睡眠時無呼吸症候群(SAS)が引き起こす17のリスク

 

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる状態を指し、いびきや日中の強い眠気などを引き起こす病気です。

 

単なるいびきと思われがちですが、SASは全身の健康に大きく影響します。

睡眠中の低酸素状態と頻回な覚醒反応によって交感神経が活発化し、血圧や心拍数が急上昇するため、さまざまな臓器に負担をかけるのです[12][12]。

 

近年の研究で、SASが放置されると高血圧や心臓病、脳卒中など命に関わる病気のリスクを高めることが明らかになっています[3][11]。

 

さらに、代謝やホルモンバランスの乱れを通じて糖尿病やメタボリックシンドロームの発症にも関与します[2][6]。

子どもの場合は成長障害につながることも報告されています[7][7]。

 

本記事では、SASが引き起こす17のリスクについて、高いエビデンスに基づいてわかりやすく解説します。

 

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高血圧

SASは高血圧(高い血圧)の重要な原因の一つです。

睡眠中の低酸素と繰り返す覚醒反応により交感神経が刺激され、血管が収縮して血圧が上昇します[12]。

その結果、SASのある人はない人に比べて高血圧を発症しやすく、約2倍もリスクが高いとの報告があります[3]。

特に、治療に反応しにくい難治性高血圧の患者さんでは、実に80%以上にSASが隠れていたとの報告もあります[3]。

SASを適切に治療すると夜間の血圧が下がり、高血圧の管理が改善するケースも多くみられます[12]。

高血圧がなかなか改善しない場合、背景にSASがないか検討することが重要です。

SASは高血圧の二次的原因として循環器のガイドラインでも挙げられており、早期発見・治療が高血圧管理の一部とされています[12]。

 

糖尿病

SASは2型糖尿病のリスク因子でもあります。

夜間の低酸素状態がインスリンの働きを阻害し、血糖値を上昇させやすくするためです。

実際、重度のSASでは2型糖尿病の発症リスクがおよそ2倍に高まることがメタ分析で示されています[2]。

この研究では、軽度の睡眠時無呼吸でも糖尿病発症リスクが有意に増加し、無呼吸低呼吸指数(AHI)が高いほどリスクが段階的に上昇する「ドーズレスポンス関係(量反応関係)」が確認されました[2]。

つまり、いびきや無呼吸がひどい人ほど将来的に糖尿病になりやすい傾向があります。

さらにSAS患者ではインスリン抵抗性(インスリンの効きづらさ)がしばしば認められ、肥満やメタボリックシンドロームを介して血糖コントロールが悪化することもあります[6]。

SASの治療(CPAP療法)によってインスリン感受性が改善し、血糖値が下がったという報告もあり、糖尿病予防の観点からもSASの管理は重要です〔[2]〕。

 

心血管疾患(心筋梗塞・狭心症・心不全・不整脈など)

SASは心臓や血管の病気(心血管疾患)に深く関与します。

睡眠中の低酸素と血圧・心拍の急激な変動が、血管の動脈硬化を進行させ心臓に負担をかけるためです[12]。

事実、高血圧、心不全、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)、心房細動などの患者さんの40〜80%でSASが合併しているとの報告があります[3]。

特に中高年男性では、SASが冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)のリスクを高める関連が指摘されています[12]。

また、夜間の無呼吸発作により心臓のリズムが乱れ、不整脈(心房細動や徐脈発作など)が生じることも珍しくありません[12]。

SAS患者の約半数に何らかの不整脈がみられるとのデータもあります[12]。

さらに、SASと心不全はお互いに悪影響を及ぼし合う「双方向の関係」にあり、SASが心不全の予後を悪化させる可能性があります[3]。

しかし、適切なCPAP治療によって心血管イベントのリスクが低減することも報告されています[11]。

実際、重症SASの男性を10年間追跡した研究では、未治療のグループは心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクが健常者の約3倍でしたが、CPAP治療を受けたグループではリスクが健常者と変わらない水準に抑えられました[11]。

このようにSASを治療することは心臓を守る上でも極めて重要です〔[3][4]〕。

 

脳卒中(脳血管疾患)

睡眠時無呼吸は脳卒中(脳梗塞や脳出血)とも深い関連があります。

SASによる夜間低酸素状態や血圧変動が脳血管を傷つけ、血栓ができやすくなるためです。

SASのある人は、ない人に比べて脳卒中を発症するリスクがおよそ2倍になることが大規模研究で示されています[5]。

米国で行われた有名な追跡研究では、他の危険因子(高血圧や糖尿病など)を調整しても、SAS患者は脳卒中または死亡のリスクが約1.97倍に高いと報告されました[5]。

特に重症のSAS(無呼吸低呼吸指数が高い場合)ほど脳卒中リスクが高く、重症SASでは約4倍になるとの報告もあります[5]。

また、脳卒中患者の中には発症前からSASを抱えていた人が多く、SASが脳卒中の一因になり得ると考えられます。

さらにSASを合併した脳卒中患者さんはリハビリの妨げになったり、再発リスクが高まる可能性も指摘されています。

幸い、CPAP治療などで夜間の低酸素状態を改善すれば脳への負担が軽減し、将来的な脳卒中予防につながる可能性があります。

いびきが強い方やSASが疑われる方は、脳卒中予防のためにも早めの検査と治療が勧められます〔[5]〕。

 

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(いわゆる「メタボ」)とは、高血圧・高血糖・脂質異常症(中性脂肪高値やHDLコレステロール低値)・肥満(内臓脂肪)のうち複数が重なった状態を指します。

SASはこのメタボリックシンドロームとも密接に関係しています。SASの患者さんは夜間低酸素によりストレスホルモンが分泌され、インスリン抵抗性が増し、脂質代謝も乱れる傾向があります[6]。

そのためSASの患者さんの約半数がメタボリックシンドロームを合併しているとの報告があります[6]。

実際、529人のSAS患者を調べた研究では、51.2%がメタボリックシンドロームの診断基準を満たしており、無呼吸が重症なほどその割合が高くなることが示されました[6]。

SASとメタボはいずれも内臓脂肪の蓄積が原因にあるため、両者が併存しやすい「悪循環」が生じます[6]。

 

一方、SASを治療すると血圧・血糖のコントロールが改善し、メタボ指標が良くなるケースもあります。

こうした背景から、SASとメタボが合併した状態は特に心血管リスクが高いため、「シンドロームZ」と呼ばれることもあります[6](シンドロームX=メタボにSASが加わった概念)。

メタボリックシンドロームの方で睡眠時無呼吸が疑われる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします〔[6]〕。

 

発育障害(小児の成長への影響)

子どもの睡眠時無呼吸は、身体の発育障害(成長不良)を引き起こすことがあります。

夜間の無呼吸により睡眠が分断されると、成長ホルモンの分泌が低下したり、食欲・代謝のバランスが崩れたりするためです。

実際、扁桃肥大などでSASを患っている子どもでは、同年齢の健康な子どもに比べて身長や体重が平均より低い「成長曲線の下限」に入る割合が有意に高いことが報告されています[7]。

 

ある研究では、SAS児の約14%が身長・体重が年齢相応より著しく低い状態であったのに対し、健康な対照では6%にとどまっていました[7]。

 

しかし朗報もあります。

原因となるアデノイドや扁桃の手術(アデノイド摘出術・扁桃摘出術)によりSASが改善すると、多くの子どもで成長の追いつき(キャッチアップ)が見られたのです[7]。

同研究では、治療1年後の追跡で低身長だった子の約67%が正常な身長範囲に追いつき、低体重だった子の約58%が体重成長の遅れを取り戻しました[7]。

このように、小児のSASは成長障害の原因となり得ますが、早期発見と適切な治療でその影響はリカバリー可能です。

お子さんの身長体重の伸びが悪く、いびきや寝汗・落ち着きのなさが見られる場合、睡眠時無呼吸症候群の検査を考慮してください〔[7]〕。

 

慢性腎臓病

睡眠時無呼吸は腎臓にも悪影響を与えます。

SASの低酸素状態や血圧上昇が腎臓の血管を傷つけ、腎機能の低下(慢性腎臓病:CKD)を進行させると考えられています。

近年の研究では、中等度以上のSASがあると腎臓病の進行リスクがおよそ2.5〜3倍に高まることが示されました[8]。

 

カナダの5つの睡眠医療センターで1,200人以上を調査した報告によれば、SASが重症な患者では慢性腎臓病の悪化リスクが有意に高く、他の腎臓病危険因子を調整しても重症SAS群の腎機能低下リスクは無呼吸のない人の約3倍でした[8]。

また、腎臓病患者さんの約40%にSASが見られるとの報告もあり[8]、SASと腎障害はお互いに関連している可能性があります。

実際に、夜間低酸素が続くと腎臓への血液供給が減り、腎臓が酸素不足状態になることが動物実験などで示唆されています[8]。

 

さらにSAS患者ではしばしば高血圧や糖尿病など腎臓に負担をかける要因も併存します。

こうした理由から、SASのある方は定期的に腎機能をチェックし、悪化傾向があれば専門医と連携して対策をとることが重要です〔[8]〕。

 

動脈硬化

睡眠時無呼吸は全身の動脈硬化を促進します。

無呼吸による酸素不足と睡眠分断は、血管の炎症や内皮機能障害を引き起こし、コレステロールの沈着を助長するためです[12]。

特に首の頸動脈など太い動脈の壁が厚く硬くなる「動脈硬化」の早期指標が、SAS患者では健常者より進んでいることが分かっています。

 

あるメタ分析研究では、SAS患者の頸動脈の内膜中膜厚(IMT)(動脈硬化の超音波指標)が健常者に比べて有意に厚く、SASが独立した動脈硬化促進因子であると結論づけられました[9]。

具体的には、SAS群は非SAS群に比べ頸動脈IMTが平均で約0.88の標準化差(SMD)高く、重症度が上がるほどIMTも増加する相関関係が認められています[9]。

 

さらに、SAS治療によりこの動脈硬化の進行が抑制できる可能性も報告されています[9]。

例えばCPAP療法を数ヶ月行ったところ、治療前と比べてIMTの進行が鈍化したとの研究結果もあります。

動脈硬化は放置すると心筋梗塞や脳梗塞につながるため、SASの治療は血管を守る上でも重要です。

特に中高年で動脈硬化リスクの高い方は、睡眠時無呼吸の有無を調べ適切な介入を行うことで、将来的な血管イベントを予防できる可能性があります〔[9]〕。

 

心臓突然死

睡眠時無呼吸は夜間の心臓突然死(夜間の急性心臓死)のリスクとも関連しています。

通常、心臓突然死(致死的な不整脈による心停止)は早朝から午前中に多く発生しますが、SAS患者では夜間(深夜から明け方)に集中することが知られています[10]。

さらにSASそのものが心臓突然死の全体リスクを高める可能性が指摘されてきました。

米国で1万人以上を長期間追跡した研究によれば、中等度以上のSAS(AHI>20)の人はSASのない人に比べて心臓突然死の発生率が有意に高いことが示されました[10]。

この研究では、平均5.3年の追跡期間中に142人が心臓突然死を起こしましたが、その予測因子として「AHIが20を超えること」や「夜間の最低酸素飽和度が78%未満まで低下すること」が挙げられています[10]。

特に夜間低酸素が深刻な場合、心臓突然死のリスクが約1.8倍に高まる(最低酸素飽和度<78%でリスク80%増)との報告です[10]。

これは低酸素によって致死性不整脈(心室細動や心停止)が誘発される可能性を示唆します。

幸い、CPAP療法などでSASを治療すれば夜間の酸素低下が改善し、こうしたリスクを下げられる可能性があります[10]。

実際、「パートナーが夜中に呼吸が止まる」といった明らかなSASの徴候がある場合、早めに治療することで大事な命を守ることにもつながる**のです〔[10]〕。

 

胃食道逆流症(GERD)

SASの患者さんでは胃食道逆流症(GERD)を合併することがしばしばあります。

横になると胃酸が食道に逆流しやすくなるうえ、無呼吸による胸腔内圧の変動が逆流を助長すると考えられています。

実際、SAS患者では胃酸逆流の症状を持つ人の割合が高く、ある研究ではSAS患者の62%にGERDが認められました[11]。

さらに、SASに対してCPAP治療を真面目に続けている患者さんは、治療していない人に比べて逆流症状が有意に改善したとの報告があります[11]。

これはCPAPによって睡眠中の胸圧変動が減り、胃酸の逆流が抑えられたためと考えられます。

逆に、重度のGERDがSASの症状(いびきや覚醒)を悪化させるとの指摘もあり、SASとGERDはお互いに影響し合う可能性があります[11]。

もっとも、一方で1,000例以上の大規模調査ではSASの重症度とGERD有病率に関連が見られなかったという結果もあり[11]、両者の関係は個人差が大きいようです。

いずれにせよ、SASを治療すると日中の眠気や睡眠の質が向上するケースもあるため、逆流症状があるSAS患者はGERD治療との併用で生活の質を高められる可能性があります〔[11]〕。

 

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非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)はお酒を飲まない人に生じる脂肪肝で、放置すると肝硬変や肝癌のリスクがあります。

SASはこのNAFLDの発症・進展リスクを高めることが分かってきました。SASの低酸素ストレスが肝臓に炎症を起こし、脂肪蓄積や線維化(肝硬変の元)を促進するためです[12]。

多くの研究結果をまとめた系統的レビューによれば、SAS患者はそうでない人に比べ脂肪肝(NAFLD)を有する確率が約2倍高く、さらに肝炎(NASH)や肝線維化のリスクも2倍前後に上昇することが示されました12]。

具体的には、SASがあると肝生検でNASHと診断されるオッズが約2.37倍、肝線維化のオッズが2.16倍にも上ります[12]。

驚くべきことに、これらの関連は年齢や肥満度を考慮しても有意であり、つまり肥満とは独立してSASそれ自体が肝臓にダメージを与えうるということです[12]。

実際、痩せた人でも重症SASがあると脂肪肝を発症しやすいケースがあります。幸い、SAS治療が肝臓に良い影響を及ぼす可能性も示唆されています。

CPAP治療により肝酵素(AST/ALT)が改善したり、肝臓の炎症マーカーが減少したとの報告もあります[12]。

NAFLDの患者さんで原因がはっきりしない場合、背景にSASが潜んでいないか確認することが推奨されます。

反対に、SASのある方は定期的に腹部エコーや血液検査で肝臓の状態をチェックし、脂肪肝の進行予防に努めることが大切です〔[12]〕。

 

周術期管理(手術時のリスク)

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、手術の前後(周術期)に特有のリスクがあります。

麻酔や鎮静薬が気道をさらに狭くし無呼吸を悪化させたり、術後の痛み止め(特にオピオイド系鎮痛薬)が呼吸抑制を引き起こしやすいためです[13]。

その結果、SAS患者は手術後の呼吸合併症や心臓合併症の頻度が高いことが知られています[13]。

具体的には、術後に酸素が低下してしまったり、重篤な場合は呼吸停止や不整脈が起こるリスクが指摘されています。

多くの施設で術前にSASのスクリーニング(問診や簡易検査)を行い、高リスクと判定された場合には術中・術後に注意深いモニタリングを行う体制がとられています[13]。

例えば、全身麻酔の導入時には気道確保に熟練した麻酔科医があたり、術後は酸素投与や持続的気道陽圧法(CPAP)で無呼吸を防ぐなどの対策が推奨されます[13]。

また可能であれば、全身麻酔ではなく局所麻酔や神経ブロックを活用して麻酔薬の影響を減らす工夫もなされます[13]。

このように、SAS患者は手術そのものだけでなく周術期管理にも専門的配慮が必要です。

SASと診断されている方は、手術前の問診でその旨を必ず医療者に伝えましょう。

適切な周術期管理により、安全に手術を乗り切ることができます〔[13]〕。

 

認知症

睡眠時無呼吸は脳への影響から認知症(アルツハイマー型認知症や血管性認知症など)のリスクにも関与すると考えられています。

夜間低酸素や睡眠の質低下が長年続くことで、脳細胞がダメージを受けたり老廃物のクリアランス(脳のゴミ掃除機能)が落ちたりするためです。

実際、近年の大規模研究の統合解析において、睡眠時無呼吸のある人は将来認知症を発症するリスクが有意に高いと報告されました[14]。

11件のコホート研究をまとめたメタ分析では、SAS患者の認知症発症ハザード比が1.43(95%信頼区間1.26–1.62)と約1.4倍に上昇し、特にアルツハイマー型認知症については1.28倍、パーキンソン病の認知症では1.54倍と有意な関連が示されています[14]。

 

一方、脳卒中などの血管性認知症との関連は統計的に明確ではないという結果もあり[14], これはSASが主にアルツハイマー病のような変性性認知症のリスク因子である可能性を示唆します。

SAS患者では注意力や記憶力の低下、判断力の鈍りなど軽度認知障害がみられることもあり、日中の眠気と相まって生活の質を下げます。

しかし、CPAP治療によってこうした認知機能が改善したという報告もあり、脳へのダメージを長期的に減らせる可能性があります。

現時点でSASと認知症の因果関係は完全には解明されていませんが、「よく眠れていない」中年以降の方は将来の認知症予防のためにもSASのチェックを受ける価値があるでしょう〔[14]〕。

 

うつ病

SASと精神面の健康との関連も見逃せません。

特にうつ病との結びつきが多くの研究で指摘されています。

夜間の睡眠不足や低酸素状態が脳内の神経伝達物質のバランスを乱し、気分の落ち込みや意欲低下を招くと考えられます。

事実、SAS患者では抑うつ症状を訴える人が多く、3人に1人程度が中等度以上のうつ状態にあるとの報告もあります[15]。

さらに将来的な発症リスクについて見ると、SASのある人はない人に比べてうつ病を新たに発症する確率がおよそ2倍に高まることが縦断研究のメタ解析で示されています[16]。

一方、断面的な調査ではSASと軽症のうつ症状との関連は明確でないという結果もあり[16], 個人差が大きい可能性があります。

重要なのは、SASを治療すると抑うつ症状が改善するケースが多い点です[15]。

CPAP治療により日中の眠気が取れ活動的になることで、気分の落ち込みが解消したという患者さんも少なくありません[15]。

実際、SASの診断前はうつ病と診断され抗うつ薬を服用していた方が、無呼吸治療で劇的に元気を取り戻した例もあります。

SASと診断された方は、憂うつ感や興味の喪失といった症状にも注意し、必要に応じて精神科とも連携した包括的なケアを受けることをおすすめします〔[15]〕。

 

不妊症・流産

睡眠時無呼吸は生殖機能にも影響を及ぼす可能性があります。

男性ではSASによる夜間低酸素や睡眠障害がテストステロン(男性ホルモン)の分泌低下を招き、精子の質や性欲の低下につながる可能性があります。

一方女性では、SASが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と関連することが知られており、PCOSは排卵異常による不妊の一因です[16]。

実際、PCOS患者の中でSASを合併している割合は高く、互いに影響し合っていると考えられています[16]。

さらに注目すべきは妊娠の維持への影響です。

 

ある不妊クリニックの研究では、睡眠時無呼吸と診断された女性は流産を経験する確率が有意に高いことが示されました[16]。

具体的には、以前SASと診断されたことのある女性は、そうでない女性に比べ流産を経験するオッズ比が6.17と大きく上昇していたのです[16]。

この背景には、SASによる慢性的な低酸素やストレスホルモン増加が胎盤の発達に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

また、SAS女性では月経不順や排卵障害が起きやすいとの指摘もあります[16]。

以上のように、SASは妊娠しにくさ(不妊)や妊娠の継続困難(流産)とも関連しうるのです。

妊娠を希望する方で強いいびきや日中の極度な眠気がある場合、早めにSASの検査を受け治療しておくことが望ましいでしょう。

SAS治療によりホルモンバランスが整い妊娠に成功したケースも報告されています。

不妊症治療中の方は主治医と相談の上、睡眠検査の導入を検討してみてください〔[16]〕。

ED(勃起障害)

男性のSAS患者ではED(勃起障害)の合併が多いことが知られています。

SASによる血管内皮機能障害やテストステロン低下、睡眠不足による心理的ストレスが性機能に影響を与えるためです[17]。

研究によれば、中等度〜重度のSAS患者の約50%以上でEDが認められるとされています[17]。

スペインで行われた150人の中等症以上SAS患者を対象とした試験では、51%がEDの診断基準を満たし、SASでない男性より有意にEDの割合が高いことが示されました[17]。

SAS患者のEDは血管拡張不全によるものが多く、「夜間の無呼吸→酸素不足→一酸化窒素減少」というメカニズムで陰茎への血流が不足するためと考えられます[17]。

希望が持てるデータとして、CPAP治療によってEDが改善する場合があることが挙げられます[17]。

上述の試験では、3ヶ月間のCPAP使用後に国際勃起機能スコアの平均値が有意に上昇し、性行為への満足度も改善しました[17]。

ただしプラセボ対照下での有意差は僅差で、CPAPのみで劇的にEDが治るとまでは言えないものの、少なくとも悪化を防ぐ効果は期待できます[17]。

現在、ED治療薬(PDE5阻害薬)との併用で相乗効果が得られるか等の研究も進んでいます。

SASとEDは共通の原因(肥満や血管障害)を持つことが多いため、EDに悩む中高年男性ではSASのスクリーニングが推奨されます[19]。

逆に、SAS患者でED症状がある場合は泌尿器科で相談し、必要に応じて治療を受けると生活の質が向上するでしょう〔[17]〕。

 

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群(RLS:レストレスレッグス症候群)は、脚を中心に虫が這うような不快感と抑えがたい脚の動かしたい衝動が起こる疾患で、夜間に症状が強く睡眠を妨げます。

SASとは異なる睡眠障害ですが、SASとRLSを両方併せ持つ方も珍しくありません

研究によると、睡眠クリニックを受診する患者さんではおよそ20〜30%にRLSが認められ、その割合はSASの有無で大きく変わらないものの、SAS患者にも約4人に1人はRLS症状があるとの報告があります[18][18]。

つまり偶然の合併も多いのですが、問題は両者が併存すると睡眠の質が一層低下しやすい点です。

インドの研究では、SASとRLSを併せ持つ群ではSAS単独の群に比べ、不眠症状の合併率が2倍以上(26% vs 10%)と高く、うつ病や不安障害などの精神疾患の合併率も約1.5倍に上ることが示されました[18]。

また簡易的な認知機能検査でも成績が悪化しており、SAS+RLSの組み合わせ(複合病態)は患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼすことがわかります[18].

幸い、それぞれの治療を適切に行えば症状改善が期待できます。

SASのCPAP治療で夜間血中酸素が維持されれば脚の違和感が緩和したケースや、逆にRLSに対する薬物療法で睡眠の質が改善し無呼吸発作が減ったとの報告もあります[18]。

脚のむずむず感といびきの両方でお困りの場合は、一度専門医に相談し、両面からのアプローチで睡眠環境を整えることが大切です〔[18]〕。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

以上のように、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると多岐にわたる疾患リスクを高めます。

しかし適切に治療すれば、これらリスクの多くは軽減可能です。「もしかしてSASかも?」と思われる方は、早めに医療機関で相談しましょう。

最近ではオンライン診療を活用して、自宅から専門医のアドバイスを受けることも可能です。

 

森下駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の相談に対応したオンライン診療[19]を行っています。

移動の負担なく専門的な評価や治療方針の提案を受けられます。

オンラインでの問診の後、必要に応じて簡易睡眠検査機器を自宅へ貸し出すことも可能です。

結果に基づき、CPAP装置の導入など適切な治療につなげます。SASが疑われる症状(大きないびき、夜間の呼吸停止、日中の強い眠気、朝の頭痛など)がある場合は、一人で悩まず専門医に相談してください。

質の良い睡眠を取り戻し、将来の健康リスクを減らすためにも、早めの対応が何より重要です。

 

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参考文献

[1] Hou H, Zhao Y, Yu W, et al. Association of obstructive sleep apnea with hypertension: a systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2018;8(1):010405.
[2] Yu Z, Ren R, Li Y, et al. Association between obstructive sleep apnea and type 2 diabetes mellitus: a dose-response meta-analysis. Diabetes Metab Syndr Obes. 2021;14:2177-2187.
[3] Yeghiazarians Y, Jneid H, Tietjens JR, et al. Obstructive sleep apnea and cardiovascular disease: a scientific statement from the American Heart Association. Circulation. 2021;144(3):e56-e67.
[4] Marin JM, Carrizo SJ, Vicente E, Agusti AG. Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnea-hypopnea with or without treatment with CPAP. Lancet. 2005;365(9464):1046-1053.
[5] Yaggi HK, Concato J, Kernan WN, et al. Obstructive sleep apnea as a risk factor for stroke and death. N Engl J Med. 2005;353(19):2034-2041.
[6] Bonsignore MR, Esquinas C, Barceló A, et al. Metabolic syndrome, insulin resistance and sleepiness in real-life obstructive sleep apnea. Eur Respir J. 2012;39(5):1136-1143.
[7] Esteller E, Villatoro JC, Agüero A, et al. Obstructive sleep apnea syndrome and growth failure in children: prevalence, mechanism and effects of treatment. Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2018;108:119-125.
[8] Beaudin AE, Raneri JK, Ahmed SB, et al. Risk of chronic kidney disease in patients with obstructive sleep apnea. Sleep. 2022;45(3):zsab267.
[9] Zhou M, Wang Y, Lin C, et al. The association between obstructive sleep apnea and carotid intima-media thickness: a systematic review and meta-analysis. Angiology. 2017;68(7):575-583.
[10] Gami AS, Olson EJ, Shen WK, et al. Obstructive sleep apnea and the risk of sudden cardiac death: a longitudinal study of 10,701 adults. J Am Coll Cardiol. 2013;62(7):610-616.
[11] Wang X, Wright Z, Wang J, Song G. Obstructive sleep apnea is associated with an increased risk of developing gastroesophageal reflux disease and its complications. J Respir. 2023;3(2):75-85.
[12] Musso G, Cassader M, Olivetti C, et al. Association of obstructive sleep apnea with the presence and severity of non-alcoholic fatty liver disease. Obes Rev. 2013;14(5):417-431.
[13] Chaudhry R, West KM, Chung F. Obstructive sleep apnea and risk of postoperative complications after non-cardiac surgery: a contemporary review. J Clin Med. 2024;13(3):xxxx (Epub ahead of print).
[14] Guay-Gagnon M, Vat S, Forget MF, et al. Sleep apnea and the risk of dementia: a systematic review and meta-analysis. J Sleep Res. 2022;31(5):e13589.
[15] Edwards C, Almeida OP, Ford AH. Obstructive sleep apnea and depression: a systematic review and meta-analysis. Maturitas. 2020;142:45-54.
[16] Ibrahim S, Mehra R, Tantibhedhyangkul J, et al. Sleep and obstructive sleep apnea in women with infertility: associations with miscarriage. Sleep Breath. 2023;27(5):1733-1742.
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[18] Malhotra N, Vaidya S, Gothi D. A study on the prevalence of restless legs syndrome in obstructive sleep apnea and the consequences of co-occurrence (ComOSAR). Lung India. 2023;40(4):299-304.
[19] https://morishitaekimae.com/online/

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群が日中に及ぼす影響とは?原因から治療まで徹底解説

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まることで睡眠の質が低下する病気です。

その結果、十分眠っていても日中に強い眠気を感じたり、常に疲労感が抜けない状態になります。

 

仕事や日常生活への悪影響も大きく、集中力の低下や判断力の鈍化、イライラしやすさや気分の落ち込みなどを引き起こします。

これらは生活の質の低下や重大なミス・事故につながるため注意が必要です。

 

本記事では、SASの基礎知識から日中への具体的な影響、原因メカニズム、そして最新の治療法まで、国内外のガイドラインや医学的エビデンス をもとに詳しく解説します。

SASが疑われる場合の対処法についても紹介します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?基礎知識を簡単に解説

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)や呼吸低下(低呼吸)を繰り返す疾患の総称です。

原因により大きく2種類に分類され、閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(Central Sleep Apnea; CSA)があります[1]。

 

OSAは喉や気道の物理的な閉塞によって起こり、無呼吸中も呼吸しようとする努力(いびきなど)が見られるのが特徴です。

一方、CSAは脳の呼吸中枢の働きの低下により呼吸信号が送られなくなることで生じ、無呼吸中に胸や腹部の動き(呼吸努力)が見られない点で異なります。

SASの大部分はOSAであり、本記事でも主にOSAについて述べます。

 

SASの診断基準は、一晩の睡眠あたりの無呼吸・低呼吸の発生回数である無呼吸低呼吸指数(Apnea-Hypopnea Index;AHI)によって決まります。

成人では通常、AHIが5以上でSASの疑いがあり、症状(日中の強い眠気など)が伴えば睡眠時無呼吸症候群と診断します[2]。

 

また症状がなくてもAHIが15以上であれば診断基準を満たします。

AHIが5~15未満を軽症、15~30未満を中等症、30以上を重症と分類するのが一般的です。

SASは決して珍しい病気ではなく、中等症以上(AHI≧15)のOSAは成人男性の約2割、閉経後の女性の約1割にみられるとの報告もあります。

 

日本ではAHI≧15の中等症以上の患者が約940万人(30~69歳人口の14%)に達するとの推計もあり[8]、現代社会において無視できない頻度の疾患です。

肥満や加齢、男性であることがリスク因子で、糖尿病や高血圧など生活習慣病患者では有病率がさらに高いことが知られています。

 

 

SASを放置すると起こり得る健康リスクにも注意が必要です。

睡眠中の低酸素状態や睡眠断片化は全身にさまざまな悪影響を及ぼし、高血圧や心臓病、不整脈など心血管疾患の発症リスクを高めます[8][9]。

 

実際、OSAは冠動脈疾患や脳卒中の独立した危険因子とされ[7]、重症OSAでは心不全や心筋梗塞、脳卒中の発症率が有意に高いとの報告があります。

また認知機能の低下も見逃せません。

 

近年の研究で、OSAによる夜間低酸素血症が認知症や軽度認知障害のリスク要因となりうることが示唆されています[5]。

さらにうつ病や不安障害など精神面への影響も指摘されており、SAS患者では健常者に比べ抑うつ症状の頻度が高いことが多数の研究で報告されています[7]。

このようにSASは全身の健康に関わる重要な疾患であり、早期発見・治療が大切です。

 

睡眠時無呼吸症候群が日中に及ぼす主な影響

眠気と疲労感

過剰な日中の眠気(Excessive Daytime Sleepiness; EDS)はSASの代表的な症状です。

夜間の睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸が起こると、そのたびに浅い睡眠や覚醒が生じて睡眠が分断されます。

本人は十分寝ているつもりでも睡眠の質が極端に悪いため、日中に強い眠気に襲われたり、常に倦怠感・疲労感が抜けない状態になります[10]。

 

例えば会議中や食後にウトウトしてしまったり、ひどい場合は信号待ちなど短い停止時間にも眠り込んでしまうことがあります。

睡眠が細切れになることで熟睡感が得られず、朝起きても疲れが取れていない、頭がぼんやりする、といった訴えもよく聞かれます。

慢性的な寝不足状態に陥るため、コーヒーを飲んでも効果がないような強い眠気が一日中続くケースもあります。

 

このような日中の過度の眠気は、患者本人が自覚するだけでなく周囲から見ても異常と分かることがあります。

日本の診療ガイドラインでも、SAS患者では日中の強い眠気がしばしば存在し、治療後も残る場合があると指摘しています[1]。

慢性的な疲労と眠気は生活の質(Quality of Life;QOL)の低下につながり、放置すると仕事の継続や日常活動にも支障をきたすため、早期の対応が必要です。

 

集中力の低下や判断力の鈍化

睡眠不足は脳の認知機能を低下させますが、SASの場合も同様です。

十分な睡眠がとれないことで注意力や集中力が続かなくなり、些細なミスが増えたり物覚えが悪くなったと感じるようになります。

実際に、OSA患者では記憶力や注意力、実行機能(判断・計画能力)に明らかな障害がみられることが多くの研究で報告されています[11]。

 

例えば会話や業務でケアレスミスが増える、人の名前や約束を忘れやすくなる、判断に時間がかかる、といった形で現れます。

これは夜間の低酸素や睡眠分断によって脳へのダメージが蓄積するためと考えられています。

OSAでは海馬や大脳皮質に神経障害が生じ、認知機能全般の低下につながるとの報告もあります[7]。

 

また反応速度の低下も問題になります。

睡眠不足の状態ではとっさの判断や動作が遅れがちです。

スポーツで瞬発力が落ちたり、運転中にブレーキを踏むまでの時間が遅れるなど、素早い対応が要求される場面で能力が発揮できなくなる可能性があります[11]。

 

このような集中力・判断力の低下は、特に仕事で重大な影響を及ぼしかねません。

複雑な作業や高い注意力を要する業務では生産性が下がり、ミスによるトラブルも増えるでしょう。

 

交通事故のリスクや機械操作中のミス

SAS患者にとって最も深刻な日中症状の一つが、居眠り運転による交通事故リスクの増大です。

日中の強い眠気から、運転中につい瞬間的に意識を失ってしまう「マイクロスリープ(瞬間睡眠)」が起こることがあります。

これにより居眠り運転や漫然運転となり、重大な事故を引き起こす危険性が高まります。

 

研究によれば、OSA患者の自動車事故リスクは健常者の少なくとも2倍以上に達するとされ[3]、あるメタ分析では1.2~4.9倍もの範囲で事故率が上昇するとの報告もあります[3]。

実際、SASが原因と考えられる居眠り運転事故の事例も多数報告されており、社会的にも大きな問題となっています。

 

また産業現場での労働災害や医療現場でのヒヤリハットなど、機械操作や注意力が要求される場面でのミスも増加します。

OSAは過度の眠気を引き起こす代表的疾患であり、交通事故の最も重要な予防可能な原因であるとも言われています。

メタ解析では、SAS患者の仕事中の事故リスクは健常者の約2.2倍にもなるとの結果が示されました[4]。

 

特に職業ドライバーや重機オペレーターのような安全に関わる職種では、SASによる注意障害は自他ともに重大な危険を及ぼします。

日本のガイドラインでも、日中の眠気や注意不足は交通事故など様々な事故の原因となり得るため、SAS診療において留意すべき点であると強調されています[1]。

このような背景から、日本呼吸器学会のガイドライン2020ではSAS患者の自動車運転に関する章が設けられ、安全管理の重要性が述べられています。

 

イライラしやすくなる

睡眠不足は精神的な余裕を奪い、些細なことでイライラしたり怒りっぽくなることが知られています。

SASでも夜間の断続的な睡眠不足によりストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌リズムが乱れると考えられ、感情のコントロールが難しくなる傾向があります。

実際に、OSA患者では頻回の覚醒による睡眠分断が「怒りっぽさ」や「情緒不安定」を引き起こすことが報告されています[7]。

例えば家族や同僚に対して些細なことで声を荒らげてしまったり、常に焦燥感・落ち着きのなさを感じるといった形で現れます。

医学研究によれば、睡眠中の断片化と低酸素による慢性的なストレス状態が交感神経を過剰に活性化させ、日中も身体がリラックスできない「戦闘モード」に陥るとされています[9]。

その結果、心にゆとりがなくなり苛立ちやすい精神状態になってしまうのです。また慢性的な疲労と眠気自体がストレス源となり、心身の疲弊から余計にイライラを募らせる悪循環も考えられます[10]。

周囲から「最近怒りっぽい」「感情の起伏が激しい」と指摘される場合、実は背後にSASが潜んでいるケースもあります。

 

気分が落ち込む

SASはメンタルヘルスにも影響を与えます。

慢性的な睡眠不足状態が続くと脳内の神経伝達物質バランスが乱れ、抑うつ症状や不安症状が出現しやすくなります。

実際、OSA患者ではうつ病の併存率が一般人口より有意に高いことが国内外の研究で示されています[7]。

 

あるレビュー研究の結論では、未治療のOSAは感情面に悪影響を及ぼし、放置するとうつ病や不安障害のリスクが高まるとされています[6]。

夜間に繰り返される低酸素状態や睡眠分断が脳の情動を司る領域(例えば扁桃体や前頭前野)の機能に影響し、気分の調整がうまくできなくなる可能性があります。

具体的な症状としては、「何となく憂うつでやる気が出ない」「趣味や仕事に喜びを感じなくなった」「理由もなく不安感が強い」といった形で現れることがあります。

SASと診断されていない段階では、一見するとうつ病や不安障害として扱われてしまうケースもあります。

実際に、SAS患者の中には抑うつ状態のために精神科を受診していたが、精査すると睡眠時無呼吸が原因だったという例も少なくありません[7]。

 

夜間の低酸素や睡眠障害を改善することで抑うつ症状が改善するケースも報告されており、SAS治療はメンタル面の改善にも寄与します。

したがって日中の気分障害が顕著な場合も、SASの有無を確認することが重要です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)はなぜ日中にこれほど影響が出るのか?

SASがこれほど多岐にわたる日中の悪影響をもたらすのは、主に以下のような生理学的メカニズムによります。

 

睡眠中の低酸素血症と交感神経の過活動

無呼吸によって血中の酸素濃度が下がると、身体は「窒息の危機」と判断して交感神経(いわゆるストレス反応)を活性化させます。

心拍数や血圧が上がり、寝ているにもかかわらず身体が興奮状態になるのです[9]。

この交感神経の過剰な刺激が一晩に何度も繰り返されることで、夜間だけでなく日中も交感神経が亢進しやすい状態(慢性的なストレス状態)に陥ります[9]。

その結果、先述したようなイライラや不安感の増加、高血圧や脈拍数の上昇につながります。

また交感神経優位の状態では脳がリラックスできず、集中力や意思決定力が低下する一因ともなります。

 

覚醒反応の増加による睡眠の断片化

無呼吸や低呼吸が発生すると、脳は酸素不足に対処するため一瞬目覚める(覚醒反応)を起こします。

この覚醒は必ずしも意識的に「目が覚めた」と自覚されるものではありませんが、脳波的には睡眠が浅い段階に引き戻されます。

重症のOSAでは1時間に30回以上も無呼吸が起こることがあり、2分に1回は脳が覚醒している計算になります。

その結果、深い睡眠が維持できず睡眠が細切れ(断片化)となり、身体も脳も休息しきれません[7]。

人間の睡眠は本来、浅いノンレム睡眠から深い徐波睡眠、さらにレム睡眠へと90分周期で繰り返します。

しかしOSAではこうした正常な睡眠サイクルが破壊されてしまうため、熟睡による回復効果が得られなくなります。

結果として日中の強い眠気や疲労感、頭の回転の悪さなどにつながります[10]。

 

深い睡眠(徐波睡眠)の減少

前述の睡眠断片化とも関連しますが、OSA患者では特に深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の割合が減少する傾向があります。

徐波睡眠は脳と身体の回復・成長ホルモン分泌に重要で、記憶の定着や免疫機能の維持にも関与しています[13]]。

この徐波睡眠が十分に取れないと、翌日の肉体的・精神的リフレッシュが不十分になります。

慢性的に徐波睡眠が不足すると、高血圧や糖代謝異常のリスクが上がるとの研究報告もあります。

加えて、夢を見るレム睡眠の障害も指摘されています。レム睡眠は感情処理や記憶整理に関与するとされ、OSAではレム睡眠中にも無呼吸が起こるため夢見が悪かったり頻繁に目が覚めることがあります。

これら深い睡眠段階の障害は、長期的な認知機能の低下や気分障害とも関連している可能性があり[5]、SASが日中に及ぼす影響を一層悪化させる因子となります。

 

 

以上のように、SASは夜間の生理機能に断続的なストレスを与えることで、翌日の覚醒時にまでその悪影響が持ち越されます。

低酸素と睡眠分断の反復という二重の負荷が、身体と脳のコンディションを損ない、様々な日中症状を引き起こすのです。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治すには

SASと診断された場合、症状の改善と合併症予防のために適切な治療を受けることが重要です。主な治療法には以下のようなものがあります。

 

生活習慣の改善

生活習慣の見直しは軽症のSASでは第一選択となり、また他の治療を行う場合でも基礎として重要です。

特に肥満はOSAの最大の危険因子であり、首や喉周りに脂肪が付くことで気道が狭くなる原因となります。

したがって減量はSAS改善に極めて有効です。体重を10%減らすだけでも無呼吸の程度が大幅に軽減するケースがあり、肥満度が高い患者では減量により症状が著明に改善することが期待できます。

実際、肥満を伴うOSA患者には減量療法を併用することが強く推奨されています[1]。適切な食事管理と運動により標準体重に近づけることが目標です。

 

また、飲酒や喫煙の習慣を見直すことも重要です。アルコールは筋肉の弛緩を促し、睡眠中に喉の気道が塞がりやすくなります。

就寝前の飲酒はOSAを悪化させるとの解析もあり、できるだけ控えるべきです。日常的な飲酒習慣がある人はない人に比べ、OSA発症リスクが約1.25倍に増加したとの報告もあります。

喫煙もOSAと関連が指摘されています。

タバコによる慢性的な上気道の炎症や浮腫が気道径を狭め、無呼吸を助長する可能性があります。

1日20本以上の喫煙習慣を持つ人は、OSAの予後を悪化させるとのデータもあり、禁煙が望ましいとされています。

 

さらに、睡眠姿勢や睡眠衛生の工夫も有用です。仰向けで寝ると舌根が喉の奥に沈下して気道を塞ぎやすいため、横向き寝(側臥位)を心がけると無呼吸発作が減少する場合があります。

また十分な睡眠時間を確保し、寝る前のリラックス(深酒や夜更かしの回避、電子機器の使用制限)など質の良い睡眠習慣を整えることも、SAS症状の軽減に役立ちます。

 

CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

中等症~重症のOSA治療の第一選択となるのがCPAP療法です[8]。

CPAP療法では、就寝時に鼻(または鼻口)マスクを装着し、小型のポンプから空気を持続的に気道へ送り込むことで喉の気道閉塞を防ぎます。

陽圧によって気道が内側から広げられるため、睡眠中の無呼吸・低呼吸をほぼ完全に抑制できます。

適切に使用すれば即座にいびきや無呼吸が消失し、睡眠の質が正常化します。日中の眠気や倦怠感もCPAP開始後から大幅に改善する例が多く報告されています。

 

CPAPの有効性は多数の研究で実証されており、過剰な日中の眠気(EDS)はCPAP治療により著しく改善することが示されています[1]。

またCPAPを毎晩しっかり使用することで、高血圧や心血管イベントのリスク低減効果も期待できます[9]。

無呼吸による酸素不足や交感神経亢進が抑えられるため、夜間の血圧上昇が緩和し、長期的には心臓や脳血管への負担を減らすと考えられています。

さらに、CPAP使用者では交通事故リスクが大幅に減少することも明らかになっており[12]、適切な治療は社会的な安全面でも重要です。

 

CPAP療法の課題は「継続使用の困難さ」です。

マスクや機械の装着に違和感を覚える人もおり、定着するまでに時間がかかる場合があります。

しかし最近の機器は小型軽量化し、静音で自動圧力調整機能も備わるなど使い勝手が向上しています。根気強く慣れることで日中の快適さが得られるため、重症の方ほどCPAPによるメリットは大きくなります[4]。

医療者と相談しながら機器の微調整やマスクフィッティングを行い、できるだけ毎晩の使用を続けることが肝要です。

 

口腔内装置(マウスピース)療法

マウスピースによる治療もOSAに有効な場合があります。

これは歯科で作製する口腔内装置(オーラルアプライアンス; OA)を就寝時に装着し、下顎や舌の位置を前方に固定することで喉の気道を確保する方法です。

 

主に軽症~中等症のOSAや、CPAPがどうしても継続困難な患者に適応されます。

マウスピースはコンパクトで旅行などにも持ち運びやすく、CPAPより装着への抵抗感が少ないという利点があります。

 

外科的治療の選択肢

生活習慣改善やCPAP、マウスピースで十分な効果が得られない場合、外科的治療が検討されることがあります。

SASの外科治療は原因となる解剖学的狭窄部位を改善することを目的に行われ、患者の状態に応じてさまざまな術式があります。

代表的なものの一つが咽頭・口蓋部の手術です。

また小児のSASではアデノイド増殖(咽頭扁桃)の摘出が標準的に行われ、顕著な改善を示します。

成人では、軟口蓋やのどちんこ(口蓋垂)の余剰組織を切除・縮小して気道を広げる口蓋咽頭形成術(UvuloPalatoPharyngoPlasty;UPPP)が行われることがあります。

ただしUPPP単独では十分な効果が出ないケースもあり、慎重な適応判断が必要です。

 

もう一つは顎骨の手術です。

下顎が小さい(後退している)ことで舌が喉を塞ぎやすいタイプのOSAには、下顎骨を前方に移動させる手術(場合により上顎も含めた顎矯正手術)が行われます。

顎骨前方移動術(Maxillomandibular Advancement; MMA)は気道全体を拡大でき、重症OSAにも高い有効性を示す治療法です。

顔貌や歯並びへの影響も考慮しつつ、専門的な評価のもと適応が決定されます。

この他、舌が大きい場合には舌の一部を切除・縫縮する手術や、舌を支える舌骨を前方固定する術式などもあります。

外科的治療は根治的効果を期待できますが、侵襲が大きくリスクも伴います。

そのため基本的には他の治療で効果不十分な場合の最終手段となります。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

上記の症状に心当たりがある場合は、できるだけ早く医療機関でSASの検査・診断を受けることが大切です。

近年はオンライン診療を活用して、自宅にいながら専門医の相談を受けることも可能です。

森下駅前クリニックでは、来院せずにビデオ通話を通じてSASの診察・検査の手配を行っています。

SASが疑われれば自宅で行える簡易睡眠検査(携帯型の睡眠ポリグラフ装置)を手配します。

検査結果に基づいて確定診断や重症度評価を行い、必要な場合は適切な治療(CPAP機器の導入など)につなげます。

オンライン診療を利用すれば、忙しくて受診の時間が取れない方や遠方の方でも早期に専門診療へアクセスできます。

SASは放置すると健康リスクが高まる疾患ですが、治療により日中の眠気や倦怠感は劇的に改善し、生活の質が向上します。

思い当たる症状がある方は一人で悩まず、まずはオンライン診療で専門医に相談してみましょう。

 

森下駅前クリニックのオンライン診療(https://morishitaekimae.com/online/)をご利用ください。

 

早めの対応が、快適な日常と将来の健康を守る第一歩です。

 

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引用文献

[1] 日本呼吸器学会(編)『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』南江堂、2020年

[2] Kapur VK, Auckley DH, Chowdhuri S, et al. Clinical practice guideline for diagnostic testing for adult obstructive sleep apnea: An American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. J Clin Sleep Med. 2017;13(3):479–504.

[3] Tregear S, Reston J, Schoelles K, et al. Obstructive sleep apnea and risk of motor vehicle crash: a systematic review and meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2009;5(6):573-581.

[4] Garbarino S, Guglielmi O, Sanna A, et al. Risk of occupational accidents in workers with obstructive sleep apnea: systematic review and meta-analysis. Sleep. 2016;39(6):1211-1218.

[5] Marchi NA, Véronneau M, Massicotte-Marquez J, et al. Obstructive sleep apnoea and 5-year cognitive decline in the elderly population. Eur Respir J. 2023;61(6):2201621.

[6] Vanek J, Prasko J, Genzor S, et al. Obstructive sleep apnea, depression and cognitive impairment. Sleep Med. 2020;72:50-58.

[7] Iannella G, Maniaci A, Lechien JR, et al. Mood, behavioral impairment, and sleep breathing disorders in obstructive sleep apnea patients treated with maxillomandibular advancement: a case series and review of literature. Behav Sci. 2023;13(8):686.

[8] (Associations of diabetes mellitus and hypertension with adherence to continuous positive airway pressure therapy in male patients with obstructive sleep apnea – PMC)

[9] (Impact of Obstructive Sleep Apnea and Sympathetic Nervous System on Cardiac Health: A Comprehensive Review)

[10] (Emotional Stress Evaluation of Patients with Moderate and Severe Sleep Apnea Syndrome – PMC)

[11] (Cognitive deficits in adults with obstructive sleep apnea compared to children and adolescents – PMC)

[12] (Continuous Positive Airway Pressure Reduces Risk of Motor Vehicle …)

[13] (Slow-Wave Sleep: An Overview | Sleep Foundation)

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の特徴とは?見逃しやすい症状と診断・治療のポイント

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる疾患であり、日常生活に深刻な影響を及ぼします。

 

実際、中等度以上のSASは成人男性の約20%にみられるとの報告もあり[1]、決して珍しい病気ではありません。

 

放置すると高血圧や心疾患など重大な健康リスクを伴うほか、集中力低下による交通事故の原因になることも指摘されています[1][2]。

 

本記事では、SASの基本知識から特徴的な症状、診断方法、そして治療法まで、最新の医学的エビデンスをもとに解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の基本知識

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)

定義とメカニズム

閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)は、睡眠中に上気道(主に咽頭)が物理的に閉塞することで呼吸が停止または低下する状態です。

睡眠時には筋肉の緊張が低下し、舌や軟口蓋などが喉の気道を塞ぎやすくなります[1]。

気道が完全にふさがると「無呼吸」、部分的な狭窄で呼吸が浅くなる状態は「低呼吸」と呼ばれ、いずれも10秒以上続く場合が問題になります[1][3]。

 

主な原因・危険因子

OSAでは肥満が最も重要な危険因子とされており、首回りや舌への脂肪沈着で気道が狭くなることが大きな要因です[1]。

また、下顎の後退や扁桃肥大、アデノイド肥大などの解剖学的要因もリスクを高めます[1]。

一般的に男性に多く、加齢とともに発症リスクは上昇し、就寝前の飲酒や喫煙といった生活習慣も症状の悪化に関与します[1][4]。

一部の研究では、飲酒習慣をもつ人はOSAのリスクが約25%増加するとの報告もあります[5]。

 

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)

定義とメカニズム

中枢性睡眠時無呼吸(Central Sleep Apnea; CSA)は、脳の呼吸中枢からの信号異常によって睡眠中の呼吸運動自体が停止する状態を指します。

気道の閉塞が原因ではなく、呼吸の“指令”が一時的に途絶えるため、OSAのようないびきは通常みられません[3][6]。

脳幹部の呼吸調節が乱れると、無呼吸と過呼吸が交互に現れる「チェーンストークス呼吸(Cheyne-Stokes呼吸)」を呈することがあります[6]。

 

主な原因

CSAは心不全や脳卒中後の患者に多くみられ、特にチェーンストークス呼吸が特徴的です[3][6]。

また、ALSや筋ジストロフィーといった神経変性疾患、頚髄損傷など中枢神経に影響を及ぼす病態でも生じる可能性が指摘されています[6]。

そのほか、慢性腎不全やオピオイド系鎮痛薬の使用もCSAを誘発する要因となり得ます[6]。

実際の患者数はOSAよりも少ないものの、心不全や神経疾患の合併では見逃せない病態です[1][3]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な特徴

睡眠中のいびきや呼吸停止

SASの典型的な症状として、大きないびきが挙げられます。

OSAの多くでは激しいいびきを伴い、家族やパートナーが「呼吸が止まっている」と気づくことで発覚するケースが少なくありません[1][2]。

 

本人には自覚がないため、周囲の指摘は重要な診断のきっかけとなります。睡眠中に「無呼吸」や「低呼吸」がくり返し起こり、その頻度(無呼吸低呼吸指数:AHI)が病気の重症度を左右します[1][3]。

1時間あたり5回以上の無呼吸・低呼吸が確認される場合にはSASの疑いがあるとされ、中等症以上では20~30回以上を数えるケースもあります[1]。

 

起床時の口渇や頭痛

朝起きたとき、口の渇きや頭痛を感じるのもSASの重要なサインです。睡眠中の口呼吸や低酸素状態によって喉の粘膜が乾燥しやすく、血管拡張により頭痛が起こることがあります[2]。

 

一見すると風邪や寝不足とも思われがちですが、いびきや日中の眠気など他の症状と併せて考えると、SASの可能性が高まります。

 

日中の強い眠気や集中力の低下

頻繁な無呼吸による睡眠分断によって夜間に十分な休息が得られないため、日中の強い眠気集中力の低下が顕著になります[2][7]。

仕事中にボーッとしたり、運転中の居眠りなどは、本人はもちろん周囲にも大きなリスクをもたらします。

特に居眠り運転は重大事故の原因となり、社会的にも大きな問題です[1]。こうした症状が当てはまる場合は、早めに専門医への相談が望まれます。

どれだけ寝ても疲れが取れない

「たくさん寝たはずなのに疲れが抜けない」「熟睡感がない」といった訴えがある場合も、SASの疑いがあります。

夜間に繰り返される無呼吸が深い睡眠を妨げ、非回復性の睡眠に陥ることが原因です[1]。

重症のOSAでは、持続的な低酸素が筋肉や臓器に負荷をかけ、起床時から強い倦怠感やだるさを引き起こすことが知られています[1][2]。

 

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放置すると危険!合併症や健康への影響

合併症のリスク(高血圧、心不全、糖尿病、脳卒中など)

SASを放置すると、高血圧や心不全、糖尿病、脳卒中といった重篤な合併症リスクが高まることが明らかになっています[1][3][8]。

 

  • 高血圧:OSAは二次性高血圧の主要な原因の一つであり、とくに治療抵抗性高血圧や夜間〜早朝に血圧が高いタイプでOSAの合併が疑われます[1]。CPAP治療で血圧が下がる例も報告されており、早期の介入が大切です。
  • 心不全:重症のSASは心臓へ大きな負荷をかけ、心不全の発症・悪化と双方向で影響し合います[3][8]。OSA患者では不整脈の頻度が高い点にも注意が必要です。
  • 糖尿病(2型):OSAはインスリン抵抗性を高め、2型糖尿病のリスクを上昇させる可能性が指摘されています。肥満や生活習慣と切り離しても、OSAそのものが独立した危険因子になり得るという研究結果もあります[1][9]。
  • 脳卒中:OSAによる動脈硬化の進行や血圧変動は脳梗塞・脳出血のリスクにも直結します[2][7]。一度脳卒中を起こした患者がOSAを合併している場合、再発や予後悪化の可能性が高まるため、早期発見と治療が重要です[7]。

 

さらに、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)、認知機能障害、うつ病などとの関連も報告されており[1][7]、健康長寿のためにSASの放置は禁物と言えます。

 

日常生活や仕事のパフォーマンス低下

SASは日中の強い眠気や注意力散漫により、仕事や家事、学業の能率を大きく下げるだけでなく、本人の安全および周囲の安全にも影響を及ぼします[1]。

致死的な交通事故の15~33%に居眠り運転が関与しているとのデータもあり、OSA患者の場合は特に事故のリスクが高いことが分かっています[1][2]。

また、いびきや睡眠不足がパートナーの眠りを妨げ、家庭内ストレスの原因になるなど、社会生活全般に悪影響を及ぼす点も見逃せません。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

生活習慣の改善

軽症のSASではまず、生活習慣の見直しが推奨されます。

最も大切なのは減量で、肥満傾向のOSA患者は体重を落とすだけで無呼吸発作が大幅に改善する場合があります[1][8]。

 

また、飲酒は睡眠中の筋弛緩を助長するため節酒や休肝日の設定が推奨されます。

禁煙は上気道の炎症軽減に役立ちます。

仰向けではなく横向きで寝るなどの体位工夫も、いびきや無呼吸を軽減させる可能性があります[1][8]。

あわせて、規則的な睡眠習慣と寝室環境の整備といった“睡眠衛生”の改善も基本的な対策です[1][3]。

 

経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)

中等度〜重度のOSAに対する第一選択治療が、CPAP(シーパップ)療法です。

就寝時に鼻や口を覆うマスクを装着して空気を送り込み、気道に陽圧をかけることで閉塞を防ぎます[1][8]。

多くの患者で、いびきや日中の眠気が劇的に改善し、高血圧のコントロールにも寄与するなど、心血管リスクの軽減が期待できます[1][9]。

日本ではAHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸回数)が20以上のOSA患者に保険適用が認められており、有効かつ実績のある治療法です[1]。

 

マウスピース治療(口腔内装置)

軽症〜中等症OSAや、CPAPに抵抗がある場合などでは、マウスピースによる治療が選択肢となります[1][8]。

下顎を前方へ固定する装置を就寝時に装着し、喉の気道を確保する方法で、歯科にて個別に製作します。

CPAPほどの効果は期待できないものの、いびきの軽減や眠気の改善に有効な場合があります[1]。

 

外科的治療

扁桃肥大や鼻中隔湾曲など解剖学的な原因が明確な場合には、手術による根治的治療が検討されることがあります。

口蓋扁桃やアデノイドの切除、軟口蓋の一部を切除するUPPP手術、重度肥満に対する減量手術などが代表例です[1][8]。

侵襲が大きいため慎重な判断が必要ですが、適切な症例では長期的な改善が期待されます。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

SASは放置すれば様々なリスクを招くため、少しでも疑いがあるなら早めの検査・治療が望まれます。

しかし、「忙しくて通院できない」「検査入院が大変そう」と受診をためらう方も少なくありません。

そうした場合にはオンライン診療を活用して、早期に相談や検査を受けることがおすすめです。

森下駅前クリニックでは、スマートフォンやパソコンを通じて医師の診察が受けられるため、地理的・時間的負担を大幅に軽減できます[10]。

 

オンライン診療では、初診から自宅で行う簡易検査の指導、検査結果の説明、そして治療方針の提案まで、一連の流れを遠隔で完結させることも可能です[10]。

CPAP療法が必要な場合は機器の送付から使い方の指導までオンラインでサポートするため、クリニックに足を運ぶ機会を最低限に抑えられます[10]。

また、定期的なフォローアップ診察や機器調整もオンライン中心で行えるため、仕事や家庭の事情で忙しい方でも治療を継続しやすくなるでしょう。

 

「最近、いびきがひどい」「起床時の頭痛や日中の眠気が気になる」など思い当たる症状がある方は、放置せず専門医に相談してください。

オンライン診療を含めた多様な受診手段を活用すれば、早期発見と早期治療がスムーズに進められます。

SASに対する適切なケアを行うことで、合併症リスクを下げ、日々の疲れや眠気から解放される可能性があります。

まずはお気軽に、森下駅前クリニックのオンライン診療(https://morishitaekimae.com/online/)をご利用ください。

 

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引用文献

[1] 日本呼吸器学会. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020.
[2] Mayo Clinic. “Obstructive sleep apnea – Symptoms and causes.”
[3] Jehan S, et al. “Obstructive sleep apnea and stroke.” Sleep Med Disord. 2018;2(5):120-125.
[4] Zhang L, Samet J. “Cigarette Smoking and Sleep Disturbance.” Nicotine Tob Res. 2022;24(11):1697-1706.
[5] Peppard PE, et al. “The impact of alcohol upon breathing during sleep.” Chest. 2007;131(3): 780-791.
[6] Rana AM, Sankari AG. “Central Sleep Apnea.” StatPearls [Internet]. StatPearls Publishing; 2023.
[7] Durgan DJ, Bryan RM. “Cerebrovascular Consequences of Obstructive Sleep Apnea.” J Am Heart Assoc. 2012;1(4):e000091.
[8] Epstein LJ, et al. “Clinical Guideline for the Evaluation, Management and Long-term Care of Obstructive Sleep Apnea in Adults.” J Clin Sleep Med. 2009;5(3):263-276.
[9] Tasali E, et al. “Obstructive sleep apnea and type 2 diabetes.” Chest. 2008;133(2):496-506.
[10] 森下駅前クリニック公式サイト. 「CPAP専門外来|睡眠時無呼吸症候群のオンライン診療は森下駅前クリニックへ!」https://morishitaekimae.com/online/

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは – 原因・症状・治療・死亡のリスク

  あなたは、夜中に何度も目が覚める、日中に激しい眠気に襲われる、朝起きても頭が痛い…そんな経験はありませんか?

もしかしたら、それは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」のサインかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。

日本人の約4人に1人が睡眠時無呼吸症候群予備軍であるとの推計もあり、決して他人事ではありません。

放置すると、高血圧や糖尿病、さらには脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる重大な病気につながる危険性も。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群の原因、症状、そして命に関わるリスクについて、分かりやすく解説します。

多くの睡眠時無呼吸症候群患者を診てきた医師の経験に基づき、具体的な事例や検査方法、効果的な治療法まで詳細に説明します。

「ただのいびきかな?」と安易に考えていませんか?

もしかしたら、あなたは睡眠時無呼吸症候群予備軍かもしれません。 今すぐ、ご自身の健康状態をチェックし、安心安全な生活を取り戻しましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

皆さんは、睡眠中に呼吸が止まっていると言われたことはありませんか?もしかしたら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が何度も止まる病気です。医学的には、10秒以上息が止まる状態を「無呼吸」といい、1時間に5回以上無呼吸があれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

私は普段、呼吸器内科で多くの睡眠時無呼吸症候群患者さんを診ています。患者さんの中には、初めは「ただのいびきだろう」と軽く考えている方も少なくありません。

しかし、睡眠時無呼吸症候群はただのいびきとは違います。いびきをかく人はたくさんいますが、睡眠時無呼吸症候群の人は、いびきをかいている最中に呼吸が止まってしまうのです。

この無呼吸は、場合によっては1分以上続くこともあり、その間、体には酸素が行き渡りません。酸素不足は体に大きな負担をかけ、朝起きた時の頭痛や日中の強い眠気、集中力の低下などの症状を引き起こします。

また、睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、糖尿病、高血圧症などの様々な病気のリスクを高めることも知られています。放置すると命に関わることもある恐ろしい病気なのです。

睡眠時無呼吸症候群は、肥満、小さい顎、舌の根元が落ち込む、飲酒、睡眠薬の使用などが原因で起こることがあります。

さらに、鼻炎などで鼻が詰まっている方も睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。お子さんの場合は、アデノイドや扁桃が大きいことが原因となることもあります。

「もしかして私も睡眠時無呼吸症候群?」と思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。 簡易型の検査機器を自宅で使って、寝ている間の呼吸の状態をチェックすることも可能です。

きちんと治療すれば、症状が改善し、健康な生活を取り戻せる可能性が高まります。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。

この「無呼吸」状態は、気道が狭くなる、もしくは閉塞することで起こります。

睡眠時無呼吸症候群は大きく分けて、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」「中枢性睡眠時無呼吸症候群」の2種類に分けられます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、文字通り空気の通り道である気道が物理的に塞がってしまうことで起こります。

肥満の方は、首回りの脂肪が気道を圧迫しやすいため、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。私自身も外来で、BMIが高い方が睡眠時無呼吸症候群と診断されるケースを多く見てきました。

また、扁桃腺が肥大しているお子さんも気道が狭くなりやすいため、睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。特に、アデノイドも同時に大きいお子さんは、鼻呼吸がしづらいため、口呼吸になりやすく、舌が喉の方に落ち込みやすいため、無呼吸になりやすいです。

さらに、あごが小さい方は、舌が喉の方に落ち込みやすく、気道を塞ぎやすいため睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向があります。 鼻づまりも睡眠時無呼吸症候群の原因の一つです。鼻が詰まると口呼吸になり、舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、気道が狭まり、無呼吸を引き起こしやすくなります。

アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの持病がある方は、特に注意が必要です。 飲酒や睡眠薬の使用も、気道の筋肉を弛緩させるため、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めます。寝る前の飲酒は特に注意が必要です。

 

一方、中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳から呼吸の指令がうまく伝達されないことが原因で起こります。

これは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは全く異なるメカニズムです。脳卒中や心不全などが原因となることもありますが、詳しいメカニズムはまだ完全には解明されていません。 閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群の鑑別は、医療機関で精密検査を受けることで可能です。

睡眠時無呼吸症候群の原因となるリスク因子としては、肥満、男性、年齢、顔の形、家族歴、喫煙、飲酒など、様々なものが挙げられます。これらのリスク因子に複数当てはまる方は、特に睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いと言えるでしょう。

例えば、40代男性でBMI30以上、かつ毎晩晩酌をする方は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが非常に高いと言えます。

このような方は、早めに医療機関を受診し、検査を受けることをお勧めします。 睡眠時無呼吸症候群は適切な治療を行うことで、症状を改善し、生活の質を高めることができます。少しでも気になる症状がある方は、放置せずに医療機関に相談しましょう。

【関連記事】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因とは?原因と対策

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状は、大きく分けて「睡眠中の症状」「日中の症状」の2つにカテゴライズできます。

睡眠中の症状で最も特徴的なのは、大きないびきです。

これは、上気道が狭くなっているために空気がスムーズに通らず、振動を起こすことで発生します。私の患者さんの中には、家族に「機関車のような音だった」と表現された方もいらっしゃいました。

いびきの音は、上気道の狭窄の程度によって変化します。 そして、この大きないびきの後に続くのが「無呼吸」です。これは、文字通り呼吸が止まっている状態です。無呼吸の状態は、周囲の人から指摘される場合もありますが、自分ではなかなか気づくことができません。

「無呼吸」状態は、10秒以上続くこともあります。この間、身体は酸素不足に陥り、様々な臓器に負担がかかります。

また、無呼吸の後に突然大きないびきとともに呼吸が再開することもあります。これは、脳が酸素不足を感知し、呼吸を再開させるための反応です。

日中の症状は、睡眠中の無呼吸によって引き起こされる酸素不足と睡眠の質の低下が原因で現れます。 最も代表的な症状は、日中の強い眠気です。会議中や運転中に強い眠気に襲われる、という患者さんも少なくありません。

このような状態は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、事故のリスクを高めることにも繋がります。

その他にも、朝起きた時の頭痛、集中力の低下、倦怠感、イライラしやすくなるなどの症状が現れることもあります。これらの症状は、一見睡眠時無呼吸症候群とは関係ないように思えるかもしれません。

しかし、実は睡眠中の無呼吸が原因となっているケースも多いのです。 これらの症状は、風邪や寝不足など、他の原因でも起こりうることから、睡眠時無呼吸症候群との鑑別が難しい場合があります。

そのため、簡易型アプノモニターやポリソムノグラフィー(PSG)などの検査が必要となるケースもあります。

PSGは、脳波や筋電図、眼球運動、心電図、呼吸状態、血液中の酸素濃度などを同時に計測する精密検査です。この検査により、睡眠中の無呼吸の有無や重症度、睡眠の質などを客観的に評価することができます。

また、STOP-BANG質問票を用いて睡眠時無呼吸症候群のリスクを評価することも可能です。これは、いびき、日中の眠気、息苦しさによる夜間覚醒、高血圧、BMI、年齢、首周り、性別の8つの項目から睡眠時無呼吸症候群のリスクを評価するものです。

これらの質問に3つ以上当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いため、医療機関への受診をおすすめします。

特に、肥満、小さい顎、舌の根元が落ち込む、飲酒、睡眠薬の使用などのリスク因子がある方は、注意が必要です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方(治療)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法は、軽症から重症まで、様々な段階があり、その重症度や原因、患者さんのライフスタイルによって最適な治療法は異なります。

大きく分けると、生活習慣の改善、CPAP療法、口腔内装置、手術療法などがあり、これらを単独、あるいは組み合わせて治療を行います。

まず、全ての患者さんに共通して行うべきなのが生活習慣の改善です。これは睡眠時無呼吸症候群治療の基礎となる部分であり、他の治療法と並行して行うことで、より大きな効果が期待できます。

具体的には、肥満の方はダイエットに取り組み、適正体重を目指します。BMIが25を超えている方は、まずはBMI25未満を目指しましょう。

目標達成のために、管理栄養士による栄養指導を受けるのも有効です。 また、寝る前の飲酒は気道の筋肉を弛緩させ、無呼吸を悪化させるため、控えるようにしてください。

日頃から晩酌の習慣がある方は、それを我慢するのは大変かもしれませんが、健康のためには必要なことです。

私の患者さんの中には、晩酌をやめることで睡眠時無呼吸症候群の症状が劇的に改善した方もいらっしゃいます。

規則正しい睡眠時間を確保することも重要です。睡眠不足は睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させるだけでなく、日中の眠気や倦怠感などの原因にもなります。毎日同じ時間に寝起きし、睡眠時間を7時間程度確保するように心がけましょう。

適度な運動も効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、肥満の解消に役立つだけでなく、心肺機能の向上にも繋がります。週に3回、30分程度の運動を目標に、無理のない範囲で継続することが大切です。

次に、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の方に推奨されるのがCPAP(シーパップ)療法です。これは、鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を広げ、無呼吸を防ぐ治療法です。CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群の治療において最も効果的な方法の一つであり、多くの患者さんで症状の改善が見られます。

CPAP療法は、まるで就寝時に酸素ボンベを装着するようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際には小型で静音性に優れた装置を使用するため、睡眠を妨げることはありません。

しかし、マスクの装着に慣れるまで時間がかかる方もいるため、最初は医師や看護師の指導を受けながら、徐々に慣れていくことが大切です。 軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群の方には、口腔内装置(マウスピース)による治療も選択肢の一つです。

これは、寝る時に装着するマウスピースで、下顎を前に出し、気道を広げることで無呼吸を防ぎます。CPAP療法に比べて手軽であることがメリットですが、効果はCPAP療法に劣るため、重症の睡眠時無呼吸症候群には適応されません。

最後に、手術療法についてです。

扁桃腺肥大や鼻中隔弯曲症など、睡眠時無呼吸症候群の原因となっている 器質的な異常を手術で改善します。 これらの治療法は、患者さんの状態に合わせて単独、あるいは組み合わせて行われます。

例えば、肥満があり、中等症の睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんの場合、まずは生活習慣の改善とCPAP療法を並行して行い、経過を見ながら治療方針を調整していきます。

【関連記事】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法 | 改善するための治し方・対処法

睡眠時無呼吸症候群のCPAP(シーパップ)治療とは?

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると死亡するリスクがある?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、決して軽視できない病気です。睡眠時無呼吸症候群の最大の問題点は、睡眠中の無呼吸により、体に酸素が行き渡らなくなることです。

酸素は、体中の細胞が活動するためのエネルギー源です。酸素が不足すると、全身の臓器、特に心臓や脳といった生命維持に不可欠な臓器に深刻なダメージを与えます。

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、不整脈、心不全、脳梗塞、脳出血、糖尿病の悪化など、様々な合併症のリスクを高めます。

また、日中の強い眠気は、居眠り運転による交通事故の危険性を高めるだけでなく、仕事中の集中力低下やミスにもつながります。

さらに、睡眠時無呼吸症候群は自覚症状がない場合もあります。そのため、家族やパートナーにいびきや無呼吸を指摘された場合は、たとえ自覚症状がなくても、医療機関を受診することが重要です。

「自分は大丈夫」と安易に考えず、睡眠時無呼吸症候群の危険性をきちんと認識し、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療によって症状が改善し、合併症のリスクを軽減できます。少しでも気になる症状がある方は、ためらわずに専門医に相談してください。

【関連記事】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化すると死亡する?原因や生存率・寿命について解説

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる病気です。

単なる「いびき」と安易に考えて放置すると、高血圧や糖尿病、さらに恐ろしい脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる合併症のリスクを高める危険性があります。

「もしかして自分も睡眠時無呼吸症候群?」と感じたら、まずはオンライン診療で相談してみませんか?

オンライン診療は、自宅からパソコンやスマートフォンを使って医師の診察を受けられる便利なシステムです。病

院に行く時間がない、感染症リスクが気になる、といった方にもおすすめです。 オンライン診療では、検査結果の説明や治療方針の相談も可能です。

睡眠時無呼吸症候群の治療法は、患者さんの状態に合わせてオーダーメイドで決定されます。

生活習慣の改善指導、CPAP(シーパップ)療法、口腔内装置(マウスピース)、手術など、様々な選択肢があります。

オンライン診療を活用すれば、通院の負担を軽減しながら、質の高い医療を受けることができます。

睡眠時無呼吸症候群の早期発見・早期治療は、あなたの健康を守る上で非常に重要です。

少しでも気になる症状があれば、まずは気軽にオンライン診療で相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

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予防

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症状

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傾向

疑い

 

 

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状をわかりやすく解説!自分でできる症状チェックリスト付き

あなたは、「最近なんだか疲れが取れないな」「日中、眠くて仕方ない」と感じていませんか?

実はそれ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。

SASは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、日本人の約60人に1人が抱えているとも言われています。

自覚症状がない場合も多いSASですが、放置すると、日中の眠気による仕事や勉強の効率低下だけでなく、心臓病や脳卒中などのリスクを高める可能性も指摘されています。

この記事では、SASの症状やセルフチェックリスト、治療法まで詳しく解説しているので、ぜひご自身や周りの方の健康チェックにお役立てください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いあり?!自分でできる症状チェックリスト

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」って、なんだか難しそうな病気の名前ですよね?

でも、実は日本人にはとても身近な病気で、もしかしたらあなたの周りの人にも、悩んでいる人がいるかもしれません。

例えば、お昼ご飯を食べた後、あなたの隣で大きな音を立てていびきをかいている同僚はいませんか?

もしくは、会議中にウトウトしてしまい、上司に注意されている人は? もしかしたら、それはただの疲れではなく、SASのサインかもしれません。

SASは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。 呼吸が止まることで、身体は酸素不足の状態になってしまいます。

以下のチェックリストを確認して、当てはまる項目があるかチェックしてみましょう。

複数ある場合は睡眠時無呼吸症候群の疑いありです。

 

  • 口やのどの渇き
  • 熟眠感がない
  • 居眠り
  • 性的な疲労感
  • 集中力の低下

それぞれの症状については次の章で詳しく解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な症状

睡眠時無呼吸症候群(SAS)かな?と気になる症状がある方は、下記の症状に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

 

口やのどの渇き

朝起きたときに、口やのどがカラカラに乾いている、なんてことはありませんか?これは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状の一つです。

睡眠中に呼吸が止まると、無意識のうちに口で呼吸をするようになります。これは、例えるなら、鼻が詰まって苦しい時に、口でハァハァと息をするのと同じ状態です。 健康な人は、寝ている間も鼻で呼吸をしています。

しかし、SASの人は、空気の通り道である気道が、まるで潰れたストローのように狭くなってしまい、鼻呼吸が難しくなります。その結果、口呼吸になるため、口やのどが乾燥してしまうのです。

また、睡眠中に何度も目が覚めてしまうため、その度に水分補給をする習慣がある人もいるかもしれません。しかし、これは根本的な解決にはなりません。口やのどの渇きが気になる場合は、医療機関を受診して相談してみましょう。

 

熟眠感がない

「朝起きてもスッキリしない」「なんだか疲れが取れない」と感じていませんか? これは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって、睡眠の質が低下しているサインかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)になると、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまい、その度に脳が覚醒してしまいます。 深い眠りが得られず、脳が休息できないため、朝起きても熟睡感が得られず、「眠った気がしない」「日中も眠たい」といった症状が現れやすくなります。

 

居眠り

会議中や運転中など、起きていなければならない場面で強い眠気に襲われることはありませんか? 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんは、日中の眠気を訴える方が多くいらっしゃいます。

これは、SASによって睡眠の質が低下し、脳がしっかりと休むことができないためです。 脳が疲れた状態になると、まるで充電切れのバッテリーのように、集中力や注意力が低下してしまいます。

例えば、運転中に眠気が襲ってしまい、事故につながりかねないケースや、仕事中に集中力が続かず、ミスが増えてしまうケースも考えられます。

居眠りは、自分だけでなく、周囲の人にも危険を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

 

性的な疲労感

性的な疲労感を感じやすくなったと感じていませんか? 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、性欲の減退やED(勃起不全)などの性的機能障害のリスクを高める可能性があります。

これは、SASによって引き起こされる睡眠不足や低酸素状態が、男性ホルモンの分泌量を低下させるためと考えられています。

SASの治療によって、性的な疲労感が改善されるケースもあるため、気になる症状がある場合は、医療機関に相談してみることをおすすめします。

 

集中力の低下

仕事や勉強などで集中力が続かない、ミスが増えたと感じていませんか? 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、集中力や注意力の低下を引き起こす可能性があります。

これは、SASによって睡眠の質が低下し、脳が十分に休息できないことが原因と考えられています。 脳が疲弊した状態では、集中力や注意力を維持することが難しくなります。処理能力が低下したコンピューターのように、情報処理が追いつかなくなってしまうのです。

例えば、重要な会議中に集中力が途切れてしまったり、仕事でミスが増えてしまうなどの影響が出やすくなります。集中力の低下は、日常生活や仕事のパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化することのリスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、単なる「いびきがひどい」だけの病気ではありません。

就寝中に呼吸が何度も止まり、体に酸素が十分に取り込めない状態が続くことで、様々な臓器に負担をかけてしまいます。

マラソン選手が酸素マスクなしで走り続けるようなもので、体に大きな負担がかかっている状態と言えるでしょう。

今回は、SASを放置することで高まるリスクについて、心臓、脳、血管、ホルモンなど、様々な視点から詳しく解説していきます。

 

心筋梗塞

SASによって、健常な人と比較して、酸素不足の体に酸素を送り込もうと働き続けなければなりません。まるで、故障しているポンプを無理やり動かして、重い水を汲み上げ続けようとしているようなものです。この状態が続くと、心臓の筋肉は疲弊し、傷ついてしまいます。 やがて、心臓の筋肉は酸素や栄養を十分に受け取ることができなくなり、最悪の場合、心筋梗塞を引き起こすリスクがあります。 後述する高血圧などにより、心筋梗塞のリスクなども上昇することが予想されます。

脳梗塞

脳は、私たちの体の中で最も多くの酸素を必要とする臓器です。しかし、SASによって酸素不足に陥ると、脳は、十分に機能することができなくなってしまいます。 酸素不足が慢性的に続くと、脳の血管は徐々にダメージを受け、動脈硬化を引き起こしやすくなります。動脈硬化は、脳梗塞のリスクを高めるだけでなく、認知機能の低下にもつながると言われています。 後述する高血圧などにより、脳梗塞のリスクなども上昇することが予想されます。

高血圧

健康な人であれば、睡眠中は血圧が低下し、心臓や血管を休ませることができます。しかし、SASの人は、睡眠中も血圧が下がりきらず、むしろ高くなることが珍しくありません。 これは、SASによって引き起こされる酸素不足を解消しようと、体が必死に働こうとするためです。酸素を運ぶために、心臓はより多くの血液を送り出そうと、心拍数を上げ、血管を収縮させます。この結果、血圧が上昇してしまうのです。 高血圧は、自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると、血管に大きな負担をかけ続け、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。

不整脈

不整脈の中には、自覚症状がほとんどないものもありますが、動悸や息切れ、めまいなどを引き起こすものもあります。また、重症化すると、心不全や脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす可能性もあります。

糖尿病

インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギーとして利用するために重要なホルモンです。しかし、SASによって、このインスリンの働きが阻害されてしまうことがあります。   SASによって引き起こされる睡眠不足や低酸素状態は、体に大きなストレスを与え、インスリンの分泌量を低下させたり、働きを悪くしたりする可能性があります。その結果、血糖値が上昇しやすくなり、糖尿病のリスクが高まるのです。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質が過剰に存在する状態を指します。脂質は、私たちの体にとって必要な栄養素ですが、過剰になると、血管の内側に溜まり、動脈硬化を引き起こす原因となります。   SASによって、睡眠不足や低酸素状態が続くと、体内のエネルギー代謝が乱れ、脂質が分解されにくくなることがあります。また、SASの人は、肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を併発しているケースも多く、これらの要因が複合的に作用することで、脂質異常症のリスクを高めていると考えられています。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は死亡につながることもある

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、決して他人事ではありません。

大きないびきや無呼吸を伴う病気というイメージが強いかもしれませんが、実は自覚症状が現れにくく、知らないうちに進行しているケースも多いのです。

潜在的な患者数は約200万人以上と推定されており、これは日本人全体の約60人に1人がSASを抱えている可能性があるということを意味しています。

SASの恐ろしさは、その影響が睡眠中にとどまらず、日中の生活にも大きな影を落とすことにあります。例えば、日中の強い眠気は、仕事や勉強の効率を低下させるだけでなく、自動車の運転中に襲ってくる場合は重大な事故に繋がりかねません。

さらに、SASを放置すると、心臓や血管に大きな負担がかかり続け、「心筋梗塞」や「脳梗塞」といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。これは、睡眠中に呼吸が止まることで、体が低酸素状態に陥るためです。この状態が慢性的に続くことで、血管が傷つき、動脈硬化が進行しやすくなるのです。

また、低酸素状態と睡眠不足が重なることで、体内のホルモンバランスが乱れ、「糖尿病」や「脂質異常症」といった生活習慣病のリスクも高まります。まるで、体が少しずつ蝕まれていくように、様々な病気の引き金となってしまうのです。

ご自身やパートナーのいびき、日中の強い眠気など、気になる症状がある方は、軽く考えずに、まずは専門医に相談することをおすすめします。早期発見・早期治療によって、健康な毎日を取り戻せる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方・治療方法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は、患者さん一人ひとりの症状や重症度、そして原因に合わせて、最適な方法を組み合わせることが重要です。

多くの方に有効とされているのが、「CPAP(シーパップ)」という装置を使った治療法です。

CPAPは、鼻に装着したマスクを通して空気を送り込み、気道を広げて呼吸を楽にする装置です。

その他、顎の骨格が小さいことが原因で気道が狭くなっている場合には、マウスピースを装着して気道を広げる治療法もあります。これは、就寝時に歯に装着するマウスピースによって、下あごを少し前に出すことで気道を確保するもので、歯科矯正器具に似た役割を果たします。

さらに、扁桃腺肥大やアデノイド肥大が原因の場合は、手術によってこれらの組織を切除することもあります。これは、気道の物理的な障害を取り除くことで、呼吸をスムーズにする効果があります。

このように、SASの治療法は多岐に渡り、どの治療法が適切かは、医師による診察や検査結果に基づいて判断されます。自己判断で治療法を選択せず、まずは専門の医療機関に相談することが大切です。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝起きた時に、口の中がカラカラになっている」といった症状はありませんか? もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。

近年では、自宅にいながら診察を受けられるオンライン診療も普及しており、SASの相談も可能です。 オンライン診療であれば、病院へ行く時間や手間を省きながら、ご自身のペースで専門医に相談できます。

スマートフォンやパソコンがあれば、場所を選ばずに受診できるのも大きなメリットです。 オンライン診療では、医師に睡眠中の様子や日中の症状について詳しく伝えるようにしましょう。

例えば、「家族に、寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」「日中、強い眠気で仕事に集中できない」といった情報は、診断の大きな手がかりになります。

医師の指示に従って、自宅でできる簡易的な検査を行う場合もあります。 一人で悩まず、まずはオンライン診療で専門医に相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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症状

原因

傾向

疑い

 

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化したときの症状と日常生活への影響

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に一時的に呼吸が停止する疾患です。

SASが重症化すると、本記事で解説するような症状や影響が現れることがあります。

心当たりがあれば、お近くの医療機関に相談をしてみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群が重症化したときの症状と日常生活への影響

眠気や集中力低下による交通事故

重症なSASの患者さんは、日中や睡眠中でも眠気を感じやすくなります。これにより、運転中や作業中に眠気に襲われ、交通事故や労働災害につながる可能性が高まります。また、集中力や判断力も低下するため、仕事や学業のパフォーマンスにも影響が出るかもしれません。

循環器疾患

SASによる重症な無呼吸発作は、循環系に負荷をかける要因となります。それにより、高血圧や心不全などの循環器疾患のリスクが高まることが知られています。心臓の負担増加や酸素不足により、心臓や血管にダメージが生じる可能性があるため、定期的な検査や治療が重要です。

頭痛

重症なSASの患者さんは、頭痛を経験することがあります。これは、無呼吸発作によって脳内の酸素が減少し、血管が収縮するためです。頭痛は日中にも現れることがあり、生活の質を低下させる恐れがあります。

夜間の頻尿

SASが重症化すると、夜間に何度もトイレに起きることがあります。これは、無呼吸発作によって交感神経が活発になり、利尿作用が増加するためです。頻尿によって睡眠が妨げられ、疲労感や睡眠不足の原因となるかもしれません。 以上のような症状や影響がSASの重症化と関連していることが知られています。

SASが疑われる場合には、早期に医療機関での診断・治療を受けることが大切です。適切な治療や生活改善を行うことで、症状の緩和や日常生活への影響の軽減が期待できます。詳細な検査や治療方法については、担当の医師に相談してください。

 

 

睡眠時無呼吸症候群の重症度がわかる指標「AHI」

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に一時的な呼吸停止や低呼吸が繰り返される状態です。SASの重症度は、Apnea-Hypopnea Index(AHI)という指標で評価されます。

AHIは睡眠中に呼吸の一時的な停止(Apnea)や低下(Hypopnea)がどれだけ頻繁に起こるかを表します。基本的には簡易検査や精密検査で示される指標で、後述するように睡眠時無呼吸症候群の重症度分類に用いられます。

AHIが40以上の場合、CPAPを使用した治療が検討されます。

AHIの計算には、以下の2つの要素が含まれます。まず、睡眠中に起こるApneaやHypopneaの数を数えます。具体的には、10秒以上の呼吸停止や30%以上の呼吸低下が起こることを1回としてカウントします。そして、その回数を1時間あたりの睡眠時間で割ってAHIを算出します。

AHIの値によってSASの重症度を分類する基準があります。通常、以下のように分類されます。

  • 軽度:AHI 5〜15
  • 中等度:AHI 15〜30
  • 重度:AHI 30以上

SASの重症度がわかるAHIは、診断後の治療方針や予後の予測にも役立ちます。重症度が進行すると、より症状が重くなり、日常生活への影響も大きくなります。

また、重度のSASは合併症のリスクも高まり、生存率が低下する可能性もあります。 例えば、重症度が進行している場合、以下のような症状や日常生活への影響が現れることがあります。

  • 日中の強い眠気や疲れ
  • 集中力や記憶力の低下
  • 夜間の頻尿や口や喉の渇き
  • 口呼吸やいびきの悪化
  • 頭痛や不安感の増加

SASの重症度に応じた治療や対処方法があります。

軽度の場合は、生活習慣の見直しや体重の管理が重要です。

中等度や重度の場合は、口腔内装置や陽圧呼吸療法(CPAP)などの装置を使用することが一般的です。

治療効果や効果の持続性は個人差がありますが、適切な治療により症状の改善が期待できます。 SASの治療期間や効果、個人差に関しては、患者の症状や状態によって異なります。

また、重症度や合併症のリスクについても特定の数値や割合を一般化することは難しいです。それぞれの患者に合わせた適切な治療計画を立てるために、定期的な専門医の診察やフォローアップが必要です。

睡眠時無呼吸症候群の重症度に関わる重要な指標であるAHIを理解することは、SASの治療や日常生活の向上に役立ちます。専門医の診断と適切な治療計画を立てるために、定期的なフォローアップとコミュニケーションが重要です。

また、注意深く治療を行い、予後や合併症のリスクを最小限に抑えるためにも、定期的な健康管理が必要です。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)が重症化した際の治療方法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が停止することで特徴付けられる疾患です。SASが重症化すると、症状や生活への影響が増大します。ここではSASが重症化した場合の治療方法について詳しく説明します。

CPAP(シーパップ)療法

CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure)は、SASの一般的な治療方法としてよく用いられます。AHIが40以上の方で、対象になります。 この方法では、患者の気道に正常な圧力を維持するために、マスク型の装置を使用します。 CPAP療法には、以下のようなメリットがあります。

  • 患者が正常な呼吸を続けることができるため、睡眠中の呼吸停止や低呼吸を減らすことができます。
  • 睡眠の質を向上させることにより、昼間の眠気や疲労感を緩和することができます。
  • 睡眠時無呼吸症候群による心臓や脳の負担を減らすことができます。

CPAP療法は、個々の患者の病状や重症度に合わせてカスタマイズされます。医師による正確な診断を受け、適切なCPAP装置の選択と調整が必要です。

マウスピース療法

マウスピース療法は、簡易検査や精密検査の結果、CPAP治療が適応ではないSASの軽度または中等度の治療法として使用されることがあります。この方法は、特殊なマウスピースを使用して気道を開放することで、気道の閉塞を防ぐものです。

マウスピース療法には、以下のようなメリットがあります。

  • 無呼吸発作や低呼吸発作を軽減することができます。
  • 眠りの質を改善し、昼間の眠気や疲労感を軽減することができます。
  • CPAP療法と比べて簡便な治療法であり、持ち運びも容易です。

マウスピース療法は、個々の患者の病状や口腔構造に合わせて作成されます。この療法を受けるためには、歯科医師や口腔顎顔面外科医との相談が必要です。

以上、SASが重症化した場合の治療方法について説明しました。重症度に応じて、CPAP療法やマウスピース療法などが適切に選択されます。

具体的な治療方法や調整については、専門医との相談が重要です。治療は患者の病状や特性に基づいて個別に行われるため、適切な治療法を見つけるためにも専門医の指導を受けることをおすすめします。

 

睡眠時無呼吸症候群が重症化する前に、まずはオンライン診療へ

睡眠時無呼吸症候群は自分自身では気づくことが難しい病気でもあります。家族や周りの方に指摘されたなど、もし睡眠時無呼吸症候群の症状に不安を抱えている方は、オンライン診療を利用して専門医のアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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