睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まることで睡眠の質が低下する病気です。

その結果、十分眠っていても日中に強い眠気を感じたり、常に疲労感が抜けない状態になります。

 

仕事や日常生活への悪影響も大きく、集中力の低下や判断力の鈍化、イライラしやすさや気分の落ち込みなどを引き起こします。

これらは生活の質の低下や重大なミス・事故につながるため注意が必要です。

 

本記事では、SASの基礎知識から日中への具体的な影響、原因メカニズム、そして最新の治療法まで、国内外のガイドラインや医学的エビデンス をもとに詳しく解説します。

SASが疑われる場合の対処法についても紹介します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?基礎知識を簡単に解説

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)や呼吸低下(低呼吸)を繰り返す疾患の総称です。

原因により大きく2種類に分類され、閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(Central Sleep Apnea; CSA)があります[1]。

 

OSAは喉や気道の物理的な閉塞によって起こり、無呼吸中も呼吸しようとする努力(いびきなど)が見られるのが特徴です。

一方、CSAは脳の呼吸中枢の働きの低下により呼吸信号が送られなくなることで生じ、無呼吸中に胸や腹部の動き(呼吸努力)が見られない点で異なります。

SASの大部分はOSAであり、本記事でも主にOSAについて述べます。

 

SASの診断基準は、一晩の睡眠あたりの無呼吸・低呼吸の発生回数である無呼吸低呼吸指数(Apnea-Hypopnea Index;AHI)によって決まります。

成人では通常、AHIが5以上でSASの疑いがあり、症状(日中の強い眠気など)が伴えば睡眠時無呼吸症候群と診断します[2]。

 

また症状がなくてもAHIが15以上であれば診断基準を満たします。

AHIが5~15未満を軽症、15~30未満を中等症、30以上を重症と分類するのが一般的です。

SASは決して珍しい病気ではなく、中等症以上(AHI≧15)のOSAは成人男性の約2割、閉経後の女性の約1割にみられるとの報告もあります。

 

日本ではAHI≧15の中等症以上の患者が約940万人(30~69歳人口の14%)に達するとの推計もあり[8]、現代社会において無視できない頻度の疾患です。

肥満や加齢、男性であることがリスク因子で、糖尿病や高血圧など生活習慣病患者では有病率がさらに高いことが知られています。

 

 

SASを放置すると起こり得る健康リスクにも注意が必要です。

睡眠中の低酸素状態や睡眠断片化は全身にさまざまな悪影響を及ぼし、高血圧や心臓病、不整脈など心血管疾患の発症リスクを高めます[8][9]。

 

実際、OSAは冠動脈疾患や脳卒中の独立した危険因子とされ[7]、重症OSAでは心不全や心筋梗塞、脳卒中の発症率が有意に高いとの報告があります。

また認知機能の低下も見逃せません。

 

近年の研究で、OSAによる夜間低酸素血症が認知症や軽度認知障害のリスク要因となりうることが示唆されています[5]。

さらにうつ病や不安障害など精神面への影響も指摘されており、SAS患者では健常者に比べ抑うつ症状の頻度が高いことが多数の研究で報告されています[7]。

このようにSASは全身の健康に関わる重要な疾患であり、早期発見・治療が大切です。

 

睡眠時無呼吸症候群が日中に及ぼす主な影響

眠気と疲労感

過剰な日中の眠気(Excessive Daytime Sleepiness; EDS)はSASの代表的な症状です。

夜間の睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸が起こると、そのたびに浅い睡眠や覚醒が生じて睡眠が分断されます。

本人は十分寝ているつもりでも睡眠の質が極端に悪いため、日中に強い眠気に襲われたり、常に倦怠感・疲労感が抜けない状態になります[10]。

 

例えば会議中や食後にウトウトしてしまったり、ひどい場合は信号待ちなど短い停止時間にも眠り込んでしまうことがあります。

睡眠が細切れになることで熟睡感が得られず、朝起きても疲れが取れていない、頭がぼんやりする、といった訴えもよく聞かれます。

慢性的な寝不足状態に陥るため、コーヒーを飲んでも効果がないような強い眠気が一日中続くケースもあります。

 

このような日中の過度の眠気は、患者本人が自覚するだけでなく周囲から見ても異常と分かることがあります。

日本の診療ガイドラインでも、SAS患者では日中の強い眠気がしばしば存在し、治療後も残る場合があると指摘しています[1]。

慢性的な疲労と眠気は生活の質(Quality of Life;QOL)の低下につながり、放置すると仕事の継続や日常活動にも支障をきたすため、早期の対応が必要です。

 

集中力の低下や判断力の鈍化

睡眠不足は脳の認知機能を低下させますが、SASの場合も同様です。

十分な睡眠がとれないことで注意力や集中力が続かなくなり、些細なミスが増えたり物覚えが悪くなったと感じるようになります。

実際に、OSA患者では記憶力や注意力、実行機能(判断・計画能力)に明らかな障害がみられることが多くの研究で報告されています[11]。

 

例えば会話や業務でケアレスミスが増える、人の名前や約束を忘れやすくなる、判断に時間がかかる、といった形で現れます。

これは夜間の低酸素や睡眠分断によって脳へのダメージが蓄積するためと考えられています。

OSAでは海馬や大脳皮質に神経障害が生じ、認知機能全般の低下につながるとの報告もあります[7]。

 

また反応速度の低下も問題になります。

睡眠不足の状態ではとっさの判断や動作が遅れがちです。

スポーツで瞬発力が落ちたり、運転中にブレーキを踏むまでの時間が遅れるなど、素早い対応が要求される場面で能力が発揮できなくなる可能性があります[11]。

 

このような集中力・判断力の低下は、特に仕事で重大な影響を及ぼしかねません。

複雑な作業や高い注意力を要する業務では生産性が下がり、ミスによるトラブルも増えるでしょう。

 

交通事故のリスクや機械操作中のミス

SAS患者にとって最も深刻な日中症状の一つが、居眠り運転による交通事故リスクの増大です。

日中の強い眠気から、運転中につい瞬間的に意識を失ってしまう「マイクロスリープ(瞬間睡眠)」が起こることがあります。

これにより居眠り運転や漫然運転となり、重大な事故を引き起こす危険性が高まります。

 

研究によれば、OSA患者の自動車事故リスクは健常者の少なくとも2倍以上に達するとされ[3]、あるメタ分析では1.2~4.9倍もの範囲で事故率が上昇するとの報告もあります[3]。

実際、SASが原因と考えられる居眠り運転事故の事例も多数報告されており、社会的にも大きな問題となっています。

 

また産業現場での労働災害や医療現場でのヒヤリハットなど、機械操作や注意力が要求される場面でのミスも増加します。

OSAは過度の眠気を引き起こす代表的疾患であり、交通事故の最も重要な予防可能な原因であるとも言われています。

メタ解析では、SAS患者の仕事中の事故リスクは健常者の約2.2倍にもなるとの結果が示されました[4]。

 

特に職業ドライバーや重機オペレーターのような安全に関わる職種では、SASによる注意障害は自他ともに重大な危険を及ぼします。

日本のガイドラインでも、日中の眠気や注意不足は交通事故など様々な事故の原因となり得るため、SAS診療において留意すべき点であると強調されています[1]。

このような背景から、日本呼吸器学会のガイドライン2020ではSAS患者の自動車運転に関する章が設けられ、安全管理の重要性が述べられています。

 

イライラしやすくなる

睡眠不足は精神的な余裕を奪い、些細なことでイライラしたり怒りっぽくなることが知られています。

SASでも夜間の断続的な睡眠不足によりストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌リズムが乱れると考えられ、感情のコントロールが難しくなる傾向があります。

実際に、OSA患者では頻回の覚醒による睡眠分断が「怒りっぽさ」や「情緒不安定」を引き起こすことが報告されています[7]。

例えば家族や同僚に対して些細なことで声を荒らげてしまったり、常に焦燥感・落ち着きのなさを感じるといった形で現れます。

医学研究によれば、睡眠中の断片化と低酸素による慢性的なストレス状態が交感神経を過剰に活性化させ、日中も身体がリラックスできない「戦闘モード」に陥るとされています[9]。

その結果、心にゆとりがなくなり苛立ちやすい精神状態になってしまうのです。また慢性的な疲労と眠気自体がストレス源となり、心身の疲弊から余計にイライラを募らせる悪循環も考えられます[10]。

周囲から「最近怒りっぽい」「感情の起伏が激しい」と指摘される場合、実は背後にSASが潜んでいるケースもあります。

 

気分が落ち込む

SASはメンタルヘルスにも影響を与えます。

慢性的な睡眠不足状態が続くと脳内の神経伝達物質バランスが乱れ、抑うつ症状や不安症状が出現しやすくなります。

実際、OSA患者ではうつ病の併存率が一般人口より有意に高いことが国内外の研究で示されています[7]。

 

あるレビュー研究の結論では、未治療のOSAは感情面に悪影響を及ぼし、放置するとうつ病や不安障害のリスクが高まるとされています[6]。

夜間に繰り返される低酸素状態や睡眠分断が脳の情動を司る領域(例えば扁桃体や前頭前野)の機能に影響し、気分の調整がうまくできなくなる可能性があります。

具体的な症状としては、「何となく憂うつでやる気が出ない」「趣味や仕事に喜びを感じなくなった」「理由もなく不安感が強い」といった形で現れることがあります。

SASと診断されていない段階では、一見するとうつ病や不安障害として扱われてしまうケースもあります。

実際に、SAS患者の中には抑うつ状態のために精神科を受診していたが、精査すると睡眠時無呼吸が原因だったという例も少なくありません[7]。

 

夜間の低酸素や睡眠障害を改善することで抑うつ症状が改善するケースも報告されており、SAS治療はメンタル面の改善にも寄与します。

したがって日中の気分障害が顕著な場合も、SASの有無を確認することが重要です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)はなぜ日中にこれほど影響が出るのか?

SASがこれほど多岐にわたる日中の悪影響をもたらすのは、主に以下のような生理学的メカニズムによります。

 

睡眠中の低酸素血症と交感神経の過活動

無呼吸によって血中の酸素濃度が下がると、身体は「窒息の危機」と判断して交感神経(いわゆるストレス反応)を活性化させます。

心拍数や血圧が上がり、寝ているにもかかわらず身体が興奮状態になるのです[9]。

この交感神経の過剰な刺激が一晩に何度も繰り返されることで、夜間だけでなく日中も交感神経が亢進しやすい状態(慢性的なストレス状態)に陥ります[9]。

その結果、先述したようなイライラや不安感の増加、高血圧や脈拍数の上昇につながります。

また交感神経優位の状態では脳がリラックスできず、集中力や意思決定力が低下する一因ともなります。

 

覚醒反応の増加による睡眠の断片化

無呼吸や低呼吸が発生すると、脳は酸素不足に対処するため一瞬目覚める(覚醒反応)を起こします。

この覚醒は必ずしも意識的に「目が覚めた」と自覚されるものではありませんが、脳波的には睡眠が浅い段階に引き戻されます。

重症のOSAでは1時間に30回以上も無呼吸が起こることがあり、2分に1回は脳が覚醒している計算になります。

その結果、深い睡眠が維持できず睡眠が細切れ(断片化)となり、身体も脳も休息しきれません[7]。

人間の睡眠は本来、浅いノンレム睡眠から深い徐波睡眠、さらにレム睡眠へと90分周期で繰り返します。

しかしOSAではこうした正常な睡眠サイクルが破壊されてしまうため、熟睡による回復効果が得られなくなります。

結果として日中の強い眠気や疲労感、頭の回転の悪さなどにつながります[10]。

 

深い睡眠(徐波睡眠)の減少

前述の睡眠断片化とも関連しますが、OSA患者では特に深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の割合が減少する傾向があります。

徐波睡眠は脳と身体の回復・成長ホルモン分泌に重要で、記憶の定着や免疫機能の維持にも関与しています[13]]。

この徐波睡眠が十分に取れないと、翌日の肉体的・精神的リフレッシュが不十分になります。

慢性的に徐波睡眠が不足すると、高血圧や糖代謝異常のリスクが上がるとの研究報告もあります。

加えて、夢を見るレム睡眠の障害も指摘されています。レム睡眠は感情処理や記憶整理に関与するとされ、OSAではレム睡眠中にも無呼吸が起こるため夢見が悪かったり頻繁に目が覚めることがあります。

これら深い睡眠段階の障害は、長期的な認知機能の低下や気分障害とも関連している可能性があり[5]、SASが日中に及ぼす影響を一層悪化させる因子となります。

 

 

以上のように、SASは夜間の生理機能に断続的なストレスを与えることで、翌日の覚醒時にまでその悪影響が持ち越されます。

低酸素と睡眠分断の反復という二重の負荷が、身体と脳のコンディションを損ない、様々な日中症状を引き起こすのです。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治すには

SASと診断された場合、症状の改善と合併症予防のために適切な治療を受けることが重要です。主な治療法には以下のようなものがあります。

 

生活習慣の改善

生活習慣の見直しは軽症のSASでは第一選択となり、また他の治療を行う場合でも基礎として重要です。

特に肥満はOSAの最大の危険因子であり、首や喉周りに脂肪が付くことで気道が狭くなる原因となります。

したがって減量はSAS改善に極めて有効です。体重を10%減らすだけでも無呼吸の程度が大幅に軽減するケースがあり、肥満度が高い患者では減量により症状が著明に改善することが期待できます。

実際、肥満を伴うOSA患者には減量療法を併用することが強く推奨されています[1]。適切な食事管理と運動により標準体重に近づけることが目標です。

 

また、飲酒や喫煙の習慣を見直すことも重要です。アルコールは筋肉の弛緩を促し、睡眠中に喉の気道が塞がりやすくなります。

就寝前の飲酒はOSAを悪化させるとの解析もあり、できるだけ控えるべきです。日常的な飲酒習慣がある人はない人に比べ、OSA発症リスクが約1.25倍に増加したとの報告もあります。

喫煙もOSAと関連が指摘されています。

タバコによる慢性的な上気道の炎症や浮腫が気道径を狭め、無呼吸を助長する可能性があります。

1日20本以上の喫煙習慣を持つ人は、OSAの予後を悪化させるとのデータもあり、禁煙が望ましいとされています。

 

さらに、睡眠姿勢や睡眠衛生の工夫も有用です。仰向けで寝ると舌根が喉の奥に沈下して気道を塞ぎやすいため、横向き寝(側臥位)を心がけると無呼吸発作が減少する場合があります。

また十分な睡眠時間を確保し、寝る前のリラックス(深酒や夜更かしの回避、電子機器の使用制限)など質の良い睡眠習慣を整えることも、SAS症状の軽減に役立ちます。

 

CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

中等症~重症のOSA治療の第一選択となるのがCPAP療法です[8]。

CPAP療法では、就寝時に鼻(または鼻口)マスクを装着し、小型のポンプから空気を持続的に気道へ送り込むことで喉の気道閉塞を防ぎます。

陽圧によって気道が内側から広げられるため、睡眠中の無呼吸・低呼吸をほぼ完全に抑制できます。

適切に使用すれば即座にいびきや無呼吸が消失し、睡眠の質が正常化します。日中の眠気や倦怠感もCPAP開始後から大幅に改善する例が多く報告されています。

 

CPAPの有効性は多数の研究で実証されており、過剰な日中の眠気(EDS)はCPAP治療により著しく改善することが示されています[1]。

またCPAPを毎晩しっかり使用することで、高血圧や心血管イベントのリスク低減効果も期待できます[9]。

無呼吸による酸素不足や交感神経亢進が抑えられるため、夜間の血圧上昇が緩和し、長期的には心臓や脳血管への負担を減らすと考えられています。

さらに、CPAP使用者では交通事故リスクが大幅に減少することも明らかになっており[12]、適切な治療は社会的な安全面でも重要です。

 

CPAP療法の課題は「継続使用の困難さ」です。

マスクや機械の装着に違和感を覚える人もおり、定着するまでに時間がかかる場合があります。

しかし最近の機器は小型軽量化し、静音で自動圧力調整機能も備わるなど使い勝手が向上しています。根気強く慣れることで日中の快適さが得られるため、重症の方ほどCPAPによるメリットは大きくなります[4]。

医療者と相談しながら機器の微調整やマスクフィッティングを行い、できるだけ毎晩の使用を続けることが肝要です。

 

口腔内装置(マウスピース)療法

マウスピースによる治療もOSAに有効な場合があります。

これは歯科で作製する口腔内装置(オーラルアプライアンス; OA)を就寝時に装着し、下顎や舌の位置を前方に固定することで喉の気道を確保する方法です。

 

主に軽症~中等症のOSAや、CPAPがどうしても継続困難な患者に適応されます。

マウスピースはコンパクトで旅行などにも持ち運びやすく、CPAPより装着への抵抗感が少ないという利点があります。

 

外科的治療の選択肢

生活習慣改善やCPAP、マウスピースで十分な効果が得られない場合、外科的治療が検討されることがあります。

SASの外科治療は原因となる解剖学的狭窄部位を改善することを目的に行われ、患者の状態に応じてさまざまな術式があります。

代表的なものの一つが咽頭・口蓋部の手術です。

また小児のSASではアデノイド増殖(咽頭扁桃)の摘出が標準的に行われ、顕著な改善を示します。

成人では、軟口蓋やのどちんこ(口蓋垂)の余剰組織を切除・縮小して気道を広げる口蓋咽頭形成術(UvuloPalatoPharyngoPlasty;UPPP)が行われることがあります。

ただしUPPP単独では十分な効果が出ないケースもあり、慎重な適応判断が必要です。

 

もう一つは顎骨の手術です。

下顎が小さい(後退している)ことで舌が喉を塞ぎやすいタイプのOSAには、下顎骨を前方に移動させる手術(場合により上顎も含めた顎矯正手術)が行われます。

顎骨前方移動術(Maxillomandibular Advancement; MMA)は気道全体を拡大でき、重症OSAにも高い有効性を示す治療法です。

顔貌や歯並びへの影響も考慮しつつ、専門的な評価のもと適応が決定されます。

この他、舌が大きい場合には舌の一部を切除・縫縮する手術や、舌を支える舌骨を前方固定する術式などもあります。

外科的治療は根治的効果を期待できますが、侵襲が大きくリスクも伴います。

そのため基本的には他の治療で効果不十分な場合の最終手段となります。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

上記の症状に心当たりがある場合は、できるだけ早く医療機関でSASの検査・診断を受けることが大切です。

近年はオンライン診療を活用して、自宅にいながら専門医の相談を受けることも可能です。

森下駅前クリニックでは、来院せずにビデオ通話を通じてSASの診察・検査の手配を行っています。

SASが疑われれば自宅で行える簡易睡眠検査(携帯型の睡眠ポリグラフ装置)を手配します。

検査結果に基づいて確定診断や重症度評価を行い、必要な場合は適切な治療(CPAP機器の導入など)につなげます。

オンライン診療を利用すれば、忙しくて受診の時間が取れない方や遠方の方でも早期に専門診療へアクセスできます。

SASは放置すると健康リスクが高まる疾患ですが、治療により日中の眠気や倦怠感は劇的に改善し、生活の質が向上します。

思い当たる症状がある方は一人で悩まず、まずはオンライン診療で専門医に相談してみましょう。

 

森下駅前クリニックのオンライン診療(https://morishitaekimae.com/online/)をご利用ください。

 

早めの対応が、快適な日常と将来の健康を守る第一歩です。

 

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引用文献

[1] 日本呼吸器学会(編)『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』南江堂、2020年

[2] Kapur VK, Auckley DH, Chowdhuri S, et al. Clinical practice guideline for diagnostic testing for adult obstructive sleep apnea: An American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. J Clin Sleep Med. 2017;13(3):479–504.

[3] Tregear S, Reston J, Schoelles K, et al. Obstructive sleep apnea and risk of motor vehicle crash: a systematic review and meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2009;5(6):573-581.

[4] Garbarino S, Guglielmi O, Sanna A, et al. Risk of occupational accidents in workers with obstructive sleep apnea: systematic review and meta-analysis. Sleep. 2016;39(6):1211-1218.

[5] Marchi NA, Véronneau M, Massicotte-Marquez J, et al. Obstructive sleep apnoea and 5-year cognitive decline in the elderly population. Eur Respir J. 2023;61(6):2201621.

[6] Vanek J, Prasko J, Genzor S, et al. Obstructive sleep apnea, depression and cognitive impairment. Sleep Med. 2020;72:50-58.

[7] Iannella G, Maniaci A, Lechien JR, et al. Mood, behavioral impairment, and sleep breathing disorders in obstructive sleep apnea patients treated with maxillomandibular advancement: a case series and review of literature. Behav Sci. 2023;13(8):686.

[8] (Associations of diabetes mellitus and hypertension with adherence to continuous positive airway pressure therapy in male patients with obstructive sleep apnea – PMC)

[9] (Impact of Obstructive Sleep Apnea and Sympathetic Nervous System on Cardiac Health: A Comprehensive Review)

[10] (Emotional Stress Evaluation of Patients with Moderate and Severe Sleep Apnea Syndrome – PMC)

[11] (Cognitive deficits in adults with obstructive sleep apnea compared to children and adolescents – PMC)

[12] (Continuous Positive Airway Pressure Reduces Risk of Motor Vehicle …)

[13] (Slow-Wave Sleep: An Overview | Sleep Foundation)

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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