPAP治療におけるAHIの目標値は「5未満」が目安

CPAP治療中のAHI目標値は一般的に5未満が目安とされています。
AHI 5未満であれば正常範囲内であり、睡眠時無呼吸症候群としては十分にコントロールされた状態と判断できます。

実際、CPAP治療を受ける成人ではAHIを5未満に抑えることが一つのゴールになります。
AHIが5未満まで下がれば、多くの方で日中の眠気や倦怠感など症状の改善が期待できるほか、無呼吸による長期的な合併症リスクも軽減できると考えられます。

ただしAHIの目標値は一律ではなく、年齢や体調、もとの重症度によって若干異なる場合があります。

例えば重症OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)の患者さんでは、CPAP導入前はAHIが数十以上と極めて高値であることもあります。

そのような場合、CPAP治療によってAHIが劇的に低下しても、わずかに5を上回る程度の軽症レベルが残ることがあります。

このような患者さんでは症状が十分改善し日中にすっきり過ごせるのであれば、厳密にAHI<5に達していなくても容認されることがあります。

また高齢者や持病のある方では、副作用を避けるためCPAPの圧力設定に上限がある場合もあり、無理にAHIをゼロ近くまで下げることより患者さん個々にとってバランスの良い目標値を設定することが大切です。

いずれにせよ、最終的なAHI目標は担当医と相談の上で決めることになります。
多くの方は治療前より大幅にAHIが下がり、症状や健康状態が改善するレベルまで減少します。

要注意!CPAPを使ってもAHIが下がらない・高いままの主な原因7選

マスクからの空気漏れ(リーク)

CPAPマスクのフィットが悪かったり、古くなって劣化したマスクを使用していると、睡眠中にマスクと顔の隙間から空気が漏れることがあります。必要な空気圧が気道に十分届かないため、気道の開存性が保てず無呼吸・低呼吸が残存してしまい、AHIが高止まりする原因になります。

リークはCPAP治療のつまずきとして非常に一般的で、就寝中に自覚なく起こり得ます。
メーカーのデータによれば、マスク漏れの主な原因は「マスクのサイズ・装着の不適合」「汚れの付着」「口からの空気漏れ」の3つとされています。
まずはマスクを正しい位置に装着しストラップを調整することで、空気漏れが最小になるよう確認しましょう。

長期間使ったマスクはクッション部がへたって密閉性が落ちますので、定期的な交換も大切です。

また就寝中の体位変換でマスクがずれて漏れが生じることもあります。漏れが多い夜はCPAP装置のAHI計測も精度が落ちる可能性が指摘されています。
マスクからの空気漏れを防ぐことがAHI低下の第一歩です。

マスクの種類が合っていない

CPAPマスクには鼻だけを覆う「鼻マスク」や鼻孔に差し込む「ピローマスク」、口と鼻を両方覆う「フルフェイスマスク」などがあります。

患者さんの顔の形や呼吸の癖によって適したマスクは異なります。

自分に合わないタイプのマスクを使っていると、装着感の悪さから空気漏れが生じやすかったり、必要とする空気圧が高くなりがちです。

実際、フルフェイスマスクは鼻マスクに比べて治療効果がやや劣る可能性が指摘されています。

マスクの種類によって治療成績に差が出るため、現在のマスクが合わないと感じる場合は別タイプを試す価値があります。

口呼吸になっている(鼻マスク・ピローマスクの場合)

鼻のみを覆うタイプのマスク(鼻マスクやピローマスク)を使用中の方に多い原因です。
就寝中に口が開いて口呼吸になると、CPAPで送られた空気が口から漏れてしまい、気道内圧が保てなくなります。

その結果、無呼吸・低呼吸が十分防げずAHIが高めに残ってしまいます。
鼻マスク装着中に口呼吸になると、朝起きた時に口や喉が乾燥していることが多く、これが一つのサインです。

対策としては、あごベルトを使用して睡眠中に口が開かないよう軽く固定する方法があります。

また、口呼吸自体を防ぐ根本策として、日中から鼻呼吸を意識するトレーニングや、就寝前に鼻腔をスプレーや洗浄で清潔に保つことも有効です。

どうしても口呼吸が治らない場合は、フルフェイスマスクへの変更も検討しましょう(口と鼻の両方に空気が送られるため、口が開いても治療効果が落ちにくくなります)。

設定圧が不適切

CPAP装置の空気圧(陽圧)の設定が、その人にとって適切でない場合もAHIが下がらない原因になります。

圧力が低すぎれば気道を十分に開くことができず、一部の無呼吸や低呼吸が残存します。
特にCPAP導入後に体重増加や上気道の状態悪化があった場合、当初の圧力では足りなくなることがあります。

逆に圧力が高すぎる場合、必要以上の不快感を生じて睡眠を妨げたり、過換気による中枢性無呼吸を誘発してしまうことがあります。

機種によっては自動調節式(APAP)のCPAPもあり、必要圧が変動する方には有用ですが、それでも合わない場合は再度専門医に相談して設定圧の見直しが必要です。

体重の増加

体重増加(肥満の進行)は睡眠時無呼吸を悪化させる大きな要因です。
首周りや舌の脂肪沈着によって気道が狭くなり、無呼吸が起こりやすくなります。

CPAP治療中でも、体重が増えると以前より高い空気圧が必要になる場合があり、設定を変えていなければAHIが悪化することがあります。

10%の体重増加によりAHIが約32%も増加したとの研究報告があります。
逆に言えば、体重を減らすことでAHIを下げられる可能性があります。

CPAPを始めた後に体重が増えてしまったという方は、治療効果維持のためにも生活習慣を見直し、減量に取り組むことが重要です。

飲酒・喫煙・睡眠薬

アルコールの摂取や一部の薬剤(睡眠導入剤や麻酔薬)は筋肉を弛緩させ、睡眠中の気道をより塞ぎやすくします。

また脳の呼吸中枢も抑制されるため、無呼吸に対する体の覚醒反応が鈍くなり、呼吸停止が長引く傾向があります。

その結果、普段よりAHIが上昇してしまうことが知られています。

喫煙もまた、咽頭や鼻粘膜の炎症・腫脹を引き起こし気道抵抗を増やすため、無呼吸悪化の一因となります。

以上より、就寝前の飲酒や過度の喫煙、必要以上の睡眠薬使用は避けることが望ましく、CPAP治療中のAHIを下げるためには生活習慣の改善が重要です。

中枢性無呼吸(CSA)の出現

CPAP治療によって閉塞性の無呼吸は改善しても、代わりに中枢性無呼吸が生じてAHIが下がりきらないケースがあります。

これは「治療により気道は確保されたが、脳の呼吸中枢から呼吸の指令が一時的に止まってしまう」現象で、治療に誘発された中枢性無呼吸(Complex Sleep Apnea)とも呼ばれます。

CPAP開始直後の患者さんの2〜20%程度にこの中枢性無呼吸の出現が認められていますが、多くは数週間〜数ヶ月の経過で消失します。

一部の患者さんでは持続することがあります。

中枢性無呼吸はCPAPの空気圧設定が高すぎる場合や低すぎる場合にも誘発されやすいことが知られており、原因4で述べた圧設定不適と関連することもあります。
このような睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、通常のCPAPでは対処が難しいため専門的対応が必要です。
具体的には圧力設定の微調整や高度な自発呼吸同調技術を持つASV装置への変更などが検討されます。
中枢性無呼吸が原因の場合、ご自身で判断するのは難しいため、早めに主治医に相談しましょう。

以上、CPAP使用中にAHIが下がらない主な原因7つを挙げました。該当するものがあれば次章の対策を講じることで改善する可能性があります。

専門医が教えるAHIを改善するための具体的な対策

まずはセルフチェック!自分でできる改善策

AHIが思うように下がらない場合、まずはご自身で以下のポイントをセルフチェックしてみましょう。日々のCPAP療法の質を高めることで、AHI改善につながる可能性があります。

マスクのフィッティングを見直す

就寝前にマスクを正しく装着できているか確認しましょう。鏡を見ながら位置合わせし、ストラップの緩みや歪みがないよう調整します。
空気を出した状態で手を当て、漏れがないか確かめてみてください。
必要に応じてマスククッションの交換やストラップの劣化チェックも行います。
適切にフィットしたマスクは空気漏れを最小限にし、AHI低下に直結します。

ご自身に合ったマスクタイプを選ぶ

現在お使いのマスクがどうにも合わない場合、思い切って別のタイプのマスクを試すことも検討しましょう。

例えば鼻マスクでどうしても口呼吸になる方はフルフェイスマスクに変更する、逆にフルフェイスで漏れが多い方は鼻マスク+あごベルトに挑戦する、といった方法です。
一般に鼻マスクやピローマスクは装着感が軽くリークも少ない傾向があります。
可能であれば鼻呼吸のトレーニングをしつつ、軽量な鼻マスクで治療するのが望ましいでしょう。

反対に重度の鼻閉がある方は無理に鼻マスクに固執せず、口も使えるフルフェイス型で確実に気道を開通させるほうが効果的な場合もあります。
睡眠専門クリニックでは様々な種類のマスクを試着できるところもありますので、遠慮なく相談してください。

口呼吸への対策を講じる

鼻マスク使用中の方は口テープやあごベルトを活用してみましょう。
市販の口閉じテープや顎支持バンドを使うことで、睡眠中の不顕性の口開きをかなり防ぐことができます。

特に「朝喉がカラカラ」「CPAP中もいびきを指摘される」という方には有効です。
また就寝前の鼻ケアも重要です。鼻炎がある方は寝る前に点鼻薬で鼻腔を開通させ、湿度設定付きCPAPなら適切な湿度を保つことで鼻づまりを減らせます。
鼻がしっかり通れば口呼吸も起こりにくくなり、一晩中CPAPの効果が発揮されやすくなります。

生活習慣を見直す

AHI改善のためには生活習慣の是正も欠かせません。
特に寝酒(就寝前の飲酒)は睡眠の質を下げ無呼吸を悪化させますし、喫煙習慣も長期的に見てSASのリスク要因です。
睡眠薬も必要最低限の量にとどめ、可能であれば主治医と相談の上減薬を検討してください。
夜間のカフェイン摂取も避け、規則正しい睡眠習慣を心がけることがCPAP治療効果を高めます。
これらの取り組みは地味に思えますが、継続すればAHIや日中症状の改善につながる可能性があります。

体重管理(減量)に努める

前述のように肥満と無呼吸の程度は密接に関連しています。
CPAP治療中であっても、体重が減ればAHIがさらに下がり、逆に増えればAHIが悪化する傾向があります。
ぜひ食事療法や適度な運動によって体重管理を行いましょう。
10%の減量でもAHIが約26%改善するとの研究結果があります。
CPAPは根本治療ではなく対症療法ですので、肥満が原因の場合は減量こそが根治への近道です。
主治医や栄養士のサポートを受けながら無理なく減量計画を立てましょう。

CPAPの使用状況を再確認する

基本的なことですが、CPAPを毎晩できるだけ長時間使用することも大切です。
1晩あたり4時間以上、可能なら就寝から起床まで装着し続けることで最大の効果が得られます。
装着を怠った時間帯には無呼吸が再発してしまうため、たとえ昼寝でもCPAPを使うことが推奨されます。
CPAPの装着感がどうしても辛い場合は無理せず専門医に相談し、機種の変更や加湿器の導入など快適性向上の工夫をしてもらいましょう。

以上のセルフチェック・対策を実践することで、多くの方はAHIの改善が期待できます。
特にマスク装着の工夫と生活習慣の改善は効果が大きいので、できる範囲から取り組んでみてください。

セルフチェックで改善しない場合は、すぐに専門医へ相談を

上記の対策を講じてもなおAHIが高値で推移する場合や、自分では原因が特定できない場合は、できるだけ早めに主治医(睡眠専門医)へ相談しましょう。

医師はCPAP装置に記録された詳細データ(AHIの内訳、漏れ量、いびき指数、脈拍や呼吸パターンなど)を解析し、問題点に応じた適切な処置を行います。

例えば残存する無呼吸が閉塞性であれば圧力設定の増加やマスク再調整を検討しますし、中枢性イベントが多ければ圧力の再調節や高度なPAP装置(BiPAPやASV)の適応を判断します。

機器の不具合が疑われる場合はメーカーと連携し、装置交換や設定変更を行うこともあります。

また患者さん自身が気付かないCPAP使用上の問題(例えば無意識に夜間マスクを外してしまっている、など)が潜んでいないか問診で確認し、必要に応じて対策を助言します。

特にAHIが10以上といった中等度以上の残存無呼吸が続く場合や、AHIは低いのに症状が改善しない場合は注意が必要です。

何らかの見落としや別の睡眠障害(例:周期性四肢運動、睡眠不足症候群など)が併存している可能性もあります。

自己判断せず、専門医の評価を仰ぐことで、安全かつ効果的な治療へ軌道修正できます。
CPAP療法は機械相手の治療ですが、医師との二人三脚で調整を重ねていくことが成功の鍵です。

不安な点があれば些細なことでも遠慮なく医師に相談してください。

AHIの改善にはオンライン診療が効果的

AHIを適切に改善していくためには、定期的なフォローアップと迅速な対応が重要です。
そこで活用したいのがオンライン診療(遠隔医療)です。

オンライン診療を利用すれば、自宅にいながら専門医の診察やアドバイスを受けることができ、CPAP治療の質を維持・向上させるのに役立ちます。

特に最近のCPAP装置は通信機能やクラウド記録を備えているものも多く、医師が遠隔で患者さんのAHIや装着時間、リーク量などのデータを把握できます。

これにより、異常の早期発見と迅速な対策が可能です。
例えば「ここ数日AHIが上がっている」「リークが増えている」といった変化にも気付けます。

実際、オンラインによるCPAP患者支援の有効性は研究でも示されています。
複数のランダム化比較試験をまとめたメタ分析では、遠隔モニタリングやオンライン指導を行ったグループでは従来型フォローに比べてCPAPの平均使用時間が1日あたり約30分延長し、4時間以上の使用継続率も有意に向上しました。
わずかな差に思えますが、長期的には睡眠の質や合併症リスクに影響し得る貴重な延長です。
CPAP療法は「どれだけ毎晩使えるか」が成果に直結しますので、オンライン診療によって患者さんのモチベーション維持や不安解消を図り、結果的にAHIのさらなる低減につなげることが期待できます。

さらにオンライン診療であれば通院の手間が省け、悪天候や体調不良の日でも自宅から安全に受診できます。
対面診察では伝えにくい些細な悩みも、ビデオ通話越しならリラックスして相談できるという声もあります。
こうした利便性の高さも継続治療には大切な要素です。
CPAP治療は長期戦ですから、「困った時にすぐ相談できる」環境があること自体が患者さんの安心感につながり、治療継続率アップ→AHI改善につながるのです。

このようにオンライン診療はAHIの改善・管理にとって有力な手段です。
特にお忙しい方や通院が難しい方でも、オンラインなら隙間時間に専門医のフォローを受けられます。
遠隔でも医師と二人三脚のサポート体制を築き、CPAP療法を最大限に活用していきましょう。

 

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「もしかして自分は睡眠時無呼吸症候群では?」と感じている方や、いびき・無呼吸を指摘されて心配な方は、まずは専門医に相談することが肝心です。

最近はオンライン診療で気軽に専門相談を受けることも可能です。

当院でも睡眠時無呼吸症候群(SAS)のオンライン診療を積極的に行っています。

遠方の方や多忙な方でもご自宅から専門医の診察を受けられ、必要に応じて簡易検査の手配やCPAP導入までスムーズにサポートいたします。

少しでもSASの疑いがある方は、ぜひ一度オンライン診療をご利用ください。
放置された無呼吸は体に大きな負担をかけます。

早期発見・早期治療で、いびきのない快適な睡眠と健康な日中生活を取り戻しましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献:

Cleveland Clinic: “Apnea-Hypopnea Index (AHI): What It Is & Ranges.” Cleveland Clinic Health Library.
ResMed公式ブログ: “Why does my apnea–hypopnea index (AHI) change?” (19 Nov 2024).
Gonçalves MAほか. “Comparing CPAP masks during initial titration for OSA: one-year experience.” Braz J Otorhinolaryngol. 2022;88(S5):suppl5: (doi: 10.1016/j.bjorl.2021.10.007)
Peppard PE et al. “Longitudinal study of moderate weight change and sleep-disordered breathing.” JAMA. 2000;284(23):3015-21.
Kolla BP et al. “The Impact of Alcohol on Breathing Parameters during Sleep: A Systematic Review and Meta-analysis.” Sleep Med Rev. 2018 Dec;42:59-67.
Javaheri S, Smith J, Chung E. “The prevalence and natural history of complex sleep apnea.” J Clin Sleep Med. 2009;5(3):205-211.
Labarca G et al. “Telemedicine interventions for CPAP adherence in obstructive sleep apnea patients: Systematic review and meta-analysis.” Sleep Med Rev. 2021;60:101543.

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の機器(CPAP)はレンタルできる?費用やレンタル方法を解説します

  睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。

放置すると、日中の強い眠気や集中力低下、さらには高血圧や心臓病などのリスクを高める可能性も。

睡眠時無呼吸症候群の治療には、CPAPという機器を用いた療法が有効ですが、高額なため購入をためらう方も多いのではないでしょうか?

この記事では、CPAPのレンタル方法や費用、そして購入についても詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方や、CPAP療法に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療するための機器はどうやってレンタルできる?

  睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に用いるCPAPという機器は、レンタルすることができます。

CPAPは、鼻に装着したマスクを通して空気を送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防ぐ医療機器です。

「いびきがひどい」「日中、強い眠気がある」など、ご自身が睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、まずは医療機関を受診し、検査を受けて診断を受ける必要があります。

検査には、簡易検査と精密検査の二つがあります。簡易検査は、自宅でできる検査キットを使用し、睡眠中の呼吸状態を測定します。

精密検査は、脳波や呼吸状態などを一晩かけてモニタリングする検査です。   医師の診察の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP療法が適切と判断されれば、レンタルの手続きについて説明を受けることができます。

CPAPのレンタルは、医療機関と提携している医療機器業者を通じて行われます。医師の指示に従って、必要な手続きを行いましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の機器(CPAP)のレンタル費用

  睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、CPAP療法が適していると判断された場合、CPAP機器をレンタルできます。

レンタル費用は、健康保険の適用状況やレンタル期間、機種によって異なり、自己負担額も変わってきます。

例えば、私の患者さんでは、会社員としてバリバリ働いている40代の男性で、日中の強い眠気を訴えて来院された方がいました。精密検査の結果、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP療法を開始することになりました。この方の場合は、健康保険が適用され、月々5,000円程度の自己負担で済みました。

一方、AHIが20以下と比較的軽度で、健康保険が適用されない場合は、自己負担額が大きくなります。例えば、デスクワーク中心で普段運動不足を感じている30代の女性の場合、軽度の睡眠時無呼吸症候群と診断されCPAP療法を希望されても、保険適用外となり、月々約15,000円の自己負担が発生するケースもあります。

このように、睡眠時無呼吸症候群の重症度や健康保険の適用状況によって、CPAPレンタル費用は大きく変わる可能性があります。

費用の詳細については、医師や医療機器業者に確認することをおすすめします。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の機器(CPAP)は購入もできる?

  CPAPはレンタルだけでなく、購入することも可能です。ただし、CPAPを購入する場合、原則として全額自己負担となります。

「購入」と聞いて、私の患者さんでも「え?買えるんですか?」と驚かれる方が少なくありません。

CPAPの購入費用は、機種や機能によって異なりますが、一般的には10万円~20万円程度が相場です。   例えば、精密検査の結果、AHIが50という重度の睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP療法を開始した50代の男性の患者さんを例に考えてみましょう。

この方は、毎晩CPAPを使用することが必須な状態でした。レンタルの場合、月々5,000円の自己負担だとしても、年間6万円、10年では60万円もの費用がかかります。   もちろん、ご自身の症状に合わせて、医師と相談の上で治療方針を決めることが大切です。

しかしながら、長期的にCPAP療法を続ける必要があると予想される場合は、購入を検討するのも一つの方法と言えるでしょう。

CPAPを購入するメリットは、自由度の高さです。自分の好きなタイミングで機種を買い替えたり、不要になれば処分したりといった自由が効きます。

一方、CPAPを購入するデメリットは、初期費用が高額になることです。また、CPAPは精密機器なので、定期的なメンテナンスが必要となる場合があります。メンテナンス費用も自己負担となるため、ランニングコストも考慮する必要があります。

また、医師の診察が必ずしも必要ではなくなるため、自身の状態が改善しているか不明確になる点も大きいデメリットとなるでしょう。

CPAPの購入を検討する際は、メリットとデメリットをよく比較し、医師や医療機器業者に相談しながら、ご自身の状況に合わせて慎重に判断しましょう。

 

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CPAP治療とは?

「CPAP治療」と聞いても、初めて耳にする方は「何のことやら…」と思われるかもしれません。

CPAP治療とは、簡単に言えば「睡眠中に装着する呼吸サポート装置」を使った治療法のことです。

具体的には、鼻に装着した専用のマスクを通して、機器から空気を送り込み、気道を広げて呼吸を楽にすることで、睡眠中の無呼吸を防ぐ効果があります。

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断された方が、このCPAP治療の対象となります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、放っておくと、日中の強い眠気や集中力低下、高血圧や心臓病などのリスクを高める可能性も示唆されています。

CPAP治療は、この睡眠時無呼吸症候群の症状を改善し、ぐっすり眠れるようにするための有効な治療法の一つです。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

「もしかして、自分って睡眠時無呼吸症候群(SAS)かも…?」

そう思った時、皆さんはまずどうしますか?

 

多くの方が、インターネットで情報を探したり、周りの人に相談したりするのではないでしょうか。 もちろん、それらも大切なことですが、最も確実で安心できる方法は、専門の医療機関を受診することです。

「でも、仕事が忙しくて、なかなか病院に行く時間がない…」 そんな悩みをお持ちの方も多いでしょう。   そこで、近年注目されているのが「オンライン診療」です。

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使って、自宅や職場など、場所を選ばずに医師の診察を受けられる便利なサービスです。   予約から診察、会計まで、すべてオンラインで完結するため、忙しい方でも、時間を有効活用しながら、気軽に受診することができます。

「最近、どうも睡眠の質が悪い…」 「もしかしたら、睡眠時無呼吸症候群かもしれない…」

そう感じたら、一人で悩まず、まずはオンライン診療などを利用して、専門の医療機関に相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群のCPAP(シーパップ)治療とは?

ここでは、睡眠時無呼吸症候群の治療で広く使用されるCPAP治療について解説いたします。

睡眠時無呼吸症候群の症状があったり、治療方法が気になる方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

 

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CPAP治療とは?

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、シーパップ)治療は、主に睡眠時無呼吸症候群という病気の治療に使われる方法です。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まる病気で、この治療では寝るときに専用のマスクを顔に装着し、機械を使って気道に持続的に空気の圧力をかけます。

このことで気道が閉じるのを防いで、スムーズな呼吸を助けます。

 

CPAP治療には次のような特徴があります。

  • 効果的: 気道を支えることで、呼吸が止まるのを防ぎ、質の高い睡眠を得やすくなります。
  • 使いやすい: 自宅で毎晩使用できるため、病院に通う頻度が少なくなります。
  • 種類が豊富: マスクにはいくつかの種類があります。鼻だけを覆うネーザルタイプ、鼻孔に直接装着するピロータイプ、鼻と口の両方を覆うフルフェイスタイプなどがあります。

 

CPAPで睡眠時無呼吸症候群は治る?効果とは

CPAPを使うと、いびきが減り日中の眠気が改善される効果があります。

また、長期的には血圧の安定心臓への負担軽減にも役立ちます。CPAPは即効性があり、初日から効果を感じる人もいます。

 

CPAPの費用|レンタルか?自費購入か?

CPAP(シーパップ)は睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる機械です。

患者さんがCPAPを使うか検討する時、レンタルと自費購入のどちらが良いか気になることが多いです。

ここでは、それぞれの選択肢について詳しく説明します。

レンタルの場合

  • 初期費用が少ない:月に数千円から1万円程度で借りられます。
  • メンテナンスが簡単:機械の故障やメンテナンスはレンタル業者が対応してくれます。
  • 短期間の利用向き:使う期間が短い場合や、CPAP治療が自分に合っているか試したい時に便利です。
  • 交換しやすい:もし機械が壊れた場合、迅速に交換してもらえることが多いです。

 

自費購入の場合

  • 初期費用が高い:購入には10万円から20万円程度かかります。
  • 長期的に安上がり:長い目で見るとレンタルよりも費用が少なくて済む場合があります。
  • 選べる機種が多い:自分の好みに合った最新の機械を選ぶことが可能です。
  • 自分でのメンテナンスが必要:機械の清掃やメンテナンスを自分で行う必要があります。

 

CPAPのレンタルと自費購入の比較

特徴 レンタル 自費購入
初期費用 低い(数千円~1万円/月) 高い(10万円~20万円)
メンテナンス 業者が対応 自分で対応
利用期間 短期間向き 長期間向き
機械の選択肢 限られる 多くの選択肢がある
故障時の対応 迅速に交換 自分で対応

どちらが適しているかは、患者さんの治療期間や経済的な状況によります。あなた自身の状況に応じて、医師と相談しながら最適な方法を選んでくださいね。

 

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CPAP(シーパップ)専用マスクの種類

CPAP(シーパップ)用のマスクには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

ネーザルタイプ

ネーザルタイプは、鼻だけを覆うマスクです。こちらは顔に大きな部分が触れないため、比較的軽くて装着しやすいです。このタイプは特に、鼻呼吸がしやすい人におすすめです。

ピロータイプ

ピロータイプは、鼻孔に直接挿入するタイプです。顔に触れる部分が少ないので、肌に跡が残りにくいのが特徴です。ただし、ネーザルタイプに比べて外れやすいことがあります。

フルフェイスタイプ

フルフェイスタイプは、鼻と口の両方を覆うマスクです。鼻詰まりや花粉症などで鼻呼吸が難しい人に向いています。また、寝ている間に口を開けてしまう人にも良い選択です。

CPAP専用マスクの比較

マスクタイプ 特徴 おすすめの人
ネーザルタイプ 鼻だけを覆う、軽量 鼻呼吸ができる人
ピロータイプ 鼻孔に直接装着、肌に跡が残りにくい 肌を気にする人、軽い装着感を好む人
フルフェイスタイプ 鼻と口を覆う、安定性が高い 鼻呼吸が難しい、口を開けてしまう人

 

あなたに最適なマスクは?

たとえば、「寝ている間にいつも口を開けてしまう」という方にはフルフェイスタイプが適しています。

一方、「肌がデリケートで、マスクの跡が気になる」という方にはピロータイプが良いでしょう。

最適なマスクを選ぶには、医師としっかり相談することが重要です。個々の睡眠時無呼吸症候群の状態や生活習慣に合わせて、適切なタイプを選んでください。

 

睡眠時無呼吸症候群のその他の治療方法

マウスピース療法

マウスピース療法は、寝ている間に口の中にはめ込む装置を使う方法です。

この装置を装着すると、下あごを少し前に出すことで、気道が広がりやすくなります。これにより、寝ている間に息が止まるのを防ぎます。以下にその特徴を表でまとめます。

 

特徴 詳細
見た目 歯医者さんで作ってもらうマウスピースのようなもの
利用できる場所 家で気軽に使えます
効果 軽度から中度の睡眠時無呼吸症候群に効果がある
メリット 持ち運びが簡単で、使いやすい
デメリット 装着に違和感を覚えることがあるため、慣れるまで時間がかかる場合がある

具体例として、マウスピースを装着していると、夜中に喉が閉まりにくくなるので、いびきが少なくなります。そして、次の日の朝、目覚めがさわやかになる人が多いです。

手術

手術は、さまざまな理由でCPAPやマウスピースが利用できない場合に考えられる治療方法です。手術によって、喉を広げたり、筋肉を強化したりすることが目的です。手術方法にはいくつかありますが、主なものをまとめます。

喉を広げる手術

  • 手術名称: 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術
  • 方法: 口の中の余分な組織を取り除く
  • 特長: 軽度から中度の症状で有効

鼻の手術

  • 手術名称: 鼻中隔矯正術
  • 方法: 鼻の曲がった部分を直す
  • 特長: 鼻呼吸の改善に役立つ

具体例として、手術を受けた患者さんは、数週間から数ヶ月で手術の効果が現れ、息がしやすくなることがあります。その結果、夜中に目を覚ます回数が減り、睡眠の質が向上します。 手術を選ぶ際は、担当の医師とよく相談して、利点とリスクを理解することが大切です。どの治療方法が自分に合っているかは、専門家に診てもらうのが一番です。

 

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CPAP(シーパップ)治療を開始するには

  1. 診断:睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは医師に診てもらいましょう。自宅で使える簡易検査キットや、病院で行う詳細な睡眠検査があります。
  2. 処方:診断が確定したら、医師があなたに合ったCPAP機器を処方します。どのマスクが良いかは、医師と相談して決めます。
  3. 使い方:機器の使い方は専門スタッフが詳しく教えてくれます。初めての人でも安心です。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療はまずオンライン診療へ

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれないけど、治療って大がかりなのかな…」

「仕事が忙しくて、なかなか病院に行く時間がない…」

そんな風に感じていませんか?

 

実は、SASの治療は、まずオンライン診療からスタートすることも可能です。

近年、スマートフォンやパソコンを使って自宅から気軽に医師に相談できるオンライン診療が普及しつつあります。

 

例えば、次のような患者さんにとって、オンライン診療は大きなメリットがあります。

  • 会社員Aさんの場合: 忙しい毎日で、病院に行く時間がなかなか取れないAさん。オンライン診療であれば、通勤時間や休憩時間などを利用して、診察を受けることができます。
  • 子育て中のBさんの場合: 幼いお子さんがいるBさんにとって、病院までの移動や待ち時間は大きな負担です。オンライン診療であれば、自宅で落ち着いて診察を受けることができます。

 

オンライン診療では、SASの症状や治療法についての説明はもちろん、検査の予約や治療開始後の経過観察、治療に関する疑問点の相談なども行えます。

もちろん、オンライン診療だけで全てが完結するわけではありません。症状によっては、対面での診察が必要になる場合もあります。 しかし、オンライン診療をうまく活用することで、時間や場所の制約を減らし、よりスムーズに治療を進めることが期待できます。

まずは気軽にオンライン診療を利用して、SASの治療について相談してみましょう。 これは、あくまでも対面診療を補完するものであり、症状によっては対面での診察が必要になる場合があります。

しかし、オンライン診療をうまく活用することで、時間や場所の制約を減らし、よりスムーズに治療を進めることができます。

まずは、気軽にオンライン診療を利用して、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療について相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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