睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化すると死亡する?原因や生存率・寿命について解説

 

あなたは、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を知っていますか?

「ただのいびきでしょ?」と思っていませんか?

 

実は睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まり、体に大きな負担をかける危険な病気です。放置すると、心筋梗塞や脳血管疾患、最悪の場合は突然死のリスクも高まります。

 

実は、自覚症状が少ないまま進行することも多く、自分は大丈夫と過信している人は少なくありません。

 

この記事では、睡眠時無呼吸症候群が死亡につながるのか、引き起こす体のリスクや、具体的な病気、そして、生存率や寿命への影響について詳しく解説していきます。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は死亡につながるの?

 

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病気は、寝ている間に呼吸が止まってしまう病気です。単なる「いびき」と安易に考えてはいけません。放置すると様々な病気を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもある恐ろしい病気なのです。

 

睡眠中に呼吸が止まるということは、体や脳に十分な酸素が供給されない状態が続いていることを意味します。酸素不足のまま長時間放置すると、体はまるで酸欠状態になり、様々な臓器に大きな負担がかかってしまうのです。

 

心臓は、体中に酸素を送り出すために休むことなく働き続ける臓器です。しかし、睡眠時無呼吸症候群によって酸素不足に陥ると、心臓はさらに頑張って血液を送り出そうとします。これは、まるで重い荷物を背負って、息切れしながら坂道を上り続けるようなものです。このような状態が続けば、心臓は疲弊し、心筋梗塞や不整脈などの深刻な心臓病を引き起こすリスクが高まります。

 

また、脳にとっても酸素は必要不可欠です。脳は、私たちの思考や感情、運動など、あらゆる生命活動をコントロールする司令塔です。酸素不足の状態では、脳細胞がダメージを受け、集中力や記憶力の低下、ひどい場合は脳梗塞や脳出血などの命に関わる病気を引き起こす可能性もあるのです。

 

さらに恐ろしいことに、睡眠時無呼吸症候群は、自覚症状が少ないまま進行することが多い病気です。「ちょっと寝不足気味かな?」「最近、疲れやすいな…」と感じていても、まさか自分が睡眠時無呼吸症候群だとは思わない方がほとんどでしょう。

 

しかし、健康診断で高血圧や糖尿病を指摘されたり、日中の強い眠気や集中力の低下、起床時の頭痛などの症状が現れ始めたら、それは体が危険信号を発しているサインかもしれません。

 

「自分は大丈夫」と過信せずに、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死亡する原因

 

睡眠時無呼吸症候群はさまざまな理由で死亡につながるリスクが高まることをお伝えしてきました。では、具体的に睡眠時無呼吸症候群が原因で、どのような病気を引き起こす可能性があるのでしょうか。

 

心筋梗塞

心臓は、寝ている間も休むことなく、体中に酸素を送り届けるために働き続けています。常に酸素を必要としています。

 

しかし、睡眠時無呼吸症候群によって呼吸が止まってしまうと、心臓は酸素不足の状態に陥ります。心臓は、酸素不足を補おうと、より多くの血液を送り出そうと、さらに激しく動かなければなりません。 これは、心臓にとって非常に大きな負担となり、心筋梗塞のリスクを高めることに繋がります。

 

脳血管疾患

脳は、私たちの体全体の司令塔であり、常に新鮮な酸素を必要としています。 しかし、睡眠時無呼吸症候群によって呼吸が止まってしまうと、脳に十分な酸素が行き渡らなくなります。 

 

脳血管疾患には、脳梗塞や脳出血などがあり、命に関わるだけでなく、後遺症が残ってしまう場合もあります。 

 

夜間の突然死

睡眠時無呼吸症候群が重症化すると、睡眠中に呼吸が何度も止まり、血液中の酸素濃度が著しく低下することがあります。 その結果、心臓が正常に機能しなくなり、突然死を引き起こすリスクが高まります。

 

過去の研究では、睡眠時無呼吸症候群の人は、健康な人の2.6倍、夜間の突然死のリスクが高いとされています。

 

交通事故

睡眠時無呼吸症候群の人は、日中の強い眠気や集中力の低下といった症状が現れやすいです。 これは、睡眠中に何度も呼吸が止まることで、質の高い睡眠が取れないことが原因と考えられています。

 

日中の強い眠気は、運転中に突然意識を失ってしまう「居眠り運転」に繋がりかねません。 過去の研究では、睡眠時無呼吸症候群のある人は、居眠り運転による交通事故の発生率が健康な人の約7倍リスクがあると報告されています。

 

居眠り運転による交通事故は、自分自身だけでなく、周りの人も巻き込んでしまう可能性があります。

 

「少し眠いけど、大丈夫だろう・・・」 そう思って運転してしまう人もいるかもしれません。 しかし、ほんの一瞬の油断が、取り返しのつかない事故に繋がる可能性もあるのです。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の生存率

 

自覚症状が乏しい場合も多い睡眠時無呼吸症候群ですが、実は、適切な治療を受けずに放置すると寿命にも影響する可能性があります。

 

重症の睡眠時無呼吸症候群患者さんを対象とした研究では、治療を行わなかったグループと比較して、治療を行ったグループでは心筋梗塞や脳卒中の発症率が有意に減少したという結果が出ています。

 

つまり、睡眠時無呼吸症候群の治療は、心臓や血管への負担を軽減し、健康寿命を延ばす可能性があると言えるのです。

 

また、睡眠時無呼吸症候群は自覚症状が現れにくい病気であるため、健康診断などで指摘されて初めて、自分が睡眠時無呼吸症候群だと気付く方も少なくありません。

 

「自分は大丈夫」と過信せずに、日頃から睡眠時無呼吸症候群の危険性を認識し、睡眠の質に気を配ることが大切です。

 

もし、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、医師と相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の寿命

 

「睡眠時無呼吸症候群と診断されました。でも、治療は面倒だし、自覚症状もないので、放っておいても大丈夫ですよね…?」

 

診察室で、こんな風に尋ねる患者さんは少なくありません。確かに、自覚症状が乏しいまま経過することも多い睡眠時無呼吸症候群ですが、実は、適切な治療を受けずに放置すると寿命を縮めてしまう可能性があります。

 

一晩に何度も呼吸が止まるような重度の睡眠時無呼吸症候群の場合、8年後の生存率が63%にまで低下するという報告もあります。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)で死亡しないための対策・治療

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、決して「ただのいびき」と安易に考えてはいけません。自覚症状が少ないため、自分がその怪物の餌食になっていることに気づかないまま、健康を蝕まれ、寿命を縮めてしまうことさえあるのです。

 

最も重要なのは、早期発見と適切な治療です。
睡眠時無呼吸症候群の治療法は、大きく分けて2つあります。

 

1つ目は、生活習慣の改善です。

具体的には、肥満の改善、禁酒、禁煙、寝る前の食事制限、横向きで寝るなどがあります。これらの対策を組み合わせることで、睡眠時無呼吸症候群の症状を改善できる可能性があります。

 

2つ目は、医療機器を使った治療法です。

代表的なものが、「CPAP(シーパップ)療法」です。これは、寝ている時に鼻にマスクを着けて、空気を送り込む治療法です。

 

CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の治療に非常に効果的な方法ですが、最初はマスクの装着に慣れないことや、違和感を感じる場合もあるかもしれません。しかし、治療を続けることで、症状が改善し、より健康的な生活を送れる可能性が高まります。

 

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受けることで、健康寿命を延ばすことができる病気です。睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、医師と相談しながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。そして、健康な毎日を手に入れましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

 

「毎日ぐっすり眠っているはずなのに、なぜか疲れが取れない…」 「朝起きると、頭が重だるくてスッキリしない…」

 

そんな悩みを抱えているあなたは、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影に怯えているのかもしれません。

 

不安に感じたら、まずはオンライン診療で、専門医に相談してみてはいかがでしょうか?

オンライン診療は、自宅にいながら、スマホやパソコンを使って、医師の診察を受けることができる便利なシステムです。 病院に行く時間がない方、小さなお子様がいる方、病院に行くことに抵抗がある方など、様々な事情を抱える患者さんにとって、心強い味方となっています。

 

例えば、こんな悩みや不安を気軽に相談することができます。

  • 「最近、いびきがうるさいと家族に指摘されるようになった。睡眠時無呼吸症候群の可能性はあるのだろうか?」
  • 「日中、我慢できないほどの強い眠気に襲われることがある。仕事にも集中できず、不安だ…」
  • 「睡眠時無呼吸症候群の検査を受けたいけれど、どんな検査をするのか、費用はどれくらいかかるのか知りたい」

 

オンライン診療では、あなたの症状や不安に寄り添いながら、睡眠時無呼吸症候群に関する疑問や不安を解消するためのアドバイスやサポートを提供しています。

 

睡眠時無呼吸症候群は、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。 「ちょっと心配だな…」と感じたら、一人で悩まず、まずはオンライン診療を利用して、専門医に相談してみましょう。

 

 

オンライン診療の予約はこちら

 

LP:https://www.morishitaekimae.com/lp/

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参考文献

  1. Marin JM, et al. Lancet 2005; 365(9464): 1046-1053.
  2. 厚生労働省: 統計情報・白書, 令和2年簡易生命表の概況, 結果の概要, 1 主な年齢の平均余命.

 

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