睡眠中に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、放置すると高血圧や心臓病などの深刻な病気を引き起こす可能性がある怖い病気です。

 

しかし、多くの人は睡眠時無呼吸症候群の症状に気づかず、放置しているケースも少なくありません。

 

近年では、睡眠時無呼吸症候群は決して珍しい病気ではなく、国民の約5人に1人が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるとされています。

 

あなたは大丈夫でしょうか?

 

この記事では、睡眠時無呼吸症候群の原因や対策について詳しく解説していきます。自分の症状と照らし合わせて、ぜひチェックしてみてください。

 

睡眠時に呼吸が止まる2つの要因とそれぞれの原因

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まる病気ですが、その原因は大きく分けて2つのタイプに分けられます。

 

眠っている間に呼吸が止まるなんて、なんだか怖い病気ですよね。ですが、原因とメカニズムを知ることで、適切な対策をとることができます。

 

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、最も一般的なタイプの睡眠時無呼吸症候群です。簡単に言うと、OSAは、睡眠中にのどが塞がってしまうことで呼吸が止まってしまう病気です。

 

なぜのどが塞がってしまうの?

寝ている間は、体の筋肉がリラックスしてゆるみますよね。このとき、のどの周りの筋肉もゆるんでしまい、気道が狭くなってしまうのです。特に、肥満の人はのど周りの脂肪が多いため、気道が狭くなりやすく、OSAになりやすいと言われています。

 

想像してみてください。空気の通り道である気道が、まるで寝ている間に誰かに襟元を締め付けられるように、狭くなってしまうのです。太いホースよりも細いホースの方が水が流れにくいように、空気の通り道が狭くなってしまうと、スムーズに呼吸ができなくなってしまうのです。

 

OSAになりやすい人の特徴

  • 肥満気味の方
  • あごが小さい、または後退している方
  • のどちんこの大きい方
  • 鼻の病気(アレルギー性鼻炎など)を持っている方
  • 扁桃腺が大きい方

 

OSAは、高齢者や男性に多い病気ですが、近年では若い世代や女性にも増加傾向にあります。

 

さらに、パーキンソン病の患者さんにおいてもOSAが多く見られるという研究結果が出ています。パーキンソン病は、体の動きが鈍くなったり、震えが出たりする病気ですが、高齢の患者さんや、運動障害が重い患者さんに特に多い傾向があります。

 

パーキンソン病の患者さんでは、体の動きだけでなく、呼吸に関わる筋肉の動きも弱くなってしまうため、OSAのリスクが高まると考えられています。

 

中枢性無呼吸症候群(CSA)

中枢性無呼吸症候群(CSA)は、OSAに比べて頻度は少ないですが、脳の呼吸中枢がうまく働かなくなることで起こる病気です。

 

脳からの指令がうまく伝わらない?

私たちの呼吸は、脳からの指令によってコントロールされています。CSAは、この指令がうまく伝わらなくなることで、呼吸が止まってしまうのです。例えるなら、脳からの呼吸の指令が、まるで電波が悪くてテレビが映らなくなるように、うまく伝わらない状態です。

 

CSAの原因となる病気

  • 脳梗塞
  • 脳腫瘍
  • 心不全
  • 薬剤の影響(睡眠薬など)

 

CSAは、OSAに比べて原因が特定しにくいため、より詳しい検査が必要となる場合もあります。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)はストレスが原因でなることもある?

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とストレスの関係は、まるで静かな水面に波紋が広がるように複雑です。ストレスそのものが直接睡眠時無呼吸症候群を引き起こすわけではありません。しかし、ストレスが引き金となって、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める可能性があります。

 

例えば、日々の仕事のプレッシャーや人間関係に悩んでいると、ストレスから逃れるために、ついつい甘いものや脂っこいものを食べ過ぎてしまうことはありませんか?また、ストレスを解消しようと、寝る前に晩酌をする習慣が身についてしまっている方もいるかもしれません。

 

このような食生活の乱れや過度な飲酒は、肥満の一因となり、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めることにつながります。肥満体系の方は、気道周囲にも脂肪がつきやすく、睡眠時に気道が狭窄しやすくなってしまうのです。これは、まるで太いホースよりも細いホースの方が水が流れにくいように、空気の通り道が狭くなってしまうイメージです。

 

また、ストレスによって、タバコの本数が増える人もいるかもしれません。タバコは、気道の炎症を引き起こし、睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させる可能性があります。タバコの煙に含まれる有害物質は、気道を刺激し、炎症を起こしやすくします。すると、気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるのです。

 

さらに、ストレスは睡眠の質にも悪影響を及ぼします。心配事があると、布団に入ってもなかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりすることがありますよね。睡眠不足の状態が続くと、体は疲労困憊し、自律神経のバランスが乱れてしまいます。その結果、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高めてしまうことがあります。

 

ストレスを感じやすい人は、ご自身の生活習慣を見直し、ストレスをため込まないように工夫することが大切です。例えば、適度な運動を習慣化したり、趣味に没頭する時間を作ったりするのも良いでしょう。また、バランスの取れた食事を心がけ、睡眠時間をしっかりと確保することも重要です。

 

もし、睡眠時に呼吸が止まっている、息苦しさを感じて目が覚める、日中の眠気が強いなどの症状がある場合は、医療機関を受診して相談してみましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の対策

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の対策

OSAの対策は、その重症度や原因、患者さんの状態に合わせて多岐に渡ります。

 

1.生活習慣の改善

生活習慣の改善は、OSAの予防や症状改善の第一歩と言えるでしょう。

  • 体重管理: 肥満はOSAの最も大きなリスク要因の一つです。体重が増加すると、気道周囲にも脂肪がつきやすく、睡眠時に気道が狭窄しやすくなってしまいます。
    例えば、甘いジュースを水やお茶に変えたり、エレベーターではなく階段を使う、休日は家族で 公園へ出かけるなど、小さなことから始めてみましょう。
  • 飲酒・喫煙の制限: アルコールやタバコは、気道の筋肉を緩ませたり、炎症を起こしたりするため、OSAの症状を悪化させる可能性があります。
    特に、寝る前の飲酒は避け、禁煙を心がけましょう。
  • 睡眠時の姿勢: 仰向けで寝ると、舌の根元が気道を塞ぎやすくなるため、横向きで寝るようにすると良いでしょう。
    横向き用の枕や抱き枕を使う、パジャマの背中にタオルを入れるなど、仰向けで寝にくいように工夫してみましょう。

 

2.医療機器の使用

  • CPAP療法: 鼻/口に装着したマスクから空気を送り込み、気道を広げておく治療法です。
    最も効果的な治療法の一つとされており、多くの人に症状の改善が見られます。

 

3.その他の治療法

  • マウスピース: 睡眠時に装着することで、下顎を前に出して気道を広げる効果があります。OSAの軽症者やCPAP療法が合わない人に適しています。
  • 手術: 扁桃腺やアデノイドなど、気道を狭窄している部分を切除する手術や、顎の位置を矯正する手術などがあります。
    • 手術は、他の治療法で効果が得られない場合に検討されます。

 

中枢性無呼吸症候群(CSA)の対策

CSAは、OSAに比べて頻度は少ないですが、脳の呼吸中枢がうまく働かなくなることで起こる病気です。そのため、治療はOSAとは異なり、原因となっている病気の治療が中心となります。

 

1.基礎疾患の治療

CSAは、脳卒中や心不全、脳腫瘍などの基礎疾患が原因で起こることが多いため、まずはその基礎疾患の治療が最優先となります。

 

2.その他の治療法

OSAと同様に、CPAP療法が有効な場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を行うことで、症状の改善や合併症の予防が期待できます。少しでも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、検査や治療について相談することをおすすめします。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

 

「もしかして、睡眠時無呼吸症候群かも…?」

そう思った時、皆さんはまずどうされますか?

 

多くの方が、病院に行くべきか、様子を見るべきか、悩まれるのではないでしょうか。

「仕事が忙しいし、なかなか病院に行く時間がない…」

「どんな検査をされるのか不安だな…」

「病院に行くほどでもないかもしれないし…」

 

こんな風に考えてしまって、なかなか行動に移せない方もいるかもしれません。

そんな時に役立つのが、オンライン診療です。

 

パソコンやスマートフォンさえあれば、わざわざ病院まで足を運ぶ必要はありません。

睡眠時無呼吸症候群は、放置すると、高血圧や心臓病、脳卒中など、様々な病気のリスクを高める可能性があります。

 

「ちょっと気になるな…」と思ったら、まずはオンライン診療で相談してみませんか?

 

 

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参考文献

  1. Maggi G, Giacobbe C, Iannotta F, Santangelo G, Vitale C. Prevalence and clinical aspects of obstructive sleep apnea in Parkinson disease: A meta-analysis. European journal of neurology 31, no. 2 (2024): e16109.

 

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