睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査入院とは?治すには入院が必要なの?

「最近、どうも疲れが取れない」「日中、強烈な眠気に襲われる」と感じていませんか?

もしかしたら、それは睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」のサインかもしれません。

SASは、決して他人事ではありません。成人の約3人に1人が潜在的に抱えている可能性があると言われています。

 

例えば、こんな経験はありませんか?

  • 「昨日のいびき、すごかったよ!」と家族から指摘される:SASの患者さんの多くは、大きないびきをかきます。これは、狭くなった気道に無理やり空気を送り込もうとすることで、喉の奥が振動するためです。まるで、細いストローで勢いよくジュースを吸うような状態です。
  • 朝起きても、頭がスッキリしない:睡眠中に呼吸が止まることで、脳が酸素不足に陥り、質の高い睡眠が得られません。結果として、起床時の頭痛や倦怠感を引き起こすことがあります。
  • 日中の会議中、睡魔に襲われる:SASの患者さんは、日中に強い眠気や集中力の低下を感じることがあります。これは、睡眠不足が慢性化しているためです。

これらの症状に心当たりがある方は、SASの可能性があります。

SASは、適切な治療を行わないと、高血圧や糖尿病、心臓病などのリスクを高めることが、近年の研究で明らかになってきました。

早期発見・早期治療が重要です。ぜひ、医療機関を受診して相談してみましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合は検査入院が必要?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断には、精密検査が必要です。多くの場合、この精密検査は一晩病院に泊まって行われます。睡眠中の呼吸の状態を詳しく調べるためです。

ですが、現在は精密検査も自宅でできるようになりました。つまり、必ずしも入院が必要ではないということです。

検査入院が必要かどうかは、患者さんによって異なり、一概には言えません。日中の眠気や倦怠感といった自覚症状の程度、肥満や高血圧などの合併症の有無、そして簡易検査の結果などを総合的に判断します。

 

一般的な睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査の流れ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査は、まるで探偵が事件を解決するような、段階的なプロセスを経て行われます。

 

① まずは「手がかり」を探す「簡易検査」

最初のステップは、自宅でできる簡易検査(PG検査)です。これは、指に装着する小さな機械が、睡眠中の呼吸や血中酸素の状態を記録します。

例えるなら、指先にいる小さな探偵が、寝ている間の体の変化を観察してくれるようなものです。

この検査でSASの可能性が示唆された場合、より精密な検査に進みます。

② より徹底的に検査する「精密検査」

精密検査は脳波や心電図、呼吸の状態など、様々な角度から体の状態をモニタリングします。今までは、1泊入院して行う検査が主流ではありましたが、現在は自宅でも可能となり、より利便性が増しました。

最近の研究1では、成人の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診療ガイドラインの質を評価しており、検査の重要性も強調されています。

適切な検査と診断は、患者さんにとって最適な治療法を選択する上で非常に重要です。

 

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『自宅でできる簡易検査』と『検査入院』の違い

「自宅でできる簡易検査」は、文字通り自宅で手軽にできる検査です。指に洗濯バサミのような小さな機械を挟んで寝るだけで、睡眠中の呼吸の状態(呼吸が止まっていないか、いびきがうるさくないかなど)を測ることができます。

費用も比較的安く、検査結果が出るまでの時間も短いというメリットがあります。 しかし、これはあくまでも簡易的な検査です。精密な検査結果が出ない場合があり、SASの確定診断には不向きです。

 

一方、「検査入院」は、病院に一晩泊まって、より詳しい検査を受ける方法です。

脳波や心電図、呼吸の状態などを同時に測定することで、SASの重症度や原因を詳しく調べることができます。

この検査入院は、より正確な診断結果を得ることができるというメリットがある反面、費用が高額になりやすいことや、入院の手間がかかるというデメリットもあります。

前述したように、今では、この検査入院と同様の検査が自宅でできるようになったため、わざわざ入院する必要性はなくなったと言えます。

検査を受ける際には、医師に相談して、自分に合った検査方法を選びましょう。

 

検査入院の費用

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査入院。一体いくらかかるのか、不安になりますよね。費用は、入院日数、個室か相部屋かによって変わります。

精密検査自体は、保険点数が定められており、概ね約1万〜3万程度となります。

これらの検査費用は、健康保険が適用されます。3割負担の方であれば、費用の3割を負担することになります。仮に検査費用が10万円だった場合、自己負担額は3万円になります。

しかし、高額な医療費がかかった場合には、高額療養費制度を利用することで、自己負担額をさらに抑えることができます。これは、一定額以上の医療費を支払った場合に、その超過分が払い戻される制度です。

 

検査入院の流れ

ここでは検査入院の流れを具体的にイメージしやすいように、病院での1泊2日を例にお話していきます。 まずは病院で入院の手続きを済ませます。

睡眠中の脳波や呼吸状態、心拍数、血中酸素濃度などを測定するためのセンサーを体に装着します。 これらのセンサーを通して、睡眠中に身体で何が起きているのかを詳しく調べます。 検査後はセンサーを取り外し終了です。

当日には検査結果はでないため、結果を聞きに外来受診が必要なケースがほとんどです。

検査結果に基づいて、睡眠時無呼吸の重症度やその後の治療方針(CPAP療法など)について説明を受けます。 睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、自宅での生活改善のアドバイスも受けられます。 疑問や不安なことがあれば、遠慮なく医師や看護師に相談するようにしましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「最近、寝ている間の呼吸がおかしいって家族に言われた…」「日中、強烈な眠気に襲われることがある…」と感じていませんか?

もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。

SASは、文字通り睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。例えるなら、寝ている間に体が「電池切れ」を起こしてしまい、呼吸をすることを忘れてしまうような状態です。そして、この状態が長く続くと、高血圧や糖尿病などの深刻な病気を引き起こすリスクも高まります。

そこで、近年注目されているのがオンライン診療です。

仕事や家事などで忙しい方でも、自宅にいながら専門医に相談することができます。 例えば、「仕事で疲れてしまって、なかなか病院に行く時間がない…」という方でも、オンライン診療であれば、空いた時間にスマホやパソコンを使って気軽に相談できます。

これは、まるで家にいながら専門医に往診してもらっているような感覚と言えるでしょう。

オンライン診療では、あなたの症状を詳しくヒアリングし、SASの疑いがあるかどうかを判断します。さらに、自宅でできる簡単な検査キットをご紹介したり、状況に応じて医療機関での検査をご案内したりすることも可能です。

「病院に行くのはちょっと気が引ける…」「まずは、どんな病気か知りたい…」という方は、ぜひオンライン診療をご活用ください。

簡易検査、精密検査ともに自宅でできるため、入院する手間はなくなるかもしれませんね。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は何科で診てもらう?受診先と診断の流れを解説

睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すればいい?

 

睡眠時無呼吸症候群(SASは、寝ている間に呼吸が何度も止まる病気で、日本でも決して珍しくありません[1]

放置すると高血圧や心疾患など様々な合併症リスクを高め、重症の場合は死亡率が健常者の2.6倍に上るとの報告もあります[2]

そのため、「もしかしてSASかも?」と感じたら早めに医療機関を受診することが重要です。では具体的に何科を受診すれば良いのでしょうか。

SASの検査や治療を行っている診療科はいくつかありますが、主に以下のような科が中心となります[3]。

呼吸器内科

SAS治療の中心となる科です[4]

睡眠中の呼吸障害を専門的に評価・治療でき、精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査など)やCPAP療法にも対応できます[5]

耳鼻咽喉科

鼻づまりや扁桃肥大など上気道の構造的な問題が疑われる場合に適しています。

手術による根本治療(例:扁桃摘出、鼻中隔の矯正)を含め検討できます[6][7]

特にいびきが強い方や鼻の通りが悪い方はまず耳鼻咽喉科での評価が有用です。

内科(一般内科)

明確な専門科が分からない場合は、まずはかかりつけの内科でも相談できます。

内科では高血圧や糖尿病など生活習慣病を合併していないか総合的にチェックしてくれます[8]

健康診断で「睡眠時無呼吸の疑い」を指摘された場合も、紹介状をもらって専門科へつないでもらう入口として内科受診が役立ちます[9]

専門の睡眠外来・睡眠センター

病院によっては「睡眠時無呼吸症候群外来」や睡眠センターといった専門施設があります。

これらでは簡易検査から精密検査(PSG)まで設備が整い、睡眠専門医が診療にあたります[10]

東京や千葉など都市部にはSAS専門外来を設置した病院も多く、ネット上で「睡眠時無呼吸症候群の治療が受けられるおすすめ病院○選」といった形で紹介されていることもあります[11][12]

 

以上のように、症状や原因によって受診すべき診療科が異なります[3]。次章では、それぞれの診療科の特徴や役割について詳しく見てみましょう。

 

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診療科ごとの特徴と役割

 

呼吸器内科|SAS診療の中心・CPAP治療も可能

呼吸器内科は肺や気道など「呼吸」に関わる臓器の専門科で、睡眠時無呼吸症候群の診療において中心的な役割を担います[4]

睡眠中の呼吸状態を総合的に評価できる知識・経験を持つ医師が多く、簡易検査から精密検査(PSG検査)、診断後のCPAP療法まで一貫して対応できるのが強みです[5]

実際、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)は中等度~重症SASに対する標準的治療法であり[13][14]、呼吸器内科ではその導入から使用方法の指導、療法の管理まで専門的サポートを受けることができます[14]

また、呼吸器内科医は慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息など呼吸器の持病を抱える患者さんのSAS診療にも慣れており、そうした呼吸器疾患を合併している場合にも適しています。

典型的なSASの症状(いびき、無呼吸の目撃、日中の強い眠気など)がある方や、肥満・高血圧・糖尿病といった生活習慣病を持つ方は、呼吸器内科を受診すると必要な検査・治療を一貫して受けられるでしょう[5][9]

 

耳鼻咽喉科|鼻や喉の構造的問題の評価・外科的治療も可能

耳鼻咽喉科は鼻腔や咽頭など上気道の構造的異常に起因する睡眠時無呼吸症候群の診療で力を発揮します[15]

SASの原因として扁桃肥大(扁桃腺が大きい)、アデノイド増殖鼻中隔湾曲症(鼻中隔のゆがみ)や慢性的な副鼻腔炎による鼻づまり等がある場合、耳鼻咽喉科での治療が効果的です[7]

実際に、小児のSASではアデノイドや扁桃の肥大が主因となることが多く、耳鼻科での扁桃摘出術・アデノイド切除術によって症状が著明に改善する例も報告されています[16]

成人でも明らかな上気道狭窄が疑われる場合やいびきがひどく鼻呼吸が困難な場合には、耳鼻咽喉科で評価を受けることで外科的治療による根本的改善の可能性を探ることができます[6][17]

耳鼻咽喉科の医師は鼻・喉の状態を詳しく診察し、必要に応じてCT検査などで気道狭窄の部位を確認した上で、手術が適切かあるいはCPAPなど内科的治療がよいかといった方針を立ててくれます[6]

したがって、いびき主体でSASが疑われる方鼻づまり・扁桃肥大など上気道の異常を指摘された方は、耳鼻咽喉科受診も検討するとよいでしょう。

 

内科|全身の健康管理と他科への橋渡し役

一般内科は体全体の健康を幅広く診る科で、「まずは相談したい」という場合に適した受診先です。

近年、生活習慣病の管理や睡眠障害に力を入れるクリニックも増えており、内科でSASのスクリーニング検査(問診や簡易検査)を行っている場合もあります[18]

内科医は高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病の合併の有無を調べたり、他に隠れた病気がないか総合的に判断してくれるため、SASに伴う合併症リスクの管理まで含めて相談できる点がメリットです[8][9]

実際、睡眠時無呼吸症候群の約50%は高血圧を合併し、特に中年男性の高血圧患者の30%近くにSASがみられるとの報告があります[9]

SAS治療により血圧が改善するケースもあるため、高血圧や糖尿病などをお持ちの方は内科でそれらも含めて相談すると一石二鳥でしょう[9]

また、健康診断でSASの疑いを指摘された場合や、どの科に行くべきか迷う場合も、まず内科を受診すれば適切な専門科へ紹介してもらえます。

内科はSAS診療への入口としての役割も果たしており、「まずは気軽に話を聞いてほしい」という方に向いています[19]

 

(※この他、SASは循環器内科(心臓専門医)や神経内科、歯科口腔外科、精神科など複数の分野にまたがる病気でもあります[20]。心不全や不整脈など心臓への影響が強い場合は循環器内科、うつ症状や不眠を合併する場合は精神科、マウスピース治療を希望する場合は歯科といったように、それぞれ専門領域での診療が必要になるケースもあります。ただし一般的な閉塞性SASの診療は前述の呼吸器内科・耳鼻咽喉科・内科が中心です[21])

 

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受診の流れと検査内容

 

睡眠時無呼吸症候群が疑われて医療機関を受診すると、診察から検査、治療までおおまかに以下のような流れで進みます。

それぞれの段階で何をするのか確認しておきましょう。

 

問診と症状の確認

まず医師による詳しい問診が行われます。現在の症状(いびきの有無・程度、無呼吸の目撃、日中の眠気や集中力低下など)や生活習慣について質問されるほか、過去の病歴や家族歴も確認します。

特に「日中の強い眠気」「寝ている最中の激しいいびき・呼吸停止を指摘されたこと」「高血圧を指摘されている」などはSASを強く疑う手がかりとなるため重視されます[22]

必要に応じてエプワース眠気尺度(ESS)など眠気の自己評価問診票を実施することもあります。

問診により「SASの可能性が高い」と判断されれば、次の検査ステップへと進みます。

 

睡眠時の簡易検査(スクリーニング検査)

SASの疑いが濃厚な場合、まず簡易検査と呼ばれるスクリーニング検査を行います。

これは自宅でできる場合も多く、入院せずに携帯用の検査装置を使って一晩睡眠中の呼吸状態を記録するものです[23]

装置は指先の酸素飽和度センサーや鼻の気流センサー、いびきや脈拍を測定するセンサー等を備えた簡易なものですが、自宅で普段どおりに眠りながら検査できる利点があります[23]

記録されたデータから1時間あたりの無呼吸・低呼吸の発生回数(AHI)が算出され、SASの重症度の目安となります。

簡易検査で重症の疑い(AHIが高値)と判定された場合は、その結果をもとに治療方針を立て始めることもあります。

一方、簡易検査で陰性でも症状が強ければ見逃しの可能性があるため、必要に応じてさらに精密検査を行います。

 

精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフ検査)

PSG(ポリソムノグラフィー)検査はSASの確定診断のためのゴールドスタンダード(標準検査)です[24]

身体に多数のセンサーを装着して睡眠中の生体情報を詳細に測定します。

脳波・眼球運動・顎や脚の筋電図による睡眠段階の測定、鼻口の気流、胸と腹部の呼吸努力、血中酸素飽和度、心電図、睡眠中の体位などが記録され[23]、睡眠の深さや無呼吸発生時の状態が詳細に分析されます。

PSG検査により、閉塞性か中枢性かといった無呼吸のタイプや重症度(無呼吸低呼吸指数AHIの正確な値など)が確定し、診断が下ります[22]

精密検査は設備の整った病院で行う必要がありますが、その分確実な診断ができ、他の睡眠障害との鑑別も可能です。

なお、最近ではPSGを在宅で行う「在宅終夜睡眠ポリグラフ検査」があり、当院でも採用しております。

 

診断後の治療(CPAP・マウスピース・生活習慣改善など)

検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、重症度や患者さんの希望に応じて治療方針が決定されます。

中等症~重症の閉塞性SASと診断された場合、まず第一選択となる治療はCPAP療法です[13]

CPAP装置からホースとマスクを介して空気を送り込み、睡眠中に気道が閉塞しないよう陽圧で支える治療法で、適切に使用すれば即座に無呼吸を抑制し日中の眠気などの症状を改善できる非常に有効な治療です[13]

一方、軽症~中等症のSASで「マウスピースで治したい」という希望がある場合や、CPAPがどうしても適応できない場合には、マウスピース、正確には口腔内装置(スリープスプリント)による治療も検討されます[25]

スリープスプリント治療は上下の顎を前方に固定して気道を広げるもので、中等症までであればCPAPの代替となりうる方法ですが、重症SASには効果が不十分なため通常は重症にはCPAPが推奨されます[25]

さらに、SASの治療においては生活習慣の改善も欠かせません。

具体的には、減量(肥満の解消)や就寝前の飲酒・睡眠薬の控制、十分な睡眠時間の確保、鼻づまりの治療などです。

特に肥満がある方では体重を10%減らすだけで無呼吸指数が約26%減少したとのデータもあり、減量によって血圧が下がる・必要CPAP圧が下がる等の多面的なメリットがあります[26]

こうした生活習慣の是正はCPAP等の治療と並行して行うことで効果を高め、軽症の方では生活改善のみで症状が軽快するケースもあります[27]

なお、耳鼻咽喉科的な原因が大きい場合には外科手術による治療(例えば肥大した扁桃やアデノイドの切除、鼻中隔の矯正、軟口蓋手術、顎骨の拡大手術など)も選択肢となります[7]

手術適応はケースバイケースですが、根本原因を取り除ける可能性がある反面、効果の個人差や侵襲(身体への負担)もあるため、担当医と慎重に相談して決める必要があります。

 

オンライン診療という選択肢

 

近年、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン診療が普及しつつあります。

睡眠時無呼吸症候群の分野でもオンライン診療が活用でき、忙しい現代人にとって大きな助けとなっています。

ここではSAS治療におけるオンライン診療のメリットを紹介します。

 

自宅で検査キットを受け取れる

オンライン診療では、病院に行かなくても自宅に検査機器(簡易検査キット)が郵送されてくるサービスがあります[28]

例えば、オンライン専門クリニックに予約すると問診後に自宅へ簡易検査装置が送られ、自宅で一晩計測したデータを医師が遠隔で解析する、といった流れです[28]

これにより、わざわざ検査のために通院して機器を受け取ったり返却したりする手間が省けます。

自宅で普段通りに寝ながら検査できるためリラックスして受けられる利点もあります。

 

通院不要で診断・CPAP導入まで可能

従来、睡眠時無呼吸症候群の診療は初診から対面での対応が原則でした。

しかし20246月の診療報酬改定により、SASに対するCPAP療法についてはオンライン診療での保険適用が認められました[29]

これにより、条件を満たせば初診から診断、さらにはCPAP機器の導入まで一連の流れをオンラインで完結することも可能となっています[29]。(※CPAP開始後、一度だけ対面診療を行う必要があります。)

実際、「通院せずにSASを治療したい」というニーズに応えるオンラインクリニックが登場しており、自宅にいながらビデオ通話で診察を受け、検査結果の説明を聞き、郵送されたCPAP装置の使い方指導をオンラインで受ける…といった形で治療開始まで行えるケースもあります。

SASは急を要する疾患ではないためオンライン診療との親和性が高く、遠隔医療のメリットを享受しやすい分野と言えます[29]

もちろん重症度や合併症の有無によっては対面診療が必要ですが、「通院せずに治療できる可能性がある」という選択肢が増えた意義は大きいでしょう。

 

忙しい方・遠方の方におすすめ

オンライン診療は、仕事や育児で忙しく通院の時間が取りにくい方や、近くにSASを診てくれる病院がない地域にお住まいの方にとって特に有用です。[30]

実際、オンライン診療であれば移動や待ち時間が不要なので、昼休みや夜間など好きな時間に受診しやすくなります。また、「CPAPを使い始めたけれどマスクのフィッティングに困っている」「治療後に口の渇きが気になる」といった治療中の疑問や不安もオンラインで気軽に相談可能です[30][31]

経過観察をオンラインに置き換えることで定期通院の負担を減らせる場合もあります[32]

このようにオンライン診療は、時間的・地理的制約を抱える患者さんの強い味方となってくれるでしょう。

 

(※オンライン診療を利用する際は、その医療機関がオンライン対応に対応しているか事前に確認しましょう。また症状によっては途中で対面診療への切り替えを指示される場合があります[33]。安全に診療を受けるため、医師の指示に従いましょう。)

 

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まとめ

 

睡眠時無呼吸症候群は「いびきがひどい」「日中に強い眠気がある」などで気づかれることが多く、放置すると生活習慣病や心血管疾患のリスクを高める怖い病気です[34]

幸い、呼吸器内科耳鼻咽喉科をはじめとする各科で検査・治療法が確立されており、適切に診断・治療すれば症状の改善が期待できます。

まずは症状や状況に合った診療科を受診し、必要な検査を受けることが肝心です。「どの科に行けばいいかわからない」と迷ったら、最初は内科で相談してみても良いでしょう。[20]

また、対面での通院が難しい場合にはオンライン診療という便利な選択肢も登場しています。

オンラインであれば自宅にいながら医師の診察やCPAP治療を受けることが可能になってきています[29]

忙しい方や遠隔地の方でも治療を継続しやすい環境が整いつつあります。

 

睡眠時無呼吸症候群は決して一人で悩まず、専門医に相談することで改善への道が開けます。少しでも心当たりのある方は早めに医療機関を受診し、質の高い睡眠と健康な生活を取り戻しましょう[1][35]

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

引用文献

[1] [19] [30] [31] [32] 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は何科を受診すればいい? | 森下駅前クリニック

https://morishitaekimae.com/008-2/

[2] [9] [29] オンライン診療について

https://mukokyu-lab.jp/sas/treatment/online-treatment.html

[3] [4] [5] [7] [10] [14] [15] [16] [17] [21] 睡眠時無呼吸症候群は何科を受診?専門医が教える診療科の選び方と治療の流れ

https://gmc.kumamoto.jp/sleep/which-department-sas/

[6] [8] [18] [20] 睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すれば良いか? | 阪野クリニック

https://banno-clinic.biz/what-type-of-doctor-to-see-for-sleep-apnea/

[11] 〖2025年〗東京都で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療 おすすめしたい8医院 | メディカルドック

https://medicaldoc.jp/m/recommend-m/tokyo-sleepapneasyndrome/

[12] 〖2025年〗千葉県の睡眠時無呼吸症候群の治療 おすすめしたい6医院 | メディカルドック

https://medicaldoc.jp/m/recommend-m/chiba-sleepapneasyndrome/

[13] [25] [26] [27] Obstructive Sleep Apnea (OSA) Treatment & Management: Approach Considerations, Pharmacologic Therapy, Nasal CPAP Therapy

https://emedicine.medscape.com/article/295807-treatment

[22] [23] [24] [34] [35] AASM publishes new guideline for diagnostic testing for adult sleep apnea

https://aasm.org/aasm-publishes-new-guideline-for-diagnostic-testing-for-adult-sleep-apnea/

[28] [33] いびき・無呼吸の自宅簡易検査専門オンライン診療 – スリープ・サポート クリニック

https://www.sleep-support.jp/online

 

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【2025年最新版】睡眠時無呼吸症候群の治療法大全|CPAPから外科手術まで費用・期間を医師が徹底比較《オンライン診療対応》

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。大きないびきや日中の強い眠気といった症状だけでなく、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中・糖尿病など様々なリスクが高まることが知られています。

実際、日本の成人の約3人に1人がSAS予備群とも言われるほど頻度の高い疾患であり、健康を守るためにも早期発見と適切な治療が重要です。本記事では、SASの治療法について、最も標準的で効果が高いCPAP療法を中心に、その他の治療法(マウスピース、外科手術、生活習慣の改善)まで詳しく解説します。RCT(ランダム化比較試験)を含む高いエビデンスに基づいて解説しますので、SASにお悩みの方はぜひ参考にしてください。

 

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一目でわかる!睡眠時無呼吸症候群 治療法 徹底比較表

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な治療法について、「対象者」「メリット」「デメリット」「費用目安(健康保険3割負担の場合)」「治療期間」「オンライン診療での対応」という観点で比較しました。

治療法名 対象者 メリット デメリット 費用目安(3割負担) 治療期間 オンライン診療での対応
CPAP療法(シーパップ) 中等症~重症SAS患者(AHI20以上など)
日中の強い眠気がある方
無呼吸をほぼ確実に防止し症状を劇的に改善
即効性があり使用初日から効果実感も可能
保険適用により継続しやすい
毎晩機器とマスクを装着する負担
機器に慣れるまで違和感(圧迫感や乾燥)
機器管理や電源確保が必要
月約5,000円程度
(機器レンタル料+毎月の診察代)
継続的(根治療法ではないため原則一生) 〇 (当院では導入後の定期フォローをオンライン対応)
マウスピース療法(口腔内装置) 軽症~中等症SAS患者
CPAPが合わない中等症例など
装置が小さく手軽
旅行先でも使用可
マスクや機械がないため違和感が少ない
いびきや日中の眠気はCPAP同等に改善する報告も
重症例では効果不十分なことが多い
歯科での型取りが必要(歯が20本以上必要)
顎関節痛や歯の移動などの副作用の可能性
装置作製費約1~1.5万円(1回)
※保険適用の場合
継続的(装置は数年ごとに作り直し可能) △ (当院で診断後に歯科紹介。経過相談はオンライン可)
外科手術(根本治療) CPAPやマウスピースが困難な方
明らかな気道狭窄の原因がある方
原因組織の除去により根治が期待できる
成功すれば装置なしで睡眠可能
鼻詰まりや扁桃肥大の解消で睡眠の質向上
手術リスク(麻酔・出血)と体への負担
入院・術後回復期間が必要
必ずしも完治せず再発の可能性もある
手術内容により5万~30万円程度(1回)
※入院費含む・保険適用3割負担の場合
1回(入院数日~2週間程度)
※術後経過観察あり
× (当院では手術適否判断不可。耳鼻咽喉科などに紹介)
生活習慣の改善 すべてのSAS患者(特に肥満のある方)
予防目的の方
根本原因にアプローチ:減量により無呼吸が大幅改善
生活習慣病のリスクもまとめて低減
費用負担が少なく副作用も基本的にない
効果発現に時間がかかる
強い意志と継続が必要
中等症以上では単独では不十分なことが多い
特に直接費用なし
(生活改善に伴う費用のみ)
継続(生活習慣として継続が必要) 〇 (医師による生活指導をオンライン診療でサポート可能。)

※AHI=無呼吸低呼吸指数(1時間あたりの無呼吸・低呼吸の発生回数)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療で最も標準的かつ効果が高い「CPAP療法」

CPAP療法とは?

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure、シーパップ)療法とは、就寝時に鼻や口に装着したマスクから持続的に空気を送り込み、気道に陽圧(プラスの圧力)をかけ続けることで気道の閉塞を防ぐ治療法です。シンプルに言えば、空気の支えで喉の通り道を広げ、眠っている間の無呼吸発生をほぼゼロに抑えることができます。CPAP装置本体にチューブとマスクを接続し、毎晩就寝時に装着して使用します。

CPAPを正しく使用すると、いびきがピタッと止まり、睡眠中の酸素低下も改善します。その結果、日中の強い眠気が大幅に軽減し、集中力や生活の質(QOL)が向上します。また、継続使用することで高血圧など心血管疾患のリスク因子が改善するとの報告もあり、適切に使い続ければ将来的な合併症予防にもつながると期待されています。

ただしCPAPは“使っている間だけ”効果を発揮する対症療法であり、根本的に原因(気道狭窄の構造など)を治すわけではありません。そのため、基本的には毎晩使用を続ける必要があります。途中でやめてしまうと無呼吸が再発・悪化する恐れがある点に注意しましょう。

CPAP療法の費用(初期費用・月額費用)

CPAP療法は1998年から健康保険が適用されており、日本では一定の基準(一般に無呼吸の程度が中等症以上、AHI20以上など)を満たせば保険診療として自宅でのCPAPレンタル治療が可能です。保険適用時の自己負担額は通常3割となります。費用の目安は月額約5,000円前後で、毎月1回の診察代とCPAP機器レンタル料を合わせた金額です(自己負担3割の場合)。この中には消耗品(マスクやチューブ等)の交換費用や、機器内蔵モデムによる使用状況のモニタリング費用も含まれます。初回の簡易検査や精密検査にも保険が利き、検査費用はそれぞれ数千円程度です。

一方、CPAP機器を自費で購入することも可能です。ただし購入費用は本体価格で20万円前後と高額になることやメンテナンス、付属品購入はすべて自身で管理することになるため、現在日本では多くの患者さんが保険レンタルを選択しています。レンタルであれば機器トラブル時の交換・修理対応もスムーズで、初期費用も少なく済みます。経済的な負担の面からも、医師と相談の上で基本的には保険診療でCPAPを開始することをおすすめします。

CPAPのよくある悩みと解決策(Q&A)

Q1.「CPAP治療は一生続けないといけないの?」

残念ながら現時点でCPAP以外にSASを簡単に治す薬や方法はなく、CPAP療法自体は対症療法(症状を抑える治療)です。そのため、根本原因が解消しない限り原則は一生涯の継続使用が必要です。例えば体重減少や外科手術でSASの原因が取り除かれ、医師が「CPAP無しでも大丈夫」と判断した場合には中止できる可能性もあります。しかし自己判断で使用をやめるのは非常に危険です。症状が改善していてもCPAPをやめれば再び無呼吸が増加し、眠気や合併症リスクがぶり返す恐れがあります。CPAPの中断や卒業については、必ず主治医とよく相談して判断しましょう。

Q2.「CPAPのマスクが合わず、装着に違和感があります…」

CPAP治療を始めた多くの患者さんが最初にぶつかる壁がマスクのフィッティングです。マスクが顔に合っていないと隙間から空気が漏れたり、圧迫感で寝苦しく感じたりします。対策としては、マスクの種類を変えてみることが有効です。CPAP用マスクには鼻だけを覆う「ネーザルマスク」や鼻孔に差し込む「ピロータイプ」、口と鼻を両方覆う「フルフェイスマスク」などがあります。例えば「鼻マスクで口呼吸による空気漏れが起きる」という場合は口まで覆うフルフェイス型に変更すると改善することがあります。また、ストラップの締め付け具合を調整したり、就寝前にマスクを装着して慣れる練習をしたりするのも有効です。どうしても違和感が強い場合は主治医に相談しましょう。別タイプのマスク提案や装着方法の指導などで多くの方は快適に使えるようになります。

Q3.「出張や旅行のときはCPAPをどうすればいいですか?」

出先でも可能な限りCPAPを使用することを推奨します。CPAP装置は据え置き型が主流ですが、比較的コンパクトで持ち運び可能です。実際に出張の多いビジネスマンの方でも、専用のキャリーバッグに入れて出先のホテルで使用しているケースは珍しくありません。最近はトラベル用の小型CPAPや、バッテリー内蔵型CPAPも市販されており、飛行機内への持ち込みやキャンプなど電源の確保が難しい環境でも使えるモデルもあります。「一晩くらい大丈夫だろう」とCPAPを休んでしまうと、その夜は無呼吸が再発して睡眠の質が低下し、翌日の体調に影響する恐れがあります。快適な旅のためにも、できる限りCPAPを継続利用しましょう。

Q4.「鼻づまりや喉の渇きが気になるときは?」

CPAP使用中に口や喉が乾燥する場合、機器の加湿器機能を適切に使うことが重要です。多くのCPAPには加温加湿器が付属しており、乾燥対策になります。また、鼻炎などで鼻が詰まっているときは無理に鼻マスクを使わず、医師に相談して一時的にフルフェイスマスクに切り替える方法もあります。就寝前に点鼻薬を使って鼻の通りを良くする対処もありますが、自己判断で市販薬を乱用すると悪化する可能性もあるため注意が必要です。慢性的な鼻づまりがある方は耳鼻科で治療(内服薬や手術)を検討するとCPAP治療がより快適に継続できるでしょう。

当院のオンライン診療によるCPAP療法

「毎月病院に通うのが大変だけど、CPAP治療を続けられるだろうか…」と不安に感じていませんか?森下駅前クリニックでは、オンライン診療(遠隔診療)を活用してSASの診療・CPAP治療フォローを行っています。オンライン診療を利用すれば、自宅や出張先からスマートフォンやPCを通じて専門医の診察が受けられるため、原則として毎月の通院は不要です。実際に「仕事が忙しく通院負担がネックだったが、オンラインで解決した」という声も多くいただいています。

当院ではまずオンライン初診で問診を行い、必要に応じて簡易睡眠検査機器をご自宅へ宅配します。自宅で検査いただいた結果をオンラインで医師が確認し、SASと診断されCPAP適応があれば治療を開始します。CPAP装置も患者様のご自宅へ宅配便で発送されるため、装置受け取りのためだけに来院する必要はありません。治療開始後は毎月1回、オンライン再診で使用状況をチェックします。CPAP装置には通信機能があり、治療データを遠隔で確認できるため、医師が適切に効果判定や圧の調整を行います。「マスクが合わない」「使い方に不安がある」といった相談にもオンラインで随時対応可能です。なお、初回導入時や症状・機器データに大きな変化があった場合には対面受診をお願いすることになりますが、基本的にはオンライン診療中心でCPAP治療を継続できます。

オンライン診療は公的医療保険の適用内で実施可能であり、自己負担3割の方であれば通常の対面診療と同じく月額5,000円程度(CPAPレンタル料含む)で治療を継続できます。忙しい方や遠方にお住まいの方でも治療を中断することなく続けやすい画期的な仕組みです。SASと診断されたものの通院の負担でCPAPをためらっている方は、ぜひ当院のオンライン診療を活用し、無理なく治療を継続しましょう。

 

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その他の治療法(マウスピース・外科手術・生活習慣の改善)

マウスピース(口腔内装置)療法

マウスピース療法(口腔内装置療法:Oral Appliance, OA)は、就寝時にオーダーメイドの歯科用マウスピースを装着して下顎を前方に固定し、喉の気道を広げる治療法です。比較的軽症のSAS患者さんに適しており、「CPAPは大掛かりなのでできれば避けたい」という場合に重要な選択肢となります。ガイドラインでも「CPAP適応とならない軽症~中等症例、あるいはCPAPが使用できない場合にOA療法を行うこと」が推奨されています。

実際、下顎前方固定式マウスピースは無呼吸・低呼吸の発生回数(AHI)を減少させ、日中の眠気やいびきといった症状も改善する効果が報告されています。特に軽~中等症ではCPAPと比べても日中の眠気改善効果に差がないとのメタ分析結果もあります。メリットとして装置が小さく携帯しやすいため旅行先でも使え、機械音もないので就寝中のストレスが少ない点が挙げられます。また、マスクによる皮膚圧迫もなく、多くの方でCPAPより装着負担が小さい傾向があります。

一方でデメリットや注意点もあります。重症(AHI30以上など)のSASではマウスピースのみでは十分に無呼吸を抑制できないことが多く、その場合はまずCPAPが推奨されます。また、マウスピース治療を行うには歯科での装置作製が必要です。保険適用で作製する場合、内科等でSASと確定診断された紹介状を持って歯科受診する流れになります。装置の自己負担費用は約1~1.5万円前後(3割負担)で、一度作ればおおむね3~5年使用可能です。副作用としては、顎関節への負担や歯の動き・噛み合わせの変化が生じるケースが報告されていますが、多くは軽度で適応調整や使用中止で改善します。

総じてマウスピース療法は、CPAPが困難なケースで有用な第2の選択肢と言えます。いびきが主症状の軽症SASの方から、「CPAPは合わなかったがマウスピースで症状が改善した」という中等症の方まで幅広く活用されています。興味がある方はまず専門医に相談してみましょう。

根本治療を目指す「外科手術」

構造的な問題で気道が狭くなっている場合や、CPAPやマウスピースでも十分な効果が得られない場合には外科的手術による治療も検討されます。手術では、SASの原因となっている解剖学的な狭窄部位を拡げたり除去したりすることで、根本的に無呼吸の発生を減らすことを目指します。

代表的な手術法としては、喉の奥の余分な組織(軟口蓋や口蓋垂、扁桃など)を切除・縮小して上気道を広げる「口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)」、下顎の骨を前方に移動させて舌の付け根を引き上げる「下顎前方移動術(MMA)」、鼻中隔のゆがみを矯正して鼻通りを改善する「鼻中隔矯正術」、小児や一部成人で効果のある「扁桃摘出術・アデノイド切除術」などがあります。患者さんの症状・原因に合わせて適切な術式が選択されます。

手術のメリットは、成功すればCPAPなどの補助無しで眠れるようになる可能性があることです。特に鼻の重度の閉塞や扁桃肥大が主因の場合、それらを取り除くことでSASが完治するケースもあります。一方、デメリットやリスクも無視できません。手術そのものの侵襲(身体への負担)や麻酔リスク、術後出血や疼痛、感染症などの合併症リスクがあります。また、手術で一度良くなっても、加齢や体重増加で再発する可能性もあります。例えば扁桃摘出後に再び喉の組織が肥大したり、減量手術で痩せても生活習慣でリバウンドすればSASが再燃する可能性があります。費用面では保険適用の場合でも自己負担で数万円~十数万円程度(手術内容による)の出費となり、入院も必要です。

以上より、手術は「根本治療」として魅力的ですが、慎重な適応判断が求められます。担当医と十分に相談し、メリット・デメリットを理解した上で、自分にとってベストな治療法かどうか検討しましょう。

全ての治療の基本「生活習慣の改善」

どのような治療法を選ぶ場合でも、その土台として重要になるのが生活習慣の改善です。特に肥満(BMI25以上)を伴うSAS患者さんでは、減量が治療効果に直結します。研究によれば、体重を10%減らすとAHI(無呼吸の発生頻度)が約26%減少したとの報告があります。逆に言えば、太っていくにつれてSASが悪化するリスクが高まるということです。したがって適正体重までの減量を目指すことがSAS改善の近道となります。

また、肥満でない方でも筋力低下や睡眠時の姿勢によって無呼吸が悪化することがあります。寝る前の飲酒や睡眠薬の乱用も、筋肉の緩みにより喉が塞がりやすくなるため避けましょう。喫煙も気道の炎症を引き起こすため禁煙が望ましいです。

具体的な対策としては、食事療法と運動による減量が基本です。無理のない範囲での有酸素運動や筋力トレーニングは、たとえ体重が大きく減らなくても上気道周囲の筋肉を強化し無呼吸の程度を軽減する効果が期待できます。また、仰向けで寝ると舌が喉に沈下し無呼吸が悪化しやすいため、横向きで寝る工夫(抱き枕の使用など)も有効です。睡眠時の枕の高さを調整したり、鼻炎がある場合は寝る前に点鼻薬で鼻通りを良くするといった細かな対策も症状緩和に役立ちます。

これら生活習慣の改善は、SASそのものの改善だけでなく高血圧や糖尿病など合併症予防にもつながる重要な取り組みです。治療中の方も予防目的の方も、自分のできることから少しずつ生活習慣を見直していきましょう。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療をした患者様の声(治療体験談)

(40代・営業職): 「毎月の通院がネックでしたが、オンライン診療で解決。出張先からでも相談できて助かってます。」

(50代・主婦): 「CPAPのマスクが合わず諦めかけましたが、オンラインで相談し、別の種類に変えてもらったら快適になりました。」

患者様からはこのような喜びの声が寄せられています。睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受ければ日中の眠気が改善し、仕事の集中力向上や事故・合併症リスクの大幅低減が期待できる病気です。通院や機器の悩みで治療をためらっている方も、ぜひ専門医に相談してみてください。当院ではオンライン診療も活用し、一人ひとりの生活スタイルに合わせた無理のない治療継続をサポートいたします。適切な治療と生活改善によって快適な睡眠と元気な日常生活を取り戻しましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

口呼吸の改善に努めても日中の強い眠気が続く寝ても疲労感が取れないいびきが非常に大きい、あるいは睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたなどの場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している可能性があります。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合は自己判断せず、早めに専門医に相談することが大切です。放置すると先述のように高血圧や心血管疾患のリスクが高まる恐れがあるため[6]、心当たりのある方は病院で睡眠検査を受けることを検討してください。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

 

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

  • 日本呼吸器学会 『睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020』 南江堂, 2020年
  • Lim J, Lasserson TJ, et al. Oral appliances for obstructive sleep apnoea. Cochrane Database Syst Rev. 2006;(4):CD004435
  • Sánchez-de-la-Torre M, et al. Adherence to CPAP and cardiovascular risk reduction. JAMA. 2023;330(13):1255-65
  • Peppard PE, et al. Longitudinal study of moderate weight change and sleep-disordered breathing. JAMA. 2000;284(23):3015-21

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