睡眠時無呼吸症候群(SAS)の入院検査とは?費用・流れ・簡易検査と精密検査の違いを解説

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査方法には2種類あります。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる際に医療機関などで最初に行う検査が「簡易検査(携帯型終夜呼吸モニター)」で、簡易検査で精密検査が必要と判断された際に行われるのが「精密検査(終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査:PSG)」です。

簡易検査は自宅で手軽に受けられ、睡眠中の呼吸状態や血中酸素濃度などを測定してSASの有無をスクリーニングします。

一方、PSG検査では脳波・心電図・呼吸・筋電図など多数のセンサーを装着して詳細な睡眠データを記録し、より正確な診断が可能ですが、これまでは検査に際して入院が必要でした[1][2]。

現在では自宅でも検査出来る装置が普及しております。

一般的には、まず簡易検査でSASの可能性を調べ、結果次第で精密検査(PSG)が必要か判断します。

簡易検査で中等症以上(無呼吸低呼吸指数:AHIがおおよそ15以上)と疑われた場合や、結果が不明瞭な場合には、確定診断のためPSG検査が推奨されます。

また、強い日中の眠気や合併症リスクが高い場合は初めから精密検査を検討することもあります。

以下では、SASの精密検査(PSG)の内容や流れ、費用、簡易検査との違いについて詳しく解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群の入院検査(PSG)とは?検査内容と流れ

 

検査の目的

PSG検査の目的は、一晩かけて睡眠中の生体情報を詳細にモニタリングし、睡眠時無呼吸の程度や他の睡眠障害の有無を正確に診断することです[2]。

脳波を記録することで「実際に眠っている時間」と睡眠の深さを把握し、呼吸気流・血中酸素飽和度・心拍・筋電図などから無呼吸や低呼吸の頻度と体への影響を客観的に評価できます。

これにより、簡易検査ではわからない睡眠段階ごとの無呼吸発生状況や、不整脈・脚の周期的な動きなど他の疾患の有無も明らかになります[2]。

PSGはSAS確定診断のゴールドスタンダードであり、治療方針(CPAP適応など)を決定するため重要なステップです。

検査の流れ(入院の場合)

入院検査当日は、病院へ来院し、一泊します。

夕方~夜にかけて入院手続きを行い、就寝前に検査技師がセンサー類を装着します(頭部に脳波電極、鼻に呼吸センサー、胸や腹部に呼吸バンド、指先に酸素モニターなど)[2]。

センサー装着には30分~1時間程度かかります。準備が整い次第、普段の就寝時間に合わせて検査を開始します。

検査中は通常どおり就寝するだけで、ベッドサイドの機器が一晩中データを記録します。

万一途中でトイレに起きたい場合も、センサーをつけたまま看護師や技師の介助で離床できます。

翌朝起床後、記録を終了してセンサーを外し、検査は完了です。

測定時間は約6~8時間程度で、基本的に1泊2日(入院当日の夜~翌朝)で終了します[2]。

退院後、集録したデータを専門医が解析し、数日から2週間以内に結果説明を受ける流れが一般的です[2]。

検査にかかる時間と日数

入院当日は夕方頃に来院し、一晩入院します。

検査自体は一夜で完了し、翌朝には退院可能です[2]。

したがって原則1泊入院ですが、結果の分析には時間を要するため、診断確定と治療方針の説明は後日の再診時に行われます。

忙しい方でも一夜だけ入院すれば検査できる点で、比較的負担は小さい検査です。

なお、検査当日に十分な睡眠が得られなかった場合でも、数時間の睡眠データがあれば診断は可能です[2]。

むしろ「よく眠れなかった」という事実自体も不眠症の有無を評価する一つの情報になります。

必要に応じて検査のやり直し(再検査)が提案されることもありますが、特殊なケースを除いて一度の検査で診断できる場合がほとんどです。

入院準備(持ち物・注意点・夕食制限など)

PSG検査当日は普段と違う環境での就寝となるため、リラックスできる準備をして臨みましょう。

持ち物は、前開きのパジャマやゆったりした寝間着、洗面用具(歯ブラシ・タオル・洗顔道具)、必要であれば耳栓やアイマスク、就寝前に読む本などです[2]。

普段使い慣れた寝間着や枕があると安心感が増すでしょう[2]。

検査日は夕食の提供がない施設も多いため、20時までに夕食を済ませて来院するよう指示されることが一般的です[2](事前に食事と入浴を済ませておく)。

アルコールは大量に飲むことが禁止されており、普段習慣的に飲酒している方でも適量に控えるよう求められます[2]。

検査当日はカフェインの過剰摂取も避け、普段通りの生活リズムで臨むことが大切です[2]。

就寝前に緊張して眠れないと感じる場合は、深呼吸をしたり好きな音楽を聴くなどして心身を落ち着かせる工夫をすると良いでしょう。

検査環境に不安があれば、開始前にスタッフへ遠慮なく相談してください。

正しい知識と準備で臨めば、初めての検査入院でも落ち着いて睡眠できるはずです。

入院検査(PSG)の費用目安(保険適用の場合)

 

保険適用時の自己負担額

睡眠時無呼吸症候群の検査は公的医療保険が適用されるため、多くの方は費用の一部負担(1~3割負担)で受けられます[3]。

自己負担割合は年齢や所得により異なりますが、一般的な現役世代では3割負担です[3]。

PSG検査の総費用は病院や検査内容によっても異なりますが、健康保険適用で自己負担額は約1万~3万円程度が目安です[4]。

例えば3割負担の場合、検査費用全額が約5万~10万円であれば自己負担はその30%にあたる1.5万~3万円前後となります。

医療機関によってはこれに加えて入院基本料や診察料が発生しますが、それらも保険適用内で計算されます(初診料や再診料は数百~数千円程度です)。

なお、小児や高齢者は自己負担が1割または2割となるため、更に安く受けられます[3]。

個室利用や別途費用について

PSG検査は通常は大部屋または検査室で行われますが、希望により個室を利用する場合は差額ベッド代が別途かかることがあります[5]。

差額ベッド代は保険適用外で病院ごとに設定されており、一泊あたり数千円から数万円と幅があります。

また、入院中の食事代(検査当日の朝食・翌日の朝食など)が提供される施設では、その食事代も自己負担となります(1食数百円程度)。

事前に医療機関に問い合わせ、保険適用後にトータルでいくら程度の支払いになるか確認しておくと安心です[5]。

病院の会計窓口では概算見積もりを教えてくれる場合もあります。

検査費用の自己負担が高額になりそうな場合、高額療養費制度の対象になる可能性もありますので、必要に応じて医療ソーシャルワーカー等に相談しましょう。

自由診療(自費)の場合

健康保険が使えないケース(海外渡航者や保険適用外の検査を希望する場合など)では、検査費用の全額が自己負担になります。

この場合、PSG検査1回あたり5~10万円以上の費用がかかることもあります。

例えば保険適用時に自己負担2万円だった検査は、自由診療では約7倍の14万円(10割負担)となる計算です。

よほどの事情がない限り、日本国内で受けるSAS検査は健康保険を利用するのが現実的でしょう。

なお、簡易検査についても自由診療では数万円程度の費用がかかりますが、保険診療なら自己負担は数千円で済みます[4]。

追加費用の確認ポイント

検査に関連して見落としがちな費用として、初診料・再診料や診断書料があります。

初めて受診する際には初診料が、結果説明の際には再診料が発生します。

また、勤務先提出用などに診断書が必要な場合、その作成料(数千円程度)は保険が利かず自費となります。

CPAP治療を開始する場合も、装置レンタル料や月々の管理料がかかりますが、これらも保険適用内で自己負担は月数千円程度です[3][4]。

全体として、SASの診断から治療に至る医療費は保険制度により比較的抑えられていますが、事前に必要な経費を医師やスタッフに確認し、準備しておくと良いでしょう。

在宅検査(PSG)の費用目安(保険適用の場合)

 

保険適用時の自己負担額

自宅での検査になるため、健康保険適用で自己負担額は約1万3千~5千円程度が目安です。

ご自身で電極などの装着を行うため入院検査に比べて正確性が劣る可能性はありますが、入院に要する時間と費用がかからないことと、慣れている環境で睡眠中の検査が出来る点がメリットですね。

CPAP治療の保険適用にはPSG検査が必須

重症SASに対する標準治療であるCPAP(持続陽圧呼吸療法)は、一定の診断基準を満たす場合に健康保険で行えます。

具体的には終夜PSG検査でAHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上と判定された場合にCPAP療法が保険適用となります[3]。

簡易検査のみで診断する場合はより厳しくAHI40以上が基準となります[3]。

したがって、AHIが20~39程度の中等症SASでCPAP治療を希望する場合、保険適用のためにはPSGで正式に診断を確定させる必要があります(簡易検査で中等症でも、PSGで20以上と判定されれば適用可能)[1]。

保険でCPAPを継続利用するにはPSGによる確定診断が事実上必須です。

この基準は医学的な根拠に基づいて定められており、重症度が高いほどCPAP治療による健康改善効果・合併症予防効果が大きいことが示されています[6]。

実際、CPAP療法は日中の眠気や生活の質を改善し、高血圧や心疾患、脳卒中などのリスクを低減する有効な治療法と認められています[6]。

海外のメタ分析でもCPAPにより主観的な眠気スコア(エップワース眠気尺度)が有意に改善することが報告されています[6]。

さらに、日本人患者を対象とした研究では、CPAP治療継続群は未治療群に比べて有意に生存率が高いとの報告もあります[7]。

このようにエビデンスの蓄積から、SASと確定診断された中等症以上の患者には積極的なCPAP導入が推奨されており、保険制度上もPSG検査による診断確定を経て適切な患者にCPAPが提供される仕組みになっています。

 

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入院検査(PSG)が必要になるケースとは?

 

それでは、具体的にどのような場合に簡易検査ではなく入院による精密検査(PSG)が必要になるのでしょうか。いくつか代表的なケースを挙げます。

簡易検査で「中等症~重症」の疑いが強い場合

携帯型モニターの結果、AHIや酸素低下が著しく「重症SASの可能性が高い」と判定されたケースでは、治療方針決定のためPSG検査で確定診断を行うことが推奨されます。

重症度の正確な把握により、CPAP導入や他の治療の適応を判断します。

特にAHIが20~30台の中等症の方はPSGで計測し直すことで基準を満たし、保険でCPAP治療が可能となるケースが多く報告されています[1]。

CPAP治療を保険で開始する前

前述の通り、保険適用のCPAP治療にはPSGによる診断が必要です。

したがって、簡易検査でSASの可能性が高いと判明した後、CPAP療法を受ける予定の患者には原則としてPSG検査を実施します。

PSGで正確に重症度を評価し、治療効果の期待できる患者か確認するプロセスです。

この手順を踏むことで、不必要な治療を避けるとともに、適切な患者には確実に保険適用されるようになります[3]。

鼻づまりや不整脈など合併症の可能性がある場合

SASに加えて他の要因や疾患が睡眠に影響している疑いがあるケースでは、より包括的な評価のできるPSGが望ましいです。

例えば重度の鼻閉(鼻づまり)があると睡眠中の口呼吸や低呼吸の原因となるため、PSGでその影響度を評価します。

不整脈や足のピクつき(周期性四肢運動←こちらは入院検査でないと指摘されにくいです)などが疑われる場合も、心電図や筋電図を同時記録できるPSGで確認できます。

これにより、単なる閉塞型無呼吸だけでなく複合的な睡眠障害の診断が可能となり、適切な治療計画に繋がります[2]。

簡易検査の結果が不明瞭・異常値の場合

携帯型モニターの装着状態が悪かったり、機器トラブルでデータが不足している場合、正確な診断が困難です。

また、簡易検査でAHIがギリギリ基準未満だったものの症状が強い場合や、測定値に矛盾がある場合も、念のため精密検査で再評価することが勧められます[1]。

簡易検査は測定項目が限られるため見逃しも起こりえますが、PSGなら脳波に基づき正確なAHIが算出でき、誤診のリスクを下げられます[2]。

以上のように、簡易検査はあくまでスクリーニングであり、疑わしい所見があれば確定診断のためPSG検査が必要になります。

入院検査を避けたい方へ|自宅検査とオンライン診療という選択肢

 

「忙しくて入院なんて無理」「できれば病院に行かず検査したい」という方には、オンライン診療を活用した在宅検査という選択肢もあります。

近年、医療機関によっては初診からオンラインで診療を行い、自宅での簡易検査(必要に応じて在宅PSG検査)・診断まで完結できるサービスを提供しています。

オンライン診療の場合、まずビデオ通話等で医師が問診・診察を行います。

その結果SASが疑われれば、検査用の簡易モニター機器が自宅に郵送されてきます[8]。

患者さんは使い方の指示に従って就寝前にセンサー類を自分で装着し、自宅で普段通り一晩眠ります。

返却された機器のデータ解析後、遠隔で診断結果の説明を受けることができます[8]。

この一連の流れを自宅にいながら完結できるのが大きなメリットです。仕事や育児で忙しく通院の時間が取りにくい方、遠方に住んでいて専門医療機関が近くにない方にとって、オンライン診療+在宅検査は強い味方となるでしょう。

実際、オンライン診療によるSAS簡易検査は保険適用も認められており、24時間いつでも予約受付が可能なクリニックもあります[8]。

簡易検査の結果、精密検査や専門治療が必要と判断された場合には、精密検査(入院または在宅PSG)を案内されます[8]。

オンライン診療は受診のハードルを下げる有用なツールですが、最終的な治療方針は医師の判断に基づき決定されます。

重要なのは、症状に心当たりがある場合に放置しないことです。「いびきがひどい」「日中の強い眠気が続く」「夜間に呼吸が止まっていると指摘された」など、SASが疑われる兆候がある方は、早めに専門医に相談しましょう。

オンライン診療でも対面診療でも、自分に合った方法で第一歩を踏み出すことが肝心です。

睡眠時無呼吸症候群は適切に診断・治療すれば改善が期待できる疾患です。

特に中等症~重症の方ではCPAP療法によって日中の眠気やQOLが向上し、高血圧や心血管疾患のリスク低減も期待できます[6]。

一方、未治療の重症SASを放置すると交通事故のリスクが2~3倍に高まるとの報告もあり[9]、命に関わる合併症を招くおそれもあります。

思い当たる症状がある場合は、面倒に感じてもまず検査を受けてみてください。

簡易検査から入院検査まで様々な方法がありますので、専門医と相談し自分に最適な方法で正確な診断をつけることが健康への第一歩です。

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、ぜひ遠慮なくオンライン診療や専門外来を活用してみてください。

詳しくは当院ホームページのオンライン診療案内もぜひご覧ください。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

[1] 日本呼吸器学会/日本睡眠学会. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020.
[2] Kapur VK, et al. Clinical practice guideline for diagnostic testing for adult obstructive sleep apnea. J Clin Sleep Med. 2017;13:479–504.
[3] 厚生労働省. 公的医療保険制度(自己負担割合・高齢者医療)/診療報酬点数表(持続陽圧呼吸療法の適用基準等)。
[4] 日本睡眠学会(患者向け資料). 睡眠時無呼吸症候群の検査と費用の目安(簡易検査・PSG)。
[5] 厚生労働省. 差額ベッド代(特別療養環境室料)に関する周知資料。
[6] Patel SR, et al. Continuous positive airway pressure therapy for treating sleepiness in obstructive sleep apnea: meta-analysis. Arch Intern Med. 2003;163:565–571.
[7] Nakamura K, et al. Survival benefit of continuous positive airway pressure in Japanese patients with obstructive sleep apnea: a propensity-score matching analysis. J Clin Sleep Med. 2021;17:211–218.
[8] 厚生労働省. オンライン診療の適切な実施に関する指針(在宅での簡易検査運用に関する記載を含む)。
[9] Tregear S, et al. Obstructive sleep apnea and risk of motor vehicle crash: a meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2009;5:573–581.

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース費用は?値段相場・保険適用・作り方を解説

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。大きないびきや日中の強い眠気だけでなく、高血圧・心疾患・脳卒中など様々な合併症リスクが高まることも知られており、放置すれば健康への影響が大きいため適切な治療が重要です。

一般的にSAS治療の第一選択は持続陽圧呼吸(CPAP)療法ですが、マスクや機械を毎晩使用することに抵抗を感じる方も少なくありません。そのような中、マウスピース(口腔内装置:Oral Appliance Therapy, OAT)による治療も重要な選択肢の一つです。実際、国内外のガイドラインでも軽症~中等症SASの治療としてマウスピース療法が推奨されており、いびきが強い方やCPAPが苦手な方まで幅広く活用されています。

本記事では、SASに対するマウスピース治療について、その仕組みや効果、費用(保険適用の有無)、メリット・デメリット、治療のステップ、さらに市販品との違いなどを医学的エビデンスにもとづき分かりやすく解説します。最後に、SASが疑われる場合の受診方法として当院のオンライン診療についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法「マウスピース(口腔内装置:OAT)」とは?

 

マウスピース治療(口腔内装置療法, Oral Appliance Therapy: OAT)とは、睡眠時無呼吸症候群に対して就寝時に装着するオーダーメイドの歯科装置による治療法です。顎を前方に固定する特殊なマウスピースを装着することで気道の閉塞を防ぎ、無呼吸や低呼吸の発生回数を減少させます。英語では「下顎前方移動装置(Mandibular Advancement Device, MAD)」とも呼ばれ、日本では「スリープスプリント」という名称が使われることもあります。

透明な樹脂製のマウスピースを上下の歯列に装着し、下顎を前方に固定することで気道を広げます。その結果、就寝中に舌が喉へ沈み込むのを防ぎ、いびきや無呼吸を軽減する仕組みになっています。

マウスピース治療は軽症~中等症のSAS患者に適した治療法であり、「CPAPは大掛かりなのでできれば避けたい」という場合に重要な選択肢となります。

実際、閉塞性SAS患者の治療ガイドラインでは、「CPAP治療の適応とならない軽~中等症の症例、あるいはCPAPが使用できない症例」に対してマウスピース(口腔内装置)による治療を行うことを提案すると記されています。

一方で、重症(無呼吸の程度が高度)ではマウスピースのみで十分な効果が得られないことも多く、その場合はまずCPAPが推奨されます。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)向けマウスピースの値段・費用相場と保険適用

 

保険適用の条件

日本国内では、一定の条件を満たせば睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピース治療は健康保険の適用が可能です。適用のためにはまず専門医療機関で終夜睡眠検査などを受けてSASと確定診断される必要があります。

具体的には、内科・呼吸器科・耳鼻科などで検査を行いSASと診断された上で、その診断書・紹介状を持って歯科を受診し装置作製の依頼をする流れになります。言い換えれば、単なるいびき症(SASではない場合)や「自分はSASかも」と疑っている段階では保険は使えず、まず医科で正式にSASと診断されることが前提となります。

また、保険適用となる装置の種類には制限があります。現在保険診療で認められているのは上下顎一体型の口腔内装置のみであり、上下が分離して前後の微調整が可能な高度なタイプ(いわゆる上下顎分離型)の装置は保険適用外(自由診療)となります。

適用に年齢制限はありませんが、通常自分の歯が20本以上残存している成人であることが望ましいとされています(歯の本数が少ない場合や小児は適応外となることがあります)。

費用の目安

保険適用でマウスピースを作製した場合、自己負担3割の方で約1万円前後(1~1.5万円程度)の費用となることが一般的です。

装置そのものの技術料はおよそ3~5万円ほどで、残りの費用を保険が負担します。比較的安価に作れるため、強いいびきのある軽症の方やCPAPが不要な程度の中等症の方であればまず保険でマウスピース治療を試みる価値があります。

一方、SASと診断されない単なるいびき症でマウスピースを作りたい場合や、前述した高度な上下分離型マウスピースを希望する場合は自由診療(自費)となります。

自由診療の費用は歯科医院ごとに異なりますが、一般的な上下分離型の高度な装置では10万円以上かかるケースもあります。

簡易的な上下顎一体型の装置を自費で作る場合でも数万円(おおむね3~5万円程度)が相場で、保険適用と比べると患者さんの負担は大きくなります。

下表にマウスピース治療の費用相場をまとめます(いずれも日本国内の目安です)。

装置の種類・入手方法 患者の自己負担額 (目安) 備考
医療用マウスピース(保険診療) 約1~1.5万円前後 要SAS確定診断。保険適用は上下顎一体型のみ
医療用マウスピース(自由診療・一体型) 数万円(約3~5万円) SAS未診断のいびき症の場合など。歯科医院によって費用設定が異なる
医療用マウスピース(自由診療・分離型) 10万円以上 微調整機能付きの高度な装置。保険適用外(高度な専門治療)
市販の簡易マウスピース 1,000~10,000円程度 ドラッグストアや通販で購入。いびき対策用グッズ(医療機器ではない)

※上記は一般的な目安であり、実際の費用は各医療機関や装置の種類、保険負担割合によって異なります。

保険適用を受けるには多少手間がかかりますが、まず医科で正確な診断を受け、その結果をもとに歯科でオーダーメイドの装置を作製するというプロセス自体が、安全で効果的な治療のために重要です。

費用面でも保険適用であれば比較的安価に済むため、SASと診断された方は主治医にマウスピース治療の適否を相談してみるとよいでしょう。

マウスピース治療のメリット・デメリット

 

マウスピース(口腔内装置)治療には、多くの利点がある一方で注意すべき欠点や限界も存在します。ここでは、主なメリット(長所)とデメリット(短所)をそれぞれ整理して解説します。

マウスピース治療のメリット(長所)

症状改善効果が高い

適切に使用すれば就寝中の無呼吸・低呼吸発生を大幅に減少させることができ、日中の眠気やいびき等の症状も顕著に改善します。

特に軽度~中等度のSAS患者であればマウスピース単独で生活の質(QOL)が大きく向上するケースが多く、日中の眠気の改善度はCPAPと同等との報告もあります。実際、メタ解析の結果でもCPAPと口腔内装置の間でEpworth眠気スケール(ESS)の改善度に有意差はみられなかったことが示されています。

 

装着の負担が小さい

マウスピースは小型で装着も簡便なため、CPAPマスクのような圧迫感や機械の騒音がなく、就寝中のストレスが少ないです。旅行や出張の際にも持ち運びしやすく、電源も不要なのでどこでも使用できます。

また、寝相によって機器が外れてしまう心配もありません。こうした理由から、就寝中の快適さや治療満足度の点でもCPAPに劣らないとの指摘もあります(CPAPが苦手な方にとって有力な選択肢となりえます)。

さらに、マウスピース装着によっていびきが軽減すれば同室のパートナーの睡眠も妨げにくくなるという利点もあります。

 

経済的負担が比較的軽い

保険適用で作製する場合、自己負担は1万円前後と比較的安価です。

一度オーダーメイドで作れば耐久性も高く、数年程度は使用可能なので(個人差はありますが約3~5年使用できるケースが多い)、CPAPのように毎月装置レンタル費用がかかることもありません。長い目で見ても経済的負担が少なく、継続しやすい治療と言えます。

 

その他の効果

マウスピースは就寝中の口呼吸を鼻呼吸に矯正する効果も期待できます。装置装着により口が開きにくくなるため、口呼吸の癖がある方では装着を機に鼻呼吸が促され、いびきの一因である口蓋の振動が減ることがあります。

また、歯ぎしりのある方ではマウスピースがナイトガード(就寝時のマウスピース)として歯の保護にも役立つ場合があります(ただし治療目的はあくまで無呼吸の改善です)。

 

マウスピース治療のデメリット(短所)

重症SASでは効果不十分

無呼吸の程度が重度(AHIが高値)の場合、マウスピースのみでは気道を十分開けられず無呼吸・低呼吸を完全に抑制できないことが多いのが現状です。そのため、重症例では第一選択治療はCPAPとなり、マウスピース治療は「CPAPがどうしても使用できない場合の代替策」や「CPAPとの併用療法」と位置付けられます。

重症SAS患者でマウスピース治療を行う際は、主治医と相談の上で慎重に適応を判断する必要があります。

 

効果に個人差がある

マウスピース治療の効果には個人差があり、顎の骨格や歯並び、肥満度など様々な要因で左右されます。中には期待したほどの無呼吸改善が得られないケースもあり、およそ3割の患者さんでは十分な改善が得られなかったとのデータもあります。

このため、装置作製後には必ず再度睡眠検査で治療効果を確認し、必要に応じて装置の再調整や他の治療法への切り替えを検討することが重要です。

 

顎や歯への副作用

マウスピース治療には口腔や顎への物理的な負担が伴います。使用初期には唾液が増える、口が渇く、歯ぐきの圧迫感、歯の痛み、顎の関節や筋肉の違和感などが起こる場合があります。これらは通常、数週間程度の使用で慣れることがほとんどですが、長期的には少しずつ歯並びや噛み合わせに変化が生じることも報告されています。

実際に数年間の使用で上下の前歯の嚙み合わせが浅くなる(前方に移動する)傾向があるとの研究結果もあります。

こうした副作用はゆっくり進行するため自覚しにくいですが、定期的に歯科で経過をチェックし必要に応じて装置の調整・交換を行うことで大きな問題を防ぐことができます。

 

適応に制限がある

重度の鼻づまりがある方や重い顎関節症をお持ちの方、また自分の歯が極端に少ない方などはマウスピース治療が適さないことがあります(装置を支える歯が十分にない場合、固定が難しい)。総入れ歯の方も基本的には適応外です。

また、オーダーメイド装置の作製には歯科での型取りや調整のため複数回の受診が必要となるため、治療開始までにある程度の時間と手間がかかります。

さらに、マウスピース治療中も内科的な経過観察(症状や合併症のチェック)は続ける必要があり、これらを包括的に管理するためには医科と歯科の連携が不可欠です。

 

医療用マウスピースを作るステップ

 

実際に医療機関で睡眠時無呼吸症候群と診断され、保険適用のマウスピースを作製するまでの一般的な流れを説明します。各患者さんの状況によって多少手順は前後する場合もありますが、ここでは代表的なステップを挙げます。

1. 専門医への相談(オンライン診療も活用)

まずは睡眠時無呼吸症候群の専門外来(呼吸器内科、耳鼻咽喉科など)を受診し、症状について相談します。大きないびきや日中の強い眠気、睡眠中の無呼吸を指摘された経験などがあれば詳しく伝えましょう。

当院ではスマホやPCから利用できるオンライン診療にも対応していますので、多忙な方や遠方の方はオンライン診療で自宅から専門医に相談することも可能です。問診や簡易検査(自宅でできるSASスクリーニング検査)を行い、必要に応じて一泊入院の終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)など詳しい検査を手配します(PSGについては自宅で可能なタイプも手配が可能です)。

そしてこれらの結果に基づき、SASかどうかの正式な診断を行います。

 

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2. 治療方針の決定と紹介状の発行

検査の結果SASと診断された場合、重症度によって治療の選択肢はいくつかありますが、軽症~中等症であればマウスピース治療が有力な選択肢となります。患者さんがマウスピース治療を希望し適応がある場合は医師から歯科宛てに診療情報提供書(紹介状)を提供、歯科にて歯科装具を作製する流れとなります。

一方、重症SASと診断された場合は、まずCPAP療法が提案されますが、「どうしてもCPAPは使えない、使用したが合わない」という事情がある場合には代替策としてマウスピース治療が検討されることもあります(ただし前述の通り効果に限界があるため慎重な判断が必要です)。

3. 歯科受診と装置の型取り

紹介状を持参して歯科を受診します。睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療は、対応している歯科(口腔外科や補綴科がある大きな病院歯科、もしくは睡眠歯科に詳しい開業医)で行います。

歯科ではまず虫歯や歯周病の状態を確認し、マウスピース装置が装着可能か評価します(重度の歯科疾患があれば先に治療が必要になることもあります)。問題なければ上下の歯型(型取り)を行い、患者さんの顎の可動域を考慮しながら下顎を前方にどの程度出すかを決定します。

一般には下顎の最大前方移動量の50~75%程度前に出した位置から治療を開始し、効果と副作用のバランスを見ながら微調整していく方法が推奨されています。専門の歯科医師が患者ごとに最適な下顎位置を設定し、必要に応じて段階的に前方移動量を増やしながら治療効果を高めていきます。

歯型と下顎位の情報をもとに歯科技工所でオーダーメイドの装置を製作します(製作には通常1~2週間程度かかります)。

4. 装置の装着・受け取り

装置完成後、歯科で装着チェックと調整を行います。実際に口腔内に装置をはめてみて、痛みやぐらつきがないか、上下の噛み合わせに問題がないかを確認します。必要に応じて装置を削合・調整し、フィット感良く装着できる状態になれば治療開始です。

歯科医から装着方法(寝る前の装着・起床時の外し方)やお手入れ方法についての詳しい指導を受けます。装置は毎晩就寝時に装着し、起床時に外して水洗い・乾燥させて保管します。材質にもよりますが装置の耐用年数は数年(平均3~5年)程度とされ、破損や劣化がなければ繰り返し使用可能です。

5. 治療効果の確認(再検査)

マウスピース装着による治療開始後、数週間~1か月程度経過した時点で治療効果の評価を行います。

具体的には、装置装着下での睡眠検査(簡易検査もしくは入院検査)を実施し、無呼吸低呼吸指数(AHI)の改善やいびきの音量低下、日中の眠気の変化などを客観的に確認します。この結果次第では、さらに効果を高めるため装置の下顎前方位置の再調整を行ったり、十分な効果が得られていなければ他の治療法(CPAPや外科的治療等)への変更を検討したりします。

多くの場合、適切に調整されたマウスピースでAHIが目標範囲まで低下し症状も改善します。その場合は今後もマウスピース治療を継続し、必要に応じて定期検査を受けていくことになります。

6. 定期フォローアップ

マウスピース治療を開始した後も、医科と歯科の両面で定期的なフォローを受けることが望ましいです。内科ではSASの症状や合併症の経過観察、体重の増減など生活習慣の変化に応じた指導を続けます。

歯科では半年~1年に一度程度、装置やお口の状態をチェックします。装置がすり減っていないか、壊れていないか、噛み合わせや歯並びに変化が出ていないか等を確認し、異常があれば装置の調整・修理や新規作製を検討します。

特に数年使用して装置が劣化した場合や、歯の本数・状態に変化があった場合は、新しい装置の再作製が必要になります。定期フォローを怠らず受けることで、マウスピース治療の効果と安全性を長期にわたり維持することができます。

【要注意】安価な市販マウスピースと医療用の決定的な違い

 

ドラッグストアやインターネット通販などでは、いびき対策用の簡易な「市販マウスピース」(マウスガード)の製品も販売されています。数千円程度と安価で手軽に試せるため、「ひょっとしてSASかも?」と思ったとき、まず市販品を購入して様子を見たくなるかもしれません。

しかし、市販品と医療用マウスピースでは目的も作りも全く異なり、治療効果や安全性の面で大きな違いがあります。自己判断で市販品に頼る前に、その違いを正しく理解しておきましょう。

適合性・フィット感

市販のマウスピースはあらかじめ決まった既製サイズで作られているものがほとんどです。一部にお湯で軟化させて自分の歯型を写し取る簡易成形タイプもありますが、それでも完全に個々の歯並びに適合するわけではありません。

その結果、装着時にズレや違和感が生じたり、就寝中に外れてしまったりする場合があります。

一方、医療用マウスピースは歯科で自分の歯型に合わせて精密に作製されるためフィット感が非常に高く、外れにくい構造です。顎関節や歯に過度な負担がかからないよう調整されるため、長時間装着しても比較的快適に使い続けることができます。

また、素材も耐久性の高い医療材料が用いられるため、壊れにくく清潔に保ちやすい点も優れています。

治療効果

市販マウスピースはあくまでいびき軽減グッズであり、無呼吸症候群に対する確実な治療効果は保証されていません。顎を固定する位置も自分で調整する必要がありますが、適切な前方移動量の目安を知ることは難しく、十分に無呼吸を改善できない可能性が高いです。

実際に市販品を試してみたものの「いびきがあまり変わらない」「装着しづらくて使わなくなった」という声もよく聞かれます。

一方、医療用マウスピースは正式な診断を受けたSAS患者を対象に、専門の歯科医師がエビデンスに基づき適切な顎位置に調整して作製するものです。無呼吸の発生を減らす確かな効果が期待でき、軽症~中等症であればマウスピースのみで症状や日中の眠気が大幅に改善するケースも多く報告されています。

実臨床においても、CPAP治療に匹敵する満足度が得られた例が数多く存在します。総じて、市販品は医学的根拠に基づく治療とは言えないのに対し、医療用マウスピースは専門的な管理のもとで効果検証された治療法である点が決定的に異なります。

安全性・副作用への対応

市販マウスピースは自己流で使用するしかないため、顎関節や歯への負担が生じても対処が難しいです。合わない装置を無理に使い続ければ、顎関節症状の悪化や歯の動揺・噛み合わせの悪化を招くリスクがあります。

また、粗悪な製品の場合、就寝中に装置が外れて喉に詰まるような事故のリスクもゼロではありません。医療用マウスピースであれば、装置作製時に歯科医が顎関節や歯への影響を考慮して調整してくれるほか、装着中に痛みや違和感があれば随時調整や噛み合わせ修正を行ってもらえます。長期使用による歯列変化についても定期検診でモニタリングされるため、異変があれば早期に対策可能です。

このように、医療用マウスピースは専門家のフォローの下で安心して継続できる治療と言えます。

費用対効果

市販品は安価ではありますが、その価格帯は1個あたり1,000~10,000円程度と幅があります。高価な市販マウスピースを購入するくらいであれば、最初から医療機関で保険適用のマウスピースを作製した方が費用対効果は高いでしょう。

前述の通り保険診療なら自己負担約1万円でオーダーメイド装置が作れます。市販品に手を出して結局効果が得られず、時間とお金を無駄にするケースも少なくありません。それよりは早めに専門医に相談して正式に診断と治療を受けることを強くおすすめします。

適切な治療によって結果的に症状が改善すれば、日中の活動効率が上がったり合併症リスクが下がったりするため、その意味でもマウスピース治療はコストパフォーマンスの良い治療と言えるでしょう。

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24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

長期間にわたって眠気が取れないと悩んでいる場合や、いびき・無呼吸の指摘がある方は、早めに専門医に相談し、必要な検査・治療を受けて快適な睡眠と日常生活を取り戻しましょう。

 

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参考文献

  • 睡眠時無呼吸症候群と血圧の関係。高血圧にご注意! | 横浜弘明寺
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース治療の効果はどの程度ある?効果なし?メリットやデメリットも解説 | 森下駅前クリニック
  • 日本呼吸器学会 『睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020』 南江堂, 2020年
  • いびきのマウスピースの効果や費用はどれくらい?市販と歯科それぞれの違い | いびき治療専門クリニック〖公式〗スリープメディカルクリニック
  • マウスピースによる治療 | 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査なら – SAS対策支援センター
  • Oral Appliances for Sleep Apnea: Types, Benefits, Risks | SleepApnea.org
  • 日本歯科睡眠学会 『閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置に関する診療ガイドライン(2020年版)』

 

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