「最近、よく眠れていない」「日中、強い眠気に襲われる」と感じていませんか? 実はそれ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。SASは、寝ている間に呼吸が何度も止まってしまう病気で、放置すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることも。
「どんな寝方をすればいいのかわからない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか? この記事では、SASの方におすすめの寝方や、睡眠の質を高めるための具体的な方法を紹介します。快適な睡眠を取り戻し、健康的な毎日を送るためにも、ぜひ読み進めてみてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のおすすめの寝方は『横向き』
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された方にとって、どんな寝方が良いのかは気になりますよね。SASは、寝ている間に呼吸が止まってしまう病気ですが、実は寝方によって症状が変わってくることがあります。そこでおすすめなのが「横向き寝」です。
SASの方は、仰向けで寝ると、舌の付け根が喉の奥に落ち込んでしまい、気道が狭くなってしまうことがあります。これは、ちょうどストローを上から押さえつけたときのように、空気の通り道が狭くなるため、呼吸が苦しくなり、いびきをかいたり、呼吸が止まってしまう原因になります。
一方、横向きで寝ると、舌の付け根が喉の奥に落ち込みにくくなるため、気道が狭くなるのを防ぐことができます。また、横向き寝は、気道がまっすぐになるため、空気の通りがスムーズになります。
横向きで寝ることに慣れていない方は、最初は違和感があるかもしれません。しかし、毎晩根気強く続けることで、徐々に慣れていきます。横向き寝は、SASの症状を改善するだけでなく、質の高い睡眠を得るためにも効果的です。
さらに効果のある横向きで寝るときの工夫
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された方にとって、横向きで寝ることは効果的です。しかし、「寝ている間に仰向けに戻ってしまう」「横向きで寝るのが辛い」という悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
そこで、横向き寝をさらに効果的にする工夫を3つご紹介します。どれも簡単に試せるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
枕の高さを調整する
横向き寝に最適な枕の高さは、立っている時の姿勢を横から見て、首のカーブがまっすぐになる高さです。 高すぎる枕は、首や肩に負担をかけ、呼吸を浅くしてしまう可能性があります。逆に低すぎる枕は、気道を狭くし、いびきの原因になる可能性があります。
例えば、就寝前に横向きに寝た状態で、パートナーの方に枕の高さが適切かどうかを見てもらうのも良いでしょう。首が不自然に曲がっていたり、顎が胸に近づきすぎていないかを確認してもらいましょう。
抱き枕を使う
抱き枕を使うことで、横向き寝の姿勢を安定させることができます。 抱き枕を抱きしめることで、寝返りをうっても仰向けに戻りにくくなり、横向き寝をキープすることができます。
テニスボールを使う
パジャマの背中側にポケットを縫い付け、その中にテニスボールを入れる方法があります。 寝返りをうって仰向けになろうとすると、背中のテニスボールが邪魔をして、自然と横向きに戻るように促します。
しかし、この方法は、睡眠中に違和感を感じたり、痛みを感じる可能性もあるため、あまりおすすめはしません。 どうしても横向きで寝たいという方は、試してみるのも良いかもしれません。
横向きで寝るときの注意点
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方にとって、横向き寝は効果的な寝方ですが、いくつか注意点があります。
まず、横向き寝で重要になるのが「枕の高さ」です。横向き寝に最適な枕の高さは、仰向けで寝るときと比べて高めにする必要があります。これは、横向きになった際に、頭と体の軸がずれないようにするためです。ちょうど良い高さの枕を使うことで、首や肩への負担を軽減し、快適な睡眠姿勢を保つことができます。枕の高さが合っていないと、寝返りがスムーズにいかず、横向きで寝ること自体が辛くなってしまうことがあります。
横向き寝の際に抱き枕を使うことも有効です。抱き枕を使うことで、体の横倒れを防ぎ、安定した姿勢を保つことができます。また、抱き枕を抱きしめることで、リラックス効果も期待できます。
横向き寝は、SASの症状改善に効果的な寝方ですが、自分に合った枕や抱き枕を使う、無理のない範囲で行うなど、正しく行うことが大切です。
ベッドの角度を変えることで睡眠時無呼吸症候群(SAS)に効果はある?
ベッドの角度を調整することも、横向き寝をサポートする方法の一つです。ベッドの頭側を15度~30度程度上げることで、気道が開きやすくなる効果が期待できます。しかし、角度を上げすぎると、首や肩に負担がかかり、体に痛みを感じることがあります。ご自身の体格や症状に合った角度を調整することが重要です。
ただし、ベッドの角度調整は、あくまで横向き寝をサポートするものであり、SASの根本的な治療ではありません。重症のSASを抱えている方や、他の疾患をお持ちの方は、必ず医師に相談し、適切な治療法を選択するようにしましょう。
横向きでも効果がない・いびきが出るときは『うつ伏せ』も試してみる
横向き寝で効果が出にくいと感じている方には、「うつ伏せ寝」を提案することもあります。うつ伏せ寝は、気道を圧迫しにくく、いびきの軽減に効果が期待できます。
ただし、うつ伏せ寝は、首や腰に負担がかかりやすいというデメリットもあります。そこで、「抱き枕」を活用することをおすすめしています。抱き枕を使うことで、横向き寝の姿勢を安定させたり、うつ伏せ寝の際の体の負担を軽減することができます。
自分に合った寝方や抱き枕を見つけて、快適な睡眠を目指しましょう。
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ
「もしかして、睡眠時無呼吸症候群かも?」と感じたら、一人で悩まず、専門の医療機関に相談することが大切です。 最近は、オンライン診療を提供している医療機関も増えています。これは、スマートフォンやパソコンを使って自宅から診察を受けられる便利なシステムです。仕事や家事で忙しい方でも、移動時間や待ち時間の負担を減らして、気軽に専門医に相談できます。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の改善はもちろんですが、実は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防にもつながります。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や不整脈のリスクを高めるなど、体全体に大きな負担をかけるからです。
「いびきがひどい」「日中、強い眠気に襲われる」など、ご自身の睡眠に不安を感じたら、まずは気軽に相談してみましょう。横向きで寝るなど、睡眠時の姿勢を工夫するだけでも、症状の改善が期待できる場合があります。適切な治療と日々の生活習慣の見直しによって、ぐっすり眠れる快適な夜を取り戻しましょう。睡眠時無呼吸症候群の治療には、CPAP療法など、様々な方法があります。専門医の診断に基づいて、あなたに最適な治療法が選択されますのでご安心ください。
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