いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)で悩んでいる方にとって、CPAP(シーパップ)治療は効果的な治療法として知られています。

CPAPは中等症以上のSAS患者に対する標準治療であり、睡眠中の無呼吸を防ぐことで症状の大幅な改善が期待できます【1】。

特にいびきに関しては、CPAP療法によって多くの場合すぐに軽減し、寝ている本人だけでなく周囲の睡眠環境も劇的に改善されることが報告されています【2】【3】。

本記事では、まずCPAPの基本といびきを抑える仕組みを説明し、次に「CPAPを使っているのにいびきが止まらない」場合に考えられる原因と対策について詳しく解説します。

また、CPAPによるいびき改善の効果や、それでも改善しない場合の他の治療法についても触れていきます。

根拠となる医学的エビデンス(RCTなど)を踏まえながら、大人のSAS患者さん向けに分かりやすく説明します。

 

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CPAPとは?いびきを改善する仕組み

 

CPAP(持続陽圧呼吸療法)とは、睡眠時に鼻や口に装着したマスクから持続的に空気を送り込み、気道に陽圧をかけることで上気道を内側から広げ、閉塞を防ぐ治療法です。

睡眠時無呼吸症候群では喉の奥(上気道)が狭くなり、空気の通り道が振動することでいびきが生じます。CPAP装置はこの狭くなった気道を空気圧で支えることで喉の振動を抑え、いびきを大幅に軽減または消失させます。

実際、ランダム化比較試験でもCPAP治療によりいびきが有意に減少し、日中の眠気などの症状改善が確認されています【2】。

気道の確保によって無呼吸や低呼吸(低酸素状態)が解消されるため、夜間の酸素不足が是正され、質の高い睡眠が得られるようになります。

その結果、日中の強い眠気や倦怠感の改善、集中力や気分の向上など多面的な効果が報告されています【2】。

CPAPは適切に使用すれば即効性も高く、初日からいびきの軽減効果を実感する人もいます。

さらに長期的には、高血圧や心疾患リスクの軽減など健康面への好影響も期待できる有力な治療法です【1】。

また、CPAPによって周囲の睡眠環境も改善します。いびきは本人よりもむしろ一緒に寝ている家族やパートナーの睡眠を妨げる大きな要因ですが、CPAPの使用でいびきが止まれば同室者の睡眠の質も向上します【3】。

ある研究では、CPAPで患者さんのいびきと無呼吸を解消したところ、パートナーの睡眠効率が大幅に改善し、一晩あたり1時間前後も睡眠時間が増えたとの報告があります【3】。

このように、CPAPは本人だけでなく周囲にとっても大きなメリットのある治療法なのです。

CPAPを使ってもいびきが止まらない原因

 

CPAP治療は通常、適切に行えばいびきや無呼吸をしっかり抑制できます。

しかし中には「CPAPを使っているのに、まだいびきをかいている」と感じるケースもあります。

CPAP使用中にいびきが止まらない場合、考えられる主な原因は次のとおりです。

マスクの装着不良・空気漏れ(リーク)

マスクと顔のフィットが悪いと、隙間から空気が漏れて必要な陽圧が気道にかからず、いびきが残ってしまいます。

マスクから「シューシュー」という空気漏れ音がしたり、朝起きたときに目の乾燥を感じる場合はリークの可能性があります。

空気が漏れるとCPAPの効果が十分発揮されず、上気道が再び狭まって振動(いびき)の原因になります。

実際、CPAP治療ではマスクからのリークを最小限に抑えることが重要であり、治療データ上でもリーク過多な場合は治療効果不十分と判断されます。

マスクの劣化や汚れも密着性低下による空気漏れの原因となるため、日々の清掃と適切な交換が大切です。

空気圧の設定が合っていない

CPAP装置の圧力(処方圧)が適切でない場合、いびきが続くことがあります。圧が低すぎると十分に気道を開けず、振動が残ってしまいます。

一方、圧が強すぎる場合も不快感で口が開いてしまい空気が漏れる、あるいは機器を嫌がって途中で外してしまう原因になることがあります。

CPAPの適正圧は睡眠検査で決定されますが、体重変化や体調によって必要圧が変化することもあります。

実際の臨床ガイドラインでも、ポリソムノグラフィによるCPAPの綿密なタイトレーション(圧の微調整)を行い、無呼吸やいびきが完全になくなる圧力まで段階的に上げることが推奨されています【4】。

したがって、圧設定が不十分だと一部いびきが残存する可能性があります。

逆に必要以上に高い圧で設定されていると感じる場合も、医師に相談して適正圧への見直しが必要です。

鼻づまり・口呼吸による気道狭窄

CPAPは基本的に鼻からの呼吸を前提としています。

鼻づまりがあると十分な空気を取り込めず、口で呼吸しようとしてマスク内の空気が漏れてしまいます(鼻マスク使用時)。

これにより気道内圧が保てず、いびきの原因となります。また睡眠中に口呼吸の癖がある場合も、鼻マスクでは空気が口から逃げてしまうため効果が減弱します。

鼻炎・副鼻腔炎やアレルギーによる鼻閉がある方では、CPAP使用中も鼻呼吸がうまくできずにいびきが残るケースがあります。

実際、鼻中隔湾曲症や慢性鼻炎などで鼻の通りが悪い患者さんでは、CPAPが効きにくいことが指摘されており、その場合はまず耳鼻科的な治療やフルフェイスマスクの使用を検討する必要があります。

CPAP治療がうまくいかない原因として鼻の構造的問題が潜むケースも少なくありません。

体位や寝具環境の影響

睡眠時の姿勢もいびきに影響します。仰向けに寝ると舌根が喉の奥に落ち込みやすく、気道がより狭くなるため、CPAP使用中でも横向きの時より高い圧力が必要になる場合があります。

特に固定圧CPAPをご使用の場合、仰向け時に十分な圧がかからずいびきが出る可能性があります。

また枕の高さや寝具によって頭や首の角度が変わり、気道の通りに影響することもあります。

例えば首が曲がりすぎる高すぎる枕だと気道が狭くなり、CPAPの効果が半減することがあります。

睡眠環境のちょっとした違いがCPAPの効果やいびきに影響することも考えられるため、体位変換(横向き寝の工夫)や適切な枕選びも重要です。

CPAP以外のいびきの原因

CPAPで無呼吸は改善しても、他の要因による「単純性いびき(鼻鼾)」が残る場合もあります。

例えば肥満そのものがいびきの大きな原因であり、舌や咽頭周囲に脂肪がついているとCPAPで気道確保しても完全には防ぎきれない場合があります。

また扁桃肥大や軟口蓋の形状など解剖学的要因で起こるいびきは、CPAPだけでは改善しにくいケースもあります。

さらに飲酒は咽頭筋を弛緩させ気道閉塞を悪化させるため、就寝前のアルコール摂取によってCPAP使用中でもいびきをかくことがあります。

睡眠薬の種類によっても筋緊張低下を招き、同様の影響が出る場合があります。

つまり、SAS以外の要因(生活習慣や解剖学的要素)が絡んでいると、CPAP治療だけではいびきが完全になくならないことがあります。

いびきアプリや家族の録音でチェック

実際にCPAP使用中にいびきが出ているかどうかは、自分では気づきにくいものです。家族や同室者に指摘されて初めて知るケースも多いでしょう。

そのため、スマートフォンのいびき検知アプリや録音機能を使って、自分のいびき状況を客観的にチェックするのも有用です。

近年の研究ではスマホアプリのいびき検出精度は90%以上と高く、家庭での簡易モニタリングに役立つとの報告もあります【5】。

アプリでCPAP装着中の音を記録すれば、いびきの有無や程度を後から確認できます。

また家族に就寝後しばらく観察してもらい、「CPAPから空気音はするがいびきは聞こえない」などフィードバックをもらうのも良いでしょう。

こうした方法でいびきが本当に残っているかを把握することで、原因特定や対策の検討がしやすくなります。

 

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CPAPでいびきが治らないときの改善策

 

上記のような原因に心当たりがある場合、いくつかの対策を講じることでCPAPの効果を高め、いびきを解消できる可能性があります。

CPAPを使ってもいびきが治らないとき、以下のような改善策を試してみましょう。

マスクの種類・サイズを見直す

現在使用中のマスクが顔に合っていないと感じる場合、別のタイプのマスクを試してみましょう。

一般的に、鼻のみ覆う「鼻マスク(ネーザルマスク)」、鼻孔に差し込む「鼻ピロー(ノーズピロー)」、そして鼻と口を両方覆う「フルフェイスタイプ」のマスクがあります。

もし口呼吸の傾向が強い方は、鼻マスクからフルフェイス型に変えることで口からの空気漏れが防げ、いびき改善につながる場合があります。

またマスクのサイズも重要です。メーカーやモデルによってフィッティングは異なるため、小さい漏れが続くようなら一回り大きいサイズに変える、逆にズレやすいなら小さいサイズにするなど、自分の顔に最適なマスクを探しましょう。

マスクの調整ひとつで密着度が上がり、リークが解消すればそれだけでいびきが止まるケースも少なくありません。

マスクの装着方法・メンテナンスの工夫

マスクをより効果的に使うための工夫も重要です。ベルトの締め具合を調整し、横向きに寝たときでも空気が漏れない程度にフィットさせましょう。

ただし強く締めすぎると圧迫で痛みが出るため、適度な加減が必要です。

就寝前にはマスクと顔面の油分を拭き取り、クッション部に隙間ができにくい状態にします。

シリコン製のクッションは時間経過で劣化しやすいので、メーカー推奨の交換周期(通常数ヶ月ごと)を守りましょう。

汚れたまま使用すると密閉性が下がるため、毎日のお手入れも欠かせません。

これらの対策でリークが減少すれば、CPAP圧がしっかり気道へ伝わり、いびきが解消する可能性があります。

加湿器やチューブヒーターの利用

CPAP装置にはオプションで加湿器(加温加湿器)を付けられる場合があります。

鼻や喉の乾燥、粘膜刺激を軽減するために湿度を上げることは、CPAP治療の快適性向上に非常に有用です。

特に冬場など乾燥しやすい環境では、加湿なしの冷たい空気が鼻に流れると鼻粘膜が充血して鼻づまりが悪化し、いびきや口呼吸の原因になります。

チューブヒーター(ホースを保温する装置)を使えば結露を防ぎつつ適温の湿った空気を届けることができます。

研究でも、CPAP開始時から加温加湿を併用した群は乾燥による不快感が少なく、装着時間(コンプライアンス)が有意に長くなるとの結果が出ています【6】。

つまり、加湿設定を適切に行うことで鼻の不快症状が減り、CPAPの使用継続および効果が高まると考えられます。

鼻づまりが軽減すれば気道確保も安定し、いびきの減少につながるでしょう。

鼻や喉の乾燥が気になる方、朝起きて口腔内がカラカラになるような方は、ぜひ加湿機能を積極的に活用してください。

圧力設定の再調整(医師への相談)

前述のように、CPAPの治療圧が適切でないといびきが残ることがあります。

機器によっては使用中のAHI(無呼吸低呼吸指数)やリーク量を記録しており、それを解析することで圧力が足りているか判断できます。

もしデータ上まだ無呼吸や低呼吸イベントが多かったり、いびき音センサー付き機種で検知がある場合は、主治医に相談して圧の再設定(再タイトレーション)をしてもらいましょう。

圧を上げることで完全に症状がコントロールできれば、いびきも消失するはずです【4】。

逆に圧が高すぎて睡眠が浅くなっているようなケース(圧に過敏で頻繁に目が覚める等)では、適度に下げて症状コントロールと睡眠の深さのバランスを取ることもあります。

いずれにせよ、自己判断で圧力を変更するのではなく、必ず医師にデータを確認してもらいながら適正圧を追求することが大切です。

特に治療開始後しばらく経過し体重が変動した場合などは、再評価によって必要圧が変わることがありますので定期フォロー時に伝えるようにしましょう。

鼻炎や口呼吸への対策(耳鼻科治療の併用)

鼻づまりがひどい場合には、耳鼻咽喉科での治療も並行して行うと効果的です。

アレルギー性鼻炎がある方ならば抗アレルギー薬やステロイド点鼻薬の使用、慢性副鼻腔炎がある方は適切な薬物療法や必要に応じた手術(副鼻腔手術や鼻中隔矯正術など)により鼻通りを良くすることで、CPAP療法の効果が飛躍的に向上します【1】。

鼻の通りが改善すれば鼻呼吸がスムーズになり、口呼吸によるリークも減るためいびきの根本改善につながります。

どうしても鼻閉が治らない場合には、思い切ってフルフェイスマスクに変更するのも一つの手です。

また、寝ている間の口開きを防ぐためにチンストラップ(あごバンド)を併用する方法もあります。

いずれにしろ、CPAP単体で効果不十分な場合は鼻や喉の診察も受け、総合的にアプローチすることが重要です。

生活習慣の見直し(体重・寝る姿勢・飲酒習慣など)

CPAP治療の効果を最大化するには、生活面の改善も欠かせません。

まず減量はSAS・いびき対策の基本です。肥満が解消すれば気道周囲の脂肪沈着が減り、無呼吸そのものが軽減します【1】。

CPAP治療中でも体重が10%減れば、それだけ必要圧が低下していびきも出にくくなるとされています。

また寝る姿勢について、できるだけ仰向けを避ける工夫も有効です。

寝返り防止枕やナイトウェアにテニスボールを縫い付ける方法などで強制的に横向きで寝るようにすれば、気道の形状上いびきが起こりにくくなります(この体位療法は軽症のいびきやOSASに対して一定の効果が認められています【7】)。

も高すぎず低すぎず、自分に合った高さ・硬さのものを選び、気道がまっすぐ確保できるよう調整しましょう。さらに飲酒習慣の見直しも重要です。

就寝前のアルコール摂取は筋弛緩によっていびきを悪化させるため、深酒は避け、どうしても飲む場合は寝る3時間以上前までにするなど工夫してください。

同様に睡眠薬や鎮静剤も必要最小限にとどめ、医師と相談しながら安全ないびき対策を講じましょう。

規則正しい生活リズムや適度な運動も、睡眠の質向上に寄与しCPAP治療効果を高めます。

生活習慣の改善は地味ですが根本的な治療につながる大切なポイントです。

CPAPを使うことで得られるいびき改善効果

 

CPAP療法を適切に続けることで、いびきの大幅な改善が期待できます。

まず直接的な効果として、寝ている間の大きないびきや断続的な呼吸音がほぼ解消されます。

これは本人にとってはもちろん、周囲の方にとっても快適な睡眠環境が取り戻せることを意味します。

前述の研究が示すように、CPAPでいびきと無呼吸を治療することで同居家族の睡眠の質が顕著に向上することが分かっています【3】。

いびきが止まれば別室で寝ていた夫婦が再び同じ部屋で眠れるようになった、という声もよく聞かれます。

CPAPはまさに「夫婦円満装置」などと言われるゆえんです。

一方、本人の体調面への効果も見逃せません。

いびきは無呼吸と表裏一体の症状であり、CPAPによって夜間低酸素状態が是正されることで日中の強い眠気が軽減し、朝の寝起き感も改善します【2】。

睡眠の質が向上するため、日中の集中力や記憶力が回復し、仕事の効率や生活の活力が高まります。

加えて、夜間の無呼吸が減ることで夜間の頻尿や起床時の頭痛・口渇感も改善するケースが多く報告されています。

これは睡眠構造が正常化し、深い睡眠が得られるようになるためです。

また、CPAP治療を継続すると血圧の改善心臓への負荷軽減につながるエビデンスも蓄積されています【2】。

SASは高血圧・不整脈・糖尿病など様々な生活習慣病リスクを上昇させることが知られていますが、CPAP療法で適切に無呼吸を管理することでそれらリスクを減らせる可能性があります。

特に、夜間の交感神経過活動が抑えられるため、高血圧や心房細動の管理に良い影響を与えるとの報告もあります【1】。

さらに、CPAPで熟睡できるようになるといびきに伴う精神的ストレスの軽減という効果も得られます。

いびきによって「周囲に迷惑をかけているのでは」と悩んでいた方は、その心配から解放されることで精神的にも安定します。

家族からの苦情がなくなり、本人も安心して眠れるようになるのは大きなメリットです。

このように、CPAPを続けることでいびきが治まるだけでなく全身の健康と生活の質(QOL)が向上し、結果的に患者さん本人・ご家族双方に良い効果をもたらすのです。

 

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CPAPでも改善しない場合は?他の治療法も検討

 

CPAPはSAS治療の第一選択ですが、何らかの理由でどうしてもいびき・無呼吸が改善しない場合や、CPAPそのものが合わない場合もあります。

そのようなケースでは、他の治療法を検討する必要があります。以下に代表的な代替治療を紹介します。

口腔内装置(マウスピース)

CPAPの次に検討されることが多いのが、歯科で作成する睡眠時無呼吸症候群用のマウスピース(Mandibular Advancement Device: 下顎前方移動装置)です。

これは上下の歯に装着し、下顎を前方に固定することで寝ている間に喉の気道が狭くならないよう支える器具です。

マスクや機械を使わないため手軽で旅行先でも利用可能な利点があります。効果は患者さんの状態によりますが、軽症〜中等症のSASであれば無呼吸指数の改善やいびき・日中眠気の軽減においてCPAPと同等の効果を示す報告もあります【7】。

一方で重症例では効果不十分なことが多く、また歯の本数や顎関節の状態によっては使用できない場合もあります。

副作用として顎関節痛や歯の移動などが起こる可能性もあります。しかしCPAPがどうしても続けられない場合には有力な選択肢となります。

実際、ガイドラインでもCPAPに耐えられない患者には口腔内装置を処方することを推奨しており【7】、睡眠専門医と歯科医が連携して治療を進めることが大切です。

マウスピース治療に興味がある方は、まず睡眠科で適応かどうか相談し、紹介された歯科で自分専用の装置を作成してもらうとよいでしょう。

外科手術による治療

解剖学的な原因が明らかな場合や、CPAPやマウスピースでも効果が得られない場合には手術が検討されることもあります。

SASに対する手術治療はいくつか種類がありますが、代表的なものに口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)や扁桃摘出術、軟口蓋をレーザーで焼灼するLAUP、下顎骨を前方に移動させる顎矯正手術(MMA)などがあります【1】。

UPPPは俗にいう「いびきの手術」で、喉ちんこ(口蓋垂)や軟口蓋の余分な部分を切除・縫縮して気道を広げる方法です。

扁桃肥大がある場合は扁桃摘出を同時に行うことで大きないびきの改善が期待できます。

鼻中隔湾曲症による重度の鼻づまりがある場合は鼻中隔矯正術で鼻通りを改善することで無呼吸が治るケースもあります【1】。

手術のメリットは、原因組織を取り除くことで根治が期待できる点です。

成功すれば機械に頼らず眠れるようになる可能性があります。ただしデメリットもあり、体への負担(全身麻酔・入院が必要、術後痛み)が大きいこと、そして必ずしも完治しない可能性があることです。

例えばUPPPでは一時的にいびきが止まっても、時間とともに軟口蓋が再びたるんで再発するケースがあります【1】。

また肥満が原因の場合、手術で気道を広げても体重管理が不十分だと再び症状が出る可能性があります。

このように手術にはリスクも伴うため、患者さん個々の状態(無呼吸の重症度、原因、年齢、希望など)を総合的に考慮して慎重に判断されます。

もしCPAPや他の治療がどうしても難しい場合は、一度専門医に外科的治療の適応について相談してみると良いでしょう。

なお当院では手術そのものは行っていませんが、必要と判断される場合は適切な施設にご紹介いたします。

以上のように、CPAPで効果が不十分な場合でも代替手段はいくつか存在します。

大切なのは「いびきや無呼吸を改善する」という目標に向けて、自分に合った治療法を根気強く見つけていくことです。

睡眠時無呼吸症候群は放置すれば健康リスクの高い病気ですが、適切な治療を受ければ必ず症状は良くなります。

「CPAPでもダメだった」と諦めず、他の選択肢も含めて専門医と相談しながらベストな治療法を模索しましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

 

もし、まだ正式な診断を受けていないが「自分も睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と感じている方は、まずは医療機関での評価をおすすめします。

当院ではオンライン診療に対応しており、自宅にいながら専門医に相談することが可能です。

忙しくて通院の時間が取れない方でも、スマホやパソコンを使って手軽に受診できます。「いびきが酷い」「日中の眠気が強い」などSASを疑わせる症状がある方は、一人で悩まずお気軽にオンライン診療でご相談ください。

早期発見と適切な治療によって、いびきのない健やかな睡眠と生活を取り戻しましょう。

 

詳しくは当院ホームページのオンライン診療案内もぜひご覧ください。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

  • 日本呼吸器学会 『睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020』 南江堂, 2020年
  • McEvoy RD, et al. CPAP for Prevention of Cardiovascular Events in Obstructive Sleep Apnea. N Engl J Med. 2016;375(10):919-931.
  • Beninati W, et al. The effect of snoring and obstructive sleep apnea on the sleep quality of bed partners. Mayo Clin Proc. 1999;74(10):955-958.
  • Kushida CA, et al. Clinical guidelines for the manual titration of positive airway pressure in patients with obstructive sleep apnea. J Clin Sleep Med. 2008;4(2):157-171.
  • Kao HH, et al. Dependable algorithm for visualizing snoring duration through acoustic analysis: A pilot study. Medicine (Baltimore). 2022;101(51):e32538.
  • Massie CA, et al. Effects of humidification on nasal symptoms and compliance in sleep apnea patients using CPAP. Chest. 1999;116(2):403-408.
  • Lim J, et al. Oral appliances for obstructive sleep apnoea. Cochrane Database Syst Rev. 2006;(4):CD004435.

 

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