睡眠時無呼吸症候群は遺伝する?原因やリスク、オンライン診療でできる対策を解説

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は肥満や生活習慣と深く関係する病気ですが、近年では遺伝的な要因も関与している可能性が指摘されています。

実際、家族にSAS患者がいる場合は自分も発症しやすいことが報告されています[1]。

例えば、第一度近親者(親や兄弟姉妹など)にSASの人がいると、自分がSASになるリスクは一般よりも約1.5倍高いとのデータもあります[4]。

 

本記事では、SASの遺伝的要因について、国内外の最新医学エビデンスをもとに詳しく解説し、遺伝的素因があっても取れる対策や治療法について説明します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は遺伝と関係する?

家族歴と発症リスク

SASは遺伝的素因がある程度関与する疾患と考えられています。

疫学研究によれば、SAS患者の第一度近親者は、肥満や年齢などの要因を調整してもいびきや無呼吸を起こしやすいことが示されています[1]。

ある日本の調査では、SAS患者の親族(第一親等)の約9.1%にSASがみられ、これは一般人の有病率(約1.7%)の4倍以上だったと報告されています[2]。

このように家族歴はSAS発症の重要なリスク指標となりえます。

 

特定の遺伝子の関与

SASに関連する具体的な遺伝子についても研究が進んでいます。

多因子遺伝の典型で、一つの遺伝子が直接SASを引き起こすわけではありませんが、複数の遺伝子変異が発症しやすさに少しずつ影響すると考えられます[4]。

最近の研究から、例えば炎症に関与するサイトカインであるTNF-α遺伝子の多型(-308G/A)を持つ人はSASになりやすいとの報告があります[1]。

また血管の状態を調節するAngiopoietin-2(ANGPT2)遺伝子の変異が、夜間の低酸素状態の程度(SASの重症度指標)に関連することも明らかになりました[1]。

そのほか、ドーパミン受容体遺伝子セロトニン受容体遺伝子、脂肪細胞の機能に関わる遺伝子(例えばLPAR1)など、SASとの関連が示唆された遺伝子候補は複数存在します[10]。

ただし、これらの遺伝子の影響はそれぞれ小さいため、現在のところ特定の遺伝子があれば必ずSASになるというものではなく、遺伝要因はあくまで「なりやすさ」に関与するに留まります。

 

骨格・顔面形態の遺伝的影響

両親や祖父母と顔つきが似るように、頭部や顔面の骨格的特徴も遺伝で受け継がれるため、これがSASの家族内発症に影響するケースがあります[11]。

具体的には、下顎が小さい(小顎・下顎後退)扁桃や舌が大きい気道(喉の奥)が狭い形状といった解剖学的特徴は遺伝的に家族間で共通しやすく、結果として気道が睡眠中に塞がりやすい体質が遺伝する可能性があります[2]。

実際、家系内で同じような顔貌や首まわりの構造を持つ複数のSAS患者が見られた例も報告されています[2]。

 

遺伝と環境要因の相互作用

SASは遺伝要因と環境要因の組み合わせで発症すると考えられています[1]。

遺伝的に「太りやすい」「顎が小さい」などの素因を持っていても、環境要因(生活習慣)が良好であれば必ずしも発症しません。

しかし遺伝的素因に加えて、後述するような肥満・加齢・飲酒喫煙などの要因が重なると、発症リスクが大幅に高まります[4][3]。

例えば、遺伝的に肥満になりやすい人が高カロリーな食生活を送ると重度の肥満となり、その結果SASを発症しやすくなります。

一方で遺伝的素因があっても適切な体重管理をしていればSASを予防できる可能性があります。

このように「遺伝だから必ず起こる」わけではなく、環境要因との相互作用が重要なのです。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)になりやすい人の特徴

SASの発症には上記のように様々な要因が絡みますが、特に以下のような特徴を持つ人はSASになりやすいとされています[5]。

 

家族歴がある人

家族にSASと診断された人がいる場合、自身も発症する確率が高まります。遺伝的に似た体質・骨格を共有するためと考えられ、海外の研究ではリスクが約1.5倍と報告されています[4]。家族にいびきや無呼吸が多い場合は要注意です。

 

骨格的特徴

小顎(下顎の後退)や顎が細いなど、先天的に上気道が狭くなりやすい顔面骨格の人はSASを起こしやすい傾向があります[5][2]。

また、生まれつき扁桃肥大で喉を塞ぎやすかったり、舌が大きめである場合も気道が狭くなる原因になります。

これらは親子で似ることが多いため、家族に同様の顔立ちでいびきをかく人がいる場合は注意が必要です。

 

太りやすい・肥満体型の人

肥満はSAS最大のリスク要因です。体質的に太りやすく、実際に肥満傾向にある人は、首や喉周りに脂肪がついて気道が圧迫され、無呼吸を起こしやすくなります[3]。

肥満度を示すBMIが高い人ほどSAS有病率が高いことがわかっており、肥満者は非肥満者に比べて10倍以上SASになりやすいとの報告もあります[10]。

 

男性

性別では男性が女性より圧倒的にSASを発症しやすいことが知られています。

中年男性では同年代の女性の約3倍もSASが多く報告されています[5]。

これは男性ホルモンの影響や脂肪の付き方の違い、咽頭周囲の筋肉量の差などが関係すると考えられます。

一方、女性でも更年期以降はリスクが上昇し、閉経後にホルモン補充療法を受けていない女性では男性と同程度まで有病率が上がるとのデータがあります[5]。

 

年齢が高い

高齢になるほどSASの頻度は高まります。

加齢に伴い喉や舌の筋肉の緊張が低下したり、舌根が沈下しやすくなるため、気道閉塞が起こりやすくなるためです。

また加齢で体重が増えたり、舌や軟口蓋に脂肪が沈着することも一因です[3]。

一般に40~70歳で多く、特に60歳以上では有病率が急増します[5]。

 

民族的要因

人種・民族によってSASのなりやすさに差があることも指摘されています。

例えば欧米人と比べて日本人を含むアジア人は、肥満度がそれほど高くなくてもSASになる割合が高い傾向があります[10]。

これはアジア人に多い骨格的特徴(相対的に小さな顎や扁桃の大きさなど)が影響していると考えられます。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる原因

SASは睡眠中に上気道(鼻から喉にかけて)の通り道が狭くなることによって起こる無呼吸状態です。

その背後には遺伝的要因と環境要因が複雑に絡んでいます。

 

遺伝要因による解剖・生理学的特徴

遺伝的素因を持つ人では、SASを引き起こしやすい体の特徴がみられることがあります。

代表的なのは先述した顔面・気道の構造です。遺伝により顎が小さかったり、咽頭(喉)のスペースが狭い形状の場合、仰向けに寝たときに舌や軟口蓋が気道を塞ぎやすくなります。

また舌の大きさ軟口蓋の長さなども遺伝的に決まり、これらが大きいと気道閉塞のリスクとなります。

さらに筋肉の緊張度合いや神経による上気道筋の制御能力にも個人差(おそらく遺伝要因)があり、睡眠中に喉の周りの筋肉が過度にゆるみやすい体質だと無呼吸が起こりやすくなります。

実際、ダウン症候群など一部の遺伝性症候群では顎が小さい・舌が大きい・筋緊張低下といった特徴のために若い頃からSASを発症することが知られています[3]。

このように、生まれつき備わった体の構造・性質がSASの原因素因となり得るのです。

 

 

環境要因(生活習慣や疾患要因)

SAS発症において、環境要因(後天的要因)も非常に大きな役割を果たします。

なかでも肥満は最大の原因であり、体重増加に伴って首や気道周囲に脂肪がつくと気道が圧迫され無呼吸が起きやすくなります[4]。

 

事実、SAS患者の60~70%は肥満であるとのデータもあり[4]、肥満度が高いほどSASの重症度(無呼吸指数AHI)も高くなる傾向があります[1]。

 

また加齢も原因の一つです。

年を取ると筋力が衰え、睡眠中に喉周りの軟部組織が喉を塞ぎやすくなります。

 

さらに飲酒も要因です。

アルコールは筋肉の緊張を緩める作用があるため、就寝前の飲酒によって喉の筋肉が弛緩し、普段は無呼吸がない人でも息が止まりやすくなります[3]。

 

同様に睡眠薬や鎮静剤の服用も無呼吸を悪化させることがあります。

 

喫煙もリスクです。

タバコを吸うと気道粘膜が慢性的に炎症を起こし腫れるため、気道が狭くなり無呼吸の原因になります[3]。

 

そのほか鼻づまり(慢性的な鼻炎・副鼻腔炎)も鼻から空気を取り込みにくくし、口呼吸になることで喉が塞がりやすくなる要因です。

 

また睡眠姿勢(仰向けに寝ると重力で舌が下がる)や深酒して泥酔状態で寝るなども一時的に無呼吸を引き起こすことがあります。

 

このように環境要因だけでもSASを誘発しますが、多くの場合は遺伝的な形質と環境要因とが重なり合って発症に至ります。

 

 

遺伝要因と環境要因の複合的影響

SASは「遺伝か環境か」ではなく「遺伝+環境」で起こることがほとんどです[1]。

 

例えば、生まれつき顎が小さい人でも痩せていて筋肉がしっかりしている若いうちは発症しないかもしれません。

しかし加齢で筋緊張が低下したり体重が増えたりすると発症する、といった具合に、先天的な要因が下地にあり、後天的な変化が引き金となって発症するケースが多いのです。

 

逆に、家族にSASの人がいて自分もその体型に近い場合でも、体重管理や生活習慣に気をつけてリスク要因を減らすことで発症を防げる可能性があります。

 

つまり遺伝的要因があっても「運命」と考える必要はなく、後天的な対策次第で十分リスクをコントロールできることを覚えておいてください。

 

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遺伝的要因があっても対策可能!睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

たとえ遺伝的にSASのリスクが高くても、適切な対策や治療によって発症を予防したり症状を軽減することができます。

ここでは主なSASの治療・対策法を紹介します。

 

生活習慣の改善

SASのリスクを下げる最も基本的かつ重要な対策は生活習慣の是正です。

 

特に減量(体重コントロール)は効果的で、肥満のある方は体重を5~10%落とすだけでも無呼吸の程度が大きく改善する場合があります。

高度肥満の方では、食事療法・運動療法に加えて減量手術(胃縮小手術など)を行うとSASが寛解することも報告されています[5]。

実際、肥満患者に対する減量手術後に無呼吸指数(AHI)が正常化しSASがほぼ治ったケースも多く、減量は根本的対策として非常に重要です。

 

また飲酒を控えることも大切です。

就寝前のアルコールは無呼吸発作を誘発・悪化させるので、SAS傾向のある人は禁酒または寝る4時間以上前までに飲酒を済ませるようにします[3]。

 

禁煙も気道炎症を改善し、いびき・無呼吸の頻度軽減につながります[3]。

 

さらに睡眠習慣の見直しも有益です。

十分な睡眠時間を確保し、睡眠薬の乱用を避け、可能であれば横向きで寝る習慣をつけると良いでしょう(仰向け睡眠で無呼吸が悪化する人には、抱き枕の利用などで横向き寝を促す工夫が効果的です)。

生活習慣の改善は遺伝的素因がある人でも発症を遅らせたり軽く済ませる効果が期待できます。

 

 

CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

中等症以上のSAS患者の第一選択治療はCPAPと呼ばれる機械による療法です。

CPAP装置は就寝時に鼻(または鼻口)マスクを装着し、気道に空気を送り込んで内部から圧力をかけることで喉の閉塞を防ぐ機械です。

遺伝的要因で気道が狭い体質の方でも、CPAPを使えば睡眠中ずっと気道が開いた状態を保てます。

症状の改善効果は非常に高く、適切に使用すれば夜間の無呼吸や低酸素状態がほぼ完全に解消されるため、日中の眠気やいびきも劇的に軽減します[9][9]。

 

さらにCPAP治療により血圧が下がったり不整脈や脳卒中のリスクが減少するといった合併症予防効果も報告されています[5]。

重症のSASでは心不全や心筋梗塞など命に関わる合併症リスクが高まりますが、CPAPの継続使用によってそれらの心血管イベントの発生率を低下させることができるのです[5]。

 

CPAP療法は遺伝的素因の有無に関わらずSAS治療の標準であり、特に重症例では生涯にわたり使用する価値のある有効な治療法です。

機器の進歩により携帯性や静音性も向上し、自宅で簡便に行えるようになっています。

 

口腔内装置(マウスピース)

軽症~中等症のSASや、CPAPがどうしても合わない方には口腔内装置による治療も有効です。

これは歯科で作成するマウスピース型の装置で、就寝時に装着すると下顎や舌を前方に押し出す構造になっており、喉の気道スペースを広げて無呼吸を防ぎます。

ただし重症SASでは十分な効果が得られにくいため、重症の場合はCPAPの方が望ましいとされています。

 

外科的治療(手術)

解剖学的な原因が明らかな場合や、他の治療で効果不十分な場合には外科的手術も選択肢となります。

代表的なのは扁桃摘出術鼻中隔・鼻甲介手術です。

 

扁桃(のどの扁桃腺)が大きく気道を塞いでいる場合、その摘出手術によりSASが劇的に改善することがあります。

成人のSAS患者を対象とした研究では、扁桃摘出のみの手術で無呼吸指数(AHI)が平均82%も減少し、95%近くの症例でAHIが半減するなど高い効果が報告されています[7]。

 

特に若年で肥満傾向がある扁桃肥大の男性では、扁桃摘出によりSASがほぼ治癒するケースもあります[7]。

小児のSASにおいても、アデノイドや扁桃の肥大が原因であればその摘出手術が第一選択で、多くの子どもで症状が改善します。

もう一つは顎矯正手術(顎骨前方移動術)です。

これは上顎および下顎の骨を外科的に前方へ移動固定する手術で、結果的に舌や軟口蓋が引き前に出されて上気道が広がるため、SASの根本的治療となります。

大掛かりな手術ですが効果は高く、重度のSAS患者でもこの手術により80~90%の症例で無呼吸が大幅改善したとの報告があります[8]。

 

下顎が小さいことが原因のSASでは非常に有効な治療と言えます。

これらの外科治療は患者さん個々の状態に応じて検討され、適応があれば行われます。

ただし手術にはリスクも伴うため、基本的には他の保存的治療(減量・CPAP・マウスピース等)で効果不十分な場合明らかな解剖学的閉塞がある場合に選択されます。

 

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「もしかして睡眠中に無呼吸になっているかも」「いびきが酷く日中の眠気も強い」

このようなSASの症状や心当たりがある場合、できるだけ早めに専門医で診断を受けることが重要です。

SASを放置すると日中の居眠りによる事故リスクが高まるほか[4]、高血圧・心臓病・脳卒中・糖尿病など様々な合併症のリスクが上昇することがわかっています[4]。

幸い、現在はオンライン診療を活用して自宅にいながらSASの専門診察・検査を受けることも可能です。

 

森下駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の診察・検査をオンラインで完結できる体制を整えています[9]。

具体的には、スマートフォンやパソコンを使って医師のオンライン問診・診察を受け、その後ご自宅で簡易睡眠時無呼吸検査(携帯用の検査機器を用いた自宅での睡眠検査)を実施します[9]。

検査機器はクリニックから宅配便で貸し出されるため、来院せずとも睡眠中の無呼吸の有無を調べることができます[9]。

医師はオンラインで検査結果を説明し、SASと診断された場合には重症度に応じて適切な治療方針を提案します[9]。

例えばCPAP療法が適応となれば、CPAP装置もご自宅に配送されるので、受け取りのために外出する必要もありません[9]。診察から治療まですべて保険適用で行えます[9]。

 

※※2025年2月現在、保険診療のルール上、CPAP使用開始後に一度、対面診療のための来院の必要性があります。

 

オンライン診療の予約方法は、森下駅前クリニックのウェブサイトから24時間受付が可能です[9]。

 

SASは適切に対処すれば怖くありません。「いびきがひどい」「日中に異常に眠い」などの兆候がある方は、遺伝的要因の有無にかかわらず早めに専門医に相談しましょう。

森下駅前クリニックのオンライン診療(https://morishitaekimae.com/online/)を活用し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻してください。

 

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引用文献(出典)

[1] Mukherjee S, et al. The genetics of obstructive sleep apnoea. Respirology. 2018;23(1):18-27.
(The genetics of obstructive sleep apnea – PMC)
[2] 井上雄一ほか「睡眠時無呼吸症の遺伝性に関する研究 – 家系内多発の実態ならびにその要因について」科研費報告(鳥取大学, 1997年).
(KAKEN — 研究課題をさがす | 睡眠時無呼吸症の遺伝性についての研究-家系内多発の実態ならびその要因について- (KAKENHI-PROJECT-08671088))
[3] National Heart, Lung, and Blood Institute. Sleep Apnea – Causes and Risk Factors. (アメリカ国立心肺血液研究所 NIH、2025年更新).
(Sleep Apnea – Causes and Risk Factors | NHLBI, NIH)
[4] MedlinePlus Genetics. Obstructive sleep apnea – Inheritance and Causes. (米国国立医学図書館, 2021年).
(Obstructive sleep apnea: MedlinePlus Genetics)
[5] Blechner A & Friedman N. Diagnosis and Treatment of Obstructive Sleep Apnea in Adults. Am Fam Physician. 2016;94(5):355-360.
(Diagnosis and Treatment of Obstructive Sleep Apnea in Adults | AAFP)
[6] 日本呼吸器学会『睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020』公益社団法人日本呼吸器学会, 2020年.
[7] Huntley C, et al. The Effect of Tonsillectomy Alone in Adult Obstructive Sleep Apnea. Otolaryngol Head Neck Surg. 2015;152(5):969-973.
(The Effect of Tonsillectomy Alone in Adult Obstructive Sleep Apnea | Request PDF)
[8] Vanderveken OM, et al. Maxillomandibular advancement for OSA: Long-term outcomes. J Clin Sleep Med. 2020;16(8):1409-1418.
(The influence of position dependency on surgical success in …)
[9] 森下駅前クリニック「CPAP専門外来(睡眠時無呼吸症候群のオンライン診療)」(2023年).
(CPAP専門外来|睡眠時無呼吸症候群のオンライン診療は森下駅前クリニックへ!)
[10] National Library of Medicine. Genetics of Sleep Apnea (NCBI, 2022年).
(Is Sleep Apnea Genetic?)
[11] レスメド スリープスポット. 閉塞性睡眠時無呼吸は遺伝する?
 (閉塞性睡眠時無呼吸は遺伝する? – ResMed SleepSpot | レスメド スリープスポット)

※上記で示した各文献タイトル横のカッコ内リンクは本文中で[番号]として表記した引用元の詳細です。
本文の文章はそのまま、リンク部分のみを「[番号]」に置き換えております。

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因はストレスから?原因やリスクをわかりやすく解説

  あなたは、夜中に何度も目が覚める、日中に強い眠気に襲われる、といった経験はありませんか?

もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、放置すると、高血圧や糖尿病などのリスクを高めるだけでなく、日中の集中力や記憶力の低下、イライラしやすくなる、気分が落ち込みやすくなるなどの精神的な問題を引き起こす可能性も。

2020年には、睡眠時無呼吸症候群の患者数は150万人にも達し、もはや他人事ではありません。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群の原因やリスク、そしてあなたに合った治療法について詳しく解説していきます。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)はストレスが原因で発症するのか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とストレスには、深い関係があると考えられています。

ストレスは、睡眠時無呼吸症候群の直接的な原因となるわけではありませんが、発症のリスクを高めたり、症状を悪化させたりする可能性があります。

人は誰でも、日々の生活の中で、仕事や人間関係など、さまざまなストレスにさらされています。適度なストレスは、私たちが生活していく上で必要な刺激となりますが、過剰なストレスは、心身に悪影響を及ぼします。

その一つとして、睡眠時無呼吸症候群の発症や悪化が挙げられます。   例えば、日頃から非常にストレスを感じている人が、重要なプレゼンテーションの前夜に緊張で眠りが浅くなってしまい、激しいいびきをかき始めた、というケースを想像してみてください。

これは、ストレスによって筋肉が緊張し、気道が狭くなったことで、いびきや無呼吸が生じやすくなったと考えられます。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症することでストレスが溜まる

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。 睡眠時無呼吸症候群によってどんなストレスを感じてしまうのか、わかりやすく解説していきます。

【関連記事】

睡眠時無呼吸症候群と頭痛の関係性 | そのまま放置すると高血圧・動脈硬化・脳梗塞の危険性も

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状をわかりやすく解説!自分でできる症状チェックリスト付き

 

いびきや無呼吸による中途覚醒

睡眠時無呼吸症候群になると、寝ている間に何度も目が覚めてしまうことがあります。

これは、いびきをかいたり、呼吸が止まったりすることで、脳が酸素不足を感知し、危険を感じて無理やり目を覚まさせているのです。

例えば、静かな部屋で寝ている時に、誰かに肩を叩かれて起こされたところを想像してみてください。びっくりしてしまいますよね。

睡眠時無呼吸症候群の場合も、これと似たようなことが一晩に数十回、数百回と繰り返されるため、ぐっすり眠ることができず、心身ともに大きなストレスを抱えてしまうのです。

診察室でも、「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝起きたときに全く寝た気がしない」という訴えを多く耳にします。 睡眠は、私たちにとって、心身の疲労を回復させるために必要不可欠です。

しかし、睡眠時無呼吸症候群によって睡眠の質が低下すると、日中の活動に支障をきたすだけでなく、精神的なストレスを増大させ、うつ病などの精神疾患のリスクを高めることにも繋がることがわかっています。

 

日中の眠気

睡眠時無呼吸症候群の人は、夜中に何度も目が覚めてしまうため、朝起きてもスッキリせず、日中も眠気やだるさに悩まされることがあります。

例えば、テスト前に徹夜で勉強した次の日を想像してみてください。 頭がぼーっとして、集中できないですよね。

睡眠時無呼吸症候群の場合も、毎日このような状態が続くため、仕事や勉強に集中できず、ミスが増えたり、周囲に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。

その結果、さらにストレスを感じてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。   患者さんの中には、「運転中に眠気に襲われて危うく事故を起こしそうになった」「会議中に眠ってしまい、上司に叱責された」という経験を語る方も少なくありません。

睡眠時無呼吸症候群による日中の眠気は、自分自身の健康だけでなく、周囲の人々にも危険を及ぼす可能性があることを認識しておく必要があります。

 

慢性的な疲労感

睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠の質が悪いため、身体がしっかり休むことができず、慢性的な疲労感に悩まされることがあります。

例えば、マラソンを走り終わった後のような、ぐったりとした疲れがずっと続いている状態を想像してみてください。

いくら寝ても疲れが取れないため、家事や育児に身が入らなかったり、趣味を楽しむ余裕もなくなってしまいます。

また、慢性的な疲労は、集中力や思考力の低下、意欲の減退、イライラしやすくなるなど、精神面にも悪影響を及ぼします。 その結果、周囲とのコミュニケーションがうまくいかなくなったり、仕事やプライベートで十分なパフォーマンスを発揮できなくなってしまうこともあるでしょう。

このように、睡眠時無呼吸症候群は身体的な症状だけでなく、精神的なストレスを通じて、私たちの生活に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症し、ストレスを溜めるとどうなる?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症すると、睡眠中に何度も呼吸が止まり、身体は大きなストレスを感じます。

就寝すると、リラックス効果によって筋肉が緩みますが、この時、気道周囲の筋肉も緩んでしまいます。

すると、空気の通り道である気道が狭くなり、呼吸が浅くなったり、一時的に止まったりしてしまうのです。   このような状態が続くと、身体は慢性的な酸素不足に陥り、心身に様々な悪影響が現れます。

日中の強い眠気や倦怠感は、その典型的な症状と言えるでしょう。   また、睡眠時無呼吸症候群によって睡眠の質が低下すると、日中の集中力や記憶力の低下、イライラしやすくなる、気分が落ち込みやすくなるなど、精神面にも悪影響を及ぼします。

患者さんの中には、「最近、仕事でミスが増えた」「家族にイライラして当たってしまう」という悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。

しかし、睡眠時無呼吸症候群の治療によって、これらの症状が改善したケースも少なくありません。

【関連記事】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化したときの症状と日常生活への影響

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大きく分けて「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」と「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)」の二つのタイプに分けられます。

どちらも睡眠中に呼吸が止まってしまう病気ですが、その原因は全く異なります。

【関連記事】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因とは?原因と対策

 

多くの患者さんを悩ませる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」

OSAは、睡眠中に空気の通り道である気道が塞がってしまうことで起こります。   就寝すると、リラックス効果によって全身の筋肉が緩み始めます。

この時、気道周囲の筋肉も緩んでしまい、空気の通り道である気道が狭くなってしまうのです。

特に、肥満体型の方は、首の周りにも脂肪がたくさんついてしまうため、気道を圧迫しやすく、OSAになりやすい傾向があります。

その他にも、あごが小さい、扁桃腺が大きい、舌が大きいなどの anatomical な特徴も、OSAのリスクを高めます。

さらに、飲酒や喫煙も、OSAの症状を悪化させる要因となります。

 

なかなか気づかれにくい「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)」

一方、CSAは、脳から呼吸をするための指令がうまく伝わらなくなってしまうことで起こります。

脳卒中や脳腫瘍などの病気によって脳がダメージを受けたり、心臓病などによって呼吸中枢の働きが弱まったりすることが原因で起こることがあります。

OSAとCSAでは、原因が全く異なるため、治療法も異なってきます。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「最近、いびきがうるさいと家族に指摘された」「日中、耐えられないほどの眠気に襲われる」など、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑わせる症状を感じたら、早めの対応が大切です。

しかし、多くの方が「仕事が忙しくて病院に行く時間がない」「診療時間内に間に合わない」といった理由で、中々受診に踏み切れないという現状があります。   このような悩みを抱えている方に最適なのが、オンライン診療です。

オンライン診療は、スマートフォンやパソコンさえあれば、いつでもどこでも医師の診察を受けられる便利なシステムです。

従来の対面診療と同様に、睡眠時無呼吸症候群の症状や治療法について医師に相談したり、検査の予約をすることができます。

例えば、日中の強い眠気にお悩みの方の場合、オンライン診療で医師にその状況を詳しく説明することで、睡眠時無呼吸症候群の可能性を検討し、適切な検査へと繋げることができます。

「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれないけれど、病院に行く時間がない…」と諦めていた方も、オンライン診療を活用することで、自宅や職場など、自分の都合の良い場所で、気軽に専門医のアドバイスを受けることができます。

また、オンライン診療は、待ち時間のストレスを軽減できるという点も大きなメリットです。 病院の待ち時間は、患者さんにとって大きな負担となります。

特に、仕事や家事などで忙しい方にとって、貴重な時間を待ち時間で浪費してしまうことは大きなストレスです。

オンライン診療では、事前に予約ができるため、待ち時間がほとんどなく、自分の順番が来るまでリラックスして待つことができます。

「少し気になるけれど、病院に行くほどでもないかな…」と軽く考えずに、オンライン診療という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか?

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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【医師監修】睡眠時無呼吸症候群の9大原因|肥満・骨格だけじゃない!女性・子ども・痩せ型特有の原因も解説

 

「いびきがひどい」

「日中の眠気が取れない」

「朝起きると頭が痛い」

このような症状でお悩みではありませんか?

もしかすると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。実は、この病気の原因は肥満だけではありません。

痩せ型の方や女性、子どもでも発症することがあり、その原因は実に多様です[1]。

今回は、睡眠時無呼吸症候群の9つの主要な原因について、最新の医学的知見をもとに詳しく解説します。

あなたの症状の原因を知ることで、適切な治療への第一歩を踏み出しましょう。

 

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あなたはどのタイプ?考えられる原因セルフチェックリスト

まずは、以下のチェックリストで、あなたに当てはまる項目を確認してください。

 

□ 最近、体重が増えた(BMIが25以上)

□ 顎が小さい、または後退している

□ 首が短い、または首回りが太い

□ 日常的にいびきをかく

□ 寝る前にお酒を飲む習慣がある

□ 喫煙している

□ アレルギー性鼻炎などで鼻がよく詰まる

□ 仰向けで寝ることが多い

 

チェックが多かった項目が、あなたの主な原因かもしれません。詳しく見ていきましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の二大原因

原因①:気道の閉塞(肥満・脂肪沈着)

肥満は睡眠時無呼吸症候群の最も重要な危険因子の一つです[2]。

体重が増加すると、首周りや舌、咽頭(のど)の周囲に脂肪が蓄積し、気道が狭くなります。

特に、首周りの脂肪沈着は直接的に上気道を圧迫します。男性で首回り40cm以上、女性で35cm以上の方は要注意です[3]。

また、舌の肥大(舌への脂肪沈着)も気道閉塞の重要な原因となります。

BMIが高いほどOSAのリスクは上昇し、体重を10%減少させると、無呼吸・低呼吸指数(AHI)が約26%改善するという報告もあります[4]。

 

原因②:顎や首の骨格的な特徴

骨格的な特徴も睡眠時無呼吸症候群の重要な原因です。

特に東アジア人(日本人を含む)は、欧米人と比較して以下のような特徴があることが分かっています[5]。

  • 下顎が小さく後退している(下顎後退症)
  • 上顎が狭い
  • 顔面が前後に短い(短頭型)

これらの骨格的特徴により、舌が後方に下がりやすく、気道が狭くなりやすいのです。

実際、同じBMIでも、アジア人は欧米人より重症のOSAを発症しやすいことが報告されています[6]。

 

生活習慣や体質に潜む7つの原因

加齢による喉の筋力低下

加齢により、上気道を開いた状態に保つ筋肉(咽頭拡張筋)の筋力が低下します。

特に60歳以降でOSAの有病率が上昇することが知られています[7]。筋力低下により、睡眠中に気道が虚脱しやすくなるのです。

 

飲酒・喫煙

飲酒は、上気道の筋肉を弛緩させ、呼吸中枢の感受性を低下させることで、OSAを悪化させます[8]。

アルコール摂取により、無呼吸の持続時間が長くなり、低酸素血症が重症化することが報告されています[9]。

喫煙は、上気道の炎症を引き起こし、粘膜の浮腫(むくみ)を生じさせることで気道を狭くします[10]。

喫煙者は非喫煙者と比較して、OSAのリスクが約2.5倍高いという報告があります[11]。

 

睡眠薬の服用

ベンゾジアゼピン系睡眠薬などの中枢神経抑制薬は、上気道筋の緊張を低下させ、呼吸中枢の反応性を鈍らせることで、OSAを悪化させる可能性があります[12]。

 

仰向け寝の習慣

仰向けで寝ると、重力により舌根部が後方に落ち込み、気道が狭くなります。

体位依存性OSAと呼ばれ、仰向けでのAHIが側臥位の2倍以上になる患者さんも少なくありません[13]。

 

アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症

鼻閉(鼻づまり)があると、口呼吸になりやすく、OSAのリスクが上昇します。

アレルギー性鼻炎患者では、OSAの有病率が一般人口の約1.8倍高いことが報告されています[14]。

鼻閉により

  • 口呼吸となり、下顎が後退する
  • 上気道の陰圧が増大し、虚脱しやすくなる
  • 睡眠の質が低下し、覚醒反応が増える

 

扁桃腺(へんとうせん)・アデノイドの肥大

扁桃腺やアデノイドの肥大は、物理的に気道を狭窄させます。

特に小児では最も重要な原因であり、小児OSA患者の約70-80%に認められます[15]。

成人でも扁桃肥大がある場合は、OSAのリスクが上昇します。

 

口呼吸の習慣

慢性的な口呼吸は、以下のメカニズムでOSAを悪化させます[16]。

  • 下顎が後退し、舌根部が気道を圧迫
  • 口腔・咽頭の乾燥により、粘膜の炎症・浮腫が生じる

 

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見逃さないで!女性・子ども特有の原因

女性に特有の原因:ホルモンバランスの変化

女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は、上気道の筋緊張を維持し、呼吸中枢の感受性を高める作用があります[17]。

閉経後には、これらのホルモンが急激に減少するため、OSAのリスクが上昇します。

実際に、閉経後女性のOSA有病率は閉経前の約2.6倍に上昇することが報告されています[18]。

また、閉経後は内臓脂肪が蓄積しやすくなることも、OSAリスクを高める要因となります[19]。

妊娠中も、体重増加、鼻粘膜の浮腫、横隔膜の挙上などによりOSAのリスクが上昇します。

 

お子さんに特有の原因:扁桃・アデノイド肥大

小児OSAの最大の原因は、扁桃・アデノイド肥大です[20]。

 

小児の特徴

  • 2-8歳に好発(扁桃・アデノイドが最も大きくなる時期)
  • 肥満がなくてもOSAを発症しやすい
  • 成長・発達への影響が大きい(成長ホルモン分泌低下、学習能力低下など)

扁桃肥大度3度以上(扁桃が正中まで達する)の小児では、約60-80%にOSAが認められます[21]。

 

【専門的な解説】実は2種類ある睡眠時無呼吸症候群のタイプ(OSAとCSA)

患者の9割以上「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、上気道の物理的な閉塞により生じます。

呼吸努力は続いているものの、気道が塞がれているため、空気が肺に入らない状態です[22]。

 

OSAの特徴

  • いびきを伴うことが多い
  • 呼吸努力による胸腹部の動きは継続
  • 肥満、骨格異常、扁桃肥大などが主な原因

 

脳の指令が原因「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)」

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)は、脳からの呼吸指令が一時的に停止することで生じます。呼吸努力自体が消失するのが特徴です[23]。

 

CSAの主な原因

  • 心不全:最も多い原因。心不全患者の30-50%にCSAが認められる[24]
  • 脳血管障害(脳梗塞、脳出血)
  • オピオイド系薬剤の使用
  • 高地滞在

 

CSAでは、チェーン・ストークス呼吸と呼ばれる、呼吸が徐々に大きくなったり小さくなったりを繰り返すパターンが特徴的です。

 

原因がわかったら、次は解決へ

本当の原因を特定するには、専門医の診察と検査が不可欠

睡眠時無呼吸症候群の正確な診断には、以下の検査が必要です。

  1. 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG):睡眠中の呼吸、脳波、筋電図などを総合的に評価
  2. 簡易睡眠検査:自宅で行える検査。重症度の評価が可能
  3. 画像検査(CT、MRI):骨格異常や軟部組織の評価
  4. 内視鏡検査:上気道の狭窄部位の特定

 

オンライン診療で、あなたの原因に合わせた解決策をご提案

森下駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の診断から治療まで、包括的な医療を提供しています。

 

当院の特徴

  • 呼吸器内科専門医による診察
  • 最新の検査機器による正確な診断
  • 一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療(外科治療、歯科装具治療などについては当該科に治療依頼提供)
  • オンライン診療による継続的なCPAP治療フォローアップ

 

睡眠時無呼吸症候群は、単に「太っているから」「いびきがうるさいだけ」という病気ではありません。

肥満、骨格的特徴、加齢、生活習慣、ホルモンバランスなど、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。

放置すると、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの重大な合併症のリスクが高まります[25]。

また、日中の眠気による交通事故のリスクも無視できません。

あなたの症状の原因を正確に特定し、適切な治療を受けることで、質の高い睡眠と健康的な生活を取り戻すことができます。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

「いびきがひどい」「日中の強い眠気がある」「朝の頭痛が続く」など、睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状でお悩みの方は、ぜひ森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

ご自宅にいながら、専門医の診察を受けることができ、必要に応じて簡易睡眠検査キットをお送りすることも可能です(簡易検査結果によってはPSG検査も可能です)。

検査結果をもとに、あなたに最適な治療法をご提案いたします。健康的な睡眠は、充実した日々の生活の基盤です。

一人で悩まず、まずは専門医にご相談ください。

オンライン診療のご予約はこちらお問い合わせ・ご相談もお気軽にどうぞ。

あなたの健やかな眠りを、私たちがサポートいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

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傾向

疑い

 

 

引用文献

[1] Young T, et al. The occurrence of sleep-disordered breathing among middle-aged adults. N Engl J Med. 1993;328(17):1230-5.[2] Young T, et al. Excess weight and sleep-disordered breathing. J Appl Physiol. 2005;99(4):1592-9.[3] Davies RJ, et al. Neck circumference and other clinical features in the diagnosis of the obstructive sleep apnoea syndrome. Thorax. 1992;47(2):101-5.[4] Hudgel DW, et al. The role of weight management in the treatment of adult obstructive sleep apnea. Am J Respir Crit Care Med. 2018;198(6):e70-e87.[5] Lee RW, et al. Differences in craniofacial structures and obesity in Caucasian and Chinese patients with obstructive sleep apnea. Sleep. 2010;33(8):1075-80.[6] Li KK, et al. A comparison of Asian and white patients with obstructive sleep apnea syndrome. Laryngoscope. 1999;109(12):1937-40.[7] Bixler EO, et al. Effects of age on sleep apnea in men: I. Prevalence and severity. Am J Respir Crit Care Med. 1998;157(1):144-8.[8] Simou E, et al. Alcohol and the risk of sleep apnoea: a systematic review and meta-analysis. Sleep Med. 2018;42:38-46.[9] Mitler MM, et al. Bedtime ethanol increases resistance of upper airways and produces sleep apneas in asymptomatic snorers. Alcohol Clin Exp Res. 1988;12(6):801-5.[10] Kim KS, et al. Smoking induces oropharyngeal narrowing and increases the severity of obstructive sleep apnea syndrome. J Clin Sleep Med. 2012;8(4):367-74.[11] Krishnan V, et al. Where there is smoke…there is sleep apnea: exploring the relationship between smoking and sleep apnea. Chest. 2014;146(6):1673-80.[12] Mason M, et al. Drug therapy for obstructive sleep apnoea in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(5):CD003002.[13] Joosten SA, et al. Supine position related obstructive sleep apnea in adults: pathophysiology and treatment. Sleep Med Rev. 2014;18(1):7-17.[14] Cao Y, et al. Association of allergic rhinitis with obstructive sleep apnea: A meta-analysis. Medicine. 2018;97(51):e13783.[15] Marcus CL, et al. Diagnosis and management of childhood obstructive sleep apnea syndrome. Pediatrics. 2012;130(3):e714-55.[16] Lee SH, et al. Mouth breathing, “nasal disuse,” and pediatric sleep-disordered breathing. Sleep Breath. 2015;19(4):1257-64.[17] Bixler EO, et al. Prevalence of sleep-disordered breathing in women: effects of gender. Am J Respir Crit Care Med. 2001;163(3):608-13.[18] Young T, et al. Menopausal status and sleep-disordered breathing in the Wisconsin Sleep Cohort Study. Am J Respir Crit Care Med. 2003;167(9):1181-5.[19] He J, et al. Menopause and obstructive sleep apnea: revealing an independent mediating role of visceral fat beyond body mass index. BMC Endocr Disord. 2025;25(1):8.[20] Kang KT, et al. Associations between adenotonsillar hypertrophy, age, and obesity in children with obstructive sleep apnea. PLoS One. 2013;8(10):e78666.[21] Li AM, et al. Adenotonsillectomy for treatment of obstructive sleep apnea in children. Cochrane Database Syst Rev. 2021;4(4):CD012097.[22] Eckert DJ, et al. Defining phenotypic causes of obstructive sleep apnea. Am J Respir Crit Care Med. 2013;188(8):996-1004.[23] Baillieul S, et al. Diagnosis and management of central sleep apnea syndrome. Expert Rev Respir Med. 2019;13(6):545-57.[24] Javaheri S, et al. Sleep apnea in 81 ambulatory male patients with stable heart failure. Circulation. 1998;97(21):2154-9.[25] Marin JM, et al. Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure. Lancet. 2005;365(9464):1046-53.

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