睡眠時無呼吸症候群(SAS)は太りやすい?その関係と悪循環を断ち切る方法を解説

 

「最近太りやすくなった」「日中の集中力が続かない」「いびきがひどいと指摘される」――。

 

働き盛りの40歳前後になると、体型の変化や疲労感など、気になる不調が増えてきます。

その原因として見落とせないのが睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が停止・低下する症状を繰り返す疾患です。

十分な酸素が供給されないため、体は慢性的なストレス状態となり、高血圧や心疾患、糖尿病などを引き起こすリスクが高まります[1]。

 

さらに「無呼吸症候群は太りやすい」という話を耳にしたことはありませんか?

実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)と肥満は強く関連しており、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が肥満を、肥満が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を悪化させる“負のスパイラル”に陥ることも珍しくありません。

 

本記事では、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)が太りやすさにどのように関係するのか?」を分かりやすく解説しつつ、悪循環を断ち切るための対策をご紹介します。

 

森下駅前クリニックでは呼吸器内科専門医が在籍し、オンライン診療にも対応していますので、「もしかしたら自分も睡眠時無呼吸症候群(SAS)かも…」と思った方はぜひ参考にしてみてください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と太りやすさの関係とは?

まずは睡眠時無呼吸症候群(SAS)と肥満のつながりを理解しましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は“気道が塞がれる”ことによって発生します。肥満になると、首周りや咽頭周辺に脂肪がつきやすく、気道が狭くなって無呼吸状態に陥りやすくなるのです[2]。

 

特に男性は、首まわりに脂肪が集まりやすい体型傾向があるため、女性よりも睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症しやすいとされています[3]。

 

さらに、睡眠時無呼吸症候群(SAS)そのものが太りやすさを助長してしまう側面もあります。理由としては、大きく以下の3点が挙げられます。

 

  1. 睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ
  2. 代謝の低下
  3. 慢性的な疲労による活動量の減少

これらの要因が重なり合うと、どんどん体重が増えてしまい、ますます気道が狭まるという悪循環にハマってしまうのです。

次の章では、まず睡眠不足が「なぜ太りやすさにつながるのか」を見ていきましょう。

 

睡眠不足が太りやすさに与える影響

人が太るかどうかを左右する大きなポイントの一つが“睡眠の質と量”です。

十分な睡眠が取れていないと、食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れることが複数の研究で示されています[4][5]。

 

  • レプチン(満腹ホルモン)が減少
  • グレリン(空腹ホルモン)が増加

結果的に「満腹感が得にくく、食欲が増しやすい」状態に陥り、つい食べ過ぎてしまいます。

また、睡眠不足はストレスホルモン(コルチゾール)の分泌量を増加させ、身体に脂肪を溜め込みやすい状態を招くと考えられています[4]。

 

さらに、日中の眠気や疲労感により活動量が下がることも太りやすさを加速させます。

通勤で一駅分歩いたり、休日に運動をする気力がわかず、どうしても“省エネモード”になりがちです。

 

したがって、睡眠時間が短い人ほど肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高まる傾向にある、という報告が存在します[3][4]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因で代謝が落ちる?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に何度も無呼吸状態になるため、慢性的な低酸素状態が続きます。

身体は酸素不足を補おうと交感神経を過剰に働かせ、血圧や心拍数を上げるなど“緊急事態”に対応するモードが続くのです[1]

その結果、夜間の深い睡眠が阻害され、成長ホルモンの分泌が減少してしまいます。

 

成長ホルモンには脂肪燃焼を促進する働きがあるため、不足すると代謝が下がって太りやすい体質へと傾いていきます。

体内のエネルギー消費量も落ち込むため、普段と同じ食事をしていても、運動不足が続くと体重が増える可能性が高くなるでしょう[6]。

 

実際に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療としてCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法を受けた患者さんは、無呼吸が改善して睡眠の質が向上する一方で、今度は“過剰な交感神経活動が抑えられる”ことから代謝が若干落ち、体重が増えやすくなるという研究報告もあります[6]。

 

つまり、CPAP療法などで、いびきや無呼吸を抑えるだけでなく、同時に適切な食事制限や運動療法を取り入れ、総合的に体重管理をしていくことが必要なのです。

 

太るとさらに睡眠時無呼吸症候群(SAS)が悪化する悪循環

ここまで述べてきたように、肥満と睡眠時無呼吸症候群(SAS)には相互に悪影響を与え合う関係があります。以下のような流れで、負のスパイラルに陥ってしまうのです。

 

  1. 体重が増える
  2. 首まわりや舌根などに脂肪がつき、気道が狭くなる
  3. 無呼吸状態(SAS)が悪化し、睡眠不足や慢性的な低酸素状態が続く
  4. 代謝やホルモンバランスが乱れ、より太りやすい体質になる
  5. さらに体重が増え、気道が狭まる……

 

こうした負の連鎖を断ち切るには、早い段階で適切な治療と生活習慣の改善を始めることが大切です。

研究によれば、体重を10%減らしただけでも睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状が大幅に改善したという報告もあります[7]。

まずは5~10%の減量を目標に、できることから取り組んでみるのがおすすめです。

 

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太りやすい体質を改善するための対策

1. 食事改善と適正カロリーの把握

過度な食事制限はリバウンドのリスクを高めるため、まずはバランスの良い食事を適正カロリーで摂ることを心がけましょう。

 

たとえば、糖質・脂質・たんぱく質のバランスを意識し、野菜や海藻類を積極的に取り入れることで、満腹感を得やすくなります。

飲酒が多い方は、アルコール量を適切にコントロールするのもポイントです[3][5]。

 

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2. 適度な運動でエネルギー消費を増やす

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は脂肪燃焼を促し、筋力トレーニングは基礎代謝を上げて“太りにくい身体”を作ります[4][5]。

 

運動が苦手な方も、通勤の一部を徒歩に変える・階段を使うなど、日常生活に“活動量を増やす工夫”を取り入れてみましょう。

 

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3. 十分な睡眠を確保する

睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策だけでなく、肥満・生活習慣病予防の観点からも“しっかり眠る”ことは最重要項目です。

 

できれば毎日7~8時間の睡眠を目指し、就寝前のスマホ使用やカフェインの摂取は控えるなど、睡眠の質を下げる行動を避ける工夫をしてみてください[4][5]。

 

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4. CPAP療法やマウスピース療法など専門的治療の検討

「いびきがうるさい」「日中の異常な眠気が続く」「高血圧を指摘された」という方は、専門的な検査を受けることが望ましいです。

 

CPAP療法やマウスピース療法は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の改善に有効であることが研究によって示されています[1][2]。

ただし、先述のとおり無呼吸状態が改善しても体重コントロールを怠ると、再び症状が悪化する恐れがあるため、治療と同時に生活習慣の改善を行うことが大切です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

もし「自分も睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれない」と思ったら、まずは専門医に相談することが必要です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると心血管疾患や脳卒中、糖尿病リスクが高まるなど健康被害が大きいため、早期受診が重要と言えます[1]。

とはいえ、忙しくて通院の時間を確保しづらい方も多いでしょう。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

 

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

[1] Marshall NS, Wong KK, Cullen SR, Knuiman MW, Grunstein RR. “Sleep Apnea and Cardiovascular Disease: Conclusions from Recent Trials and Future Perspectives.” Mayo Clin Proc. 2013 May;88(5):549-555. [PMID: 23639464]
[2] Peppard PE, Young T, Palta M, Skatrud J. “Prospective Study of the Association Between Sleep-Disordered Breathing and Hypertension.” N Engl J Med. 2000 May 11;342(19):1378-84. [PMID: 10805822]
[3] Dixon JB, Schachter LM, O’Brien PE. “Predicting Sleep Apnea and Excess Weight: A Comprehensive Review.” Obes Rev. 2013 Jan;14(1):71-84. [PMID: 23057462]
[4] Taheri S, Lin L, Austin D, Young T, Mignot E. “Short Sleep Duration Is Associated with Reduced Leptin, Elevated Ghrelin, and Increased Body Mass Index.” PLoS Med. 2004 Dec;1(3):e62. [PMID: 15602591]
[5] Patel SR, Malhotra A, White DP, Gottlieb DJ, Hu FB. “Association Between Reduced Sleep and Weight Gain in Women.” Am J Epidemiol. 2006 Nov 1;164(10):947-54. [PMID: 16914506]
[6] Wang Y, Tuomilehto H, Jin F, et al. “Lifestyle Intervention to Improve Sleep Apnea: A Randomized Controlled Trial Exploring the Role of Weight Reduction in Overweight Patients with Moderate to Severe Obstructive Sleep Apnea.” J Clin Sleep Med. 2020 May 15;16(5):785-796. [PMID: 32130990]
[7] Newman AB, Foster G, Givelber R, et al. “Progression and Regression of Sleep-Disordered Breathing With Changes in Weight: The Sleep Heart Health Study.” Arch Intern Med. 2005 Jan 10;165(2):240-5. [PMID: 15668360]

 

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