睡眠時無呼吸症候群(SAS)の調べ方

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に繰り返し呼吸が停止(無呼吸)または低下(低呼吸)する疾患です。

 

呼吸停止に伴い血中酸素が低下し、その都度睡眠が中断されるため、睡眠の質が損なわれます。

 

SASの患者は日中に強い眠気や集中力の低下、朝の頭痛などを訴えることがあり、放置すると生活習慣病や事故のリスクも高まります。

 

実際、SASは高血圧や心疾患、脳卒中、2型糖尿病など様々な健康障害のリスク因子となりうることが報告されています[1]。

 

特に中高年の肥満傾向にある男性に多い傾向がありますが、性別や体型にかかわらず発症し得るため注意が必要です。

 

また、睡眠中に繰り返し生じる低酸素やストレス反応により交感神経が活性化し、慢性的な疲労や居眠り運転による交通事故の危険性も指摘されています[1]。

 

SASを適切に診断して治療することは、こうしたリスクの軽減につながります。

 

日本循環器学会のガイドラインでも、循環器疾患のリスク因子としてSASに着目し、疑われる場合に積極的に検査・治療を行うことが推奨されています[2]。

 

それでは、自分がSASかどうかを知るにはどのように調べればよいでしょうか。成人を対象としたSASの調べ方は、大きく分けて3つあります。

 

  • セルフチェック(自己診断):自分の症状を確認する方法
  • 簡易検査(自宅で行うスクリーニング検査):呼吸や血中酸素濃度を測定する簡便な検査
  • 精密検査(医療機関で行う精密な一泊検査):脳波や心電図などを用いた詳しい検査

以下にそれぞれの方法について解説します。

 

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セルフチェック

まず、自分で睡眠時無呼吸症候群の可能性をある程度評価することができます。

 

いびきや無呼吸そのものは本人には自覚しにくいものですが、SASに伴って現れやすい症状があります。

 

次のチェックリストに当てはまる項目がないか確認してみましょう。

 

  • 自分のいびきの音で目が覚めたことがある
  • 十分に睡眠をとっているはずなのに日中に強い眠気に襲われる
  • 朝起きたときに全身の倦怠感がある
  • 熟睡感がなく、寝た気がしないことが多い
  • 注意力や集中力が続かず、居眠り運転しそうになったことがある
  • 家族や同僚から、睡眠中に「いびきが凄い」「途中で呼吸が止まっている」と指摘されたことがある
  • 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿傾向がある)

こうした項目が複数当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

 

一度病院に相談してみましょう[2]。

 

診療科としては、呼吸器内科や循環器内科、耳鼻咽喉科などで「いびき・睡眠外来」を標榜している医療機関で検査を受けることができます。

 

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呼吸や酸素濃度を測定する簡易検査

次に、医療機関では「簡易検査」と呼ばれる比較的手軽なスクリーニング検査を自宅で行うことができます。

 

病院から携帯型の検査装置一式を借り受け、自宅で就寝時に自身で装着して一晩測定する方法です。

 

簡易検査には主に2種類のタイプがあります。

 

1つはパルスオキシメーター(指先に装着する酸素飽和度計)を用いて、一晩の血中酸素濃度や脈拍の変化を連続的に記録し、無呼吸による低酸素状態の有無や程度を調べる方法です。

 

もう1つは鼻に装着する呼吸センサーで、鼻孔の気流(息の出入り)やいびき音を記録することで、睡眠中の呼吸状態や気道の閉塞状況を調べる方法です。

 

いずれも寝る前にセンサー類を自分で装着し、普段通り就寝するだけなので、体への負担が少なく簡単に実施できる利点があります。

 

ただし、簡易検査では脳波を記録しないため睡眠の深さ(睡眠段階)までは評価できません。また検査中に医師や技師が立ち会わないため、機器の装着状態によっては正確なデータが得られないリスクもあります。

 

そのため、症状が軽い場合には見逃し(偽陰性)の可能性も残ります。それでも、中等症以上のSASが疑われるようなケースでは、自宅で行う簡易検査は有用なスクリーニング手段とされています[3]。

 

実際、米国で行われたランダム化比較試験では、自宅での簡易検査とそれに続く在宅治療の戦略が、従来の病院での精密検査を用いた診断・治療戦略と比べて臨床転帰において遜色ないことが示されています[4]。

 

簡易検査の結果、明らかに無呼吸が多数記録され重症と判定された場合には、そのまま治療方針の決定(例えばCPAP装置の導入など)につながります。

 

一方、簡易検査で異常が軽度でも症状が強い場合や、装着ミスなどでデータが不十分だった場合には、より精密な検査で詳しく調べる必要があります。

 

脳波や心電図を用いた精密検査

精密検査は「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」と呼ばれる詳細な検査を行います。

 

頭部や顔面、体に複数の電極やセンサーを装着し、一晩かけて睡眠中の生体信号を総合的に記録します。

 

主な検査項目は、脳波(睡眠段階の測定)や眼球運動顎の筋電図などで、睡眠中の脳と筋肉の活動をモニタリングします。

 

さらに、鼻と口の呼吸気流や胸部・腹部の動き(呼吸運動)、心電図、四肢の筋電図、血液中の酸素飽和度、睡眠中の体位やいびき音なども同時に記録し、睡眠中の呼吸障害を詳細に解析します。

 

こうした総合的な検査によって、無呼吸発生の有無や頻度・程度が正確に判断でき、SASの確定診断には最も信頼性の高い方法です。

 

検査中は体に多数のコードやセンサーを付ける負担はありますが、痛みは一切なく安全に受けられますので心配はいりません。

 

以前は病院に1泊入院(CPAP導入となり2泊することもあり)して行っておりましたが、検査機器の普及もあり自宅での検査も可能です。

 

精密検査の結果、SASと診断された場合は、その重症度に応じた治療(持続陽圧呼吸療法〈CPAP〉やマウスピース、外科的治療など)が選択されます。

 

SASは適切に治療することで日中の症状改善はもちろん、高血圧や心血管イベントのリスク低減も期待できます[1]。

 

ご自身やご家族で「もしかして?」と思う症状がある場合は、以上のような方法で早めに調べてみることをおすすめします。

 

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「忙しくて病院に行く時間がない」「まずは手軽に相談したい」という方には、オンライン診療の利用もおすすめです。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

 

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

 

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献一覧

  1. Sleep apnea and its association with the stress system, inflammation, insulin resistance and visceral obesity. Trakada G., Chrousos G.P., Pejovic S., Vgontzas A.N. Sleep Med Clin. 2(2):251–261 (2007)
  2. 2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン. 日本循環器学会, 2023年
  3. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea. Kapur V.K., Auckley D.H., Chowdhuri S., Kuhlmann D.C., Mehra R., Ramar K., Harrod C.G. J Clin Sleep Med. 13(3):479–504 (2017)
  4. A multisite randomized trial of portable sleep studies and positive airway pressure autotitration versus laboratory-based polysomnography for the diagnosis and treatment of obstructive sleep apnea: the HomePAP study. Rosen C.L., Auckley D., Benca R., et al. Sleep. 35(6):757–767 (2012)

 

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