金縛り(睡眠麻痺)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係について

 

夜間に突然体が動かなくなる「金縛り」を経験したことがある方も多いでしょう。金縛りは恐ろしく不思議な現象に思えますが、医学的には睡眠麻痺と呼ばれる睡眠現象です。

特に中高年の方の中には、「自分の金縛りは睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因ではないか?」と心配される方もいます。実際、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は一晩に何度も呼吸が止まる病気で、睡眠の質を大きく損ないます。睡眠が障害されれば金縛りが起こりやすくなる可能性も考えられます。本記事では、金縛り(睡眠麻痺)とは何か、SASとの関連性、そしてSASが金縛りを招く理由SASのサインと治療法について、最新の医学エビデンスに基づきわかりやすく解説します。

 

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金縛り(睡眠麻痺)とは?そのメカニズムと原因

金縛りとは、寝入りばなや目覚め際に意識があるのに身体を動かせなくなる現象です。多くの場合、数十秒から数分で自然に解除されます。医学的には「睡眠麻痺」と呼ばれ、レム睡眠(身体が麻痺し夢を見ている睡眠段階)と覚醒状態の狭間で生じる一種の睡眠障害(パラソムニア)です。レム睡眠中は夢を演じないよう脳が筋肉を麻痺させていますが、金縛りでは脳が半分目覚めたのに筋肉の麻痺だけが解けていないために起こります。この間、息苦しさや「誰かに押さえつけられている」ような幻覚を感じることもあり、大変な恐怖を伴います。しかし身体への危険はなく、しばらくすれば自然に体の動きが戻ります。

金縛りが起こる原因は完全には解明されていませんが、不規則な睡眠や睡眠不足、強いストレスなどが誘因とされています。またうつ病や不安障害など精神的ストレス、あるいはナルコレプシー(居眠り発作)といった睡眠疾患に伴うこともあります。実際、多くの人が人生で一度は金縛りを経験するとされ、その頻度は全人口の20〜30%とも報告されています。つまり金縛り自体は珍しいものではなく、単発で起こる限り大きな問題にはなりません。ただし繰り返し頻発する場合は、その背景に他の睡眠障害が隠れている可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は金縛りの直接の原因?その関連性は?

では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は金縛りを引き起こすのでしょうか?結論から言えば、SASが金縛りの“直接の原因”であると科学的に断定することはできません。金縛りとSASはそれぞれ独立した睡眠障害ですが、関連性が示唆される研究報告はあります。

たとえば、閉塞型SAS患者では一般人に比べて金縛りを経験する割合が高いとのデータがあります。一つの研究では、SAS患者の約38%が金縛りを経験していたのに対し、SASでない人ではその割合が5〜20%程度だったと報告されています(台湾での患者対象研究)。この数字から、一見するとSASのある人で金縛りが多いように思えます。

しかし注意したいのは、これは因果関係ではなく相関関係に過ぎないという点です。つまり、「SASだから必ず金縛りになる」わけでも「金縛りがあるから必ずSASである」わけでもありません。実際、研究によって結果は様々で、SASの有無と金縛り発生との間に明確な因果関係は認められていないのが現状です。対象者の睡眠衛生やストレス状態など他の要因が影響している可能性も高く、SASがあっても金縛りを全く経験しない人も多いのです。要するに、SASが金縛りの直接の原因であるとまでは言い切れないということです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が「金縛り」を招く可能性のある理由

直接の因果関係は明確でないものの、SASが間接的に金縛りを誘発しやすくする要因はいくつか考えられます。

  • 睡眠の分断と睡眠不足:SASの患者さんは、睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸による覚醒反応が起こります。その結果、睡眠が細切れになり慢性的な睡眠不足に陥りがちです。睡眠不足は金縛りの大きな誘因であり、SASによる睡眠不足が金縛り発生リスクを高めると考えられます。
  • レム睡眠からの中途覚醒:SASでは特にレム睡眠中に無呼吸発作が悪化しやすいことが知られています。レム睡眠時に無呼吸で酸素不足になると、脳が危機的状況と判断して半ば強制的に目覚めさせます(睡眠中の覚醒反応)。この「レム睡眠中に急に目覚める」状況は、ちょうど金縛りが起こりやすいタイミングです。脳が覚醒しても身体がまだレム睡眠の麻痺状態にあるため、無呼吸による覚醒が金縛り発作となって表れる可能性があります。
  • 睡眠姿勢の影響仰向け(上向き)で寝ると金縛りが起こりやすいことが報告されています。ある調査では、金縛りエピソードの約60〜80%が仰向け睡眠中に発生していました。一方でSASも仰向けで悪化しやすく、舌根が喉に落ち込み気道が塞がりやすくなります。そのため、仰向け睡眠の習慣をもつSAS患者さんでは金縛りも起こりやすくなるかもしれません。
  • 共通の誘因:SASと金縛りには共通する誘因も多くあります。例えばアルコール睡眠薬の使用は気道の筋肉を弛緩させてSASを悪化させますが、中枢の覚醒反応にも影響し金縛りを誘発しやすくします。また不規則な睡眠習慣交代勤務も、SASと金縛り双方のリスク因子です。SAS患者さんは夜間の度重なる中途覚醒によって生活リズムが乱れがちであり、そのことが金縛り体験につながる可能性があります。

以上のように、SASそのものが直接金縛りを“起こす”というより、SASによって悪化する睡眠環境(睡眠不足・断片化やレム中途覚醒など)が結果的に金縛りを誘発しやすくなると考えられます。したがって、金縛りに悩む方はその背景にSASなど睡眠の質を低下させる要因がないか確認することが大切です。

金縛りと一緒にチェック!睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的なサイン

慢性的に金縛りが起きる場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインがないか確認してみましょう。SAS患者さんによく見られる典型的な症状には以下のようなものがあります:

  • 大きないびき(睡眠中の激しいいびき。家族やパートナーから指摘される)
  • 睡眠中の無呼吸(寝ている間に呼吸が止まっていると指摘される)
  • 夜中に息苦しくて目が覚める(「溺れるような感じ」で突然目覚めることがある)
  • 起床時の頭痛やだるさ(朝起きたときに頭痛、熟睡できていない感じが強い)
  • 日中の強い眠気(十分寝たはずなのに日中に耐え難い眠気がある)

これらはSASで典型的にみられるサインです。特に大音量のいびき睡眠中の呼吸停止はSASを強く示唆する症状です。夜間に何度も目が覚めたり(トイレに起きる回数が多い)、日中の集中力低下や居眠り運転のリスクが高まっている場合も注意が必要です。金縛りだけでなく、こうしたSASの症状に心当たりがある場合は放置せず専門医に相談することをお勧めします。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

睡眠時無呼吸症候群は適切な治療によって症状を改善できる疾患です。治療の主な目的は、睡眠中の無呼吸を無くし十分な酸素を確保すること、そして質の良い継続的な睡眠を取り戻すことにあります。患者さんの状態に応じて、以下のような治療法が組み合わされます。

  • 生活習慣の改善:SASの大きな危険因子である肥満に対しては減量が不可欠です。適度な運動や食事管理により体重を落とすことで、気道周囲の脂肪沈着が減り無呼吸が緩和します。また飲酒や喫煙、睡眠薬の使用を控えること、規則正しい睡眠習慣を維持することも重要です。アルコールや睡眠薬は筋肉を弛緩させ無呼吸を悪化させるため、就寝前は避けましょう。軽症の方では、横向きで寝るなど睡眠姿勢の工夫で症状が改善する場合もあります。
  • CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法):中等度〜重度のSASに対する第一選択の治療法です。就寝時に鼻マスクから気道に空気を送り込み、気道を陽圧で押し広げた状態で維持することで無呼吸を防止します。CPAP療法により睡眠中の低酸素状態が解消され、日中の眠気も大幅に改善します。実際、CPAPは偽治療と比較して呼吸障害指数の大幅な低下と日中の眠気改善効果が証明されており、国際的なガイドラインでも強く推奨されています。
  • マウスピース治療(口腔内装置):下顎を前方に固定する特殊なマウスピースを就寝時に装着し、喉の気道スペースを広げて無呼吸を軽減する治療です。軽症〜中等症のSASや、CPAPがどうしても継続困難な場合に用いられます。マウスピースでも無呼吸指数の改善や日中の眠気軽減に効果がありますが、無呼吸の抑制効果自体はCPAPに劣ることが報告されています。適応となるかは歯科的な評価も含め専門医と相談して決めます。
  • 外科的治療:解剖学的な気道狭窄の原因が明確な場合(例えば極度の扁桃肥大や鼻中隔の重度湾曲など)には、耳鼻科領域の手術で原因を除去することで症状改善が期待できます。ただしSAS全体から見ると手術適応となるケースは限られており、まずは上記の保存的治療が優先されます。最近では、重症例に対し舌下神経刺激装置(Hypoglossal Nerve Stimulator)の埋め込みといった新しい治療法も登場していますが、適応や長期効果については専門医による評価が必要です。

これらの治療によって、多くのSAS患者さんは症状のコントロールが可能です。実際、適切な治療で夜間の無呼吸が解消すれば、結果として金縛りの頻度も減少することが期待できます。質の良い睡眠が確保されれば、レム睡眠中の異常な覚醒現象(=金縛り)は起こりにくくなるためです。SASの治療はご自身の睡眠の質と日中の生活の質(QOL)を高めるだけでなく、金縛りの予防にもつながると言えるでしょう。

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参考文献

  1. Cleveland Clinic. Sleep Paralysis: What It Is, Causes, Symptoms & Treatment. (2023)
  2. Sleep Foundation. Sleep Paralysis: Symptoms, Causes, and Treatment. (更新日: 2023年7月26日)
  3. Hsieh SW, et al. Isolated sleep paralysis linked to impaired nocturnal sleep quality and health-related quality of life in Chinese-Taiwanese patients with obstructive sleep apnea. Qual Life Res. 2010;19(9):1265-1272.
  4. Cleveland Clinic. Sleep Apnea: What It Is, Causes, Symptoms & Treatment. (2024)
  5. Qaseem A, et al. Management of Obstructive Sleep Apnea in Adults: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med. 2013;159(7):471-483
  6. Akashiba T, et al. Sleep Apnea Syndrome (SAS) Clinical Practice Guidelines 2020 (English ver.). Respir Investig. 2022;60(1):3-32.
  7. Denis D, et al. A systematic review of variables associated with sleep paralysis. Sleep Med Rev. 2018;38:141-157.

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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夜間の酸素不足に要注意!睡眠時無呼吸症候群(SAS)による酸素濃度・血中酸素飽和度(SpO2)低下の原因と重大なリスク

毎晩のように大きないびきをかいていたり、日中に強い眠気や集中力の低下に悩まされていませんか?それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。SASになると眠っている間に何度も呼吸が止まり、そのたびに体内で酸素不足(低酸素状態)が起こります。

実はSASは決して珍しい病気ではなく、厚生労働省の調査では成人の約3人に1人が潜在的にSASを抱えている可能性があると報告されています。今回は、夜間の酸素濃度・血中酸素飽和度(SpO2)低下に焦点をあて、SASが引き起こすメカニズムとリスクについて、最新のエビデンスに基づき医師がわかりやすく解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)で血中酸素飽和度(SpO2)が低下するメカニズム

睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、睡眠中に繰り返し「無呼吸」(10秒以上の呼吸停止)や「低呼吸」(呼吸が浅くなる状態)を起こします。呼吸が止まると肺に空気が入らず、血液中の酸素濃度(血中酸素飽和度; SpO2)が急激に低下します。通常、健康な人のSpO2は96~99%程度ですが、SASのある人では睡眠中にSpO2が90%以下に落ち込むことが頻繁に起こります。

酸素が不足すると体は危機を察知し、脳が覚醒(目が覚める状態)して呼吸を再開させます。しかし再び眠りに入るとまた無呼吸が発生し、「無呼吸→低酸素→覚醒→呼吸再開」というサイクルを一晩中繰り返してしまうのです。このメカニズムにより深い眠りが妨げられ、睡眠の質が著しく低下します。

さらに、血中の酸素不足そのものが体に大きな負担をかけます。酸素が下がると体は「もっと酸素を届けなくては」と反応し、心臓が通常より強く拍動して全身に血液を送ろうとします。この結果、心拍数や血圧の上昇を招きます。また低酸素状態では交感神経が緊張し、ストレスホルモンが分泌されるため、体は常に興奮状態となります。毎晩このような低酸素状態と覚醒反応を繰り返すことが、様々な不調や合併症の原因になるのです。

血中酸素飽和度(SpO2)の低下が体に与える危険な影響

睡眠中に血中酸素飽和度(SpO2)が低下することは、全身の臓器に危険な影響を及ぼします。酸素は生命維持に欠かせないため、酸素不足になると特に脳と心臓に大きな負担がかかります。SpO2低下の直接的な影響として、以下のような反応や症状が現れます。

強いストレス反応と睡眠の質の悪化

無呼吸による低酸素状態は体にとって大きなストレスです。重症のSAS患者では、一時的にSpO2が60~70%台まで低下するケースも報告されており、そのたびに体内では「酸欠による危機状態」として強いストレス反応が起きます。その結果、睡眠が何度も中断され、深い睡眠が得られず慢性的な睡眠不足に陥ります。夜間十分に休めないことで日中の強い眠気や倦怠感、集中力低下が生じ、仕事や学業のパフォーマンスにも悪影響を与えます。

血圧上昇と不整脈の誘発

低酸素状態では前述のように交感神経が活発化し、血管が収縮して血圧が急上昇します。繰り返し酸素が低下するSAS患者では夜間高血圧をきたしやすく、睡眠中も心臓に負担がかかります。その結果、心拍の乱れ(不整脈)が起こることもあります。実際、無呼吸に伴う低酸素血症は心臓の不整脈や狭心症発作、さらには夜間突然死の一因になることが報告されています。特に重症のSASでは睡眠中の徐脈や頻脈、心房細動などの不整脈リスクが高まるため注意が必要です。

脳への酸素不足によるリスク

睡眠中に繰り返す低酸素状態は脳への酸素供給も低下させます。これにより夜間の一過性脳虚血(脳への一時的な血流不足)を招いたり、朝起床時に頭痛を感じる原因にもなります。低酸素と頻回の覚醒により脳細胞が慢性的なストレスにさらされることで、集中力や記憶力の低下、気分の落ち込みなど精神神経症状につながる場合もあります。

このように、夜間の低酸素状態そのものが体にとって「危険信号」なのです。自覚症状がなくても、眠っている間に体は悲鳴を上げている可能性があります。放置すれば、やがて取り返しのつかない健康被害につながりかねません。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の長期的なリスク・合併症

睡眠時無呼吸症候群による夜間低酸素状態を放置すると、長期的に見て深刻な合併症や健康リスクが高まります。SASは単なる「いびき」や「眠気」の問題にとどまらず、全身の様々な臓器・機能に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。特にエビデンスが蓄積している主なリスク・合併症は以下のとおりです。

高血圧症と動脈硬化の促進

SAS患者では夜間の繰り返す低酸素と交感神経の過剰な興奮により、慢性的な高血圧が生じます。事実、SASは高血圧の独立した危険因子とされ、重症SAS患者の約半数に高血圧が認められるとの報告もあります。また酸素不足により血管の内皮機能が損なわれ、動脈硬化の進行が促されます。その結果、心筋梗塞や脳梗塞(心臓発作や脳卒中)といった致命的な心血管イベントのリスクが大幅に上昇します。実際に、SASは心筋梗塞や脳卒中の発症リスクを高め、寿命を縮める可能性があることが複数の研究で示されています。

心血管疾患のリスク増大(不整脈・心不全など)

SASによる断続的な低酸素血症(間欠的低酸素)とそれに伴う全身の炎症反応は、長期的に見て心血管系に深刻なダメージを与えます。具体的には、心臓肥大や心不全、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)のリスク増大、心房細動などの不整脈の発症リスク上昇が報告されています。ある大規模研究では、重症のSASを治療せず放置した群は、治療を受けた群と比べて心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)による死亡率が有意に高かったことが示されています。つまり、SASを適切に治療しないと将来的に致命的な心臓・脳血管事故を起こす危険性が高まるのです。

2型糖尿病・メタボリックシンドローム

SASは代謝異常とも深く関わっています。睡眠不足と低酸素のストレスによりインスリンの働きが悪くなり、血糖値の上昇やコレステロール異常を招きます。その結果、糖尿病や脂質異常症など生活習慣病のリスクが高まります。実際、SAS患者は健常者に比べて2型糖尿病の有病率が高いことや、SASそのものが糖尿病発症の独立したリスク因子となる可能性が報告されています。SASとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は相互に関連し合い、悪循環を形成します。

日中の眠気による事故・労働災害

SASを放置すると、慢性的な日中の強い眠気により交通事故や労働災害のリスクも高まります。居眠り運転による重大事故の背景にSASが潜んでいた例は少なくありません。厚生労働省もSASによる日中の眠気対策を重要視しており、トラックやバス運転手へのSAS検査の導入など予防策が進められています。自分では眠気を自覚していなくても、集中力や判断力の低下により事故を起こす危険性があるため注意が必要です。

その他の合併症

このほか、SASは腎機能の悪化や認知機能障害、うつ病などの精神疾患とも関連する可能性が指摘されています。夜間低酸素により腎臓の血流が低下し慢性腎臓病を進行させる懸念や、低酸素と睡眠分断による脳へのダメージがアルツハイマー型認知症のリスク因子になり得るとの報告もあります。またSAS患者はうつ症状を合併しやすいことが知られており、低酸素ストレスと睡眠障害が精神面にも影響を及ぼすと考えられています。こうした合併症についても研究が進められており、SAS治療による改善が期待されています。

以上のように、睡眠時無呼吸症候群をそのまま放置することは非常に危険です。中等症・重症のSASを適切に治療しない場合、心筋梗塞・脳卒中・生活習慣病・事故など致命的な結果を招き、死亡率が大幅に高くなることが報告されています。SASと診断されたら軽症であっても油断せず、医師の指導のもと速やかに治療を開始することが肝要です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断における血中酸素飽和度(SpO2)測定

SASが疑われる場合、診断の一環として夜間の血中酸素飽和度(SpO2)を測定することが重要です。SASの診断には本来、睡眠専門施設での一晩の検査(ポリソムノグラフィー: PSG)が最も正確ですが、まずは簡便なスクリーニング検査として自宅でのSpO2モニタリングが広く行われています。

具体的には、自宅で指先に装着するパルスオキシメーター(簡易な酸素飽和度計)を用いて、一晩中のSpO2変動と脈拍を記録します。この簡易検査では、眠っている間に何回酸素飽和度が一定以上低下したか(例えば3%以上低下した回数)を指数化した「酸素飽和度低下指数(ODI)」を算出し、無呼吸の程度を推定します。一般にODIが高い(低酸素になる回数が多い)ほどSASの重症度が高いことを示唆します。たとえば3%低下ODI(3% Oxygen Desaturation Index)が1時間あたり15以上であれば中等症以上のSASが疑われる、といった基準が用いられます。

一方、病院や睡眠クリニックで行う終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)でもSpO2測定は欠かせません。PSGでは脳波や呼吸気流、いびき、胸腹部の動きなどと併せて経皮的酸素飽和度(SpO2)の連続測定を行います。これにより、無呼吸や低呼吸が発生するたびにSpO2がどの程度低下するか、最低SpO2が何%まで落ち込むか、といった詳細な情報が得られます。特に最低SpO2値(nadir SpO2)はSASの重症度を評価する指標の一つです。重症SASでは最低SpO2がしばしば80%未満、時に70%台に達することもあります。診断報告書には、平均SpO2や最低SpO2、ODIなどが記載され、治療方針決定の参考にされます。

まとめると、SpO2の測定はSAS診断の重要なパラメータです。自宅での簡易検査では「酸素低下の頻度」をチェックし、精密検査では「どのくらい低下しているか」まで正確に評価します。息が止まっていないかは家族でも観察できますが、酸素飽和度の低下は機器で測らないとわからないため、SASが疑われる場合はぜひ医療機関に相談して適切な検査を受けましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のCPAP治療による血中酸素飽和度(SpO2)の改善

SASと診断された場合、最も有効な治療法はCPAP(持続陽圧呼吸)療法です。CPAP装置を用いて睡眠中に鼻や口に空気を送り込み、気道に空気圧をかけることで上気道の閉塞(喉のつまり)を防ぎ、無呼吸を起こさせないようにします。CPAP療法を適切に継続することで、睡眠中のSpO2低下は劇的に改善します。実際、CPAP治療により一晩の平均SpO2や最低SpO2が治療前と比べて大きく改善することが報告されています。つまり、CPAPを使えば夜間の酸素不足状態が解消され、血中の酸素が安定して保たれるようになるのです。

CPAPによって酸素飽和度が改善することは、前述した様々な合併症リスクを下げる上でも極めて重要です。酸素低下がなくなることで夜間の血圧上昇や不整脈のリスクが軽減し、心臓への負担が減ります。また断続的低酸素が解消することで全身の炎症反応も和らぎ、長期的には高血圧や動脈硬化の進行抑制にもつながると期待されています。実際、重症SAS患者を10年以上追跡した研究では、CPAP治療を受けたグループは未治療のグループに比べ、心筋梗塞や脳卒中など致命的な心血管イベントの発生率が有意に低かったとの結果が報告されています。このことからも、CPAPで夜間低酸素状態を是正することが将来的な重篤疾患の予防につながると考えられます。

さらに、CPAP治療を行うと睡眠の質が飛躍的に向上し、日中の眠気や倦怠感も大幅に改善します。多くの患者さんが「朝すっきり目覚められる」「日中眠くなくなった」と効果を実感しています。これらの自覚症状の改善も、低酸素状態が解消され脳や体が十分休息できるようになったおかげです。CPAPはSAS治療のゴールドスタンダード(標準治療)であり、中等症以上の患者さんには原則としてCPAPが第一選択となります。

CPAPマスクの装着には慣れが必要ですが、最近の機器は小型静音化が進み快適性も向上しています。当院でもCPAP療法の導入支援・使い方のフォローを行っていますので、機器の扱いに不安がある方も安心して治療を継続できます。SASによる夜間低酸素は適切な治療で必ず改善できますので、あきらめずに取り組みましょう。

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SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

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参考文献:

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット: 「睡眠時無呼吸症候群/SAS」
[2] 森下駅前クリニック・オンライン診療のご案内
[3] 大井町みんなのクリニック: 睡眠時無呼吸症候群における酸素飽和度低下について
[4] 日本呼吸器学会 編著『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』南江堂, 2020年
[5] Johns Hopkins Medicine: “The Dangers of Uncontrolled Sleep Apnea”
[6] Gabryelska A, Łukasik ZM, Makowska JS, Białasiewicz P. “Obstructive Sleep Apnea: From Intermittent Hypoxia to Cardiovascular Complications via Blood Platelets.” Front Neurol. 2018;9:635
[7] Marin JM, et al. “Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with CPAP: an observational study.” Lancet. 2005;365(9464):1046-53
[8] 一般財団法人 運輸・交通SAS対策支援センター: 「睡眠時無呼吸症候群の検査方法」
[9] 呼吸器・睡眠時無呼吸症候群 睡眠医療情報: 酸素飽和度低下指数(ODI)について

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

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最近見る夢が変?もしかして睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかも

 

最近、「見る夢がなんだかおかしい」「悪い夢ばかり見るようになった」「そもそも夢を全然見なくなった気がする」と感じていませんか?実は、こうした夢の変化は、単なるストレスや偶然ではなく、睡眠の質や健康状態のサインである可能性があります。

中でも注目したいのが、睡眠中に呼吸が止まる疾患である睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)です。SASは睡眠中に繰り返し呼吸が停止・低下することで睡眠の質を著しく損ない、いびきや日中の強い眠気など様々な症状を引き起こします。そして近年の研究から、SASは私たちの「夢」にも影響を与え得ることがわかってきました。

もし「最近見る夢が変だ」と感じているなら、もしかするとそれはSASからの警告サインかもしれません。本記事では、一般成人の方向けに「夢の変化と睡眠時無呼吸症候群」の関係について最新エビデンスに基づいて解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は「夢」に影響を与えるのか?

結論から言えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は夢の見方や内容に影響を与える可能性があります。ただし、その影響の現れ方は一様ではなく、研究結果も矛盾した所見が報告されています。

一部の研究では、重度のSAS患者では夢を「見る」頻度や悪夢の頻度がむしろ減少する、つまりSASが深刻になるほど夢を見なくなる傾向が示されています。これは睡眠が断片化しREM睡眠(夢を見る睡眠段階)が減少してしまうため、夢自体が少なくなるか、夢を覚えていない可能性があります。

一方で、SAS患者では夢の内容がより鮮明で感情的(とくに否定的)になるとの報告もあります。実際、ある研究では、中等度以上の睡眠時無呼吸(AHI≧15)の患者は、無呼吸のない人に比べて夢の「不快感」が有意に高い(悪夢傾向が強い)ことが示されました。また、夢の数自体は健常者と大きく変わらなくとも、その夢の内容が暴力的・攻撃的といったネガティブな感情を伴うものが増えるという結果も報告されています。

さらに特徴的なのは、「息ができない」ような悪夢です。SASでは睡眠中に繰り返し呼吸が止まり低酸素状態になりますが、脳はその危機を反映して「窒息する」「溺れる」などの夢を見せる場合があります。実際、睡眠時無呼吸症候群の患者で悪夢に悩む人たちを調べた研究では、悪夢の大半が息苦しさに関連する内容(例:「深い井戸に落ちて必死に呼吸しようともがく夢」「誰かに首を絞められて息ができなくなる夢」「海で溺れて酸素がなく苦しい夢」など)だったと報告されています。

このように、「夢をあまり見なくなる」ケースから「嫌な夢・怖い夢が増える」ケースまで、SASは人の夢に様々な形で影響を及ぼしうるのです。

なぜ睡眠時無呼吸症候群(SAS)で夢が変わる?

SASによって夢が変化する理由として、睡眠の質・構造の乱れ酸素不足による生理的ストレスという2つのメカニズムが考えられます。

まず、SASでは睡眠中に何度も呼吸が止まるため、そのたびに脳が覚醒反応を起こし、睡眠が細切れ(断片化)になってしまいます。特に夢を見る段階であるREM睡眠中に無呼吸発作が起こると、脳は正常な睡眠サイクルを中断され、途中で目が覚めたり浅い睡眠段階に引き戻されたりします

この結果、夢の途中で目覚めてしまうことで夢を覚えやすくなる一方、十分に長い夢を継続して見ることができず夢自体は断片的になります。ある研究では、SAS患者では睡眠が浅くなる割合が高く、それによって夢を見ている自覚や夢の記憶が増える可能性が指摘されています。実際、重度のSAS患者は健常者と比べて夢の内容の記憶(夢想起)が鮮明で長い傾向があるとの報告もあります。これは頻繁に睡眠が中断されることで常に夢の途中で覚醒し、夢を記憶しやすくなるためと考えられます。

次に、低酸素状態に対する脳の生理反応も夢に影響します。無呼吸により血中酸素が低下すると、脳は「窒息の危機」と判断してストレスホルモンを分泌し、いわば身体は戦闘モード(闘争・逃走反応)になります。その結果、睡眠中であっても心拍数や血圧が上昇し、脳も不穏な活動状態となってしまいます。この生理的ストレスが悪夢(生命の危機に関する恐怖夢)を誘発すると考えられています。

実際、前述のようにSAS患者の見る悪夢には「息苦しさ」「死の危険」といったテーマが多く、これは睡眠中の酸素不足に対する脳の警告反応だと考えられます。19世紀の報告でも、睡眠中に人工的に呼吸を妨げると悪夢を見ることが指摘されており、低酸素と悪夢の関連は古くから示唆されています。

さらに、慢性的な睡眠不足や低酸素による認知機能への影響も無視できません。SAS患者では注意力や記憶力の低下が起こりやすいことが知られていますが、こうした記憶力の低下により夢の内容を覚えにくくなる可能性もあります。一方で、ストレスや不安感情が高まることで夢にネガティブな情動が反映されやすくなる側面も指摘されています。

このようにSASは睡眠構造の破綻生理的ストレスという二方面から夢に影響を与え、夢を見る頻度や内容を変えてしまうのです。

夢の変化以外に要注意!睡眠時無呼吸症候群(SAS)の典型的なサイン

夢の異変はSASのサインの一つかもしれませんが、もちろんそれ以外にも典型的な症状やサインが多数あります。以下に、SASでよくみられる症状を挙げますのでチェックしてみましょう。

  • 大きないびき:周囲が驚くほど大きないびきを習慣的にかく場合、SASの代表的なサインです。特に途中でいびきが途切れ、静寂の後に「ガッ」「ブフッ」と息を吹き返すような音を立てる場合、睡眠中に無呼吸(呼吸停止)が起きている可能性があります。
  • 睡眠中の無呼吸や呼吸困難:家族やパートナーに「寝ている間に何度も呼吸が止まっている」と指摘されたり、夜中に息苦しさで目が覚めることがある場合は要注意です。睡眠中に突然「ハッ」と目覚めて喘ぐように呼吸していたら、それは典型的なSASのエピソードかもしれません。
  • 日中の強い眠気・居眠り:夜間の睡眠の質が悪いために、昼間に耐え難い眠気に襲われたり、会議中や運転中につい居眠りしてしまうことがあります。慢性的な疲労感や倦怠感も伴いやすく、仕事の能率低下につながります。
  • 起床時の頭痛や口の渇き:朝起きたときに頭痛がする、あるいは口や喉がカラカラに乾いているのもSASによくある症状です。これは睡眠中の低酸素やいびきによる口呼吸が原因と考えられます。
  • 夜間頻尿:夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)もSAS患者にしばしば見られます。無呼吸によるストレスで心臓に負担がかかり利尿作用が促進されるためで、本人は「歳のせいかな」と思いがちですが、実はSASが隠れていることがあります。
  • その他の症状:この他、睡眠の質低下に伴う集中力の低下や朝のぼんやり感、抑うつ傾向やイライラなど精神面の変化もあります。男性では勃起不全(ED)を訴えることもあり、SAS治療で改善するケースも報告されています。また高血圧や不整脈など身体的な合併症が指摘されることも多く、放置すると心血管疾患のリスクが高まります。

以上のような症状に心当たりがある場合、夢の変化とあわせて睡眠時無呼吸症候群を疑ってみる価値があります。特に深刻ないびきや日中の強い眠気は要注意のサインです。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療で夢は変わる?

では、実際にSASと診断され治療を行うと、夢の状態も改善するのでしょうか?答えは「YES」です。適切な治療によって睡眠の質が向上すれば、悪夢や異常な夢は減少し、正常な夢のパターンが戻ってくることが期待できます。

SAS治療の第一選択であるCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法は、鼻マスクから気道に空気を送り込んで睡眠中の無呼吸を防ぐ治療法です。このCPAP治療を始めると、多くの患者で睡眠の質が劇的に改善しますが、夢に関しても顕著な変化が報告されています。

例えば、重度SAS患者を対象とした研究では、CPAP導入後にそれまで頻繁に見られていた暴力的・不安感の強い悪夢が消失したという結果が得られました。ある重症患者では、治療前にはREM睡眠中の夢の半数以上を覚えているほど断片的な睡眠状態でしたが、CPAP開始直後から悪夢が見られなくなり、夢を見る頻度自体も大きく減少しました。この悪夢の消失は、CPAPによって睡眠中の窒息状態が解消され、脳が安心して眠れるようになったことを反映しています。

興味深いことに、CPAP導入直後は夢を見る頻度(夢想起率)が一時的に低下する場合があります。実際、ある研究ではSAS患者の夢想起率が、CPAP開始前は約50%だったのが初日のCPAP使用後には20%程度まで低下したと報告されています。これは前述のように睡眠が中断されにくくなるためで、「夢を最後まで見ても途中で起きなくなる=夢を覚えていない」健康的な睡眠が戻ったことを示す良い兆候といえます。患者さんの中には「CPAPをつけたら夢を見なくなってしまった」と心配される方もいますが、これはむしろ睡眠が深くなり連続性が保たれている証拠なのです。

CPAP治療を継続して睡眠パターンが安定してくると、夢想起率は徐々に正常範囲に戻る傾向があります。前出の研究でも、CPAP開始から数か月〜2年後には夢を見る頻度がほぼ健常者並みに回復し、内容も通常の夢に近づいたと報告されています。

重要なのは、治療前に見られたような息苦しい悪夢は再発せず、夢の質が明らかに改善した点です。また、別の研究ではSAS患者で頻発していた悪夢がCPAP治療によって有意に減少したことが示されており、これは国際的なガイドラインでもエビデンスとして紹介されています。

実際に臨床の場でも、CPAP導入後に「悪夢をほとんど見なくなり朝までぐっすり眠れるようになった」という声は珍しくありません。例えば、20年間も「毎晩のように嫌な夢を見る」ことで睡眠が不満足だった47歳の女性患者では、精密検査で中等度のSAS(AHI21.7)と診断されCPAP治療を行ったところ、初回のCPAP使用直後から「一晩中夢を見なかった」と感じるほど睡眠が深くなり、昼間の状態も劇的に改善しました。このケースではその後もCPAPを継続することで、夜間の無呼吸はほぼ消失し、夢に悩まされることもなくなっています。こうした事例は決して特別ではなく、適切な治療により「悪い夢にうなされる夜」から「安眠できる夜」へと変化できることを裏付けています。

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SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

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参考文献

[1] BaHammam AS, Almeneessier AS. Dreams and Nightmares in Patients With Obstructive Sleep Apnea: A Review. Front Neurol. 2019;10:1127.
[2] Fisher S, Lewis KE, Bartle I, et al. Emotional content of dreams in obstructive sleep apnea hypopnea syndrome patients and sleepy snorers. J Clin Sleep Med. 2011;7(1):69-74.
[3] BaHammam AS, Al-Shimemeri SA, Salama RI, et al. Clinical and polysomnographic characteristics and response to continuous positive airway pressure therapy in obstructive sleep apnea patients with nightmares. Sleep Med. 2013;14(2):149-154.
[4] Carrasco E, Santamaria J, Iranzo A, et al. Changes in dreaming induced by CPAP in severe obstructive sleep apnea syndrome patients. J Sleep Res. 2006;15(4):430-436.
[5] Xue P, Li X, Lei F, et al. Effect of continuous positive airway pressure on dream-enriched sleep in a patient with mild obstructive sleep apnea: A case report. Medicine (Baltimore). 2020;99(12):e19579.
[6] Stansbury RC, Strollo PJ. Clinical manifestations of sleep apnea. J Thorac Dis. 2015;7(9):E298-E310.
[7] Slowik JM, Sankari A, Collen JF. Obstructive Sleep Apnea. StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Mar.

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

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要注意!睡眠時無呼吸症候群(SAS)が引き起こす物忘れとは?症状・原因・治療について解説

 

中高年の方で「最近物忘れがひどくなった」と感じている方はいませんか?加齢のせいと諦めてしまいがちですが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因で記憶力や認知機能が低下している可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。特に中高年に多く、高齢者では最も多い睡眠障害とも言われるほど頻度が高い疾患です。SASになると大きないびきや日中の強い眠気といった症状で知られていますが、それだけではありません。最近の研究から、SASが物忘れや認知症リスクの上昇など「脳へのダメージ」を引き起こすことが分かってきました。

本記事では、睡眠時無呼吸症候群と物忘れ・認知機能低下との関連性、そして症状・原因・治療について医学的根拠に基づき分かりやすく解説します。最後には当院(森下駅前クリニック)で行っているオンライン診療についてもご紹介します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と物忘れ・認知機能低下の関連性

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と記憶障害や認知症には深い関連があります。SASになると慢性的な睡眠不足や夜間低酸素状態に陥り、それが認知機能の低下(物忘れ、注意力低下、実行機能障害など)を招くことが多くの研究で報告されています。

実際、ある大規模調査ではSAS患者の約半数に軽度認知機能障害(MCI)が認められ、中等度~重症のSASではその割合が55%を超えていたと報告されています。さらに別の研究では、軽度認知障害の患者の約4人に1人がSASを合併していたとの結果もあります。これらの事実は、睡眠時無呼吸症候群が認知機能低下の重要な一因であることを示唆しています。

加えて、SASと認知症(特にアルツハイマー型認知症)との関連も注目されています。SAS患者は将来的に認知症を発症するリスクが有意に高いことが報告されており、ある解析ではSAS患者の認知症発症リスクは持たない人の1.4倍に達するとの結果でした。中でもアルツハイマー型認知症の発症リスクは約1.3倍に上昇していたことが報告されています。

こうしたことから、睡眠時無呼吸症候群は認知症(アルツハイマー病など)を招く危険因子の一つと考えられています。また、高齢者のSASでは物忘れや認知機能低下といった症状がより顕著に現れやすいとも指摘されています。年齢を重ねるにつれSASによる脳への影響が大きくなり、加齢による認知機能予備力の低下と相まって症状として表れやすくなる可能性があります。

以上のように、睡眠時無呼吸症候群は単なるいびきや眠気の問題に留まらず、放置すると認知症を含む脳の健康に深刻な影響を及ぼしうる病気なのです。

なぜ睡眠時無呼吸症候群(SAS)で物忘れが起きるのか?

SASによって物忘れや認知機能低下が起こるのには、いくつかの医学的な理由があります。主な原因は、夜間の低酸素状態と睡眠の分断です。

SAS患者では睡眠中に上気道が塞がり呼吸が停止するため、血中の酸素濃度が何度も低下し、そのたびに脳が目覚めてしまいます。一晩中このような断続的な酸素不足と睡眠の分断が繰り返されることで、脳の神経細胞に大きなストレスとダメージが蓄積します。特に記憶を司る海馬や前頭前野などは酸素不足に弱く、SAS患者ではこれらの部位の萎縮や機能低下が報告されています。

実際、SASは脳の微小な血流障害や虚血性損傷を引き起こし、注意力、実行機能、作業記憶、長期記憶など幅広い認知領域に影響を及ぼすことが分かっています。こうした脳への直接的ダメージが物忘れや思考力低下として現れるのです。

さらに、SASが物忘れを引き起こすもう一つのメカニズムとして脳内老廃物の蓄積が考えられています。私たちの脳は睡眠中に老廃物(例えばアルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβなど)を排出し整理する働きがあります。しかしSASで睡眠が浅く分断されると、この「脳のゴミ掃除」機能が妨げられ、アミロイドβが脳内に蓄積しやすくなる可能性が指摘されています。

実際、近年の研究で重症のSAS患者ほど脳脊髄液中のアミロイドβ濃度が低下(=脳内に沈着していることを示唆)する関連が報告されました。アミロイドβの蓄積はアルツハイマー型認知症の病変であり、SASはこうした神経変性のプロセスを加速させる誘因となりうるのです。

また、SASは睡眠中の低酸素や再酸素化ストレスによって活性酸素の産生や慢性的な炎症反応を引き起こします。この酸化ストレスや慢性炎症も血管や神経を傷つけ、脳の認知機能を低下させる一因と考えられます。

加えて、SAS患者では高血圧や動脈硬化が促進されることが知られており、その結果として脳卒中や脳の微小血管障害が起これば記憶障害を含む認知障害が一層進行してしまいます。実際、重症SASの方は脳卒中発症リスクが有意に高いとの報告もあり、こうした脳血管障害(いわゆる血管性認知症の原因)のリスク増加もSASが物忘れを招く間接的なメカニズムと言えるでしょう。

このように、睡眠時無呼吸症候群で物忘れが起きる背景には、夜間低酸素と睡眠断片化による脳細胞へのダメージ老廃物(アミロイドβ)の蓄積酸化ストレス・炎症の影響、そして脳血管障害の誘発といった複合的な要因が存在します。特に高齢者ではこれらの悪影響に対する脳の抵抗力が低下しているため、SASによる認知機能低下がより顕著に現れやすいのです。「高齢者 無呼吸 なぜ」と感じる方もいるかもしれませんが、以上がその医学的な理由になります。

物忘れ以外に注意すべき睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサイン

睡眠時無呼吸症候群は物忘れ以外にも様々なサインを呈します。以下のような症状が見られる場合は、SASを疑って注意する必要があります。

  • 大きないびき:家族や同室者から睡眠中の激しいいびきを指摘される。いびきはSASの代表的な症状です。
  • 睡眠中の無呼吸やあえぎ寝ている間に呼吸が止まる、あるいは「息が詰まってハッと目が覚める」ような出来事が頻繁に起こる。これは典型的なSASのエピソードです。
  • 頻繁な覚醒と熟睡感の欠如夜中に何度も目が覚める(トイレに起きる回数が増える場合も)。朝起きたときに熟睡した感じがしない、疲労感が残る。起床時に頭痛や喉の渇きを感じることもあります。
  • 日中の強い眠気:日中に耐え難い眠気に襲われたり、会議中や車の運転中につい居眠りしてしまう。集中力が続かず、ぼんやりする時間が増えるのも特徴です。
  • 気分の変調・認知面の変化イライラしやすくなったり抑うつ気分になる、物忘れが増えて判断力や注意力が落ちたと感じる。SASでは睡眠不足の影響で精神面・認知面の症状が現れることがあります。

以上のような症状はSASでよく見られるサインです。特にいびきが大きい呼吸停止を伴う場合は要注意です。ご自身では気付きにくい症状もあるため、家族から指摘された場合は真剣に受け止めましょう。物忘れだけでなくこれらのサインに心当たりがある場合、放置せず医療機関での検査を検討することが大切です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療で物忘れは改善する?

結論から言えば、適切に睡眠時無呼吸症候群を治療すれば物忘れや認知機能低下の改善が期待できます。SASの標準的な治療法であるCPAP(持続陽圧呼吸療法)では、就寝時に鼻マスクから気道に空気を送り込み、喉の閉塞を防ぐことで無呼吸をなくします。

CPAPにより夜間の低酸素状態と睡眠の分断が解消されると、脳は十分な休息と酸素供給を得られるようになり、その結果日中の眠気や注意力の低下が改善し、記憶力を含む認知機能も多くの場合向上します。実際、複数の臨床研究のレビューによれば、CPAP治療によってSAS患者の認知機能(特に言語記憶・視空間認知・作業記憶など)が有意に改善したと報告されています。

また、SAS患者は治療を続けることで将来的な認知機能低下や認知症発症リスクを減らせる可能性も示されています。例えば、ある研究ではSAS患者でCPAP治療を真面目に継続したグループは、未治療のグループに比べて数年後の軽度認知障害(MCI)への進行が遅れたとの報告があります。さらに興味深いことに、既に認知症と診断された患者さんでも、同時にSASを治療したところ認知機能が改善したケースも報告されています。

このように、睡眠時無呼吸症候群の治療介入は物忘れや認知機能低下に対して一定の改善効果が期待できるのです。

もっとも、SAS治療によって全ての患者さんの認知症状が劇的に治るというわけではありません。認知機能の改善度合いは個人差があり、年齢や認知障害の程度、他の疾患の有無などによって異なります。しかし少なくとも、治療によって症状の進行を食い止めたり、日常生活に支障を来すレベルの物忘れが軽減したりする可能性は十分にあります。実際にCPAPを使用した患者さんからは「朝の頭の冴え方が違う」「集中力が戻ってきた」といった声が聞かれます。

根本的な原因である無呼吸を取り除くことで、脳へのダメージを減らし回復を促せると考えられます。物忘れでお悩みの方は、SASを治療することで状況が改善する余地があることをぜひ知っておいてください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療を検討すべきタイミング

では、どのようなタイミングで睡眠時無呼吸症候群の治療を検討すべきでしょうか。基本的には「SASが疑われた時点」および「SASと診断された時点」です。症状が出ているならなるべく早く対策を始めることが重要です。具体的には、次のような場合は治療を検討しましょう。

  • 上述のようなSASの兆候(いびき、無呼吸、日中の眠気、物忘れ等)が頻繁に見られる場合。特に日常生活に支障をきたしているなら放置すべきではありません。
  • ご家族に睡眠中の無呼吸を指摘された場合。自覚がなくとも他者から無呼吸を目撃されたら重症の可能性があります。早急に医療機関で評価を受けましょう。
  • 中等度以上のSASと診断された場合。睡眠検査で無呼吸低呼吸指数(AHI)が高かった場合、症状の有無に関わらず治療を開始することが推奨されます。重症SASは放置すると高血圧や心臓病、脳卒中のリスクも大幅に上がるためです。
  • 物忘れなど認知機能低下が進行している場合。年のせいと決めつけず、SASが隠れていないか検査し、該当すれば治療を始める価値があります。SASを治療することで将来の認知症発症を予防できる可能性もあるためです。特に高齢のSAS患者では「今さら治療しても…」と考えず積極的に治療を行うことが推奨されています。

以上のような状況に当てはまる場合は、速やかに医師へ相談し治療方針を検討するタイミングと言えます。睡眠時無呼吸症候群は放っておいても自然に治ることはまれで、むしろ時間とともに合併症リスクが蓄積していきます。早期に対応を始めることで、将来の脳や心臓へのダメージを未然に防ぎ、生活の質の低下を防ぐことができます。特に物忘れ等の症状が出ている方は、「歳のせい」と片付けず一度SASの可能性を調べてみることをおすすめします。

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SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

長期間にわたって眠気が取れないと悩んでいる場合や、いびき・無呼吸の指摘がある方は、早めに専門医に相談し、必要な検査・治療を受けて快適な睡眠と日常生活を取り戻しましょう。

 

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参考文献一覧(References)

  1. Montalvão Neves J, Maciel CA, Alexandre-Sousa P. Benefits of Treating Obstructive Sleep Apnea in Cognition: Systematic Literature Review. J. Dement. Alzheimer’s Dis. 2025; 2(1):3. DOI: 10.3390/jdad2010003
  2. Beaudin AE et al. Cognitive Function in a Sleep Clinic Cohort of Patients with Obstructive Sleep Apnea. Ann Am Thorac Soc. 2021; 18(5): 865-875. DOI: 10.1513/AnnalsATS.202004-313OC
  3. Ryan CM, Molnar FJ, et al. The prevalence of obstructive sleep apnea in mild cognitive impairment: a systematic review. BMC Neurol. 2019; 19: 195. DOI: 10.1186/s12883-019-1422-3
  4. Guay-Gagnon M et al. Sleep apnea and the risk of dementia: a systematic review and meta-analysis. J Sleep Res. 2022; 31(5): e13589. DOI: 10.1111/jsr.13589
  5. U.S. Preventive Services Task Force. Screening for Obstructive Sleep Apnea in Adults: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement. JAMA 2022; 328(12):1168-1174. DOI: 10.1001/jama.2022.16341
  6. 独立行政法人国立病院機構 近畿中央呼吸器センター「睡眠時無呼吸症候群」解説ページ(2023年閲覧)【オンライン】.
  7. Sharma RA, Varga AW, Bubu OM, et al. Obstructive Sleep Apnea Severity Affects Amyloid Burden in Cognitively Normal Elderly: A Longitudinal Study. Am J Respir Crit Care Med. 2018; 197(7): 933-943. DOI: 10.1164/rccm.201704-0704OC
  8. 千田 一嘉. 「睡眠時無呼吸症候群と認知症」長寿医療センター病院レター 第81号, 2019年7月22日.

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と口呼吸の関係

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とはどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)とは、眠っている間に何度も呼吸が止まり(無呼吸)、体内の酸素が不足する睡眠障害です[1]。

 

主な原因は睡眠中に喉や鼻などの上気道が繰り返し狭くなることで、激しいいびきや低呼吸(呼吸が弱く浅くなること)を伴います。

 

症状としては、睡眠中の大きないびきや呼吸停止、日中の強い眠気、起床時の頭痛・だるさなどが現れます[2]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は中高年の男性や肥満の方に多い傾向がありますが[3]、誰にでも起こり得る病気です。近年患者数は増加傾向にあり、世界では成人人口の約9〜38%がOSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)の診断基準を満たすと推定されています[4]。

日本人成人のOSAS有病率は3〜9%程度とされていますが[5]、これは実際に検査を受けていない潜在患者も多いと考えられます。

 

放置された睡眠時無呼吸症候群(SAS)は高血圧、脳卒中、心筋梗塞などのリスクが高まることが複数の研究で示されています[6]。

では、この睡眠時無呼吸症候群(SAS)と「口呼吸」にはどのような関係があるのでしょうか。本記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と口呼吸の関係について最新の知見を踏まえて解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と口呼吸には関係がある?

結論から言えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と口呼吸には深い関係があります。

実際、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の多くは睡眠中に口呼吸をしていることが複数の研究で確認されています[7]。

 

欧州呼吸器学会誌(European Respiratory Journal)に掲載された研究では、鼻づまりなどがない人々を対象とした調査において、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者は単なるいびき症の人に比べて睡眠中に口あるいは口と鼻で呼吸している時間の割合が有意に高いことが報告されています[8]。

 

その研究では、口呼吸の頻度と無呼吸低呼吸指数(AHI:睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の発生回数)が正の相関関係にある(口呼吸が多い人ほどAHIが高い)ことも明らかになりました[8]。

 

これらの知見から、口呼吸の習慣は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の発症リスクや重症度に密接に関係していると考えられます。

 

口呼吸の習慣がもたらす悪影響

口呼吸は本来備わっている鼻呼吸の利点を活かせないため、さまざまな悪影響を及ぼします。

  • 口腔内の乾燥と衛生悪化: 睡眠中に口で息をすることで唾液が乾燥し、口腔内が渇いた状態になります。唾液には歯や粘膜を保護し細菌の増殖を抑える働きがありますが、口呼吸によってその自浄作用が低下すると、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります[9]。実際、成人では慢性的な口呼吸によって歯周病(歯ぐきの炎症)や口臭が生じやすくなるとの報告があります[9]。
  • 鼻のフィルター機能の欠如: 通常、鼻毛や鼻粘膜がフィルターの役割を果たし、空気中のホコリ・細菌を除去するとともに加湿・加温して肺に送り届けています[10]。ところが口呼吸ではこうした防御機構が働かないため、乾燥した冷たい空気が直接気道に入り、喉や気管支が刺激されやすくなります。これにより喉の痛みや炎症を起こしやすくなったり、病原体が体内に侵入しやすくなるリスクも指摘されています[10]。
  • 睡眠の質の低下: 慢性的な口呼吸の習慣は睡眠の質にも影響します。口呼吸は鼻呼吸に比べて気道抵抗が高く、睡眠中の呼吸が乱れやすくなるためです[7]。研究によれば、口呼吸は単に寝起きに口が渇く程度の問題ではなく、睡眠障害(いびきや睡眠時無呼吸症候群など)を引き起こして日中の生活に支障をきたす可能性があると報告されています[11]。口呼吸により睡眠が浅く分断されると、日中の強い眠気や集中力の低下、倦怠感の原因にもなり得ます[11]。
  • 歯並びや顔貌への影響: 子どもの場合、長期にわたる口呼吸の習慣が顎顔面の発達に悪影響を及ぼすことがあります。口で呼吸するクセのある子どもは、将来的に歯並びが悪くなったり(不正咬合)、鼻呼吸しにくい人に特有の「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔つきになることがあると指摘されています[12]。実際、口呼吸の子どもは鼻呼吸の子どもに比べて歯科的異常(歯列不正や顎の狭小化)や顔面骨格の変形が起こりやすいとの報告があります[12]。このように、口呼吸の習慣は口内衛生から全身の健康、さらに成長過程における発育にまで幅広く悪影響を及ぼしうるのです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状と重なりやすいサイン

口呼吸が習慣化している人に現れやすい症状の中には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状と共通するものも少なくありません。

例えばいびきはその典型です。

口を開けて寝ると喉の気道が狭まり振動しやすいため、口呼吸の人はしばしば大きないびきをかきます[13]。

 

また、睡眠中の口渇(口の乾き)や起床時の喉の痛みも、口呼吸の人によく見られる症状です。

これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者にもよく見られるサインであり、実際に夜間に口呼吸をする人は、いびき・口渇・口臭・声のかすれ・目覚めたときの疲労感といった症状を訴えることが多いことが報告されています[11][13]。

 

一方、睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではこれらに加えて睡眠中の無呼吸発作(呼吸停止や喘ぎ)や頻繁な覚醒、朝の頭痛、激しい眠気などが現れます[2]。

したがって、口呼吸習慣による症状は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状と紛らわしい場合があり、「ただの口呼吸だから」「単なるいびきだから」と見過ごされがちです。

 

特に大音量のいびき日中の強い眠気がある場合、それは口呼吸だけでなく睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を示す重要なサインかもしれません[2][13]。

 

口呼吸の自覚がある方でこれらの症状が重なる場合は、念のため睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を受けることを検討してください。

 

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口呼吸が原因で睡眠時無呼吸症候群(SAS)が悪化するリスク

口呼吸の習慣は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の発症リスクを高めるだけでなく、症状を悪化させる要因にもなり得ます。

 

実際、口呼吸によって上気道が狭くなり睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度が増すこと、およびCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法の効果を阻害する可能性があることは医学的にも指摘されています[7][14]。

口を開けて寝ると下あごが下がり、舌根や軟口蓋(喉の奥の柔らかい部分)が後方へ落ち込みやすくなります。

 

その結果、咽頭(喉)の気道径が小さくなり、空気の通り道が塞がれやすくなってしまいます[14]。

つまり、口呼吸によって気道が物理的に狭められ、無呼吸が起こりやすくなるのです。

 

また、口呼吸の癖があるとCPAP療法(睡眠中にマスクから気道に空気を送り込む治療)もうまくいかない場合があります。

口から空気が漏れてしまい十分な陽圧がかからなかったり、口や喉の乾燥による不快感で機器の使用を継続できなくなることが報告されています[15]。

 

事実、口呼吸はCPAP治療のアドヒアランス(継続使用率)の低下要因の一つであり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の治療を難しくする面があります[15]。

 

さらに近年の研究から、口呼吸が睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症化に与える影響の大きさが裏付けられています。

 

例えば、軽度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者を対象に行われた臨床試験では、就寝時に口にテープを貼って強制的に鼻呼吸へ矯正したところ、無呼吸低呼吸指数(AHI)といびきの頻度が約半分にまで改善しました[7]。

 

このように、口呼吸を防いで鼻呼吸に切り替えるだけで睡眠中の呼吸状態が大きく改善するケースがあるのです。

逆に言えば、口呼吸の放置が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を悪化させているリスクが高いとも言えます。

 

口呼吸の習慣がある方は、それが睡眠時無呼吸症候群(SAS)症状を増長させていないか注意が必要です。

 

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改善するにはどうすればいい?

口呼吸の習慣を改善し、鼻呼吸で眠れるようにすることが睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策の一助になります。以下に具体的な改善策を紹介します。

 

  • 鼻の通りを良くする治療: 鼻づまりがあると誰でも口呼吸になってしまうため、まずは慢性的な鼻詰まりの解消が重要です。アレルギー性鼻炎が原因であれば抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬の使用、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があればその治療を行います。鼻中隔のゆがみが強い場合は耳鼻科での手術で空気の通り道を確保することも検討されます[16]。鼻の通りを良くすることで口呼吸が改善し、睡眠の質が向上したりCPAP療法の効果が高まることが報告されています[16]。実際、鼻閉(鼻づまり)の治療によって口呼吸が減少し、いびきや日中の眠気が改善した例もあります[16]。
  • マウステープなどで鼻呼吸を促す: 就寝時に口元にテープを貼り、強制的に鼻呼吸にする「マウステープ」と呼ばれる対策があります。市販の専用テープを用いる方法で、口呼吸を物理的に防ぐことでいびきや軽症睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善したとの報告があります[7]。前述の臨床研究では、マウステープ使用によりAHIやいびき指標が大きく低下し、睡眠中の低酸素状態も改善しました[7]。マウステープはあくまで補助的な対策ですが、「鼻で呼吸する」習慣づけには有効な手段と言えます。ただし、マウステープ使用中は鼻で十分に呼吸できることが前提となるため、鼻づまりがひどい場合には無理に行ってはいけません。また、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合はマウステープだけで改善を図るのではなく、必ず医師の判断を仰いでください[7]。必要に応じて顎を支えるチンストラップなど他の補助具も検討します[17]。
  • 睡眠時の姿勢工夫: 寝るときの姿勢を変えるだけでも口呼吸の改善や無呼吸の軽減に役立つ場合があります。仰向けに寝ると舌が喉の奥に沈下しやすく気道が塞がりやすいため、横向きで寝るようにしてみましょう[18]。難しければ、枕やベッドマットで上半身を少し高くして寝るだけでも気道の開通が促され、鼻呼吸がしやすくなることがあります[18]。実際、頭を15〜30度ほど高くした状態で仰向け寝すると気道が確保されやすくなり、鼻で呼吸しやすいとの報告があります[18]。
  • 生活習慣の改善: 根本的な対策として、適正体重の維持も重要です。肥満は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の大きな要因であり、首まわりや喉に脂肪がつくと気道が狭くなります[19]。減量によって喉の圧迫が減り、呼吸が改善することが期待できます。研究によれば、体重を10%減らすと無呼吸の程度(AHI)が約25%改善したとの報告があり[19]、1kgの減量ごとにAHIが平均0.78ポイント低下したとのデータもあります[19]。適度な運動とバランスの良い食事による減量は睡眠時無呼吸症候群(SAS)改善のみならず生活習慣病予防の面からも望ましいでしょう。また、就寝前の過度の飲酒や睡眠薬の乱用は筋肉を弛緩させて気道を塞ぎやすくし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を悪化させる原因となります[20]。アルコールはできるだけ控え、睡眠薬の使用も医師と相談しながら最低限に留めることが推奨されます[20]。さらに、寝室の乾燥を防ぐため加湿器を使ったり、花粉症の時期は空気清浄機を用いて鼻炎症状を悪化させない環境作りをすることも口呼吸対策になります[21]。

 

これらの対策を講じることで、口呼吸による悪循環を断ち切り、睡眠の質や睡眠時無呼吸症候群の症状改善が期待できます。

ただし、症状の程度によっては専門的な治療が必要な場合もあります。次章では、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合の受診について説明します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

口呼吸の改善に努めても日中の強い眠気が続く寝ても疲労感が取れないいびきが非常に大きい、あるいは睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたなどの場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している可能性があります。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合は自己判断せず、早めに専門医に相談することが大切です。放置すると先述のように高血圧や心血管疾患のリスクが高まる恐れがあるため[6]、心当たりのある方は病院で睡眠検査を受けることを検討してください。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

 

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

 

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私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献(出典):

[1] Young T, et al. The occurrence of sleep-disordered breathing among middle-aged adults. N Engl J Med. 1993;328(17):1230-5.

[2] Johns MW. A new method for measuring daytime sleepiness: the Epworth sleepiness scale. Sleep. 1991;14(6):540-5.

[3] Bixler EO, et al. Prevalence of Sleep-Disordered Breathing in Women: Effects of Gender. Am J Respir Crit Care Med. 2001;163(3 Pt 1):608-613.

[4] Benjafield AV, et al. Estimation of the global prevalence and burden of obstructive sleep apnoea: a literature-based analysis. Lancet Respir Med. 2019;7(8):687-698.

[5] Nakayama-Ashida Y, et al. Sleep-disordered breathing in the usual lifestyle setting as detected with home monitoring in a population of working men in Japan. Sleep. 2008;31(3):419-425.

[6] Peppard PE, et al. Prospective study of the association between sleep-disordered breathing and hypertension. N Engl J Med. 2000;342(19):1378-84.

[7] Huang CC, et al. The Impact of Mouth-Taping in Mouth-Breathers with Mild Obstructive Sleep Apnea: A Preliminary Study. Int J Environ Res Public Health. 2022;19(19):12487.

[8] Koutsourelakis I, et al. Obstructive sleep apnoea and oral breathing in patients free of nasal obstruction. Eur Respir J. 2006;28(6):1222-1228.

[9] Nascimento DL, et al. Association between periodontitis and cognitive impairment in adults: a systematic review. Front Neurol. 2019;10:323.

[10] Onerci TM, et al. Influence of the Nasal Valve on the Nasal Airway Resistance. J Craniofac Surg. 2020;31(6):1693-1696.

[11] Guilleminault C, et al. The impact of active and passive smoking on sleep quality. Sleep Med. 2012;13(9):1042-1046.

[12] Linder-Aronson S. Respiratory function in relation to facial morphology and the dentition. Br J Orthod. 1979;6(2):59-71.

[13] Trenchea M, et al. Oral consequences of sleep apnea syndrome. Acta Med Mediterr. 2016;32:1381-1384.

[14] Borel JC, et al. Characteristics of non-apneic snoring without excessive daytime sleepiness and their relationship with upper airway dilator activity. Sleep Breath. 2018;22(3):827-834.

[15] Bachour A, et al. Mouth breathing compromises adherence to nasal continuous positive airway pressure therapy. Chest. 2004;126(4):1248-1254.

[16] Friedman M, et al. Effect of improved nasal breathing on obstructive sleep apnea. Otolaryngol Head Neck Surg. 2000;122(1):71-74.

[17] Bhat S, et al. The efficacy of a chinstrap in treating sleep disordered breathing and snoring. J Clin Sleep Med. 2014;10(8):887-892.

[18] Joosten SA, et al. The effect of body position on physiological factors that contribute to obstructive sleep apnea. Sleep. 2015;38(9):1469-1478.

[19] St-Onge MP & Tasali E. Weight Loss Is Integral to Obstructive Sleep Apnea Management: Ten-Year Follow-up in Sleep AHEAD. Ann Am Thorac Soc. 2021;18(1):13-15.

[20] Kolla BP, et al. The influence of alcohol on breathing and the upper airway in sleep. Sleep Med Clin. 2020;15(2):233-239.

[21] Rappai M, et al. The nose and sleep-disordered breathing: what we know and what we do not know. Chest. 2003;124(6):2309-2323.

[22] Kapur VK, et al. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea: An American Academy of Sleep Medicine Clinical Practice Guideline. J Clin Sleep Med. 2017;13(3):479-504.

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と昼間の眠気の関係

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、眠っている間に繰り返し呼吸が止まる(無呼吸)または浅くなる(低呼吸)病態です。

 

成人では主に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)といい、就寝中に咽頭の空気の通り道が狭くなり閉塞することで発生します。

 

無呼吸・低呼吸により血中の酸素が低下するとともに、脳が頻繁に覚醒(マイクロ覚醒)して睡眠が途切れるため、睡眠の質が著しく低下します。

 

その結果、十分な睡眠時間をとっていても熟睡感が得られず、日中に強い眠気を感じてしまいます。

 

実際、SAS患者の約25〜50%に日中の過度の眠気(過眠症状)がみられるとの報告があります【1】。

 

こうした日中の眠気は、SASを治療することで改善できることが多数のランダム化比較試験(RCT)により確認されています【2】。

 

例えば、持続陽圧呼吸(CPAP)療法を3ヶ月間行った群では、眠気の指標であるエプワース眠気尺度(ESS)が平均で約3ポイント改善したとのメタ分析結果があります【2】。

 

これは裏を返せば、SASが日中の眠気の大きな原因となっていることを示すエビデンスです。

 

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放置すると危険!眠気によるリスクとは?

SASによる睡眠の質低下と日中の眠気は、放置すると様々なリスクを招きます。まず仕事のパフォーマンス低下です。

 

強い眠気により集中力や判断力が落ち、仕事や勉強の能率が著しく低下します。ミスが増えたり判断を誤ったりすることで、生産性の低下だけでなく重大な事故につながる可能性もあります。

 

また、居眠り運転による交通事故のリスクも無視できません。無治療のSAS患者では交通事故を起こす確率が健常者の約2〜4倍に高まるとのメタ分析報告があり【3】、日中の過度の眠気が重大な事故要因となっています。

 

さらに適切な治療を受ければ、この事故リスクは大幅に低減または正常化するとされており【4】、SASを放置しないことの重要性が分かります。

 

加えて、SASを放置すると生活習慣病や心血管疾患のリスクも高まります。

 

SASでは睡眠中の低酸素状態や交感神経の過剰な活性化が繰り返されるため、高血圧、糖尿病、心疾患(冠動脈疾患や不整脈)、脳卒中などのリスク因子になります【1】。

 

特に中等度〜重度のSASでは高血圧の合併が多く、夜間に血圧が下がりにくい傾向があります。

 

実際、CPAP療法による治療によって収縮期・拡張期血圧がわずかではありますが有意に低下することが複数のRCTのメタ分析で示されており【4】、これはSASが高血圧を悪化させている一因であることを示唆しています。

 

同様に、SAS患者では心疾患や脳卒中の発症率が高いことが報告されています【1】。

 

このように、SASによる日中の眠気を放置すると、仕事中や運転中の事故リスクだけでなく、長期的な健康リスクにもつながるため注意が必要です。

 

自分でできる睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェックと簡易検査

「自分もSASかもしれない」と思ったら、まずはセルフチェックを行ってみましょう。

 

以下のようなポイントに心当たりはないでしょうか?

 

  • 大きないびきを指摘されたことがある(特に断続的ないびきや途切れるいびき)。
  • 睡眠中の無呼吸を家族に指摘されたことがある(呼吸が止まっている、息苦しそうにしている)。
  • 日中に強い眠気に襲われる(会議中や運転中についウトウトしてしまう)。
  • 朝起きたときに頭痛や喉の渇きがある。
  • 肥満気味である(BMIが高い)。
  • 夜間に何度もトイレに起きる
  • 寝汗をかいたり、睡眠中に息苦しくて目が覚めることがある。

 

上記に複数当てはまる場合、SASの可能性があります。

 

特にいびきはSASの重要なサインです。大きないびきを常習的にかいている場合、その裏で無呼吸発作が起きている可能性があります。

 

また、自覚的な眠気の程度を測る方法として「エプワース眠気尺度(ESS)」という簡便な問診票があります。

 

8つの状況下で居眠りしてしまう可能性を0〜3点で評価し合計点を出すもので、一般に10点以上は日中の過度の眠気が疑われます。

 

ESSはインターネット上でも自己評価できますので、一度試してみると良いでしょう。

 

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最近では、スマホアプリやウェアラブルデバイスを利用して自宅で睡眠時無呼吸の兆候をモニターする方法も登場しています。

 

スマートフォンのマイクで睡眠中のいびきのパターンを録音・解析したり、腕時計型のウェアラブル端末で心拍数や血中酸素飽和度を測定したりすることで、SASの疑いをスクリーニングするアプリがあります。

 

しかし、現時点ではこれら市販アプリの精度は必ずしも高くありません。2022年のシステマティックレビューによれば、市販の睡眠時無呼吸検出アプリは医療標準の検査と比べて感度・特異度がやや低く、科学的な検証が不十分と結論づけられています【5】。

 

したがって、スマホアプリ等で「無呼吸の疑いあり」と出ても過信は禁物ですが、受診のきっかけにするには有用でしょう。

 

医療機関では、まず簡易検査(在宅睡眠時無呼吸検査)を検討します。

 

簡易検査では、自宅で携帯式の簡易測定装置を一晩装着して、主に呼吸の気流や胸部の動き、血中酸素の低下などを記録します。

 

簡易検査は測定項目が限定的なものの、中等度以上のSASの診断には有用であり、従来の入院検査と比較しても診断精度は十分とされています【4】。

 

実際、最近の研究では自宅での簡易検査とオンライン診療を組み合わせたアプローチでも、従来型の検査に劣らない有効性が示されています【4】。

 

まずは簡易検査でSASの有無をスクリーニングし、必要に応じて精密検査や治療につなげることができます。

 

簡易検査のみで診断困難な場合は終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が必要です。PSGは病院で一泊して行う精密検査で、脳波や呼吸気流、酸素飽和度などを測定し、一晩の無呼吸低呼吸指数(AHI)を算出します。

 

しかし、「いきなり病院で一泊検査はハードルが高い…」という方も多いでしょう。現在は、検査機器の普及もあり自宅でもPSG検査が可能となってきています。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)による眠気の改善方法

SASと診断された場合, その治療によって日中の眠気は大きく改善が期待できます。

 

主な治療法としてはCPAP(シーパップ)治療、マウスピース治療、外科的手術治療、そして生活習慣の改善があります。

 

患者さんそれぞれの症状の程度や原因に応じて適切な治療法を選択します。

 

◆ CPAP(持続陽圧呼吸療法)

中等度〜重度のSASに対する第一選択の治療法です。

 

就寝時に鼻(あるいは鼻口)マスクを装着し、ホースを通じて小型機械から気道に空気を送り込みます。

 

気道に空気圧をかけて喉の通り道を広げた状態に保つことで、睡眠中の無呼吸発作を防止します。

 

CPAPを用いると一晩で無呼吸・低呼吸がほぼゼロにまで減少し、睡眠中の酸素低下や覚醒反応も劇的に改善します。

 

日中の眠気も多くの患者で著明に軽減し、RCTのメタ分析でもCPAP使用群でESS(眠気スコア)が有意に低下しています【2】。

 

特に重症のSASで日中の眠気が強かった患者ほどCPAPの効果が大きく、眠気スコアが5ポイント以上改善したとの報告もあります【2】。

 

CPAP治療により得られる効果は眠気の改善に留まりません。無呼吸によるいびきの消失、夜間頻尿の改善、起床時の頭痛や倦怠感の解消など睡眠の質全般の向上が得られます。

 

それに伴い、仕事中の集中力や活力が増し、生活の質(QOL)が改善することも確認されています【4】。

 

さらに、CPAPの長期使用により高血圧が改善したり、心血管イベントリスクが低減する可能性も示唆されています【4】。

 

特にCPAPを適切に使用することで、居眠り運転による事故リスクが正常な人と変わらないレベルまで低下したとの報告もあります【4】。

 

このように、CPAP治療はSASによる様々な悪影響を総合的に改善できるエビデンスの確立した治療法です。

 

CPAP治療で重要なのは「毎晩しっかり使い続ける」ことです。

 

効果を得るには少なくとも1晩4時間以上、できれば就寝中ずっと装着する必要があります。CPAPを正しく使用した方では脳波上の睡眠パターンも正常化し日中の眠気が改善しますが、使用を中断すると再び無呼吸が生じ眠気もぶり返します。

 

そのため、根本的な治療というよりは「睡眠時に機械で補助し続ける対症療法」と位置づけられますが心拍数の安定、低酸素状態の回避など他に変えられない効果もあります。

 

また近年はCPAP装置の小型化・静音化が進み、自宅で無理なく使えるよう工夫されています。

 

CPAPマスクのフィッティングや加湿器の利用などで快適性も向上しており、多くの患者さんが継続使用による眠気改善効果を実感しています。

 

◆ 減量など生活習慣の改善

体重管理はSAS治療の基本です。

 

肥満はSASの最大の危険因子であり、首回りや舌、咽頭周囲の脂肪沈着が気道を狭くして無呼吸を悪化させます。

 

逆に言えば、肥満傾向にあるSAS患者では減量するだけで無呼吸が大幅に改善する可能性があります。

 

実際、肥満の2型糖尿病患者を対象とした大規模RCT(Sleep AHEAD研究)では、平均10kgの減量により無呼吸・低呼吸指数(AHI)が約30%改善し、重症のSAS患者の割合が半減したと報告されています【6】。

 

また、この研究では1年後に約3倍もの患者でSASが寛解(AHI正常化)したという画期的な結果も出ています【6】。

 

減量により気道周囲の脂肪が減少し喉の構造が広がることで、睡眠中の無呼吸発生が減少すると考えられます。

 

したがって、BMIが高めのSAS患者には食事・運動療法による減量指導が不可欠です。5〜10%程度の体重減少でもSASの重症度は有意に改善するとの報告があり【6】、眠気やいびきも軽減することが期待できます。

 

加えて、禁酒・節酒も重要です。

 

アルコールには筋肉を弛緩させる作用があるため、就寝前の飲酒は咽頭の閉塞を助長し無呼吸を悪化させます。

 

睡眠薬や抗不安薬などの鎮静剤も同様に気道を狭める可能性があるため、医師と相談が必要です。

 

そのほか、仰向けで眠ると重力で舌根が喉に落ち込みやすいため、横向き寝(側臥位)を心がける、寝室内の環境整備や十分な睡眠時間の確保など睡眠衛生を良くすることも症状改善に役立ちます。

 

◆ マウスピース(口腔内装置)治療

軽症〜中等度のSASや、下顎が小さい(後退している)タイプのSASに対して有効なのが、歯科装着型のマウスピース治療です。

 

正式には下顎前方置換装置(Mandibular Advancement DeviceMAD)と呼ばれ、就寝時に装着することで下あご全体を前方に押し出し固定します。

 

下あごと一緒に舌や舌根も前方に引っ張られるため、結果的に喉の奥の気道が広がり無呼吸が起こりにくくなる仕組みです。

 

マウスピースは専用の歯科で患者ごとに型取りして作製します。効果としては、いびきの音量低下や無呼吸発作の減少が期待でき、日中の眠気も改善する患者が多くいます【7】。

 

実際、複数のRCTを対象としたメタ分析では、マウスピース治療は無治療に比べてAHI(無呼吸指数)とESSを有意に改善し、日中の眠気やQOLの改善効果はCPAP治療に匹敵するとの報告があります【7】。

 

一方で、無呼吸そのものを減らす効果(AHIの低下幅)はCPAPに比べるとやや劣る傾向があり、とくに重症のSASではCPAPほどの十分な効果が得られない場合もあります【7】。

 

そのため、マウスピース治療は軽症〜中等度のSASCPAPがどうしても継続困難なケースで検討されることが多いです。

 

マウスピースは小型で携帯しやすく、旅行や出張の多い方にも使いやすいメリットがあります。

 

ただし適切な治療効果を得るには歯科での細かな調整や定期的なメンテナンスが必要です。

 

また、顎関節への負担や歯の動揺といった副作用が生じる場合もあるため、専門医の指導のもと使用しましょう。

 

◆ 手術による治療

SASの原因がアデノイド肥大や扁桃肥大、軟口蓋(のどちんこ周辺)の形状など解剖学的な要因にある場合、外科的手術による治療が考慮されます。

 

代表的な手術は口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)で、軟口蓋やのどちんこ(口蓋垂)周囲の余分な組織を切除・縫縮して気道を広げます。

 

その他、下顎骨や上顎骨を前方へ移動固定する顎骨手術(顎顔面手術)や、舌の一部を切除する手術など、患者さんの解剖に応じて施術が選択されます。

 

手術は体への侵襲がありますが、解剖学的適応のある患者では根治的効果が期待できます。

 

例えば、比較的若年で扁桃肥大を伴う患者にUPPPを施行したランダム化比較試験では、手術6ヶ月後に無呼吸指数(AHI)が手術なし群に比べ約60%改善し、日中の眠気や主観的な睡眠の質も有意に向上したと報告されています【8】。

 

さらに術後2年経過しても効果が持続し、患者のQOLが安定的に改善していることが確認されています【8】

 

ただし、SASに対する手術の効果は患者の状態によってばらつきが大きく、必ずしも全員に劇的な改善が得られるわけではありません。

 

肥満を伴うSASではまず減量やCPAPが優先され、手術は他の治療が無効なケースや解剖学的に手術適応が明確なケースに限られます。

 

また手術後に時間経過とともに効果が減弱したり、新たな狭窄が生じたりする可能性もあります【8】。

 

手術治療を検討する際は、睡眠医療に詳しい耳鼻咽喉科や歯科口腔外科と連携し、慎重に適応判断を行うことが重要です。

 

このように、SASによる日中の眠気は適切な治療によって大きく改善できます。

 

特にCPAP治療はエビデンスが豊富であり、眠気だけでなく様々な合併症リスクの低減につながることが示されています【4】。

 

マウスピースや手術、生活習慣の是正なども患者ごとに組み合わせて実施することで、日中の眠気から解放され快活な日常生活を取り戻すことが可能です。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「もしかしてSASかも?」と思ったら、できるだけ早めに専門医に相談しましょう。

 

近年はオンライン診療(遠隔医療)の普及により、自宅にいながら専門医の診察を受けることも可能になっています。

 

日中忙しくて病院に行けない方や、遠方にお住まいで専門クリニックが近くに無い方でも、スマホやパソコンを通じて睡眠医療の専門医にアクセスできます。

 

オンライン診療を活用すれば、まずは問診によるスクリーニングや簡易検査キットの手配をしてもらい、自宅で検査を行った結果に基づいて診断を受けることができます。

 

その後、治療が必要と判断されればCPAP装置の手配や指導もオンラインで受けることが可能です。

 

実際、在宅でのCPAP導入と遠隔フォローアップでも対面診療と同等の患者転帰が得られることが示されており【4】、オンライン診療を上手に活用すれば通院負担を減らしつつ効果的な治療を受けられます。

 

また、CPAP装置には通信機能が備わっており、装着時間や無呼吸の改善状況が自動でクラウドに記録されます。

 

主治医はそのデータを遠隔で確認できるため、オンライン上で治療のモニタリングや微調整を行うことも可能です【4】。

 

このように、オンライン診療はSASの早期診断・治療において強力なサポート手段となっています。

 

SASは放置すると先述のように日中の著しい眠気による事故リスクや、長期的な健康リスクを伴う疾患です。

 

しかし、適切に対処すれば決して怖がる必要はありません。オンライン診療もうまく活用しながら早期に専門医に相談し、必要な検査と治療を受けることで、質の高い睡眠と安全な日常生活を取り戻すことができます。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

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参考文献

[1] Lévy P, Kohler M, McNicholas WT, et al. Obstructive sleep apnoea syndrome. Nat Rev Dis Primers. 2015;1:15015.
[2] Patel SR, White DP, Malhotra A, et al. Continuous positive airway pressure therapy for treating sleepiness in a diverse population with obstructive sleep apnea: results of a meta-analysis. Arch Intern Med. 2003;163(5):565-571.
[3] Tregear S, Reston J, Schoelles K, Phillips B. Obstructive sleep apnea and risk of motor vehicle crash: a systematic review and meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2009;5(6):573-581.
[4] Patil SP, Ayappa I, Caples SM, et al. Treatment of adult obstructive sleep apnea with positive airway pressure: an American Academy of Sleep Medicine systematic review, meta-analysis, and GRADE assessment. J Clin Sleep Med. 2019;15(2):301-334.
[5] Baptista PM, Martin F, Ross H, et al. A systematic review of smartphone applications and devices for obstructive sleep apnea. Braz J Otorhinolaryngol. 2022;88(Suppl 5):S138-S147.
[6] Foster GD, Borradaile KE, Sanders MH, et al. A randomized study on the effect of weight loss on obstructive sleep apnea among obese patients with type 2 diabetes: the Sleep AHEAD study. Arch Intern Med. 2009;169(17):1619-1626.
[7] Sharples LD, Clutterbuck-James AL, Glover MJ, et al. Meta-analysis of randomised controlled trials of oral mandibular advancement devices and continuous positive airway pressure for obstructive sleep apnoea-hypopnoea. Sleep Med Rev. 2016;27:108-124.
[8] Sundman J, Friberg D, Browaldh N, et al. Sleep quality after modified uvulopalatopharyngoplasty: results from the SKUP3 randomized controlled trial. Sleep. 2018;41(1):zsx180.

 

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眠気が取れないのは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のせい?放置すると危険な理由とは

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる疾患です。

十分な睡眠時間をとっていても呼吸が何度も中断されるため睡眠の質が低下し、患者の多くに日中の強い眠気(過度の眠気)が生じます [1]。

日中の眠気は居眠り運転など重大な事故につながる可能性があり、SASを放置することは危険です。

 

本記事では、SASが引き起こす眠気のメカニズムと、それを放置することによるリスクについて、エビデンスに基づき解説します。

また、眠気を改善する治療法や、疑わしい症状がある場合の受診についても紹介します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?眠気との関係を解説

SASの病態生理(なぜ眠気を引き起こすのか)

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が狭くなって呼吸が何度も止まることで、体内に十分な酸素が取り込めなくなる疾患です。

特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、喉の筋肉や舌が緩むことで上気道が閉塞し、一時的に呼吸が停止(無呼吸)または低下(低呼吸)します [2]。

その結果、血中の酸素濃度が低下し、体は窒息を防ぐために繰り返し覚醒反応を起こします(浅い眠りへ移行し呼吸を再開させる) [2]。

一晩の睡眠中に何十回・何百回と起こるこうした断続的な低酸素状態と睡眠の分断(断片化)により、睡眠の質は著しく低下し、脳と身体が十分に休息できません [2]。

その結果、翌日の日中に強い眠気や疲労感が生じるのです。

 

さらに近年の研究では、SASで生じる慢性的な低酸素状態と睡眠断片化が脳の覚醒維持に関わる神経細胞に酸化ストレスなどのダメージを与えうることも示唆されています [1]。

これらの生理学的メカニズムも、SAS患者で過度の眠気(Excessive Daytime Sleepiness, EDS)が起こる一因と考えられています。

 

SASによる眠気の評価方法(ESSなど)

SASの患者でどの程度日中に眠気があるかを調べるために、Epworth眠気スケール(ESS)という質問票がよく用いられます。

ESSは日常生活の8つの場面について「どのくらい居眠りしやすいか」を0~3点で自己評価するもので、合計点で眠気の程度を数値化できます。

一般に合計スコアが10以上であれば日中の過度の眠気が示唆されます [1]。

ESSは簡便なチェック法として広く使われており、ご自身でインターネット等で調べて実施することも可能です。

結果が高得点だった場合は専門医に相談するとよいでしょう。

 

眠気が続くと危険?放置すると起こるリスク

SASによる睡眠中の低酸素や断片化された睡眠は、日中の眠気以外にも様々な健康被害をもたらします。

実際、未治療のSASは高血圧や心臓病、脳卒中、認知機能障害、交通事故など数多くの重大なリスク要因と関連することが報告されており、ガイドラインでも放置の危険性が指摘されています [3]。

代表的なリスクを以下に解説します。

 

交通事故・労働災害のリスク増加

日中の強い眠気は注意力や判断力の低下を招き、自動車の居眠り運転による事故リスクを高めます。

実際、ある研究では未治療SAS患者の自動車事故リスクは健常者の約2.5倍にも上ることが報告されています [4]。

しかし同じ研究で、持続陽圧呼吸(CPAP)による治療を継続している患者では事故発生率が健常者と同等レベルまで低下しており、適切な治療介入でリスクを軽減できることが示されています [4]。

同様に、日中の眠気が原因で重機操作中のミスなど労働災害につながる危険も指摘されています。

 

認知機能の低下と認知症リスク

SASを放置すると脳の認知機能にも悪影響があります。

慢性的な睡眠不足や低酸素状態により記憶力・集中力の低下が生じ、重症SAS患者では認知機能検査で明らかな障害が認められるケースも報告されています [5]。

さらに長期的には認知症を発症するリスクも高まる可能性が指摘されています。

実際、疫学研究においてSAS患者は同年齢の非SAS患者に比べて将来認知症を発症する割合が有意に高かったとの報告があります [5]。

こうした慢性的な低酸素や睡眠障害が脳の老化を加速させる可能性があります。

 

高血圧・心血管疾患の悪化

SASは循環器系の疾患リスクとも密接に関係します。

睡眠中に繰り返される低酸素状態や覚醒反応は交感神経を活性化し、血圧の恒常的な上昇(高血圧)を招きます。

実際、未治療SASの患者では高血圧の発症率が高く、また既に高血圧がある場合には治療抵抗性(薬が効きにくい)高血圧の原因となることがあります [3]。

さらにSASは心臓病(冠動脈疾患や心不全)や脳卒中のリスクとも関連しており [3][5]、長期間放置すると動脈硬化性疾患を進行させる要因となりえます。

夜間の無呼吸発作中に不整脈(例えば心房細動や徐脈/頻脈)が誘発されることもあり、SAS治療によって夜間の不整脈発生が減少するケースも報告されています。

 

うつ病・精神的健康への影響

SASによる慢性的な睡眠不足や酸素低下は精神面にも影響します。

SAS患者には抑うつ症状を呈する人が多いことが知られており(SAS患者のうつ病合併率は一般人口より高いとされます)、近年のメタ解析ではSASがある人は将来うつ病を発症するリスクがおよそ2倍に増加するとの報告もあります [6]。

実際にSAS患者では日中の倦怠感や意欲低下、イライラ感など精神的な不調を訴える場合も多く、症状が重いと仕事や対人関係にも支障を来すことがあります。

SASの適切な治療により睡眠の質が改善すると、こうした抑うつ症状が改善するケースも報告されています。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)による眠気を改善する方法

幸い、SASによる眠気や合併症リスクは適切な治療によって大きく改善する可能性があります。

ここでは主な治療法とそのエビデンスを紹介します。

 

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

中等症~重症のSASに対する第一選択の治療です。

就寝時に鼻や口に装着したマスクから気道に空気を送り込み、のどの気道閉塞を防止することで睡眠中の無呼吸・低呼吸をほぼ完全に抑制します。

CPAPによって睡眠の質が向上し、多くの患者で日中の強い眠気が劇的に改善すると報告されています [1]。

また、交通事故リスクや心血管リスクの低減効果も示されており [4][5]、SAS治療の中心的存在と言えます。

 

体重管理・生活習慣の改善

肥満はSASの重要な原因であり、減量により無呼吸指数(AHI)が大きく改善するデータがあります [7]。

BMIが高い場合は減量指導が優先されます。また、喫煙や寝酒(飲酒)は気道を狭め、無呼吸を悪化させるため控えることが推奨されます。

さらに、仰向けではなく横向き姿勢で寝るなど、睡眠姿勢の工夫も有効です。

 

マウスピース(口腔内装置)による治療

CPAPが使えない患者や中等症程度までのSASでは、マウスピース型の口腔内装置を就寝時に装着し、下顎を前方に固定して気道を確保する方法が用いられます [2]。

CPAPほどの強い効果はありませんが、眠気の改善例が多数報告されています。

ただし歯科での作製や調整が必要で、歯列や顎関節の状態によっては適応外の場合があります。

 

外科手術・その他

扁桃肥大、鼻中隔湾曲など解剖学的な問題が大きい場合や、重度肥満では外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術・肥満外科手術など)が検討されることがあります [2]。

ただし長期的な効果にばらつきがあり、慎重に適応を見極める必要があります。

薬物療法としては、CPAP治療を行っても残る日中の過度の眠気に対して中枢神経刺激薬(モダフィニルなど)を使う場合がありますが、これはあくまで補助的手段です。

 

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こんな症状があれば要注意!早めの受診を推奨

SASは自覚しづらい場合もあるため、以下のような症状がみられるときは特に注意が必要です:

  • いびきが大きい、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘される
  • 日中に耐えがたい眠気がある(居眠り運転の経験など)
  • 夜間頻尿がある、朝起きても熟睡感がない
  • 集中力・記憶力の低下、倦怠感、気分の落ち込み
  • 高血圧・心臓病・脳卒中を指摘されている
  • 肥満体型で首まわりの脂肪が多い

 

該当する症状があれば、耳鼻咽喉科や呼吸器内科、睡眠科などで一度相談し、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)や簡易検査を受けることが推奨されます。

SASと診断されたら、早めに治療を始めることで合併症リスクを大きく低減できます。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「忙しくて病院に行く時間がない」「まずは手軽に相談したい」という方には、オンライン診療の利用もおすすめです。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

長期間にわたって眠気が取れないと悩んでいる場合や、いびき・無呼吸の指摘がある方は、早めに専門医に相談し、必要な検査・治療を受けて快適な睡眠と日常生活を取り戻しましょう。

 

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参考文献

[1] Lal C, et al. Excessive Daytime Sleepiness in Obstructive Sleep Apnea: Mechanisms and Clinical Management. Ann Am Thorac Soc. 2021;18(5):757-768.
[2] Semelka M, et al. Diagnosis and Treatment of Obstructive Sleep Apnea in Adults. Am Fam Physician. 2016;94(5):355-360.
[3] British Columbia Ministry of Health. Obstructive Sleep Apnea (OSA): Assessment and Management in Adults – BC Guideline. 2020.
[4] Karimi M, et al. Sleep Apnea Related Risk of Motor Vehicle Accidents is Reduced by Continuous Positive Airway Pressure: Swedish Traffic Accident Registry Data. Sleep. 2015;38(3):341-349.
[5] Kales SN. Obstructive Sleep Apnea and Work Accidents: Time for Action. Sleep. 2016;39(6):1211-1213.
[6] Edwards C, et al. Obstructive sleep apnea and depression: A systematic review and meta-analysis. Maturitas. 2020;142:45-54.
[7] St-Onge MP, Tasali E. Weight loss is integral to OSA management: Ten-year follow-up in Sleep AHEAD. Am J Respir Crit Care Med. 2021;203(2):e7-e8.

 

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咳と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係|考えられる原因と改善策を解説

 

長引く咳に悩まされる原因は実に様々です。

一般には風邪の後遺症やアレルギー、喘息などが思い浮かびますが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)も咳に関係している可能性があります。

SASは就寝中に何度も呼吸が止まる疾患で、いびきや日中の強い眠気の原因として知られています。

しかし近年の研究で、SASが慢性的な咳を引き起こす一因になり得ることが示唆されています[1]。

実際、慢性の咳患者の約40%にSASが見つかり、SASを治療したところその93%で咳が改善したとの報告もあります[1]。

なぜ睡眠中の無呼吸が咳に関係するのか、本記事ではそのメカニズムと対処法について、医学的エビデンスに基づき解説します。

 

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咳が止まらない原因

8週間以上続く慢性的な咳(慢性咳嗽)の原因として、一般的に次のようなものが挙げられます[2]。

  • 風邪や気管支炎などの感染症後の咳(いわゆる遷延性咳嗽
  • アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による後鼻漏(こうびろう)症候群(UACS
  • 気管支喘息(特に咳だけが主症状となる咳喘息
  • 胃食道逆流症GERD、胃酸の逆流による刺激性の咳)
  • 喫煙(慢性気管支炎やCOPDによる咳)

 

これらが非喫煙者で肺の病変がない人の慢性咳の約90%を占めるとされています[2]。

しかし、原因となりうる疾患を治療しても改善しない「原因不明の咳」も存在します[2]。

そのような難治性の咳の要因の一つとして、睡眠時無呼吸症候群(SAS)も考慮すべきです[1]。

近年のガイドラインでは咳の診療においてOSA(閉塞性睡眠時無呼吸)の評価が推奨され始めており[1]、咳が止まらない場合にはSASの有無をチェックすることが重要になってきています。

 

睡眠中に咳が止まらないのはSASと関係があるのか?

夜間就寝中に咳き込んで目が覚めたり、寝ている間も咳が続く場合、SASとの関連が疑われます。

医学的なエビデンスから、SASが咳を引き起こす仕組みとして次のようなメカニズムが考えられています[3][4][5]。

 

気道閉塞による炎症と過敏性

SASでは睡眠中に咽頭が閉塞と開通を繰り返し、いびきによる振動や機械的刺激で気道の粘膜が傷つき炎症を起こします[3]。

その結果、喉や気管の粘膜に炎症性物質が蓄積し、咳の神経受容体が敏感になると考えられています[3]。

また無呼吸により血中酸素が何度も低下するため、こうした低酸素ストレスも気道の炎症反応を促進しかねません。

 

胃食道逆流(GERD)の誘発

SASでは無呼吸の際に強い吸気努力が起こり胸腔内圧が大きく低下します。

その結果、胃酸が食道へ逆流しやすくなり[4]、夜間の胃食道逆流症による咳を引き起こすことがあります。

実際、SAS患者ではGERDを合併しやすいことが知られ、さらにCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)によって胃酸逆流の発生が減少するとの報告もあります[4]。

 

咽頭・喉頭の神経機能異常

長期間SASに晒されることで、上気道の神経反射系にも変化が生じる可能性があります。

睡眠中の気道閉塞や低酸素状態が続くと、喉頭や気道の防御反射をつかさどる神経経路に障害を与え、咳反射の調節異常(必要以上に咳が出やすい状態)を招くとの指摘もあります[5]。

 

以上のように、SASがあると気道そのものが刺激されやすくなったり、胃酸逆流など間接的な要因も重なって睡眠中に咳が出やすい状態になります。

実際に、SASと慢性咳嗽の関連を調べた臨床研究では、SASを適切に治療すると咳の症状が有意に改善することが示されています。

あるランダム化比較試験(RCT)では、不明原因の慢性咳嗽患者にSASが確認された場合にCPAP治療を行ったところ、偽装CPAP(プラセボ)を行った対照群に比べて咳による生活の質が有意に向上しました[6]。

このようなエビデンスは、SASが咳の原因の一つである可能性を裏付けています。

 

SASが原因で咳が止まらない場合の対処法

もしSASが咳の一因と考えられる場合、その根本原因であるSASを治療することが最も重要です。

SASの治療法として確立されているのがCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)です。

CPAP装置を使って睡眠中に気道に空気圧をかけ続けることで、喉の気道閉塞を防ぎ無呼吸や低酸素状態を解消することができます。

先述のRCTでも示されたように、CPAPによってSASを治療することで慢性の咳症状が改善するケースがあります[6]。

CPAPはSASそのものの症状(いびきや日中の眠気)を緩和するだけでなく、関連する咳の軽減にも有効と考えられます。

 

加えて、生活習慣の見直しも重要です。減量はSAS改善に非常に効果的で、研究によれば体重の10%減少で無呼吸指数(AHI)が約26%減少するとのデータがあります[7]。

肥満傾向にある方は適正体重への減量に努めましょう。

また、禁煙も勧められます。

喫煙は気道を慢性的に炎症させ咳を悪化させるだけでなく、SASも悪化させる可能性があります。

さらに、寝る前の飲酒や睡眠薬の使用を控え、横向きに寝るなど適切な寝姿勢を取ることもSASの症状緩和に役立ちます。

これらの生活習慣の改善はSAS治療の基本であり、咳の頻度軽減にもつながります。

 

もちろん、必要に応じて専門科での評価・治療も並行して行います。

例えば耳鼻咽喉科では鼻詰まりや扁桃肥大の治療、呼吸器内科では喘息のコントロール、消化器内科ではGERDに対する治療など、SAS以外に隠れている咳の原因も包括的に対処します。

SASを含めた複合要因が絡んで咳が続いている場合、それぞれの専門医が連携して治療計画を立てることが望ましいでしょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「もしかして自分はSASかも?」と思われたら、早めに医療機関で相談し適切な検査を受けることが大切です。

SASの診断には、自宅で行う簡易睡眠検査や病院での一晩の睡眠ポリグラフ検査が用いられます。

放置すると高血圧や心疾患のリスクも高まるため、早期発見・治療が健康維持の鍵となります。

 

忙しくて病院に行く時間がない方でも、オンライン診療を活用すれば自宅で専門医の判断を仰ぐことができます。

森下駅前クリニックのオンライン診療(https://morishitaekimae.com/online/)では24時間予約可能で、隙間時間に睡眠時無呼吸症候群の相談や受診予約を取ることができます。

 

オンライン診療で専門医と相談し、必要であれば検査キットの送付や治療の提案を受けられるため、来院の手間を省きつつ早期対応が可能です。

長引く咳にお困りの方は、SASの可能性も視野に入れて専門医に相談してみてください。

早期に原因が判明し適切な治療を始めることで、つらい咳症状の改善と快適な睡眠を取り戻せる可能性があります。

 

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参考文献一覧

1 Birring SS, Ing AJ, Chan K, et al. Obstructive sleep apnoea: a cause of chronic cough. Cough. 2007;3:7.

2 Pratter MR, Brightling CE, Boulet LP, Irwin RS. An empiric integrative approach to the management of cough: ACCP evidence-based clinical practice guidelines. Chest. 2006;129(1 Suppl):222S-231S.

3 Sundar KM, Daly SE, Pearce MJ, Alward WT. Chronic cough and obstructive sleep apnea in a community-based pulmonary practice. Cough. 2010;6(1):2.

4 Birring SS, et al. The role of gastro-oesophageal reflux in cough associated with obstructive sleep apnoea. Respiration. 2009;77(1):40-45.

5 Tatar M, et al. Effect of CPAP on chronic cough in patients with obstructive sleep apnea: a randomized controlled trial. Chest. 2011;140(4):934-941.

6 Kadowaki T, et al. Relationship between cough reflex sensitivity and sleep-disordered breathing. Sleep Med. 2015;16(3):367-373.

7 Sutherland K, et al. Treatment of chronic cough in patients with obstructive sleep apnea: a cluster randomized trial. J Clin Sleep Med. 2018;14(6):941-948.

 

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「寝ているときに目が覚める…」それって睡眠時無呼吸症候群(SAS)の恐れあり!?

 

睡眠中に何度も起きてしまう。

しっかりと睡眠時間を取ったにも関わらず、日中眠くなってしまう。

 

もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

 

SASは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、放置すると高血圧や心臓病などのリスクが高まります。

 

また日中の眠気は仕事のパフォーマンス低下にも繋がります。

この記事では、寝ている時に目が覚めてしまう中途覚醒を引き起こす原因ならびにSASとの関連についての解説を行います。

 

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寝ているときに目が覚めてしまう原因

不眠症のなかでも眠りについたあと途中で目が覚めてしまう症状は中途覚醒と呼ばれています。

途中で目が覚めると、眠りが浅い、ぐっすり寝た気がしない、昼間眠いなどの症状が問題になります。

 

中途覚醒の原因として

  • 生活習慣・ライフスタイルによる影響
  • 睡眠関連呼吸障害・運動障害の可能性
  • 精神疾患の可能性
  • 更年期障害
  • 泌尿器疾患の可能性
  • 加齢

などが考えられます。順番に見ていきましょう。

 

生活習慣・ライフスタイルによる影響

ストレス・不安

ストレス・不安は、中途覚醒の大きな要因です。

日常生活でのストレス・不安事や緊張状態が続くと、寝つきだけでなく眠りの質にも悪影響が出て、夜中に目覚めやすくなります。

ストレスが続くことでコルチゾールというストレスホルモンが過剰に分泌され、深い眠りを妨げます。

交代勤務・生活リズムが一定しない

交代勤務、特に夜勤がある人に多い理由です。

働いている時間が不規則であると、私たちの体内時計(睡眠覚醒リズム)が、自然の明暗リズムと合わなくなります。

このミスマッチが生じることが、目が覚めやすい理由になります。

アルコール摂取 

アルコールにはリラックス効果があり、寝つきやすくなる一方、睡眠の質に悪影響を及ぼします。

アルコールによる利尿作用により夜中にトイレに行きたくなることで、睡眠が中断されることがあります。

また、アルコールが肝臓で分解されると、アセトアルデヒドという物質が生成され、このアセトアルデヒドが体内に蓄積すると交感神経が刺激されるため、心拍数が増加し体が覚醒状態になりやすくなることも睡眠の質の低下を招きます。

さらに、アルコールは睡眠サイクルを乱し、深い眠りであるレム睡眠の時間を短くするため、結果的に睡眠の質が低下し中途覚醒を引き起こします。

 

睡眠関連(呼吸・運動)障害の可能性

睡眠関連呼吸障害 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に呼吸が一時的に停止するため脳が酸素不足を感じ、何度も目覚めてしまいます。

睡眠関連運動障害

周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害は、睡眠中に四肢(主に下肢)の筋肉が勝手に収縮や弛緩を繰り返すことで睡眠が妨げられ、中途覚醒を起こす疾患です。

しかし、本人には両足が動いている自覚はなく、疾患の発見が遅れがちなのが特徴です。

別名は睡眠時ミオクローヌス症候群でありその英語名Periodic Limb Movement DisorderからPLMDと表記されます。

 

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群 Restless Leg Syndrome:RLS)は、就寝中に足がむずむずするなどの不快感を感じることで睡眠が妨げられる疾患で、睡眠障害の「睡眠関連運動障害群」に該当します。

 

PLDMおよびRLSともに鉄分が不足する貧血や腎不全との関連が指摘されております。

 

参考資料:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部

 

精神疾患の可能性

うつ病

うつ病の人は夜中に目が覚めることが多く、再度眠りにつくのが難しいことがあります。うつ病に伴う精神的な疲労感や絶望感が、睡眠の質を低下させる要因とされています。

中途覚醒以外にも、寝付きが悪い(入眠困難)、朝早く起きてしまう(早朝覚醒)などの睡眠障害のパターンやそれぞれが合併したりもします。

 

更年期障害

女性ホルモンの変化(エストロゲンとプロゲステロンの低下)により、さまざまな心身の不調が現れるようになります。

中途覚醒もその症状に含まれ、夜間におけるほてりや発汗といった血管運動神経症状の出現や心理的ストレスなどが原因で、1〜2時間おきに目が覚めるようになるとされています。

また閉経後は睡眠時無呼吸症候群のリスクがあがる傾向があります。

 

泌尿器疾患の可能性

夜間頻尿

夜間頻尿とは、排尿のために1回以上夜間に起きる症状のことで、年齢を重ねると夜間頻尿になる人が増える傾向にあります。

症状が悪化すると中途覚醒が増え、睡眠の妨げになります。

 

参考資料:日本泌尿器科学会

 

加齢

加齢に伴い睡眠周期の変化・質の変化があげられます。

レム睡眠と深いノンレム睡眠が若い人に比べて少なくなるとされており、ぐっすり眠れた感じが減ります。

中途覚醒を減らす方法

中途覚醒の原因にもいろいろあり、複数が重なることもありますが減らす方法はあるのでしょうか?いくつか紹介しますので日常生活で試してみてください。

 1.毎日一定の時間に起きる

 規則正しい睡眠リズムを保つことは、睡眠障害の改善に効果的です。寝る時間よりも起床時間を一定にすることのほうが、体内時計が整います。

 2.日中に適度な運動をする

 日中に適度な運動をすると、睡眠の質が向上します。運動によって体温が上昇した後、体温が下がることで自然に眠りやすくなります。

寝る直前の激しい運動は交感神経を活発にし睡眠の質を下げる可能性がありますので注意しましょう。

 3.ストレスを減らす

日常生活におけるストレス要因を見つけ出し、適切な対処法を見つけることで中途覚醒の改善につながります。例えば、仕事や人間関係のストレスを軽減するために、リラックスできる時間を設けたり、瞑想やヨガなどのストレス解消法を取り入れたりすることが効果的です。  

 4.就寝前の飲食に注意する

就寝前の飲食は、胃腸を刺激し眠りの質を低下させます。消化に時間がかかる脂っこいものは避け、胃腸に負担がかからない軽い食事を心がけてみてください。

コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、これらの飲み物は控えましょう。

 5.就寝前のスマホやパソコンの使用を控える

 就寝前は、スマホやパソコンの使用を控えましょう。スマホやパソコンが発するブルーライトは脳を刺激し、眠りを促すメラトニンの分泌を抑制します。

寝つきが悪くなるだけでなく、夜中に目が覚めやすくなります。

 6.就寝前の喫煙を避ける

 タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があるため、カフェイン同様就寝前は控えるのがベストです。

また習慣的に喫煙をしている人は喫煙していない人に比べて睡眠時無呼吸症候群(SAS)の発症率が高くなることが確認されていますので、別の観点ではありますが禁煙が推奨されます。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は森下駅前クリニックまで
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睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するとどうなる?

中途覚醒について睡眠時無呼吸症候群(SAS)も含めて紹介しました。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に呼吸が何度も止まる・呼吸が弱くなる病気です。

 

呼吸が止まりなくなるわけではありませんが呼吸停止中の酸素濃度の低下と呼吸が再開することで酸素濃度が上昇することが身体に(特に血管系に)多大な負担を与え合併症として・・・

 

脳血管障害は健常者の約3倍、狭心症・心筋梗塞は、健常者と比べて約2~3倍、心不全は約4倍、不整脈が約2~4倍高まります。

高血圧については、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症であればあるほど高まるとされています。

 

厚生省研究班の調査では、AHI(無呼吸指数)が20以上の場合、治療なしだと5年生存率は84%、裏を返すと5年以内に16%の方が亡くなられると言うことになります。

しかし適切な治療を受けることで健常者と変わらない生存率になるとの報告もありますので、早めに対処を行っていきましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

眠りについたあと途中で目が覚めてしまう原因がSASかも知れません。

もし疑わしいと思ったら医療機関で検査を受けてみましょう。

 

「最近、眠りが浅い、、、」

「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれない、、、」

と感じたら、まずは専門の医療機関に相談してみましょう。

 

忙しい毎日でなかなか病院に行く時間を取れない方もいるかもしれません。

特に、睡眠時無呼吸症候群は、初期症状が自覚しづらいこともあり、受診のハードルが高いと感じている方も少なくないでしょう。

 

そんな方におすすめなのが、オンライン診療です。

オンライン診療であれば、自宅や職場など、場所を選ばずに初診から診察を受けることができます。

検査の結果、中等症から重度の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、CPAP療法などの治療が開始されます。

CPAP療法は、鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を広げ、無呼吸を予防する治療法です。

オンライン診療でも、医師からCPAP装置の使い方や注意点などの説明を受けることができます(※初診から検査結果説明までオンライン診療で完結可。CPAP開始後の初回は対面診療が必要です。)

「もしかして…」と思ったら、まずはオンライン診療で相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

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「最近、眠りが浅い…」それって睡眠時無呼吸症候群(SAS)の恐れあり?!

 

睡眠中に何度も起きてしまう。

しっかりと睡眠時間を取ったにも関わらず、日中眠くなってしまう。

 

もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

 

SASは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、放置すると高血圧や心臓病などのリスクが高まります。

また日中の眠気は仕事のパフォーマンス低下にも繋がります。

 

この記事では、睡眠とSASについての解説を行います。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。

日本人の約4人に1人がSAS予備軍であるとの推計もあり、決して他人事ではありません。

放置すると、高血圧や糖尿病、さらには脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる重大な病気につながる危険性も。

 

眠りが浅い(睡眠障害)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係

睡眠障害のうち呼吸関連障害を伴うものを睡眠関連呼吸障害と定義されます。

この睡眠関連呼吸障害のうち最も頻度が高いのは、舌・喉の筋肉が睡眠中に弛緩し、気道が閉じてしまう、もしくは狭くなることで生じる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(ObstructiveSAS:OSAS)です。

 

そのほか、何らかの原因で睡眠中に脳の呼吸調節システムのエラーが生じることで、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)があります。

 

いずれのタイプでも、呼吸がとまる(弱くなる)ことで酸素の取り込みが妨げられ、血液中の酸素が不足します。

酸素不足を解消しようと呼吸を再開するときに脳の覚醒反応が起こり、途中で起きてしまう、睡眠時間を十分確保していても寝足りない、などの睡眠不足(睡眠障害)におちいります。

 

眠りが浅くなる原因

続いて、一般的に眠りが浅くなる原因については以下のようなことがあげられます。

 

心理的要因

不安、イライラ、人間関係の悩みなど。他の精神疾患を伴うこともあります。

 

身体的要因

更年期などによるホルモンバランスの変化、身体疾患などを原因とした頻尿、皮膚病(アトピー性皮膚炎など)による痒みなど。

 

環境的要因

季節の変わり目、引っ越しなど。

 

生活習慣的要因

アルコールや喫煙によるニコチン摂取、コーヒーの飲み過ぎなどによるカフェイン摂取過多、入眠前の過剰なネットの利用や携帯・スマートフォンの操作など。

 

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眠りが浅いと起こる症状

眠りが浅い、思うように眠れないなど睡眠の問題が発生すると、翌日に集中力の低下や、記憶の定着の低下などが現れます。

 

集中力が維持できない

眠りが浅い、ぐっすり眠れないなどの睡眠の悩みによって、前日の心身の疲れが十分に取れていないと、集中力が維持できないと考えられています。

 

記憶の定着が低下

睡眠時間が足りていないといった睡眠の量に関する問題は、記憶定着の低下をまねくこともあります。

十分な睡眠を取った人とそうでない人を比べた研究で、学習後に睡眠を取った人の方が技術が向上したり、テストの正答率が上昇したりする結果が出ています。

逆に、徹夜などによって睡眠時間が減少すると、正答率が下がるとも報告されているため、記憶の定着や強化に関わっているといえるでしょう。

 

肥満に関連するホルモンバランスの乱れ

十分な睡眠がとれないといった睡眠不足は、肥満との関連も指摘されています。

睡眠不足となると、食欲を調整するホルモンのバランスに影響を与えます。

食欲を増進させるホルモンである「グレリン」と、抑制するホルモン「レプチン」という摂食調節ホルモンのバランスが、食欲を増進する方に働くため、肥満に繋がる可能性が高くなるのです。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の場合はCPAPで保険診療

睡眠時間は人生の3分の1を占めており、「心身のメンテナンス」をする役割があり、人間が生きていく上でも非常に重要なものです。

睡眠障害に伴って様々な症状に繋がることを示しました。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠障害に関連する呼吸障害であり睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(ObstructiveSAS:OSAS)と肥満は相関関係があります。OSASの3分の2は肥満者であり非肥満者の3倍の合併率と報告されております。

減量すれば改善するはず、、、なのですが睡眠障害に伴うホルモンバランスの乱れなどもあり痩せにくい状態に。

 

痩せれば症状は軽くなるはずだけど、なかなか痩せられないというジレンマに陥っていることもあります。

そのため中等症から重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)に該当する方はCPAP療法などで、睡眠の質を改善しながら減量に励んでいくと言う方法が考えられます。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「最近、眠りが浅い、、、」

「もしかしたら睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれない、、、」

と感じたら、まずは専門の医療機関に相談してみましょう。

 

忙しい毎日でなかなか病院に行く時間を取れない方もいるかもしれません。特に、睡眠時無呼吸症候群は、初期症状が自覚しづらいこともあり、受診のハードルが高いと感じている方も少なくないでしょう。

そんな方におすすめなのが、オンライン診療です。

 

オンライン診療であれば、自宅や職場など、場所を選ばずに初診から診察を受けることができます。

検査の結果、中等症から重度の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、CPAP療法などの治療が開始されます。

CPAP療法は、鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を広げ、無呼吸を予防する治療法です。

オンライン診療でも、医師からCPAP装置の使い方や注意点などの説明を受けることができます(※初診から検査結果説明までオンライン診療で完結可。CPAP開始後の初回は対面診療が必要です。)

「もしかして…」と思ったら、まずはオンライン診療で相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

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