あなたは、日中の強い眠気や、大きないびきで悩んでいませんか?
もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が何度も止まる病気で、放置すると心臓病や脳卒中などのリスクを高めることも。実は、肥満が大きな原因の一つであり、ダイエットによって症状の改善が期待できるのです。
本記事では、睡眠時無呼吸症候群とダイエットの関係性について、具体的な数値や成功事例を交えて詳しく解説します。BMI22を目指した減量方法や、有酸素運動、筋トレといった効果的なダイエット法、そして睡眠時無呼吸症候群治療におけるCPAP療法や手術療法についても紹介します。
睡眠時無呼吸症候群の症状に心当たりがある方、ダイエットで健康的な生活を送りたい方は、ぜひ読み進めてみてください。あなたの健康な睡眠と生活をサポートする情報が満載です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)はダイエット・減量で治る可能性がある
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、寝ている間に呼吸が何度も止まる病気です。大きないびきや日中の強い眠気が特徴ですが、実は肥満も大きな原因の一つです。
気道は空気の通り道ですが、肥満の方は気道の周囲にも脂肪が蓄積し、この脂肪が気道を圧迫して狭くしてしまうのです。まるで、息を吸うためのホースが、周りの脂肪に押しつぶされて細くなってしまうようなイメージです。
私が診察した患者さんの中にも、肥満体型で睡眠時無呼吸症候群と診断された方がいました。その方は毎日お昼ご飯の後、強烈な眠気に襲われて仕事に集中できないと訴えていました。問診と検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断し、CPAPという医療機器による治療と並行してダイエットを指導しました。
ダイエットの効果は、アメリカの研究でも実証されています。体重が10%減少すると、睡眠時無呼吸症候群の重症度を示すAHIという数値が26%も減少するという結果が出ています。AHIは、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数を合計した数値です。数値が大きいほど重症ということになります。
このAHIという指標は、睡眠時無呼吸症候群の重症度を判断する重要な数値であり、5以下を目指して治療を行います。5~15が軽症、15~30が中等症、30以上が重症と分類されます。
BMIも重要な指標です。BMIは身長と体重から計算される肥満度の指標で、インターネットで簡単に計算できます。BMIが25以上は肥満とされており、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。健康な状態を維持するためにはBMI22を目指すと良いでしょう。
睡眠時無呼吸症候群と診断された別の患者さんは、BMIが30を超えていました。そこで、管理栄養士による栄養指導と、無理のない範囲での運動療法を組み合わせたダイエットプログラムを作成し、二人三脚で二人三脚で取り組みました。その結果、半年後には体重が15kg減少し、BMIも25まで下がりました。それに伴い、AHIも改善し、日中の眠気も軽減したと喜んでいました。
このように、ダイエットは睡眠時無呼吸症候群の症状改善に大きく貢献する可能性があります。しかし、ダイエットだけで睡眠時無呼吸症候群が完全に治るわけではありません。自己判断で治療を中断せず、医師に相談しながら適切な治療を継続することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のダイエット・減量の目安
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された方は、ダイエットに取り組むことが重要です。
なぜなら、睡眠時無呼吸症候群の大きな原因の一つに肥満があるからです。
では、どれくらい減量すれば睡眠時無呼吸症候群の症状が改善するのでしょうか?
一つの目安として、BMI22を目指すと良いでしょう。BMIとは、身長と体重から計算される肥満度の指標で、簡単に計算できます。BMIが25以上は肥満とされており、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。
BMIの計算方法は、「体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」です。例えば、身長170cm、体重70kgの方のBMIは、70 ÷ 1.7 ÷ 1.7 = 約24.2となります。この場合、BMI22を目標とする場合の体重は、1.7 × 1.7 × 22 = 約63.6kgとなります。
ダイエットは睡眠時無呼吸症候群の症状改善に大きく貢献する可能性があります。しかし、ダイエットだけで睡眠時無呼吸症候群が完全に治るわけではありません。自己判断で治療を中断せず、医師に相談しながら適切な治療を継続することが大切です。
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睡眠時無呼吸症候群(SAS)に効果的なダイエット方法
肥満の方は、気道の周囲にも脂肪が蓄積し、この脂肪が気道を圧迫して狭くしてしまいます。ダイエットで体重が減ると、この脂肪も減少し、気道が広がりやすくなります。結果として、無呼吸や低呼吸の回数が減り、睡眠時無呼吸症候群の症状が改善するのです。
ここでは、睡眠時無呼吸症候群に効果的なダイエット方法について、わかりやすく解説していきます。
有酸素持久運動
有酸素持久運動とは、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなど、比較的長い時間続けられる運動のことです。脂肪を燃焼させる効果が高く、睡眠時無呼吸症候群の改善にもつながります。
例えば、近所の公園を20分間、景色を楽しみながらウォーキングすることを想像してみてください。最初は短い時間から始めて、徐々に時間を延ばしていくと、無理なく続けられます。週に3回以上行うことで、より効果を実感できるでしょう。
また、運動を楽しく続けるための工夫も大切です。好きな音楽を聴きながら運動したり、友人と一緒に運動したりすることで、モチベーションを維持しやすくなります。有酸素運動は、心臓や肺の機能を強化する効果もあります。心臓や肺が元気になると、体全体に酸素がしっかり送られるようになり、睡眠時無呼吸症候群の症状改善にも役立ちます。
運動の種類 | 時間の目安 | 頻度の目安 |
ウォーキング | 20~30分 | 週3回以上 |
ジョギング | 15~20分 | 週2回以上 |
水泳 | 30分 | 週2回以上 |
サイクリング | 30分 | 週2回以上 |
上記の表はあくまでも目安です。ご自身の体力や体調に合わせて、無理なく続けられるように調整しましょう。無理のない範囲で、日常生活の中に運動を取り入れることが重要です。例えば、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う、一駅前で降りて歩くなど、少しの工夫で運動量を増やすことができます。
筋力トレーニング
筋力トレーニングは、腕立て伏せやスクワットなど、筋肉に負荷をかける運動のことです。筋肉量を増やすことで、基礎代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすくなります。
例えば、1日10回ずつ、腕立て伏せとスクワットを行ってみましょう。最初は回数が少なくても構いません。徐々に回数を増やしたり、ダンベルなどの器具を使ったりすることで、負荷を調整できます。
筋力トレーニングは、有酸素運動と組み合わせることで、より効果的です。週に2~3回、有酸素運動と筋力トレーニングを交互に行うと良いでしょう。
トレーニングの種類 | 回数の目安 | 頻度の目安 |
腕立て伏せ | 10回 | 週2回以上 |
スクワット | 10回 | 週2回以上 |
腹筋 | 10回 | 週2回以上 |
上記の表も目安です。ご自身の体力や体調に合わせて、無理なく続けられるように調整しましょう。
大切なことは、無理なく続けられる運動を見つけることです。好きな音楽を聴きながら運動したり、家族や友人と一緒に運動したりすることで、楽しく続けられるでしょう。ダイエットは、睡眠時無呼吸症候群の症状改善だけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。健康な生活を送るためにも、積極的に取り組んでいきましょう。
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ダイエット以外に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治す方法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は、ダイエット以外にも様々な方法があります。その方の症状の重さや原因、ライフスタイルによって、最適な治療法は異なってきます。まるで洋服を選ぶように、それぞれの方に合った治療法を仕立てていく必要があるのです。
まず、基本的な治療法として、CPAP(シーパップ)療法、マウスピース療法、手術療法などがあります。
CPAP療法は、寝ている間に鼻にマスクを装着し、空気を送り込み続けることで、気道を広げて呼吸を楽にする方法です。空気の圧力を調整することで、のどが閉じてしまうのを防ぎ、スムーズな呼吸をサポートします。これは、睡眠時無呼吸症候群の治療において最も効果が高いとされ、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群の方に広く用いられています。
次に、マウスピース療法は、寝ている間に専用のマウスピースを装着することで、下あごを少し前に出し、気道を広げる方法です。CPAP療法ほど効果が高いわけではありませんが、軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群の方や、CPAP療法が合わない方に適しています。
さらに、手術療法は、のどや鼻の奥の気道を広げる手術です。扁桃腺やアデノイドを切除する手術や、口蓋垂形成術、舌根進展術など、様々な種類があります。他の治療法で効果がなかった場合や、気道の構造に問題がある場合に検討されます。
例えば、鼻中隔湾曲症などの鼻の病気が原因で睡眠時無呼吸症候群になっている患者さんには、手術によって鼻の通りを良くすることで、呼吸が楽になり、睡眠時無呼吸症候群の症状が改善されることがあります。
これらの治療法以外にも、生活習慣の改善も重要です。禁煙、飲酒制限、規則正しい睡眠、適度な運動などは、睡眠時無呼吸症候群の症状を軽くする効果があります。
どの治療法が自分に合っているのかわからない場合は、一人で悩まず、医療機関を受診して医師に相談することが大切です。医師は、患者さんの状態を丁寧に診察し、最適な治療法を提案します。
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睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ
「もしかして、自分も睡眠時無呼吸症候群(SAS)?」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。特に、大きないびきをかいたり、日中に強い眠気があったりする方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を疑ってみる必要があります。
しかし、病院を受診するには時間や費用がかかりますし、なかなか重い足を運べない方もいるでしょう。そんな方々に、近年注目されているのがオンライン診療です。
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