夜中に苦しくて起きる人は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いあり!早急に検査が必要

 

夜中に息苦しくて目が覚める経験は、決して珍しいことではありません。

しかし、それは単なる寝苦しさではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という深刻な病気が隠れている可能性もあります。

 

この記事では、「夜中に苦しくて起きる」ことと「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の関係性について詳しく解説します。

 

「夜中に苦しくて起きる」ことと「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の関係性

夜中に息苦しくて目が覚める経験は、誰にでもあるものです。

もしかしたら、それは単なる寝苦しさではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、気道が狭くなることで、空気の通り道が塞がれてしまいます。

その結果、体に取り込むことのできる酸素量が減少し、息苦しさを感じて目が覚めてしまうのです。

 

問題は、このような状態が一晩に何度も繰り返されることで、熟睡感が得られず、日中の眠気やだるさ集中力低下などの原因となってしまうことです。

 

さらに、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、放っておくと、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、さらに深刻な場合は、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高める可能性も指摘されています。

 

夜中に息苦しくて起きる、睡眠中に何度もトイレに行きたくなる、寝ている間に口の中やのどが渇いて目が覚める、このような症状を繰り返している方は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、実に様々な症状が現れます。

症状 説明
いびき 睡眠中に、のどが狭くなって空気の通りが悪くなることで音が鳴ります。睡眠時無呼吸症候群の人は、大きないびきをかいたり、いびきの音が途切れたりする傾向があります。
日中の眠気 睡眠中に呼吸が何度も止まるため、深い睡眠がとれず、日中に強い眠気を引き起こします。運転中や仕事中に眠気に襲われることもあり大変危険です。
睡眠中の呼吸停止 睡眠中に10秒以上呼吸が止まることを無呼吸といい、睡眠時無呼吸症候群ではこの無呼吸が繰り返されます。ご家族に指摘されるまで、ご自身では気づかない場合も多いです。
夜間頻尿 睡眠中に何度もトイレに行きたくなる症状です。睡眠時無呼吸症候群の人は、夜間に尿が作られやすくなったり、膀胱の働きが低下したりすることで、夜間頻尿になりやすいといわれています。夜中に何度も目が覚めてしまうため、睡眠の質が低下する原因になります。
朝起きたときの頭痛 睡眠中の無呼吸によって、脳が酸素不足に陥り、頭痛を引き起こすことがあります。起床時の頭痛が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れているサインかもしれません。
集中力・注意力の低下 睡眠不足によって、集中力や注意力が低下しやすくなります。仕事や勉強に集中できず、ミスが増えてしまうこともあります。
イライラしやすくなる 睡眠不足や、睡眠時無呼吸症候群(SAS)による身体的ストレスによって、些細なことでイライラしやすくなることがあります。周囲の人との関係が悪化してしまうこともありますので注意が必要です。
性欲の減退 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、男性ホルモンの分泌を低下させるため、性欲の減退に繋がることがあります。パートナーとの関係に影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。
寝汗をかく 睡眠中に呼吸が苦しくなって、寝汗をかくことがあります。汗をかくこと自体が悪いわけではありませんが、睡眠時無呼吸症候群が原因で大量の寝汗をかく場合は、注意が必要です。
体重増加 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、代謝を低下させ、食欲を増進させるホルモンの分泌を促すため、体重増加に繋がりやすくなります。体重増加は、睡眠時無呼吸症候群の症状をさらに悪化させる可能性があります。

これらの症状は、他の病気でも起こることがあります。

また、これらの症状があるからといって、必ずしも睡眠時無呼吸症候群(SAS)であるとは限りません。

しかし、これらの症状が複数当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えて、医療機関を受診しましょう。

 

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夜中に苦しくて起きる人の睡眠時無呼吸症候群(SAS)以外の疑うべき病気

夜中に息苦しくて目が覚めるという経験は、多くの人が経験するものであり、決して珍しいことではありません。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性ももちろんありますが、今回は、それ以外の原因として考えられる病気について、詳しく解説していきます。

 

呼吸器の病気

呼吸器の病気の中には、夜間、特に寝ているときに症状が強くなるものがあります。

これは、日中は起きていることで脳が覚醒し、呼吸を意識的にコントロールしているのに対し、睡眠中はリラックスして筋肉が緩むため、気道が狭くなりやすくなるためです。

 

例えば、咳が酷くて眠れない、息苦しくて何度も目が覚めてしまうといった経験はありませんか?

これは、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などが原因で起こる呼吸困難が考えられます。

 

喘息

喘息は、アレルギー反応やウイルス感染などをきっかけに、気管支と呼ばれる空気の通り道が炎症を起こし、狭くなることで発作的に起こります。

特徴的な症状としては、「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」といった喘鳴と呼ばれる音が呼吸時に聞こえることが挙げられます。

喘息は、適切な薬物療法によって症状をコントロールすることが可能です。

 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDは、長年の喫煙習慣などにより肺に炎症が起こり、気管支が狭くなることで息切れや咳、痰などの症状が出る病気です。

初期には自覚症状が乏しいこともありますが、徐々に進行し、息切れが強くなっていくのが特徴です。

 

COPDが進行すると、肺の組織が破壊され、酸素を十分に取り込めなくなるため、息苦しさを感じやすくなります。

特に、夜間や早朝は、気道が狭くなりやすいため、症状が悪化しやすく、息苦しくて目が覚めてしまうことがあります。

 

心臓の病気

心臓は、24時間休むことなく、全身に血液を送り出すために働き続けています。

しかし、心臓の機能が低下すると、十分な量の血液を送り出すことができなくなり、息苦しさや動悸などの症状が現れます。

 

特に、夜間は心臓に戻る血液量が増えるため、心臓に負担がかかりやすく、心臓病の症状が出現しやすいため注意が必要です。

 

心不全

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を指します。

心臓のポンプ機能が低下することで、肺に血液が滞り、呼吸が苦しくなることがあります。

 

心不全の患者さんは、日中も息切れや動悸、足のむくみなどの症状を感じることがありますが、夜になると横になった際に心臓に戻る血液量が増えることで、心臓への負担がさらに大きくなるため、息苦しさが増強することがあります。

 

「夜になると咳が出やすくなる」「横になると息苦しくて眠れない」といった症状がある場合は、心不全の兆候かもしれません。

 

狭心症・心筋梗塞

狭心症や心筋梗塞は、心臓の筋肉に栄養や酸素を送っている冠動脈と呼ばれる血管が動脈硬化などで狭くなったり、詰まったりすることで起こる病気です。

心臓の筋肉に十分な血液が供給されなくなると、胸の痛みや圧迫感、息苦しさなどの症状が現れます。

狭心症や心筋梗塞による息苦しさは、夜間から明け方にかけて起こりやすいという特徴があります。

 

パニック障害

パニック障害は、突然、激しい不安や恐怖に襲われる病気で、動悸や息切れ、めまい、吐き気、胸の痛みなどの身体症状を伴うのが特徴です。

パニック発作は、いつ、どこで起こるかわからず、発作が起こることに対する不安から、外出や人と会うことを避けるようになることもあります。

夜間、特に就寝中にパニック発作が起こることもあり、息苦しさや動悸で目が覚めてしまうことがあります。

 

睡眠中に呼吸が浅くなったり、呼吸が止まっているように感じてしまうこともあり、不安からさらに症状が悪化してしまうこともあります。

 

パニック障害は、ストレスや不安、緊張などが引き金となって発症すると考えられています。

症状がつらい場合は、精神科や心療内科を受診し、抗不安薬や抗うつ薬による薬物療法や、認知行動療法などの精神療法を受けるようにしましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

夜中に何度も目が覚めてしまったり、日中の眠気で悩んでいる方は、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。単なるいびきと軽く考えて放置してしまう人も多いですが、実は放っておくと高血圧や心臓病、脳卒中などの合併症を引き起こすリスクが高まる危険な病気なのです。

 

「病院に行くのは大変だけど、症状が気になる…」という方は、オンライン診療も検討してみましょう。

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられるサービスです。

 

睡眠時無呼吸症候群の診断には、医療機関での検査が必要となります。

そのためオンライン診療ですべて完結できるわけではありませんが、まずは自分の症状を医師に相談し、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかどうか、検査が必要かどうかなどを判断してもらうことは可能です。

 

オンライン診療であれば、病院への移動時間や待ち時間がなく、自分のペースで受診できます。仕事や家事などで忙しい方でも、気軽に受診できるというメリットがあります。

 

 

 

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参考文献

  1. Tobaldini E, Costantino G, Solbiati M, Cogliati C, Kara T, Nobili L, Montano N. Sleep, sleep deprivation, autonomic nervous system and cardiovascular diseases. Neuroscience and biobehavioral reviews 74, no. Pt B (2017): 321-329.

 

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