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【医師監修】そのいびき、病気のサインかも?睡眠時無呼吸症候群の15の危険な症状とセルフチェック
まずは、ご自身が睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状に当てはまるか確認してみましょう。
以下のセルフチェックリストで、思い当たる項目に「◯(はい)」または「×(いいえ)」を付けてみてください。
自己チェック項目 | ◯ / × |
1. 大きないびきを指摘されたことがある(寝室の家族などに「鼾がうるさい」と言われた) | |
2. 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された(寝ている間、「息が止まっていた」と言われた) | |
3. 夜中に息苦しさで目が覚めることがある(突然「ハッ」と息が詰まる感じで起きることがある) | |
4. 睡眠中に何度も目が覚めてしまう(浅い眠りで繰り返し目覚め、熟睡できない) | |
5. 夜間に2回以上トイレに起きる(日中は平気でも、夜は何度も排尿に起きてしまう) | |
6. 朝起きたときに頭痛がする(寝起きにこめかみ辺りが締め付けられるように痛むことがある) | |
7. 朝起きたときに口や喉が渇いている(睡眠中に口呼吸になり、喉がカラカラになっている) | |
8. 十分な睡眠時間をとっても熟睡感がない(朝起きても疲れが残り、だるさが抜けない) | |
9. 日中に強い眠気に襲われる(仕事中や運転中などに耐えがたい眠気を感じることが多い) | |
10. 静かに座っているとウトウトしてしまう(会議中や読書中につい居眠りしてしまうことがある) | |
11. 集中力や記憶力が低下したと感じる(仕事のミスが増えたり、物忘れが多くなった) | |
12. 理由もなく気分が落ち込んだりイライラする(十分寝たはずなのに抑うつ感や不機嫌が続く) | |
13. 性欲の低下や勃起不全(ED)などを感じる(以前より性的欲求が減ったり、男性の場合ED傾向がある) | |
14. 寝汗を大量にかく(寝室の温度に関係なく、夜中にびっしょり汗をかいて起きることがある) | |
15. 寝ている間によく足がつる(就寝中にふくらはぎが痙攣し「こむら返り」を起こすことがある) |
チェックの目安: 上記の項目で「はい(◯)」が多いほど、SASの可能性があります。特に、1~3の「睡眠中の大きないびき・無呼吸」、8~10の「日中の眠気・居眠り」は代表的な警告サインです。当てはまる項目が5つ以上ある場合は、睡眠専門医に相談することをおすすめします。
あなたが感じているその症状、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。
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睡眠中に起こる症状(家族やパートナーが気づくサイン)
激しいいびき(止まったり、また始まったりする)
いびきは睡眠時無呼吸症候群の最も代表的な症状です。特に注意すべきは、単純ないびきではなく、一定のリズムでなく「しばらく無音→突然ガーッ」という変則的ないびきです。これは気道が完全に閉塞して無呼吸になり、酸素飽和度が低下した後に一気に呼吸が再開するためです。
この際、「フゥッ」「ガボッ」と息を飲み込むようなあえぎ音や喘ぎ(チョーキング)が起こることもあります。同室者がいる場合、この無呼吸と荒いいびきのパターンがはっきり観察されるでしょう。
呼吸の停止
睡眠中の呼吸停止は、睡眠時無呼吸症候群の中核症状です。医学的には10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上生じる場合に病的とされています。家族やパートナーがこの症状に気づいた場合は、速やかな医学的評価が推奨されます。
息苦しそうな呼吸、あえぎ
気道の狭窄により、睡眠中に苦しそうな呼吸やあえぎが観察されることがあります。これは上気道の部分的閉塞による低酸素状態を示唆する重要な症状です。
寝汗、何度も寝返りをうつ
睡眠時無呼吸症候群患者は一晩に何十回も短い覚醒を繰り返します。本人は深く眠ったつもりでも、実際には断片的な睡眠になっています。その結果、寝相が悪く一晩中ゴロゴロ寝返りを打ったり、手足をばたつかせたりします。
夜間に激しい寝汗をかく人もおり、これは無呼吸のたびに交感神経が刺激され体温調節が乱れるためと考えられます。
むせる、息苦しくて目が覚める
睡眠中の覚醒は、気道閉塞による低酸素状態に対する生体防御反応です。これにより睡眠の質が著しく低下し、日中の症状につながります。
朝起きた時に感じる症状
口や喉の渇き
目覚めたときに口や喉がカラカラに乾いているのも睡眠時無呼吸症候群患者に多い訴えです。これは無呼吸に伴いいびきをかく際に口呼吸になるためです。特に閉塞型睡眠時無呼吸症候群では睡眠中に鼻ではなく口で荒い呼吸をするため、喉の粘膜が乾燥します。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者の3人に1人以上が起床時の口渇や喉の痛みを感じていたとする報告があります。
頭痛、頭重感
朝、目覚めたときに頭痛があるのも睡眠時無呼吸症候群によく見られる症状です。典型的には両こめかみ辺りが締め付けられるような鈍い痛みで、吐き気や光・音への過敏さは伴わないことが多いと報告されています。
頻繁な無呼吸により睡眠中に脳への酸素供給が低下し血管が拡張すること、また睡眠不足による自律神経の乱れが原因と考えられています。
熟睡感がない、すっきり起きられない
睡眠時無呼吸症候群の方は十分な時間寝ても「ぐっすり寝た感じがしない」と訴えます。睡眠が細切れに中断されているため、深い睡眠(徐波睡眠)が不足し身体が回復できません。その結果、朝起きても疲労感が残り、強いだるさや倦怠感があります。
日中に現れる症状
耐え難い眠気(会議中、運転中など)
過度の日中眠気は、睡眠時無呼吸症候群の主要症状の一つです。特に、車の運転中や会議中など、通常なら眠気を感じない状況での強い眠気は、医学的評価が必要な重要なサインです。
研究によれば、中等度以上の睡眠時無呼吸症候群患者の約40-60%が日中の過度な眠気を訴えると報告されています。睡眠時無呼吸症候群患者は居眠り運転による交通事故リスクが高く、適切な治療により事故率は大幅に低下することが示されています。
倦怠感、常に疲れている
慢性的な疲労感は、夜間の睡眠の質低下により生じます。日常生活の質(QOL)の著しい低下を招く重要な症状です。
集中力・記憶力の低下
睡眠時無呼吸症候群では、認知機能の低下が高頻度で認められます。睡眠中に酸素不足と睡眠断片化が繰り返されることで脳の働きが鈍くなり、集中力や判断力の低下、物忘れが起こりやすくなります。
特に注意力、作業記憶、実行機能の障害が報告されており、仕事や学習能力に大きな影響を与えます。
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【要注意】こんな症状も?見過ごされがちなSASのサイン
夜間頻尿(トイレに何度も起きる)
夜間頻尿は睡眠時無呼吸症候群の重要な症状の一つですが、しばしば見過ごされます。研究によると、睡眠時無呼吸症候群患者の約50%が夜間頻尿を有しており、その多くは実際には睡眠障害による覚醒が原因であることが判明しています。
無呼吸発作が起きると心臓への血液の戻りが一時的に増えて心房が拡張し、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)という利尿を促すホルモンが分泌されます。その結果、夜間に尿が多く作られてしまいトイレに行きたくなって目が覚めるのです。
CPAP治療により夜間頻尿の改善が報告されており、泌尿器科的原因が明らかでない夜間頻尿では睡眠時無呼吸症候群の検索が推奨されます。
逆流性食道炎
睡眠時無呼吸症候群と逆流性食道炎の合併は高頻度で認められます。気道閉塞時の強い吸気努力により胸腔内圧が低下し、胃食道逆流が促進されることが病態として考えられています。
うつ症状、気分の落ち込み、イライラ
睡眠時無呼吸症候群では、うつ症状や気分障害の合併が高頻度で認められます。慢性的な睡眠不足と低酸素状態が神経伝達物質のバランスに影響を与えることが原因と考えられています。
睡眠時無呼吸症候群患者の多くに何らかの抑うつ・不安症状が見られるとのデータもあります。CPAP治療により気分症状の改善が報告されています。
ED(勃起不全)
男性において、勃起不全は睡眠時無呼吸症候群の重要な合併症です。複数の系統的レビューにより、睡眠時無呼吸症候群患者に勃起不全が認められることが報告されています。
病態としては、夜間の低酸素血症、内皮機能障害、テストステロン低下、心理的因子などが関与しています。CPAP治療により勃起機能の有意な改善が報告されており、治療効果の指標としても重要です。
女性の場合も例外ではなく、睡眠時無呼吸症候群によりホルモン分泌が乱れることで性的欲求の低下や性的興奮の障害を生じることがあります。
特に注意が必要な人とは?
女性特有の症状と原因
女性の睡眠時無呼吸症候群は男性と比較して過小診断される傾向があります。女性では典型的ないびきや呼吸停止よりも、以下の症状が前面に出ることが多いとされています。
不眠症状、疲労感・倦怠感、うつ症状、夜間頻尿、行動の変化などが挙げられます。
閉経後女性では、エストロゲン低下により上気道の筋緊張が低下し、睡眠時無呼吸症候群のリスクが増加します。閉経後はリスクが2-3倍になるとの報告もあります。
子どもの症状
小児の睡眠時無呼吸症候群では、成人とは異なる症状を示します。
日中の行動異常、多動、学習能力・集中力の低下、成長障害、夜尿症、口呼吸、いびきなどが主な症状です。
小児の有病率は約1-5%とされ、男女差もほとんどありません。原因は大人と異なり、扁桃肥大やアデノイド増殖による気道閉塞が多く、アデノイド切除術・扁桃摘出術が第一選択治療となります。
早期診断・治療により神経発達への悪影響を予防することができます。
痩せ型でも安心できない理由
睡眠時無呼吸症候群は肥満と強く関連していますが、痩せ型の方でも発症します。特に下顎後退、小顎症などの顎顔面形態異常、扁桃・アデノイド肥大、鼻腔通気性低下、神経筋疾患などがある場合は注意が必要です。
アジア人では、肥満度が低くても顎顔面形態の特徴により発症しやすいことが知られています。BMIが正常範囲でも症状がある場合は、専門医に相談することが重要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ
これらの症状に心当たりがある方は、一人で悩まず専門医にご相談ください。睡眠時無呼吸症候群は適切な診断と治療により、症状の改善だけでなく、将来の心血管疾患リスクの軽減も期待できます。
森下駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の診断から治療まで、包括的な医療を提供しています。在宅睡眠検査から精密検査、CPAP療法の導入・管理まで、患者様一人ひとりの状態に応じた最適な治療プランをご提案いたします。
忙しい方や通院が困難な方には、オンライン診療も実施しており、専門医による適切な評価と治療方針の決定が可能です。睡眠の質の改善は、生活の質の向上に直結する重要な治療です。
症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。早期診断・早期治療により、健康で質の高い毎日を取り戻すお手伝いをいたします。
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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく
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合併症
症状
原因
傾向
疑い
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