日中の強い眠気や集中力低下、大きないびきに心当たりがある場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑ってみる必要があります。

SASは決して珍しい病気ではなく、成人では治療が必要なレベルの患者が少なくありません[1]。

放置すれば高血圧や心疾患など深刻な合併症につながる恐れがあるため、疑わしい場合は早めに検査を受けることが重要です。

本記事では、自宅で手軽にできるSASの簡易検査(検査キット)に焦点を当て、その方法や費用、流れについて解説します。

根拠となるエビデンスも示しながら、一般の患者さんにもわかりやすく説明します。最後に、当院で提供しているオンライン診療によるSAS検査・診察についても紹介します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)疑いは自宅で検査キット(簡易検査)が可能

 

SASが疑われる場合、自宅で検査キットを用いた簡易検査を行うことが可能です。

簡易検査キットには通常、鼻腔通気センサー(鼻の気流)指先に装着するパルスオキシメーター(酸素飽和度)胸部・腹部の呼吸努力センサーなどが含まれています[2]。

これらを就寝時に装着して一晩眠ることで、睡眠中の呼吸状態や血中酸素飽和度の変動を記録します。

無呼吸が起きれば気流停止が検知され、同時に酸素低下の程度も測定されます[2]。

記録データから1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(RDIや推定AHI)や最低酸素飽和度、無呼吸の持続時間などを算出します。

自宅で完結でき、忙しい方や遠方の方でも受けやすい第一段階のスクリーニングとして広く利用されています[3]。

 

ただし簡易検査は脳波を測定しないため、睡眠そのものの深さや質は直接評価できません。

実際には無呼吸で睡眠が分断されていても、検査上は「起きている時間」と扱われて重症度が過小評価される可能性があります[4]。

それでも中等症(AHI 15以上)~重症のSASの発見には有用で、まずは簡易検査で有無と大まかな重症度を評価し、必要に応じ精密検査に進むのが一般的です[4]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査方法

 

簡易検査(自宅でキットを装着して睡眠データを測定)

携帯用終夜睡眠モニターを自宅で一晩装着し、呼吸気流・呼吸努力・いびき音・体位・血中酸素などを記録します[2]。

痛みはなく、普段通りの寝室環境で測定できるのが利点です。

 

メリットは、①自宅で実施できる手軽さ、②入院不要・低コスト、③プライバシー面の安心。

デメリットは、①脳波がないため正確な睡眠時間・睡眠段階が分からず、指標が記録時間に依存すること(RDI/REI)、②他の睡眠障害(周期性四肢運動障害など)の鑑別ができないことです[4]。

典型的な中等症以上の閉塞性SASが疑われる場合には診断的価値が高く、有効なスクリーニングとなります。

 

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)との違い

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)は一泊で行う精密検査(※現在は自宅で検査可能な機器もあり)で、脳波(EEG)、眼球運動(EOG)、筋電図(EMG:オトガイ筋・前脛骨筋)、心電図(ECG)、呼吸気流(鼻・口)、呼吸努力(胸部・腹部)、いびき音、酸素飽和度(SpO₂)、体位など多項目を同時記録します[5]。

PSG最大の特徴は脳波計測により睡眠・覚醒を厳密に判定できる点で、実睡眠1時間あたりの無呼吸低呼吸指数(AHI)を正確に算出できます[6]。

無呼吸イベントに伴う覚醒反応睡眠段階(N1/N2/N3/REM)の推移、心拍変動まで評価でき、中枢性無呼吸や他の睡眠障害の鑑別にも有用です[5][6]。

総じて、簡易検査は“発見・ふるい分け”、PSGは“確定診断・鑑別・重症度の厳密評価”という役割になります。

 

どんな人にどの検査が向いているか

まずは簡易検査から

いびき・日中の眠気・肥満など典型的所見があり、中等症以上が疑われる場合は簡易検査で十分に診断可能なことが多いです[4]。

最初からPSGを検討

①簡易検査が軽度・陰性でも症状が強い、②若年・非肥満など非典型例、③中枢性無呼吸他の睡眠障害(周期性四肢運動障害・レム睡眠行動障害など)の疑いがある、④CPAP適応の厳密な判定が必要、などのケースです[5][6]。

保険適用上の考慮

日本の保険診療では、CPAP導入にはPSGでのAHI基準が求められ、原則AHI 20以上が目安となります(症状や合併症により例外あり)[7]。簡易検査ではAHI 40以上が目安です。簡易検査で重症が示唆されても、適正圧設定や確定診断のためPSGを追加することがあります[5][7]。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査費用

 

保険診療で行う場合の自己負担(3割負担の目安)です。施設基準・地域差で変動します。

簡易検査

自己負担は約2,000〜3,000円台が目安。初診料や機器貸与に伴う費用が加わることがあります[7][8]。

精密検査(PSG)

自己負担は約11,000〜15,000円前後が一般的。入院基本料・個室差額が別途かかる場合があります[7][8]。

保険が使える条件

医師が医学的に必要と判断した場合に保険適用。いびきのみで他症状がなく医学的必要性が乏しい場合は自費になることがあります[7]。

注意点

CPAP導入の保険適用はPSGでのAHI基準が原則。AHIが基準未満でも、症状や合併症によりマウスピースなど他治療が保険適用となる場合があります[7]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査の流れ

 

1.診察・問診

いびき・無呼吸の有無、日中の眠気、起床時頭痛、夜間頻尿、既往歴・生活習慣などを詳しく確認。エプワース眠気尺度(ESS)などの質問票で眠気の客観評価を行うことがあります[6]。

 

2.検査キットの貸出(自宅で使用)

簡易検査の機器一式を貸与。装着方法の説明を受け、自宅で1〜2夜測定。測定中の飲酒は控え、普段に近い就寝リズムで行います[2][3]。

 

3.データ返却と解析

測定後に機器を返却(来院または郵送)。RDI/推定AHI、最低SpO₂、無呼吸・低呼吸の持続時間分布などを解析します。返却から結果判明まで数日〜1週間程度が目安です[3]。

 

4.結果説明・必要に応じて精密検査や治療へ

オンラインまたは来院で結果を説明。中等症以上なら治療(CPAP・口腔内装置)を検討。軽症なら生活指導・経過観察、症状が強ければPSG追加へ[5][7]。

 

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検査キットはどこで入手できる?

 

病院で貸し出し

医療機関を受診して貸与を受けるのが基本です。

呼吸器内科・睡眠外来などで予約し、当日または後日機器を受け取り、説明に沿って自宅で測定します。

検査後は医療機関で解析・診断まで一気通貫で対応でき、保険診療として自己負担を抑えられます[2][7]。遠方の方には郵送貸与・返却にも対応できます[3]。

 

市販品との違い

ネットや量販店のセルフチェック機器(簡易パルスオキシメーターや録音アプリ等)は手軽ですが、医療用の検査機器とは精度・信頼性が異なり、診断目的には不十分です。

無呼吸の直接計測(気流・覚醒反応)はできず、過小評価・過大評価のリスクがあります。

確実な診断・治療につなげるには医療機関での検査が不可欠です[6][7]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われるときはオンライン診療へ

当院ではオンライン診療を通じて、初診相談から検査キットの手配、結果説明、治療方針の決定まで自宅で完結できる体制を整えています。

ビデオ通話で問診を行い、必要に応じて簡易検査キットを郵送。測定後に機器を返送いただき、オンラインで結果説明を行います。

重症と判定された場合はCPAP療法口腔内装置など適切な治療を提案し、以後のフォローもオンライン中心に無理なく継続可能です[7][8]。

※CPAP導入時など、医師が必要と判断した場面では対面診療を併用します。

※オンライン診療のみではなく対面診療での対応も行っております。

 

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よくある質問(FAQ)

 

Q1. SASかどうか自分で調べる方法はありますか?

A1. ウェブのセルフチェック表や、家族による観察(いびき・無呼吸)、いびき録音などは目安になります。ただし確定診断には検査が必須です。少しでも心当たりがあれば医療機関にご相談ください[6]。

 

Q2. 検査キットは自宅に届きますか?

A2. 可能です。オンライン診療で申込み後、キットを郵送し、測定後は返送いただけます。来院が難しい方でもスムーズに検査できます[3]。

 

Q3. PSGで「うまく眠れませんでした」。正確な結果は出ますか?

A3. 十分眠れない方は少なくありません。重要な指標(無呼吸・低呼吸、SpO₂低下、覚醒反応)は比較的短時間でも解析可能です。眠れなかった旨を医師に伝えてください。必要に応じて再検査や補助的検査を検討します[5][6]。

 

Q4. PSG検査は自宅でできますか?

A4. 標準は入院での一泊検査ですが、現在は自宅で検査可能なPSG器機もあり、当院でも自宅で可能な検査キットを用意しております。まずはご相談ください[5]。

 

Q5. いびきの検査費用はいくらですか?

A5. 実際にはSASの検査として行います。医師が必要と判断すれば保険適用で、簡易検査は数千円、PSGは1〜1.5万円前後が目安です(3割負担)[7][8]。

 

Q6. 検査キットの結果判明まで何日かかりますか?

A6. 測定は原則1夜。返却後の解析を経て、通常数日〜1週間程度で結果説明が可能です。郵送往復を含めても概ね2週間以内が目安です[3]。

 

Q7. 簡易検査キットには何が入っていますか?

A7. 鼻腔気流センサー、パルスオキシメーター、胸部・腹部の呼吸努力バンド、必要に応じいびきマイク・体位センサーなど。小型レコーダーに一晩記録します。装着は事前説明でどなたでも行えます[2]。

 

Q8. SASはどうやって“数値”で判断するのですか?

A8. AHI(Apnea-Hypopnea Index)睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸回数で重症度を分類します。軽症:5〜<15、中等症:15〜<30、重症:≥30。簡易検査ではRDI/REI(便宜的に≒AHIとします)を用い、厳密評価はPSGで行います[6]。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合はオンライン診療へ

 

「いびきが大きい」「日中の眠気がつらい」「家族に呼吸が止まっていると言われた」――そんな方は、まずは検査から始めましょう。

当院ではオンライン診療で、相談・検査キット手配・結果説明・治療のご提案まで、自宅で完結できます。

忙しい方・遠方の方でも受けやすい体制です。SASは適切に診断・治療すれば生活の質が大きく改善します。

気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

オンライン診療のご予約はこちら

お問い合わせ・ご相談もお気軽にどうぞ。あなたの健やかな眠りを、私たちがサポートいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

[1] Peppard PE, et al. Increased prevalence of sleep-disordered breathing in adults. Am J Epidemiol. 2013.

[2] 日本呼吸器学会. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン 2020.

[3] Kuna ST, et al. Noninferiority of home sleep testing vs. laboratory PSG for diagnosis of OSA. Sleep. 2011(在宅スクリーニングの有用性を示す研究)。

[4] Kapur VK, et al. Clinical practice guideline for diagnostic testing for adult OSA. J Clin Sleep Med. 2017(AASM診断ガイドライン:簡易検査の位置づけ)。

[5] Berry RB, et al. The AASM Manual for the Scoring of Sleep and Associated Events. AASM. 2012以降改訂(PSG計測項目・スコア基準)。

[6] Malhotra A, et al. Obstructive Sleep Apnea. Lancet. 2021(SASの診断・重症度・ESSなど総説)。

[7] 厚生労働省・診療報酬点数表(呼吸ポリグラフ検査・PSG、CPAP導入適用基準に関する取扱い)。

[8] Labarca G, et al. Telemedicine and CPAP adherence: systematic review and meta-analysis of RCTs. Sleep Med Rev. 2021(遠隔支援による継続率向上)。

 

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