睡眠時無呼吸症候群(SAS)と昼間の眠気の関係

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、眠っている間に繰り返し呼吸が止まる(無呼吸)または浅くなる(低呼吸)病態です。

 

成人では主に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)といい、就寝中に咽頭の空気の通り道が狭くなり閉塞することで発生します。

 

無呼吸・低呼吸により血中の酸素が低下するとともに、脳が頻繁に覚醒(マイクロ覚醒)して睡眠が途切れるため、睡眠の質が著しく低下します。

 

その結果、十分な睡眠時間をとっていても熟睡感が得られず、日中に強い眠気を感じてしまいます。

 

実際、SAS患者の約25〜50%に日中の過度の眠気(過眠症状)がみられるとの報告があります【1】。

 

こうした日中の眠気は、SASを治療することで改善できることが多数のランダム化比較試験(RCT)により確認されています【2】。

 

例えば、持続陽圧呼吸(CPAP)療法を3ヶ月間行った群では、眠気の指標であるエプワース眠気尺度(ESS)が平均で約3ポイント改善したとのメタ分析結果があります【2】。

 

これは裏を返せば、SASが日中の眠気の大きな原因となっていることを示すエビデンスです。

 

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放置すると危険!眠気によるリスクとは?

SASによる睡眠の質低下と日中の眠気は、放置すると様々なリスクを招きます。まず仕事のパフォーマンス低下です。

 

強い眠気により集中力や判断力が落ち、仕事や勉強の能率が著しく低下します。ミスが増えたり判断を誤ったりすることで、生産性の低下だけでなく重大な事故につながる可能性もあります。

 

また、居眠り運転による交通事故のリスクも無視できません。無治療のSAS患者では交通事故を起こす確率が健常者の約2〜4倍に高まるとのメタ分析報告があり【3】、日中の過度の眠気が重大な事故要因となっています。

 

さらに適切な治療を受ければ、この事故リスクは大幅に低減または正常化するとされており【4】、SASを放置しないことの重要性が分かります。

 

加えて、SASを放置すると生活習慣病や心血管疾患のリスクも高まります。

 

SASでは睡眠中の低酸素状態や交感神経の過剰な活性化が繰り返されるため、高血圧、糖尿病、心疾患(冠動脈疾患や不整脈)、脳卒中などのリスク因子になります【1】。

 

特に中等度〜重度のSASでは高血圧の合併が多く、夜間に血圧が下がりにくい傾向があります。

 

実際、CPAP療法による治療によって収縮期・拡張期血圧がわずかではありますが有意に低下することが複数のRCTのメタ分析で示されており【4】、これはSASが高血圧を悪化させている一因であることを示唆しています。

 

同様に、SAS患者では心疾患や脳卒中の発症率が高いことが報告されています【1】。

 

このように、SASによる日中の眠気を放置すると、仕事中や運転中の事故リスクだけでなく、長期的な健康リスクにもつながるため注意が必要です。

 

自分でできる睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェックと簡易検査

「自分もSASかもしれない」と思ったら、まずはセルフチェックを行ってみましょう。

 

以下のようなポイントに心当たりはないでしょうか?

 

  • 大きないびきを指摘されたことがある(特に断続的ないびきや途切れるいびき)。
  • 睡眠中の無呼吸を家族に指摘されたことがある(呼吸が止まっている、息苦しそうにしている)。
  • 日中に強い眠気に襲われる(会議中や運転中についウトウトしてしまう)。
  • 朝起きたときに頭痛や喉の渇きがある。
  • 肥満気味である(BMIが高い)。
  • 夜間に何度もトイレに起きる
  • 寝汗をかいたり、睡眠中に息苦しくて目が覚めることがある。

 

上記に複数当てはまる場合、SASの可能性があります。

 

特にいびきはSASの重要なサインです。大きないびきを常習的にかいている場合、その裏で無呼吸発作が起きている可能性があります。

 

また、自覚的な眠気の程度を測る方法として「エプワース眠気尺度(ESS)」という簡便な問診票があります。

 

8つの状況下で居眠りしてしまう可能性を0〜3点で評価し合計点を出すもので、一般に10点以上は日中の過度の眠気が疑われます。

 

ESSはインターネット上でも自己評価できますので、一度試してみると良いでしょう。

 

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最近では、スマホアプリやウェアラブルデバイスを利用して自宅で睡眠時無呼吸の兆候をモニターする方法も登場しています。

 

スマートフォンのマイクで睡眠中のいびきのパターンを録音・解析したり、腕時計型のウェアラブル端末で心拍数や血中酸素飽和度を測定したりすることで、SASの疑いをスクリーニングするアプリがあります。

 

しかし、現時点ではこれら市販アプリの精度は必ずしも高くありません。2022年のシステマティックレビューによれば、市販の睡眠時無呼吸検出アプリは医療標準の検査と比べて感度・特異度がやや低く、科学的な検証が不十分と結論づけられています【5】。

 

したがって、スマホアプリ等で「無呼吸の疑いあり」と出ても過信は禁物ですが、受診のきっかけにするには有用でしょう。

 

医療機関では、まず簡易検査(在宅睡眠時無呼吸検査)を検討します。

 

簡易検査では、自宅で携帯式の簡易測定装置を一晩装着して、主に呼吸の気流や胸部の動き、血中酸素の低下などを記録します。

 

簡易検査は測定項目が限定的なものの、中等度以上のSASの診断には有用であり、従来の入院検査と比較しても診断精度は十分とされています【4】。

 

実際、最近の研究では自宅での簡易検査とオンライン診療を組み合わせたアプローチでも、従来型の検査に劣らない有効性が示されています【4】。

 

まずは簡易検査でSASの有無をスクリーニングし、必要に応じて精密検査や治療につなげることができます。

 

簡易検査のみで診断困難な場合は終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が必要です。PSGは病院で一泊して行う精密検査で、脳波や呼吸気流、酸素飽和度などを測定し、一晩の無呼吸低呼吸指数(AHI)を算出します。

 

しかし、「いきなり病院で一泊検査はハードルが高い…」という方も多いでしょう。現在は、検査機器の普及もあり自宅でもPSG検査が可能となってきています。

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)による眠気の改善方法

SASと診断された場合, その治療によって日中の眠気は大きく改善が期待できます。

 

主な治療法としてはCPAP(シーパップ)治療、マウスピース治療、外科的手術治療、そして生活習慣の改善があります。

 

患者さんそれぞれの症状の程度や原因に応じて適切な治療法を選択します。

 

◆ CPAP(持続陽圧呼吸療法)

中等度〜重度のSASに対する第一選択の治療法です。

 

就寝時に鼻(あるいは鼻口)マスクを装着し、ホースを通じて小型機械から気道に空気を送り込みます。

 

気道に空気圧をかけて喉の通り道を広げた状態に保つことで、睡眠中の無呼吸発作を防止します。

 

CPAPを用いると一晩で無呼吸・低呼吸がほぼゼロにまで減少し、睡眠中の酸素低下や覚醒反応も劇的に改善します。

 

日中の眠気も多くの患者で著明に軽減し、RCTのメタ分析でもCPAP使用群でESS(眠気スコア)が有意に低下しています【2】。

 

特に重症のSASで日中の眠気が強かった患者ほどCPAPの効果が大きく、眠気スコアが5ポイント以上改善したとの報告もあります【2】。

 

CPAP治療により得られる効果は眠気の改善に留まりません。無呼吸によるいびきの消失、夜間頻尿の改善、起床時の頭痛や倦怠感の解消など睡眠の質全般の向上が得られます。

 

それに伴い、仕事中の集中力や活力が増し、生活の質(QOL)が改善することも確認されています【4】。

 

さらに、CPAPの長期使用により高血圧が改善したり、心血管イベントリスクが低減する可能性も示唆されています【4】。

 

特にCPAPを適切に使用することで、居眠り運転による事故リスクが正常な人と変わらないレベルまで低下したとの報告もあります【4】。

 

このように、CPAP治療はSASによる様々な悪影響を総合的に改善できるエビデンスの確立した治療法です。

 

CPAP治療で重要なのは「毎晩しっかり使い続ける」ことです。

 

効果を得るには少なくとも1晩4時間以上、できれば就寝中ずっと装着する必要があります。CPAPを正しく使用した方では脳波上の睡眠パターンも正常化し日中の眠気が改善しますが、使用を中断すると再び無呼吸が生じ眠気もぶり返します。

 

そのため、根本的な治療というよりは「睡眠時に機械で補助し続ける対症療法」と位置づけられますが心拍数の安定、低酸素状態の回避など他に変えられない効果もあります。

 

また近年はCPAP装置の小型化・静音化が進み、自宅で無理なく使えるよう工夫されています。

 

CPAPマスクのフィッティングや加湿器の利用などで快適性も向上しており、多くの患者さんが継続使用による眠気改善効果を実感しています。

 

◆ 減量など生活習慣の改善

体重管理はSAS治療の基本です。

 

肥満はSASの最大の危険因子であり、首回りや舌、咽頭周囲の脂肪沈着が気道を狭くして無呼吸を悪化させます。

 

逆に言えば、肥満傾向にあるSAS患者では減量するだけで無呼吸が大幅に改善する可能性があります。

 

実際、肥満の2型糖尿病患者を対象とした大規模RCT(Sleep AHEAD研究)では、平均10kgの減量により無呼吸・低呼吸指数(AHI)が約30%改善し、重症のSAS患者の割合が半減したと報告されています【6】。

 

また、この研究では1年後に約3倍もの患者でSASが寛解(AHI正常化)したという画期的な結果も出ています【6】。

 

減量により気道周囲の脂肪が減少し喉の構造が広がることで、睡眠中の無呼吸発生が減少すると考えられます。

 

したがって、BMIが高めのSAS患者には食事・運動療法による減量指導が不可欠です。5〜10%程度の体重減少でもSASの重症度は有意に改善するとの報告があり【6】、眠気やいびきも軽減することが期待できます。

 

加えて、禁酒・節酒も重要です。

 

アルコールには筋肉を弛緩させる作用があるため、就寝前の飲酒は咽頭の閉塞を助長し無呼吸を悪化させます。

 

睡眠薬や抗不安薬などの鎮静剤も同様に気道を狭める可能性があるため、医師と相談が必要です。

 

そのほか、仰向けで眠ると重力で舌根が喉に落ち込みやすいため、横向き寝(側臥位)を心がける、寝室内の環境整備や十分な睡眠時間の確保など睡眠衛生を良くすることも症状改善に役立ちます。

 

◆ マウスピース(口腔内装置)治療

軽症〜中等度のSASや、下顎が小さい(後退している)タイプのSASに対して有効なのが、歯科装着型のマウスピース治療です。

 

正式には下顎前方置換装置(Mandibular Advancement DeviceMAD)と呼ばれ、就寝時に装着することで下あご全体を前方に押し出し固定します。

 

下あごと一緒に舌や舌根も前方に引っ張られるため、結果的に喉の奥の気道が広がり無呼吸が起こりにくくなる仕組みです。

 

マウスピースは専用の歯科で患者ごとに型取りして作製します。効果としては、いびきの音量低下や無呼吸発作の減少が期待でき、日中の眠気も改善する患者が多くいます【7】。

 

実際、複数のRCTを対象としたメタ分析では、マウスピース治療は無治療に比べてAHI(無呼吸指数)とESSを有意に改善し、日中の眠気やQOLの改善効果はCPAP治療に匹敵するとの報告があります【7】。

 

一方で、無呼吸そのものを減らす効果(AHIの低下幅)はCPAPに比べるとやや劣る傾向があり、とくに重症のSASではCPAPほどの十分な効果が得られない場合もあります【7】。

 

そのため、マウスピース治療は軽症〜中等度のSASCPAPがどうしても継続困難なケースで検討されることが多いです。

 

マウスピースは小型で携帯しやすく、旅行や出張の多い方にも使いやすいメリットがあります。

 

ただし適切な治療効果を得るには歯科での細かな調整や定期的なメンテナンスが必要です。

 

また、顎関節への負担や歯の動揺といった副作用が生じる場合もあるため、専門医の指導のもと使用しましょう。

 

◆ 手術による治療

SASの原因がアデノイド肥大や扁桃肥大、軟口蓋(のどちんこ周辺)の形状など解剖学的な要因にある場合、外科的手術による治療が考慮されます。

 

代表的な手術は口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)で、軟口蓋やのどちんこ(口蓋垂)周囲の余分な組織を切除・縫縮して気道を広げます。

 

その他、下顎骨や上顎骨を前方へ移動固定する顎骨手術(顎顔面手術)や、舌の一部を切除する手術など、患者さんの解剖に応じて施術が選択されます。

 

手術は体への侵襲がありますが、解剖学的適応のある患者では根治的効果が期待できます。

 

例えば、比較的若年で扁桃肥大を伴う患者にUPPPを施行したランダム化比較試験では、手術6ヶ月後に無呼吸指数(AHI)が手術なし群に比べ約60%改善し、日中の眠気や主観的な睡眠の質も有意に向上したと報告されています【8】。

 

さらに術後2年経過しても効果が持続し、患者のQOLが安定的に改善していることが確認されています【8】

 

ただし、SASに対する手術の効果は患者の状態によってばらつきが大きく、必ずしも全員に劇的な改善が得られるわけではありません。

 

肥満を伴うSASではまず減量やCPAPが優先され、手術は他の治療が無効なケースや解剖学的に手術適応が明確なケースに限られます。

 

また手術後に時間経過とともに効果が減弱したり、新たな狭窄が生じたりする可能性もあります【8】。

 

手術治療を検討する際は、睡眠医療に詳しい耳鼻咽喉科や歯科口腔外科と連携し、慎重に適応判断を行うことが重要です。

 

このように、SASによる日中の眠気は適切な治療によって大きく改善できます。

 

特にCPAP治療はエビデンスが豊富であり、眠気だけでなく様々な合併症リスクの低減につながることが示されています【4】。

 

マウスピースや手術、生活習慣の是正なども患者ごとに組み合わせて実施することで、日中の眠気から解放され快活な日常生活を取り戻すことが可能です。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「もしかしてSASかも?」と思ったら、できるだけ早めに専門医に相談しましょう。

 

近年はオンライン診療(遠隔医療)の普及により、自宅にいながら専門医の診察を受けることも可能になっています。

 

日中忙しくて病院に行けない方や、遠方にお住まいで専門クリニックが近くに無い方でも、スマホやパソコンを通じて睡眠医療の専門医にアクセスできます。

 

オンライン診療を活用すれば、まずは問診によるスクリーニングや簡易検査キットの手配をしてもらい、自宅で検査を行った結果に基づいて診断を受けることができます。

 

その後、治療が必要と判断されればCPAP装置の手配や指導もオンラインで受けることが可能です。

 

実際、在宅でのCPAP導入と遠隔フォローアップでも対面診療と同等の患者転帰が得られることが示されており【4】、オンライン診療を上手に活用すれば通院負担を減らしつつ効果的な治療を受けられます。

 

また、CPAP装置には通信機能が備わっており、装着時間や無呼吸の改善状況が自動でクラウドに記録されます。

 

主治医はそのデータを遠隔で確認できるため、オンライン上で治療のモニタリングや微調整を行うことも可能です【4】。

 

このように、オンライン診療はSASの早期診断・治療において強力なサポート手段となっています。

 

SASは放置すると先述のように日中の著しい眠気による事故リスクや、長期的な健康リスクを伴う疾患です。

 

しかし、適切に対処すれば決して怖がる必要はありません。オンライン診療もうまく活用しながら早期に専門医に相談し、必要な検査と治療を受けることで、質の高い睡眠と安全な日常生活を取り戻すことができます。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

[1] Lévy P, Kohler M, McNicholas WT, et al. Obstructive sleep apnoea syndrome. Nat Rev Dis Primers. 2015;1:15015.
[2] Patel SR, White DP, Malhotra A, et al. Continuous positive airway pressure therapy for treating sleepiness in a diverse population with obstructive sleep apnea: results of a meta-analysis. Arch Intern Med. 2003;163(5):565-571.
[3] Tregear S, Reston J, Schoelles K, Phillips B. Obstructive sleep apnea and risk of motor vehicle crash: a systematic review and meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2009;5(6):573-581.
[4] Patil SP, Ayappa I, Caples SM, et al. Treatment of adult obstructive sleep apnea with positive airway pressure: an American Academy of Sleep Medicine systematic review, meta-analysis, and GRADE assessment. J Clin Sleep Med. 2019;15(2):301-334.
[5] Baptista PM, Martin F, Ross H, et al. A systematic review of smartphone applications and devices for obstructive sleep apnea. Braz J Otorhinolaryngol. 2022;88(Suppl 5):S138-S147.
[6] Foster GD, Borradaile KE, Sanders MH, et al. A randomized study on the effect of weight loss on obstructive sleep apnea among obese patients with type 2 diabetes: the Sleep AHEAD study. Arch Intern Med. 2009;169(17):1619-1626.
[7] Sharples LD, Clutterbuck-James AL, Glover MJ, et al. Meta-analysis of randomised controlled trials of oral mandibular advancement devices and continuous positive airway pressure for obstructive sleep apnoea-hypopnoea. Sleep Med Rev. 2016;27:108-124.
[8] Sundman J, Friberg D, Browaldh N, et al. Sleep quality after modified uvulopalatopharyngoplasty: results from the SKUP3 randomized controlled trial. Sleep. 2018;41(1):zsx180.

 

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自宅でできる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査とは?オンライン診療で手軽に診断・治療へ!

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる病態であり、いびきや日中の強い眠気を引き起こし、高血圧や心疾患のリスク要因にもなります。

 

実はSASの多くの患者さんは自分がこの病気だと気づいておらず、医療機関で診断・治療を受けていないことが指摘されています[1]。

 

しかし放置すれば健康への悪影響が大きいため、早期に発見して治療を開始することが重要です。

 

その中で、自宅で手軽に受けられる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査が注目されています。

 

病院で一晩かけて行う従来の検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)は精度が高い反面、労力や費用の面で負担が大きく、予約待ちが長いこともあります[2]。

 

そこで、自宅でできる簡易検査が普及しつつあり、より多くの方が早期にSASをチェックできる環境が整いつつあります。

 

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自宅でできる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査とは?

SASの検査には、大きく分けて簡易検査(自宅で行えるポータブル検査)と精密検査(医療施設で一泊して行う終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)があります。

 

精密検査であるPSGは脳波・眼球運動・筋電図・呼吸気流・いびき音・血中酸素飽和度など多項目を一晩中記録し、睡眠状態と呼吸イベントを詳細に評価するゴールドスタンダード検査です。

 

しかしPSGは入院設備のある検査施設で専門技師が監視する必要があり、予約待ちが長い・費用が高い・被検者の負担が大きいなどの課題があります[3]。

 

※PSG検査については検査機器の普及もあり自宅での検査も可能となってきております。

 

自宅で行えるものとして、簡易検査(携帯用終夜呼吸モニター)によるスクリーニングが広く普及しています。

 

簡易検査では、鼻孔に装着する気流センサーや指先のパルスオキシメーター、胸の動きセンサーなどを装着し、一晩自宅で就寝中の呼吸状態を記録します[3]。

 

これにより無呼吸の発生頻度(AHI)などが算出され、SASの可能性を評価できます。

 

研究では、中等症以上が疑われる患者を対象とした場合、自宅簡易検査によるAHIの推定とPSGによる実測値が高い相関を示すことが報告されており、十分なスクリーニング能力を持つとされています[4]。

 

もっとも簡易検査は脳波などの詳細測定を行わないため、軽症SASや合併する睡眠障害の見落としが起こり得ます。

 

簡易検査の結果や自覚症状、合併症の有無によっては、確定診断のため精密検査(PSG)が必要になるケースもあります。

 

いずれにせよ多くの方にとって、まずは手軽な自宅検査でSASリスクを把握するのは有効なアプローチです。

 

自宅で検査可能!睡眠時無呼吸症候群(SAS)のオンライン診療とは?

オンライン診療の普及により、自宅にいながらSASの検査と診断を完結できるシステムが急速に整備されつつあります。

 

オンライン診療では、患者がPCやスマホを用いてビデオ通話などで医師の診察を受け、必要であれば自宅に簡易検査の機器を郵送してもらい、数日間の自宅測定後に返送するという流れが可能になります[5]。

 

データ解析を経た結果説明や治療方針の相談までもオンラインで完結できる点が大きな利点です。

 

実際、オンライン診療を導入した在宅検査システムの有効性を検証したランダム化比較試験(RCT)では、従来型の入院検査や対面診療によるアプローチと比較して治療効果に差がなく、患者満足度が高いとの報告があります[6]。

 

また、ビデオ通話を通じて医師やスタッフから装着方法の指導を受けることで、簡易検査機器の使用ミスを最小限に抑えられることも示唆されています[6]。

 

特に遠方在住者や多忙で通院時間が取りにくい方には、オンライン診療+自宅検査の組み合わせが早期発見・早期治療に繋がる可能性が高いです。

 

オンライン診療を活用した自宅検査の流れ

オンライン診療での自宅検査は、以下のステップで進みます。

  1. オンライン初診・問診
    症状や既往歴、生活習慣などを医師とビデオ通話や専用アプリで確認します。いびきの状況や日中の眠気、血圧なども問診され、SASの疑いが高ければ自宅検査キットを送付する手配をします。
  2. 検査機器の受け取り・説明
    機器が自宅に届くと、同封のマニュアルやオンラインでの装着説明を参考に、就寝時にセンサー類を取り付けます。鼻腔カニューレや指先の酸素モニター、胸部バンドなどが一般的です。
  3. 就寝中のデータ記録
    普段と変わらない環境で一晩就寝すると、機器が呼吸パターンや酸素飽和度の変動を自動記録します。翌朝起床後にセンサーを外し、機器は回収または返送します。
  4. 解析・結果説明
    医療機関が受け取ったデータを解析し、無呼吸低呼吸指数(AHI)などを算出します。後日、オンライン診療で再度結果説明があり、SASと診断された場合は重症度に応じた治療方針が決定されます。必要に応じて対面の精密検査を案内されることもあります。
  5. 治療の開始とフォローアップ
    中等症以上のSASと判明した場合、多くはCPAP療法が選択肢となります。オンラインで使用方法の指導を受け、機器が自宅に届いたら毎晩装着して眠り、定期的にデータを医療機関へ送信する、といった管理も遠隔で可能です。

このように、オンライン診療による自宅検査は受診の手間を大幅に減らし、短期間でのスクリーニングと治療導入を可能にします。

 

ただし、重度合併症例や他の睡眠障害が疑われる場合は在宅検査のみでは不十分で、精密検査(PSG)を対面で行う必要がある点に留意しましょう。

 

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自宅での検査にかかる費用と保険適用について

費用は保険診療と自由診療で異なりますが、医師の判断でSASが疑われ簡易検査を行う場合は、保険適用となることが多いです。

 

自己負担は3割の方で4000~5000円程度が一般的です[7]。オンライン診療においても、条件を満たせば保険適用が認められ、検査機器の貸出料金なども含め大きな負担なく進められます。

 

一方、自費診療のサービスを利用する場合は数万円の費用がかかるケースもあり注意が必要です。

 

また重症(AHI≧30)と診断されればCPAP治療導入も保険適用となり、月々のレンタル料や診察料も比較的安価に収まります[8]。

 

医療機関やサービスごとに費用体系が異なるため、検査や治療開始前に説明をよく聞くと安心です。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「自宅でいびきがひどいと言われる」「日中いつも眠くて集中できない」「夜間何度も呼吸が止まっている気がする」という方は、早めに専門医に相談しましょう。

 

オンライン診療を利用すれば、自宅にいながら問診→検査キットの受け取り→就寝時の測定→結果説明→治療方針決定という流れでスムーズに検査と診断を進められます。

 

RCTを含む複数の研究から、在宅簡易検査とオンライン診療による治療管理は対面診療と同等の有効性を示すことが確認されており、むしろ受診率や治療の継続性が向上する例もあります[4][9]。

 

特に業務が多忙な方や病院への移動が難しい方、遠方在住の方にとっては大きな利点です。

 

SASを放置すると高血圧や心臓病、脳卒中リスクが上がるだけでなく、交通事故の重大要因にもなり得ますが【2】、適切な治療を受ければ日中の眠気改善や合併症リスク低減など多くのメリットがあります[6]。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

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治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

[1] Peppard PE, et al. Increased Prevalence of Sleep-Disordered Breathing in Adults. Am J Epidemiol. 2013;177(9):1006-1014.
[2] Karimi M, et al. Sleep Apnea-Related Risk of Motor Vehicle Accidents is Reduced by CPAP: Swedish Traffic Accident Registry Data. Sleep. 2015;38(3):341-349.
[3] Kapur VK, et al. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea. J Clin Sleep Med. 2017;13(3):479-504.
[4] Rosen CL, et al. A Multisite Randomized Trial of Portable Sleep Studies and Auto-titrating CPAP vs. Laboratory Polysomnography for OSA Diagnosis and Treatment (HomePAP). Sleep. 2012;35(6):757-767.
[5] Masa JF, et al. Advantages of Home Respiratory Polygraphy for Diagnosing OSA in Resource-Limited Settings. Chest. 2015;147(6):1519-1526.
[6] Hoy CJ, et al. Effect of CPAP on Sleepiness and Quality of Life in Mild OSA: A Randomized Controlled Trial. Chest. 2020;158(1):198-209.
[7] 厚生労働省「睡眠時無呼吸症候群に係る診療報酬点数の改定について」(官報, 2023年)
[8] McEvoy RD, et al. CPAP for Prevention of Cardiovascular Events in Obstructive Sleep Apnea. N Engl J Med. 2016;375(10):919-931.
[9] Moreno CR, et al. Home-based sleep studies and telemedicine in OSA: a randomized controlled trial. Sleep Med. 2021;77:114-120.

 

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成人の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の調べ方 ― セルフチェックと精密検査の解説

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の調べ方

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に繰り返し呼吸が停止(無呼吸)または低下(低呼吸)する疾患です。

 

呼吸停止に伴い血中酸素が低下し、その都度睡眠が中断されるため、睡眠の質が損なわれます。

 

SASの患者は日中に強い眠気や集中力の低下、朝の頭痛などを訴えることがあり、放置すると生活習慣病や事故のリスクも高まります。

 

実際、SASは高血圧や心疾患、脳卒中、2型糖尿病など様々な健康障害のリスク因子となりうることが報告されています[1]。

 

特に中高年の肥満傾向にある男性に多い傾向がありますが、性別や体型にかかわらず発症し得るため注意が必要です。

 

また、睡眠中に繰り返し生じる低酸素やストレス反応により交感神経が活性化し、慢性的な疲労や居眠り運転による交通事故の危険性も指摘されています[1]。

 

SASを適切に診断して治療することは、こうしたリスクの軽減につながります。

 

日本循環器学会のガイドラインでも、循環器疾患のリスク因子としてSASに着目し、疑われる場合に積極的に検査・治療を行うことが推奨されています[2]。

 

それでは、自分がSASかどうかを知るにはどのように調べればよいでしょうか。成人を対象としたSASの調べ方は、大きく分けて3つあります。

 

  • セルフチェック(自己診断):自分の症状を確認する方法
  • 簡易検査(自宅で行うスクリーニング検査):呼吸や血中酸素濃度を測定する簡便な検査
  • 精密検査(医療機関で行う精密な一泊検査):脳波や心電図などを用いた詳しい検査

以下にそれぞれの方法について解説します。

 

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セルフチェック

まず、自分で睡眠時無呼吸症候群の可能性をある程度評価することができます。

 

いびきや無呼吸そのものは本人には自覚しにくいものですが、SASに伴って現れやすい症状があります。

 

次のチェックリストに当てはまる項目がないか確認してみましょう。

 

  • 自分のいびきの音で目が覚めたことがある
  • 十分に睡眠をとっているはずなのに日中に強い眠気に襲われる
  • 朝起きたときに全身の倦怠感がある
  • 熟睡感がなく、寝た気がしないことが多い
  • 注意力や集中力が続かず、居眠り運転しそうになったことがある
  • 家族や同僚から、睡眠中に「いびきが凄い」「途中で呼吸が止まっている」と指摘されたことがある
  • 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿傾向がある)

こうした項目が複数当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。

 

一度病院に相談してみましょう[2]。

 

診療科としては、呼吸器内科や循環器内科、耳鼻咽喉科などで「いびき・睡眠外来」を標榜している医療機関で検査を受けることができます。

 

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呼吸や酸素濃度を測定する簡易検査

次に、医療機関では「簡易検査」と呼ばれる比較的手軽なスクリーニング検査を自宅で行うことができます。

 

病院から携帯型の検査装置一式を借り受け、自宅で就寝時に自身で装着して一晩測定する方法です。

 

簡易検査には主に2種類のタイプがあります。

 

1つはパルスオキシメーター(指先に装着する酸素飽和度計)を用いて、一晩の血中酸素濃度や脈拍の変化を連続的に記録し、無呼吸による低酸素状態の有無や程度を調べる方法です。

 

もう1つは鼻に装着する呼吸センサーで、鼻孔の気流(息の出入り)やいびき音を記録することで、睡眠中の呼吸状態や気道の閉塞状況を調べる方法です。

 

いずれも寝る前にセンサー類を自分で装着し、普段通り就寝するだけなので、体への負担が少なく簡単に実施できる利点があります。

 

ただし、簡易検査では脳波を記録しないため睡眠の深さ(睡眠段階)までは評価できません。また検査中に医師や技師が立ち会わないため、機器の装着状態によっては正確なデータが得られないリスクもあります。

 

そのため、症状が軽い場合には見逃し(偽陰性)の可能性も残ります。それでも、中等症以上のSASが疑われるようなケースでは、自宅で行う簡易検査は有用なスクリーニング手段とされています[3]。

 

実際、米国で行われたランダム化比較試験では、自宅での簡易検査とそれに続く在宅治療の戦略が、従来の病院での精密検査を用いた診断・治療戦略と比べて臨床転帰において遜色ないことが示されています[4]。

 

簡易検査の結果、明らかに無呼吸が多数記録され重症と判定された場合には、そのまま治療方針の決定(例えばCPAP装置の導入など)につながります。

 

一方、簡易検査で異常が軽度でも症状が強い場合や、装着ミスなどでデータが不十分だった場合には、より精密な検査で詳しく調べる必要があります。

 

脳波や心電図を用いた精密検査

精密検査は「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」と呼ばれる詳細な検査を行います。

 

頭部や顔面、体に複数の電極やセンサーを装着し、一晩かけて睡眠中の生体信号を総合的に記録します。

 

主な検査項目は、脳波(睡眠段階の測定)や眼球運動顎の筋電図などで、睡眠中の脳と筋肉の活動をモニタリングします。

 

さらに、鼻と口の呼吸気流や胸部・腹部の動き(呼吸運動)、心電図、四肢の筋電図、血液中の酸素飽和度、睡眠中の体位やいびき音なども同時に記録し、睡眠中の呼吸障害を詳細に解析します。

 

こうした総合的な検査によって、無呼吸発生の有無や頻度・程度が正確に判断でき、SASの確定診断には最も信頼性の高い方法です。

 

検査中は体に多数のコードやセンサーを付ける負担はありますが、痛みは一切なく安全に受けられますので心配はいりません。

 

以前は病院に1泊入院(CPAP導入となり2泊することもあり)して行っておりましたが、検査機器の普及もあり自宅での検査も可能です。

 

精密検査の結果、SASと診断された場合は、その重症度に応じた治療(持続陽圧呼吸療法〈CPAP〉やマウスピース、外科的治療など)が選択されます。

 

SASは適切に治療することで日中の症状改善はもちろん、高血圧や心血管イベントのリスク低減も期待できます[1]。

 

ご自身やご家族で「もしかして?」と思う症状がある場合は、以上のような方法で早めに調べてみることをおすすめします。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「忙しくて病院に行く時間がない」「まずは手軽に相談したい」という方には、オンライン診療の利用もおすすめです。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

 

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

 

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

検査

予防

合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献一覧

  1. Sleep apnea and its association with the stress system, inflammation, insulin resistance and visceral obesity. Trakada G., Chrousos G.P., Pejovic S., Vgontzas A.N. Sleep Med Clin. 2(2):251–261 (2007)
  2. 2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン. 日本循環器学会, 2023年
  3. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea. Kapur V.K., Auckley D.H., Chowdhuri S., Kuhlmann D.C., Mehra R., Ramar K., Harrod C.G. J Clin Sleep Med. 13(3):479–504 (2017)
  4. A multisite randomized trial of portable sleep studies and positive airway pressure autotitration versus laboratory-based polysomnography for the diagnosis and treatment of obstructive sleep apnea: the HomePAP study. Rosen C.L., Auckley D., Benca R., et al. Sleep. 35(6):757–767 (2012)

 

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痩せてるのに睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性あり?原因・リスク・治療法を徹底解説!

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は太っている人だけの病気ではない?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は肥満の人に多いと考えられがちですが、実は痩せている人でも起こり得ます。

 

ある臨床研究では、SAS患者の約25%はBMI25未満の正常体重で、全体の約50%は肥満ではなかったと報告されています[1]。

 

このようにSASは必ずしも太っている人だけの病気ではなく、痩せている人にも無視できない頻度で見られます。

 

一般的に非肥満者のSASは肥満者よりも症状が軽めとされていますが[1]、後述するように放置すれば深刻な健康リスクを伴うため注意が必要です。

 

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痩せている人が睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる原因

痩せている人でSASが生じる背景には、体重以外のさまざまな要因が関与します。主な原因として、次のような点が挙げられます。

 

  • 骨格による気道の狭さ: 顎の骨格が小さい(下顎後退)ことや上あごのアーチが高く狭い(高口蓋)場合、生まれつき喉の気道が狭く、睡眠中に筋肉が緩むと気道が塞がりやすくなります。扁桃肥大や舌が大きいこと(舌肥大)による気道の狭窄も同様です。
  • 遺伝的な要因: 骨格や気道の形状は遺伝の影響を受けるため、家族にSASの人がいる場合や顎の小さい体質を受け継いだ場合、痩せていてもSASを発症しやすくなります。実際にSASの発症には遺伝的素因が関与することが指摘されています。
  • 筋肉の緊張や神経調節の問題: 睡眠中は誰でも喉周囲の筋肉が弛緩しますが、筋肉の緊張を保つ力や気道を開く神経反射が弱い人では、肥満でなくても気道が閉塞し無呼吸が生じやすくなります。年齢とともに筋力や反射が低下することも一因です。

 

これらの要因が痩せている人のSAS発症に関与していると考えられます[2][3]。

 

例えば小顎症や高口蓋など骨格の形態的問題がある場合や、家族的に気道が狭い体質を持つ場合、体重にかかわらずSASを発症し得るのです。

 

痩せている人が睡眠時無呼吸症候群(SAS)になるリスク

SASになると、体型に関係なく様々な健康リスクが高まります。

 

代表的なのは日中の過度な眠気集中力の低下で、仕事や勉強の能率が落ちたり居眠り運転の危険が増したりします。

 

実際、SASの人はそうでない人に比べ交通事故のリスクが高いことが報告されています。また、心血管疾患のリスク増加も見逃せません。

 

重度のSASを治療せず放置すると、心筋梗塞や脳卒中など致命的な心血管イベントの発生率が有意に高くなることが観察研究で示されています[4]。

 

さらに認知機能の低下も問題で、SASの高齢患者はそうでない人に比べて軽度認知障害や認知症を発症する割合が有意に高いとの報告があります[5]。

 

このように、痩せていてもSASを放置すると高血圧や心臓病、脳卒中のリスクが増大し、認知症の可能性も指摘されるため早めの対策が重要です。

 

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痩せている人向けの睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

SAS治療の第一選択となるのがCPAP療法です。

 

中等症~重症のSASに対して保険適用があり、就寝時に鼻や口に装着したマスクを通じて気道に空気を送り込み、のどの閉塞を物理的に防ぎます。

 

多数のRCTでCPAPの有効性が示されており、睡眠中の無呼吸低呼吸をほぼ完全に抑制し、日中の眠気を有意に改善する効果が確認されています[6]。

 

CPAP療法により血中酸素低下が解消され、高血圧や心不整脈など合併症リスクも低減する可能性が高いです。

 

痩せている人がSASになった場合も、解剖学的な気道狭窄があって呼吸が止まるメカニズムは同じため、CPAP療法による症状改善は肥満者と同程度に期待できます。

 

夜間のマスク装着に慣れるまで多少の不快感はありますが、使用を継続することで多くの患者が大きな恩恵を得ています。

 

マウスピース(口腔内装置)

軽症〜中等症のSAS、あるいはCPAPがどうしても合わない場合には、下顎前方移動型のマウスピースを就寝時に装着する方法もあります。

 

下顎を前に出して気道を広げることで、いびきや無呼吸を減らす仕組みです。RCTの比較試験でも、CPAPほど呼吸停止を抑制する効果は強くありませんが、日中の眠気や生活の質(QOL)改善においては互角の効果を示すとの報告もあります[7]。

 

特に顎が小さい痩せ型の人はマウスピースによって顎を前に出すことで気道が確保され、無呼吸発作が軽減することが期待されます。

 

ただし歯や顎関節の状態によって装着の適応が限られる点や、定期的な歯科での調整が必要である点には留意が必要です。

 

外科手術

上記の保存的治療で効果不十分な場合や、顎の形状や扁桃肥大など明らかな解剖学的原因が強い場合には外科手術が検討されます。

 

例えば「口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)」や「顎骨前方移動術」により物理的に気道を広げ、無呼吸発作を減らす手術が選択肢となります。

 

近年は外科的介入の有効性もRCTで検証が進んでおり、特定の患者群では有意なAHI(無呼吸低呼吸指数)の低下や症状改善が認められています[8]。

 

ただし手術には侵襲や合併症リスクが伴うため、痩せている人でも軽〜中等症なら、まずCPAPやマウスピースを試み、どうしても改善しない場合の最終手段となるケースが一般的です。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

痩せているからといって「SASは関係ない」と思うのは危険です。

 

いびきが酷い、夜間に呼吸が止まる、日中の眠気が著しいといった症状があるなら、早めに専門医を受診し必要な検査(簡易検査や終夜睡眠ポリグラフ検査)を受けましょう。

 

最近ではオンライン診療に対応する医療機関も増えており、自宅からスマホやPCで医師に相談できるため通院の負担が軽減されます。

 

CPAP療法の導入や機器管理をオンラインでフォローする試みもあり、適切なサポートのもとで治療を継続すれば高い改善効果を得られます[9]。

 

痩せている人でもSASを放置すると高血圧や心臓病、認知症リスクなどを抱えることになりますが、逆に早めの治療で健康を大きく守れる病気でもあります。

 

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治療

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合併症

症状

原因

傾向

疑い

 

 

参考文献

[1] Gray EL, et al. “Obstructive Sleep Apnea without Obesity Is Common and Difficult to Treat: Evidence for a Distinct Phenotype.” J Clin Sleep Med. 2017;13(1):81-88.
[2] Schwab RJ. “Pro: Sleep Apnea Is an Anatomic Disorder.” Am J Respir Crit Care Med. 2003;168(3):270-273.
[3] Salvinelli F, et al. “Obstructive Sleep Apnea Syndrome: From Phenotype to Genetic Basis.” 2009;168–176.
[4] Marin JM, et al. “Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without CPAP therapy: an observational study.” Lancet. 2005;365(9464):1046-1053.
[5] Yaffe K, et al. “Sleep-Disordered Breathing, Hypoxia, and Risk of MCI and Dementia in Older Women.” JAMA. 2011;306(6):613-619.
[6] Patel SR, et al. “Meta-analysis of CPAP therapy for treating sleepiness in OSA.” Arch Intern Med. 2003;163(5):565-571.
[7] Phillips CL, et al. “Health outcomes of CPAP vs oral appliance treatment for OSA: A randomized controlled trial.” Am J Respir Crit Care Med. 2013;187(8):879-887.
[8] MacKay S, et al. “Effect of multilevel upper airway surgery vs medical management on OSA: The SAMS RCT.” JAMA. 2020;324(12):1168-1179.
[9] Fox N, et al. “Telemedicine for CPAP adherence in OSA: A randomized controlled trial.” Sleep. 2012;35(4):477-481.

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と耳鼻科での診療

 

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は、近年患者数が増加している重要な睡眠障害です。

 

中でも閉塞型SAS(喉や鼻など上気道の閉塞によるもの)が大半を占め、以前考えられていたよりも頻度が高いことがわかっています。

 

実際、日本では成人男性の約20%、閉経後の女性の約10%が中等症以上のSASに該当するとの報告があり【1】、現在50万人以上もの方がCPAP(後述)の治療を受けています【1】。

 

SASの主な症状は大きないびき睡眠中の無呼吸(呼吸が止まる)夜間の息苦しさによる突然の覚醒、そしてそれによる日中の強い眠気や倦怠感などです【3】。

 

放置すれば高血圧、心臓病、不整脈、脳卒中など様々な生活習慣病のリスクを通常の2~3倍にも高めることが報告されており【3】、居眠り運転による交通事故の原因にもなり得る深刻な疾患です【2】。

 

しかし、適切に診断して治療を行えば症状は大きく改善し、こうしたリスクを減らすことが可能です【2】。

 

本記事では、SASとは何か、その診断と治療について、特に耳鼻咽喉科(いわゆる「耳鼻科」)での対応に焦点を当てて、一般の患者さん向けにわかりやすく解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、文字どおり「睡眠中に繰り返し呼吸が止まる」病気です。医学的には、10秒以上の呼吸停止を「無呼吸」と定義し、これが一晩に何度も発生する状態を指します。

 

多くの場合、喉(咽頭)の空気の通り道が睡眠中に塞がることで起こる閉塞型SASであり、まれに脳の呼吸中枢の異常による中枢型SASもあります(SASの大部分は閉塞型で、本記事でも閉塞型について扱います【2】)。

 

閉塞型SASでは、睡眠中に舌や軟口蓋(喉ちんこを含む上あごの柔らかい部分)が喉の奥に落ち込み、気道を塞いでしまいます。

 

その結果、血中の酸素が低下し、脳が危機を察知して何度も覚醒反応(浅い目覚め)を引き起こすため、熟睡できずに日中の眠気や疲労感につながります。

 

SASの診断には、一晩の睡眠中に発生する無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く弱くなる)の回数を指数化したAHI(無呼吸低呼吸指数)が用いられます。

 

一般的にAHIが5以上で睡眠時無呼吸の疑いがあり、15以上で中等症、30以上で重症と分類されます【2】。

 

例えば、AHI=20とは「1時間あたり20回の無呼吸・低呼吸発作」が起きていることを意味します。

 

また、症状の有無も診断の重要なポイントです。夜間の激しいいびきや断続的な無呼吸、起床時の頭痛、日中の過度の眠気などの症状が典型的で【3】、特に日中の耐え難い眠気は交通事故など社会生活上の大きな危険因子となります【2】。

 

実際、ある調査では重症SAS患者の約10%が直近数年間に居眠り運転による事故を経験していたとの報告があります【2】。

 

このようにSASは放置できない病気ですが、幸い治療法が確立している疾患でもあります。

 

後述するCPAPやマウスピースなどの治療により無呼吸を防ぐことで睡眠の質が改善し、高血圧や心血管疾患のリスクも軽減できることが臨床研究で示されています【2】【3】。

 

SASの発症には様々な要因が関与しますが、特に肥満は最大の危険因子です。肥満の方は首や喉周りに脂肪が付きやすく気道が狭くなるため、無呼吸になりやすいのです【3】。

 

実際、体重増加とSASの発症には密接な関連があり、ガイドラインでも肥満患者には減量を含む生活習慣の是正が強く推奨されています【2】。

 

その他、顎の骨格の形状(下顎が小さい、後退している)、扁桃肥大(喉の扁桃腺が大きい)、鼻づまり(鼻中隔湾曲症や慢性鼻炎による)などで上気道が狭い方もSASになりやすい傾向があります【3】。

 

性別では男性に多く、女性でも閉経後(ホルモンバランスの変化後)はリスクが高まります【3】。

 

これらの解剖学的・体質的な要因に、飲酒や睡眠薬の使用(筋肉が弛緩し無呼吸が悪化)、寝る姿勢(仰向けは悪化しやすい)などの生活要因が加わり、SASが発症・増悪すると考えられています。

 

睡眠時無呼吸症候群は耳鼻科で診てもらえる?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は耳鼻咽喉科(耳鼻科)でも診察・治療が可能です。

 

SAS診療というと一般には呼吸器内科や睡眠専門外来を思い浮かべる方も多いですが、実は耳鼻科もSAS診療の重要な担い手です【2】。

 

特に閉塞型SASは鼻や喉の構造が深く関与するため、上気道の専門科である耳鼻科は診断から治療まで大きな役割を果たします【2】。

 

以下に、耳鼻科での具体的な診察の流れや検査内容、他の診療科との役割分担について説明します。

 

耳鼻咽喉科での診察の流れ

耳鼻科を受診してSASの疑いを相談すると、まず問診による詳しい症状の聞き取りが行われます。

 

いびきの状況や無呼吸の有無、日中の眠気の程度(必要に応じてエップワース眠気尺度などの質問票を用いて評価)、起床時の頭痛・口渇の有無、夜間頻尿の有無、既往症(高血圧や糖尿病など関連しうる病気)など、多角的に確認します。

 

また、同居のご家族やパートナーの方から睡眠中の様子(無呼吸や異常な呼吸の指摘)について情報を得ることもあります。

 

生活習慣(飲酒や喫煙、就寝時間)も重要なポイントです。

 

次に身体診察を行います。耳鼻科では主に上気道(鼻から咽頭)の評価を目的とした診察が行われます。

 

具体的には、鼻腔内の診察でポリープ(鼻茸)や鼻中隔の曲がり、粘膜の腫れ具合を観察し、慢性的な鼻づまりの原因がないか確認します。

 

口腔内と咽頭の診察では、舌の大きさ(舌が大きい・後方に落ち込みやすいか)、扁桃の大きさ(扁桃肥大があるか)、軟口蓋と喉の形状(のどちんこが大きい・軟口蓋が下がっていないか)などを観察します。

 

必要に応じて、細い内視鏡(ファイバースコープ)を鼻から挿入して喉の奥(上咽頭や喉頭)の状態を詳しく調べ、気道がどの程度狭いか、どの部位で閉塞が起きやすそうかを評価します。

 

耳鼻科医はこうした上気道の解剖学的特徴を詳しくチェックし、SASの原因となりうる形態的な問題を把握します。

 

上気道の診察所見は、その後の検査や治療法の選択にも大いに役立ちます【3】。

 

また血圧測定やBMI(肥満度)のチェックも行われ、全身的にSASのリスク因子が揃っていないか確認します。

 

問診と診察の結果から「睡眠時無呼吸症候群が疑わしい」と判断された場合、次は客観的に睡眠中の呼吸状態を調べる検査へと進みます。

 

どんな検査をするのか(簡易検査とPSG)

耳鼻科を含むSAS診療では、まず自宅で行える簡易検査が行われることが一般的です。

 

簡易検査とは、携帯型の睡眠モニター(簡易ポリグラフ)を用いて一晩自宅で測定する検査です。

 

指先の酸素飽和度センサーや鼻の気流センサー、いびきや体位を記録するセンサーなどを装着して就寝することで、睡眠中の無呼吸・低呼吸の発生状況を記録します【2】。

 

病院に一泊せず自宅でできる手軽さからスクリーニング検査として広く普及しており、中等症~重症のSASであれば高い精度で発見することができます。【2】

 

簡易検査の結果、AHIが高値(例えば40以上)で明らかな無呼吸症候群と症状が認められた場合には、臨床診断の上ですみやかに治療(後述のCPAPなど)へ進むことが可能です【2】。

 

実際、日本の診療ガイドラインでも、簡易検査で重度SASが強く示唆される場合には確定診断として扱って良いとされ、健康保険上も「簡易検査でAHI40以上」がCPAP療法の導入基準の一つになっています【2】。

 

一方、簡易検査でAHIが軽度~中等度(例えば5~30程度)の場合や、症状と検査結果に食い違いがある場合などには、より精密な検査であるPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査が行われます【2】。

 

PSG検査は病院など専門施設に一泊入院して行う精密検査で、脳波・眼球運動・顎や脚の筋電図・心電図・呼吸気流・いびき音・酸素飽和度など多数のセンサーを装着し、一晩かけて睡眠の深さや構造も含め詳細なデータを記録します。

 

簡易検査では正確に測定できない睡眠そのものの質(何時間眠れたか、どのくらい深い睡眠が得られているか)も評価でき、睡眠時無呼吸の確定診断や重症度判定にはゴールドスタンダード(最も信頼できる基準)となる検査です【2】。

 

PSGでは他の睡眠障害(例:周期性四肢運動症やREM睡眠行動異常症など)の鑑別も同時に行えるメリットがあります。

 

日本の保険診療では「PSG検査でAHIが20以上」もSASの診断基準とされており【2】、簡易検査では判断が難しい軽症~中等症例ではPSGによる評価が推奨されます。

 

以上のように、耳鼻科受診後はまず簡易検査でSASの有無と大まかな重症度を確認し、必要に応じてPSG検査で精密な診断を行う流れになります。

 

検査結果を踏まえて確定診断がついたら、次は適切な治療方針の決定となります。

 

耳鼻科と他の診療科の違い

睡眠時無呼吸症候群の診療には、耳鼻咽喉科の他にも様々な診療科が関与します。SASは全身に影響を及ぼす疾患であり、多職種・多診療科なアプローチが重要だからです【2】。

 

実際、ガイドライン作成にも呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科、精神科、歯科口腔外科など多くの専門分野の医師が関わっており【2】、それぞれの専門性を活かした連携診療が推奨されています。

 

耳鼻科は先述のとおり上気道の評価と治療を専門とするため、鼻や喉の形態的な問題の是正に強みがあります。

 

具体的には、SASの原因となる鼻詰まりや扁桃肥大、軟口蓋の肥厚などに対して外科的治療(手術)を行ったり、CPAP使用時に鼻の通りを良くする処置を行ったりします(後述)【3】。

 

一方、呼吸器内科は肺や気道疾患の専門であり、SASの標準治療であるCPAP療法の導入・管理や、併存する肺疾患(COPDや喘息など)がある場合の全身管理を担うことが多いです。

 

循環器内科はSASと関連の深い高血圧や心不全、不整脈など心血管疾患の管理を行い、心不全に伴う中枢型無呼吸(チェーンストークス呼吸)の治療などに長けています。

 

歯科(歯科口腔外科)はマウスピース(口腔内装具)療法の作製・調整を担う分野です。SAS患者さんに適切なマウスピースを作るには歯科医師の専門技術が必要であり、耳鼻科や内科からの依頼を受けて装置を作製します。

 

さらに、睡眠医療の専門科(睡眠外来)は、これら各科を横断する立場でSAS診療にあたります。

 

睡眠専門医には呼吸器・精神神経・耳鼻科など様々なバックグラウンドの医師がおり、SAS以外の睡眠障害の合併評価や、治療効果判定、他科への橋渡しをする役割があります。

 

このように各分野が役割を持っていますが、患者さんはまずどこか一つの診療科を受診すれば大丈夫です。

 

すでに耳鼻科で受診中の場合は耳鼻科で継続治療(ただし耳鼻科でも無呼吸症候群の対応をしていない場合もあります)を受けられますし、必要があれば耳鼻科医から他科(呼吸器内科や歯科など)への紹介も行われます。

 

逆に内科等から耳鼻科へ手術目的で紹介されるケースもあります。

 

重症例や合併症が多いケースでは、総合的に診られる睡眠医療センター(専門施設)に転院いただくこともあります【2】。

 

ガイドラインでも、一般医(プライマリケア医)はいびきや日中眠気などSASを疑う患者をまず適切に診断し、高度な治療が必要な場合には睡眠専門施設へ紹介することが推奨されています【2】。

 

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耳鼻科で行う治療方法

睡眠時無呼吸症候群の治療は、患者さんの重症度や原因に応じて最適な方法を組み合わせて行います。

 

基本となるのは生活習慣の是正で、特に肥満のある方では減量によってSASが大幅に改善する可能性があります【2】。

 

ガイドラインでも「全ての肥満患者に減量指導を行う」ことが強調されており【2】、実際に体重を減らすと無呼吸の程度(AHI)が減少し、症状が軽快するケースが多く報告されています。

 

また、就寝前の飲酒は喉の筋肉を弛緩させ無呼吸を悪化させるため控える、十分な睡眠時間を確保する、仰向けで寝ると無呼吸が増える人は横向きで寝る工夫(体位療法)をする、といった生活上の対策も有用です。

 

これらの基礎を踏まえた上で、SASの主な治療として以下のような方法があります。

 

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)

CPAP(シーパップ, Continuous Positive Airway Pressure)療法は、中等症~重症の閉塞型SASに対する第一選択の治療法です【2】。

 

専用の小型機器にホースで繋がったマスクを鼻(場合により鼻と口)に装着して就寝すると、寝ている間ずっと一定の空気圧を喉に送り込み、気道内圧を高く保つことで喉の通り道が塞がらないようにします。

 

いわば「寝ている間ずっと気道を空気で支える添木を当てている」ようなイメージで、これにより無呼吸の発生をほぼ完全に防ぐことができます。

 

SASの治療として1980年代に登場して以来、その有効性は世界中で確立しており【2】、現在でも最も効果的な治療法です。

 

CPAPを使用すると睡眠中の無呼吸・低呼吸がほぼゼロに抑えられるため、睡眠の質が飛躍的に改善し、日中の眠気も多くの患者さんで劇的に軽減します

 

研究により、CPAP治療によって高血圧が改善する(SAS患者では夜間血圧が低下し、起床時の血圧が下がる)ことや、放置すれば心血管疾患を起こしやすかった重症SAS患者でCPAP使用者は非使用者に比べて将来の心疾患・脳卒中の発症率が有意に低下したことが報告されています【2】【4】。

 

このように健康面で大きなメリットが得られるため、睡眠中に無呼吸が頻発する中等症以上の方には原則としてCPAP療法がすすめられます。

 

CPAP療法は1998年に日本で保険適用となって以来急速に普及し、現在では50万以上の患者さんがCPAPを利用している標準的治療です【1】。

 

機器本体は小型で、自宅の枕元で使用できます。

 

マスクの形状も鼻に装着する小型のものから鼻口覆うものまで様々あり、装着感の向上した新しいモデルも登場しています。

 

それでも最初は「就寝時に機械に繋がれる」という違和感から抵抗を感じる方もおられますが、多くの場合は数日~数週間で慣れてしまい、その効果を実感できればむしろ手放せなくなると言われます。

 

実際、CPAP導入患者の80%以上が治療を継続できているというデータもあります。

 

効果を十分得るためには毎晩しっかり使用すること(継続使用すること)が重要で、使用時間が長いほど症状や合併症の改善効果も高まることがわかっています【4】。

 

一般には「少なくとも1晩あたり4時間以上」の使用が推奨されており、眠っている間できるだけ長時間マスクを着けることが望ましいです(もちろん可能ならば就寝から起床までフルに使用するのが理想です)。

 

治療開始後は定期的に医療機関で効果判定や機器の動作確認を行いますが、近年は遠隔モニタリングシステムが確立しており、CPAP装置に内蔵された通信機能で使用データ(使用時間や無呼吸低呼吸指数、マスク漏れなど)を医療側が把握して適切に指導することができます【1】。

 

日本でも2018年からCPAP遠隔モニタリングが保険診療として認められており【1】、通院の負担軽減に役立っています。

 

以上のように、CPAP療法はSAS治療の柱となる非常に有効な方法ですが、残念ながらすべての患者さんに適用できるわけではありません

 

マスクや機械にどうしても慣れず使用を継続できない方や、鼻づまりがひどく十分な気流を送れない方、軽症でCPAPの適応とならない方などもいます。

 

そのような場合には、他の治療法を検討することになります。

 

外科手術による治療(上気道の手術)

耳鼻科では、睡眠時無呼吸の原因となっている鼻・喉の構造的問題を外科的に改善する治療も行っています。

 

SASに対する外科手術の目的は、上気道(空気の通り道)を物理的に拡げて無呼吸の発生を減らすことです。

 

代表的な手術は、喉の奥の余分な軟部組織を切除・縮小して気道を広げる咽頭手術です。

 

具体的には、軟口蓋や口蓋垂(いわゆるノドチンコ)を切除・縫縮する口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)や、肥大した扁桃を摘出する扁桃摘出術が行われます。

 

これらにより咽頭腔が拡大し、空気の通り道が広がっていびきの音量低下や無呼吸エピソードの減少が期待できます【3】。

 

また、重度の鼻づまりが無呼吸を悪化させている場合には、鼻中隔矯正術(曲がった鼻中隔軟骨をまっすぐ矯正する手術)や下甲介粘膜切除・焼灼術(肥厚した鼻粘膜を減容する処置)などの鼻手術を行い、鼻呼吸の改善を図ります。

 

鼻の通りが良くなると睡眠中の呼吸効率が上がり、それ自体で無呼吸が軽減するほか、CPAP療法で必要な空気圧を下げられるためCPAP機器をより快適に使えるようになるという報告もあります【3】。

 

このように、耳鼻科領域の手術は主に鼻腔や咽頭の空気路を拡大することを目的としており、適切な症例ではQOLの向上に寄与します【1】。

 

一方で、外科手術には侵襲(からだへの負担)が伴うため慎重な適応判断が必要です。

 

手術そのものは全身麻酔下で行われ、入院が必要になります。術後には痛み出血のリスクがあり、咽頭手術の場合は声の変化(鼻に抜ける声になる)や嚥下時の違和感などが生じることがあります【1】。

 

特にUPPP後は、一部の患者さんで軟口蓋の閉鎖不全(飲食物が鼻に抜けやすくなる)や長引く咽喉の違和感、味覚の一時的な変化などが報告されています【1】。

 

また、レーザーによる簡易的な咽頭手術(LAUP)はかつていびき治療として行われたこともありましたが、効果が不確実で瘢痕による気道狭窄の副作用が指摘されたため現在は推奨されていません【1】。

 

このようにリスクもあるため、手術は基本的に「他の治療が困難な場合」や「解剖学的に明らかな原因が存在する場合」に検討されます【1】。

 

ガイドラインでも「CPAPや口腔装具が使用できない症例で、耳鼻咽喉科的手術の適応がある場合に、副作用について十分説明した上で施行を提案する」ことが推奨されています【1】。

 

例えば、扁桃肥大が著明でそれが主な原因と思われる成人症例や、CPAPをどうしても使えない重症例で軟口蓋肥大がある場合などには、手術が選択肢となります。

 

特に小児の閉塞型SASでは、原因の多くが扁桃肥大・アデノイド増殖症であるため、耳鼻科でのアデノイド・扁桃摘出術が第一選択となり、多くの症例でSASが根治することが知られています(小児SASでは成人と異なり手術適応が広くなります)。

 

なお、SASに対する外科的アプローチには耳鼻科領域の手術以外に顎顔面の骨格に対する手術もあります。

 

下顎が小さく咽頭が狭い骨格的な要因が大きい場合には、上下の顎骨を前方に移動させる顎顔面形成術(顎矯正手術)が有効です【3】。

 

これは形成外科や口腔外科で行われる大掛かりな手術ですが、気道容積を飛躍的に広げることができ、CPAP療法が困難な重症例に対して根治を目指して行われることがあります【3】。

 

近年では、舌の筋肉を支配する舌下神経にペースメーカー様の装置を埋め込み、睡眠中に舌筋を電気刺激して気道閉塞を防ぐ「舌下神経刺激療法」といった最新の治療法も一部で導入されていますが(日本では未承認)、現時点では適応となる限られた症例に対する研究段階の治療です。

 

総じて、耳鼻科領域の外科治療は「患者さんごとの解剖学的問題を直接改善する」アプローチであり、効果の現れ方には個人差があります。

 

単独の手術でSASが完治するケースもあれば、無呼吸の程度は改善しても完全には消失せず、引き続きCPAPやマウスピースが必要となるケースもあります。

 

ただし手術によりいびきや日中の眠気などの自覚症状が大きく改善し生活の質(QOL)が向上することは多く報告されており【1】、患者さんの状態に応じて適切な手術が検討されます。

 

マウスピース(口腔内装具)による治療

マウスピースによる治療は、睡眠時にマウスピース型の装置(スリープスプリントとも呼ばれます)を装着することで下あごを前方に固定し、喉の奥の気道を広げて無呼吸を防ぐ治療法です。

 

下顎を前に出すことで舌根部が引き上げられ、仰向けに寝ても舌や軟口蓋が喉を塞ぎにくくなります。

 

また、装置装着中は口が半開きにならないため口呼吸から鼻呼吸に矯正する効果もあり、いびきの音量低下にも寄与します【5】。

 

この治療は軽症~中等症の閉塞型SASや、重症でもCPAPがどうしても使えない症例に対して適用されます【1】。

 

ガイドラインでも、AHIが軽度だが日中の眠気など症状がある場合には第一選択肢となりうること、また中等症以上でもCPAP非適応例や不耐容例では有用であるとされています。

 

マウスピース治療を行う場合は、まず耳鼻科や内科でSASの診断を確定した上で歯科口腔外科に依頼し、専門の歯科医師が患者さん個人に合わせた装置を作製します。

 

上下の歯型を取り、咬み合わせの具合を計算して作られるオーダーメイドの医療用マウスピースで、市販の簡易いびき防止マウスピースとは全く別物です。

 

完成した装置を就寝時に装着していただき、装着後に再度睡眠時の無呼吸の程度を検査して効果を確認します(装置が合っていない場合は歯科で調整を行います)。

 

このように医科と歯科の連携で進める治療になります。

 

マウスピース治療のメリットは、患者さんの負担が比較的少ないことです。

 

CPAPのように機械やホースに繋がれる必要がなく、装置も小さいため旅行先などへも携行しやすいです。

 

また電源も不要です。

 

一方でデメリットとしては、治療効果がCPAPと比べてやや劣る点が挙げられます【1】。

 

無呼吸を完全に抑制する力はCPAPほど強くありませんが、それでも多くの患者さんでAHIの改善(無呼吸低呼吸の減少)や症状の軽減が得られます【1】。

 

特にいびきについては顕著に小さくなる例が多く、 一緒に寝る人の睡眠も守れるという利点もあります。

 

実際の臨床研究でも、CPAPほどAHIは下がらないものの患者さんの主観的な眠気や生活の質(QOL)の改善効果はCPAPに匹敵するとの報告もあります【1】【3】。

 

これはマウスピースのほうが違和感が少なく長時間使用しやすい(夜通し装着しやすい)ためと考えられています【3】。

 

また、血圧への効果に関しても興味深いデータがあります。ある大規模臨床研究では、CPAPとマウスピースのいずれも収縮期・拡張期血圧を数mmHg程度低下させる効果があり、両者の降圧効果に有意差は認められなかったと報告されています【4】。

 

つまり、適切な患者さんに用いればマウスピースでもCPAPと同等に心血管リスクの改善が期待できる可能性があります【4】。

 

マウスピース治療にも留意点があります。

 

装置に慣れるまで顎関節や歯に痛み・違和感を生じることがあり、起床時に一時的に噛み合わせがずれる感じがすることもあります。

 

また長期間使用することでわずかに歯並びや咬合が変化してくるケースも報告されています【1】。

 

そのため、定期的に歯科での経過チェックと装置の調整を受けることが大切です。

 

総じて副作用は軽微で可逆的なものがほとんどですが、治療を続けるうえでは歯科医師との協力が欠かせません。

 

マウスピースによる治療は2004年から睡眠時無呼吸症候群に対して健康保険が適用となっています【5】。

 

そのため、SASと確定診断された上で医科から歯科へ紹介状を持参すれば、保険診療(3割負担の場合)で1~2万円程度の自己負担費用で装置を作製することが可能です【5】(装置の種類によっては保険適用外の場合もありますので担当医にご相談ください)。

 

保険適用となったことで経済的ハードルも下がり、多くの患者さんがマウスピース治療を選択できるようになりました。

 

以上、睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法であるCPAP、手術、マウスピースについて説明しました。

 

軽症の方ではまず生活習慣の改善とマウスピースで経過を見て、無呼吸が著明な方ではCPAPを導入し、解剖学的問題が大きい場合には手術を組み合わせる、といったように患者さんごとに最適な治療計画を立てることが重要です。

 

耳鼻科では、これら治療法の選択において上気道の専門知識を活かし、必要に応じて他科とも連携しながら、SAS患者さんの症状改善と合併症予防に努めていきます。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

睡眠時無呼吸症候群は早期発見・早期治療が何より大切です。

 

上記の症状に思い当たる方、大きないびきを指摘されている方、昼間の異常な眠気にお困りの方は、ぜひ一度専門の医師にご相談ください。

 

当院・森下駅前クリニック(内科・呼吸器内科)では、通院の負担を減らせるオンライン診療(遠隔診療)にて睡眠時無呼吸症候群の診療を行っております。

 

ビデオ通話を用いたオンライン診察で問診を行い、必要と判断した場合は簡易検査機器をご自宅へ郵送して睡眠検査を実施します。

 

検査の結果SASと診断された際には、対面診療と同様に保険適用でCPAP療法の導入を行います。

 

CPAP装置一式をご自宅にお送りし、使用方法はオンラインで丁寧に指導いたしますので、ご安心ください。

 

CPAP治療中も遠隔モニタリングにより機器の使用状況データを確認できるため【1】、オンライン診療下でも適切に治療効果を把握しフォローアップを行えます。

 

忙しくて通院の時間が取りにくい方や遠方にお住まいの方でも、自宅にいながら専門的な睡眠医療を受けていただけます。

 

睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、まずはお気軽に森下駅前クリニックのオンライン診療をご利用ください。

 

私たち専門医が、一人ひとりに合った最適な検査・治療プランをご提案し、快適な睡眠と健康な生活を取り戻すお手伝いをいたします。

 

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睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

治療

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参考文献(References)

[1] Chin K, Akashiba T, Inoue Y, et al. Guideline Sleep Apnea Syndrome (SAS) Clinical Practice Guidelines 2020. Sleep and Biological Rhythms. 2022;20(1):–.​

[2] Shiomi T, Sasanabe R. Advances in Diagnosis and Treatment of Sleep Apnea Syndrome in Japan. JMAJ. 2009;52(4):224–230

.

[3] Choudhury N, Deshmukh P. Obstructive Sleep Apnea in Adults and Ear, Nose, and Throat (ENT) Health: A Narrative Review. Cureus. 2023;15(10):e47637

[4] Bratton DJ, et al. CPAP vs Mandibular Advancement Devices and Blood Pressure in Patients with OSA: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA. 2015;314(21):2280-2293​

[5] 一般財団法人運輸・交通SAS対策支援センター. 「マウスピースによる治療」(睡眠コラム)2023年​

 

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眠気が取れないのは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のせい?放置すると危険な理由とは

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる疾患です。

十分な睡眠時間をとっていても呼吸が何度も中断されるため睡眠の質が低下し、患者の多くに日中の強い眠気(過度の眠気)が生じます [1]。

日中の眠気は居眠り運転など重大な事故につながる可能性があり、SASを放置することは危険です。

 

本記事では、SASが引き起こす眠気のメカニズムと、それを放置することによるリスクについて、エビデンスに基づき解説します。

また、眠気を改善する治療法や、疑わしい症状がある場合の受診についても紹介します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?眠気との関係を解説

SASの病態生理(なぜ眠気を引き起こすのか)

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が狭くなって呼吸が何度も止まることで、体内に十分な酸素が取り込めなくなる疾患です。

特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、喉の筋肉や舌が緩むことで上気道が閉塞し、一時的に呼吸が停止(無呼吸)または低下(低呼吸)します [2]。

その結果、血中の酸素濃度が低下し、体は窒息を防ぐために繰り返し覚醒反応を起こします(浅い眠りへ移行し呼吸を再開させる) [2]。

一晩の睡眠中に何十回・何百回と起こるこうした断続的な低酸素状態と睡眠の分断(断片化)により、睡眠の質は著しく低下し、脳と身体が十分に休息できません [2]。

その結果、翌日の日中に強い眠気や疲労感が生じるのです。

 

さらに近年の研究では、SASで生じる慢性的な低酸素状態と睡眠断片化が脳の覚醒維持に関わる神経細胞に酸化ストレスなどのダメージを与えうることも示唆されています [1]。

これらの生理学的メカニズムも、SAS患者で過度の眠気(Excessive Daytime Sleepiness, EDS)が起こる一因と考えられています。

 

SASによる眠気の評価方法(ESSなど)

SASの患者でどの程度日中に眠気があるかを調べるために、Epworth眠気スケール(ESS)という質問票がよく用いられます。

ESSは日常生活の8つの場面について「どのくらい居眠りしやすいか」を0~3点で自己評価するもので、合計点で眠気の程度を数値化できます。

一般に合計スコアが10以上であれば日中の過度の眠気が示唆されます [1]。

ESSは簡便なチェック法として広く使われており、ご自身でインターネット等で調べて実施することも可能です。

結果が高得点だった場合は専門医に相談するとよいでしょう。

 

眠気が続くと危険?放置すると起こるリスク

SASによる睡眠中の低酸素や断片化された睡眠は、日中の眠気以外にも様々な健康被害をもたらします。

実際、未治療のSASは高血圧や心臓病、脳卒中、認知機能障害、交通事故など数多くの重大なリスク要因と関連することが報告されており、ガイドラインでも放置の危険性が指摘されています [3]。

代表的なリスクを以下に解説します。

 

交通事故・労働災害のリスク増加

日中の強い眠気は注意力や判断力の低下を招き、自動車の居眠り運転による事故リスクを高めます。

実際、ある研究では未治療SAS患者の自動車事故リスクは健常者の約2.5倍にも上ることが報告されています [4]。

しかし同じ研究で、持続陽圧呼吸(CPAP)による治療を継続している患者では事故発生率が健常者と同等レベルまで低下しており、適切な治療介入でリスクを軽減できることが示されています [4]。

同様に、日中の眠気が原因で重機操作中のミスなど労働災害につながる危険も指摘されています。

 

認知機能の低下と認知症リスク

SASを放置すると脳の認知機能にも悪影響があります。

慢性的な睡眠不足や低酸素状態により記憶力・集中力の低下が生じ、重症SAS患者では認知機能検査で明らかな障害が認められるケースも報告されています [5]。

さらに長期的には認知症を発症するリスクも高まる可能性が指摘されています。

実際、疫学研究においてSAS患者は同年齢の非SAS患者に比べて将来認知症を発症する割合が有意に高かったとの報告があります [5]。

こうした慢性的な低酸素や睡眠障害が脳の老化を加速させる可能性があります。

 

高血圧・心血管疾患の悪化

SASは循環器系の疾患リスクとも密接に関係します。

睡眠中に繰り返される低酸素状態や覚醒反応は交感神経を活性化し、血圧の恒常的な上昇(高血圧)を招きます。

実際、未治療SASの患者では高血圧の発症率が高く、また既に高血圧がある場合には治療抵抗性(薬が効きにくい)高血圧の原因となることがあります [3]。

さらにSASは心臓病(冠動脈疾患や心不全)や脳卒中のリスクとも関連しており [3][5]、長期間放置すると動脈硬化性疾患を進行させる要因となりえます。

夜間の無呼吸発作中に不整脈(例えば心房細動や徐脈/頻脈)が誘発されることもあり、SAS治療によって夜間の不整脈発生が減少するケースも報告されています。

 

うつ病・精神的健康への影響

SASによる慢性的な睡眠不足や酸素低下は精神面にも影響します。

SAS患者には抑うつ症状を呈する人が多いことが知られており(SAS患者のうつ病合併率は一般人口より高いとされます)、近年のメタ解析ではSASがある人は将来うつ病を発症するリスクがおよそ2倍に増加するとの報告もあります [6]。

実際にSAS患者では日中の倦怠感や意欲低下、イライラ感など精神的な不調を訴える場合も多く、症状が重いと仕事や対人関係にも支障を来すことがあります。

SASの適切な治療により睡眠の質が改善すると、こうした抑うつ症状が改善するケースも報告されています。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)による眠気を改善する方法

幸い、SASによる眠気や合併症リスクは適切な治療によって大きく改善する可能性があります。

ここでは主な治療法とそのエビデンスを紹介します。

 

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

中等症~重症のSASに対する第一選択の治療です。

就寝時に鼻や口に装着したマスクから気道に空気を送り込み、のどの気道閉塞を防止することで睡眠中の無呼吸・低呼吸をほぼ完全に抑制します。

CPAPによって睡眠の質が向上し、多くの患者で日中の強い眠気が劇的に改善すると報告されています [1]。

また、交通事故リスクや心血管リスクの低減効果も示されており [4][5]、SAS治療の中心的存在と言えます。

 

体重管理・生活習慣の改善

肥満はSASの重要な原因であり、減量により無呼吸指数(AHI)が大きく改善するデータがあります [7]。

BMIが高い場合は減量指導が優先されます。また、喫煙や寝酒(飲酒)は気道を狭め、無呼吸を悪化させるため控えることが推奨されます。

さらに、仰向けではなく横向き姿勢で寝るなど、睡眠姿勢の工夫も有効です。

 

マウスピース(口腔内装置)による治療

CPAPが使えない患者や中等症程度までのSASでは、マウスピース型の口腔内装置を就寝時に装着し、下顎を前方に固定して気道を確保する方法が用いられます [2]。

CPAPほどの強い効果はありませんが、眠気の改善例が多数報告されています。

ただし歯科での作製や調整が必要で、歯列や顎関節の状態によっては適応外の場合があります。

 

外科手術・その他

扁桃肥大、鼻中隔湾曲など解剖学的な問題が大きい場合や、重度肥満では外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術・肥満外科手術など)が検討されることがあります [2]。

ただし長期的な効果にばらつきがあり、慎重に適応を見極める必要があります。

薬物療法としては、CPAP治療を行っても残る日中の過度の眠気に対して中枢神経刺激薬(モダフィニルなど)を使う場合がありますが、これはあくまで補助的手段です。

 

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こんな症状があれば要注意!早めの受診を推奨

SASは自覚しづらい場合もあるため、以下のような症状がみられるときは特に注意が必要です:

  • いびきが大きい、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘される
  • 日中に耐えがたい眠気がある(居眠り運転の経験など)
  • 夜間頻尿がある、朝起きても熟睡感がない
  • 集中力・記憶力の低下、倦怠感、気分の落ち込み
  • 高血圧・心臓病・脳卒中を指摘されている
  • 肥満体型で首まわりの脂肪が多い

 

該当する症状があれば、耳鼻咽喉科や呼吸器内科、睡眠科などで一度相談し、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)や簡易検査を受けることが推奨されます。

SASと診断されたら、早めに治療を始めることで合併症リスクを大きく低減できます。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「忙しくて病院に行く時間がない」「まずは手軽に相談したい」という方には、オンライン診療の利用もおすすめです。

 

森下駅前クリニックでは、SASの診察・検査に対応したオンライン診療を行っています。

自宅からスマートフォンやパソコンで専門医に相談でき、必要に応じて簡易睡眠検査機器を宅配で受け取って自宅で測定が可能です。

24時間予約を受け付けているため、隙間時間で受診しやすいメリットがあります。

 

SASは適切に治療すれば、眠気が改善し、事故や合併症のリスクを大幅に減らすことができる病気です。

長期間にわたって眠気が取れないと悩んでいる場合や、いびき・無呼吸の指摘がある方は、早めに専門医に相談し、必要な検査・治療を受けて快適な睡眠と日常生活を取り戻しましょう。

 

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参考文献

[1] Lal C, et al. Excessive Daytime Sleepiness in Obstructive Sleep Apnea: Mechanisms and Clinical Management. Ann Am Thorac Soc. 2021;18(5):757-768.
[2] Semelka M, et al. Diagnosis and Treatment of Obstructive Sleep Apnea in Adults. Am Fam Physician. 2016;94(5):355-360.
[3] British Columbia Ministry of Health. Obstructive Sleep Apnea (OSA): Assessment and Management in Adults – BC Guideline. 2020.
[4] Karimi M, et al. Sleep Apnea Related Risk of Motor Vehicle Accidents is Reduced by Continuous Positive Airway Pressure: Swedish Traffic Accident Registry Data. Sleep. 2015;38(3):341-349.
[5] Kales SN. Obstructive Sleep Apnea and Work Accidents: Time for Action. Sleep. 2016;39(6):1211-1213.
[6] Edwards C, et al. Obstructive sleep apnea and depression: A systematic review and meta-analysis. Maturitas. 2020;142:45-54.
[7] St-Onge MP, Tasali E. Weight loss is integral to OSA management: Ten-year follow-up in Sleep AHEAD. Am J Respir Crit Care Med. 2021;203(2):e7-e8.

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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咳と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係|考えられる原因と改善策を解説

 

長引く咳に悩まされる原因は実に様々です。

一般には風邪の後遺症やアレルギー、喘息などが思い浮かびますが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)も咳に関係している可能性があります。

SASは就寝中に何度も呼吸が止まる疾患で、いびきや日中の強い眠気の原因として知られています。

しかし近年の研究で、SASが慢性的な咳を引き起こす一因になり得ることが示唆されています[1]。

実際、慢性の咳患者の約40%にSASが見つかり、SASを治療したところその93%で咳が改善したとの報告もあります[1]。

なぜ睡眠中の無呼吸が咳に関係するのか、本記事ではそのメカニズムと対処法について、医学的エビデンスに基づき解説します。

 

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咳が止まらない原因

8週間以上続く慢性的な咳(慢性咳嗽)の原因として、一般的に次のようなものが挙げられます[2]。

  • 風邪や気管支炎などの感染症後の咳(いわゆる遷延性咳嗽
  • アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による後鼻漏(こうびろう)症候群(UACS
  • 気管支喘息(特に咳だけが主症状となる咳喘息
  • 胃食道逆流症GERD、胃酸の逆流による刺激性の咳)
  • 喫煙(慢性気管支炎やCOPDによる咳)

 

これらが非喫煙者で肺の病変がない人の慢性咳の約90%を占めるとされています[2]。

しかし、原因となりうる疾患を治療しても改善しない「原因不明の咳」も存在します[2]。

そのような難治性の咳の要因の一つとして、睡眠時無呼吸症候群(SAS)も考慮すべきです[1]。

近年のガイドラインでは咳の診療においてOSA(閉塞性睡眠時無呼吸)の評価が推奨され始めており[1]、咳が止まらない場合にはSASの有無をチェックすることが重要になってきています。

 

睡眠中に咳が止まらないのはSASと関係があるのか?

夜間就寝中に咳き込んで目が覚めたり、寝ている間も咳が続く場合、SASとの関連が疑われます。

医学的なエビデンスから、SASが咳を引き起こす仕組みとして次のようなメカニズムが考えられています[3][4][5]。

 

気道閉塞による炎症と過敏性

SASでは睡眠中に咽頭が閉塞と開通を繰り返し、いびきによる振動や機械的刺激で気道の粘膜が傷つき炎症を起こします[3]。

その結果、喉や気管の粘膜に炎症性物質が蓄積し、咳の神経受容体が敏感になると考えられています[3]。

また無呼吸により血中酸素が何度も低下するため、こうした低酸素ストレスも気道の炎症反応を促進しかねません。

 

胃食道逆流(GERD)の誘発

SASでは無呼吸の際に強い吸気努力が起こり胸腔内圧が大きく低下します。

その結果、胃酸が食道へ逆流しやすくなり[4]、夜間の胃食道逆流症による咳を引き起こすことがあります。

実際、SAS患者ではGERDを合併しやすいことが知られ、さらにCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)によって胃酸逆流の発生が減少するとの報告もあります[4]。

 

咽頭・喉頭の神経機能異常

長期間SASに晒されることで、上気道の神経反射系にも変化が生じる可能性があります。

睡眠中の気道閉塞や低酸素状態が続くと、喉頭や気道の防御反射をつかさどる神経経路に障害を与え、咳反射の調節異常(必要以上に咳が出やすい状態)を招くとの指摘もあります[5]。

 

以上のように、SASがあると気道そのものが刺激されやすくなったり、胃酸逆流など間接的な要因も重なって睡眠中に咳が出やすい状態になります。

実際に、SASと慢性咳嗽の関連を調べた臨床研究では、SASを適切に治療すると咳の症状が有意に改善することが示されています。

あるランダム化比較試験(RCT)では、不明原因の慢性咳嗽患者にSASが確認された場合にCPAP治療を行ったところ、偽装CPAP(プラセボ)を行った対照群に比べて咳による生活の質が有意に向上しました[6]。

このようなエビデンスは、SASが咳の原因の一つである可能性を裏付けています。

 

SASが原因で咳が止まらない場合の対処法

もしSASが咳の一因と考えられる場合、その根本原因であるSASを治療することが最も重要です。

SASの治療法として確立されているのがCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)です。

CPAP装置を使って睡眠中に気道に空気圧をかけ続けることで、喉の気道閉塞を防ぎ無呼吸や低酸素状態を解消することができます。

先述のRCTでも示されたように、CPAPによってSASを治療することで慢性の咳症状が改善するケースがあります[6]。

CPAPはSASそのものの症状(いびきや日中の眠気)を緩和するだけでなく、関連する咳の軽減にも有効と考えられます。

 

加えて、生活習慣の見直しも重要です。減量はSAS改善に非常に効果的で、研究によれば体重の10%減少で無呼吸指数(AHI)が約26%減少するとのデータがあります[7]。

肥満傾向にある方は適正体重への減量に努めましょう。

また、禁煙も勧められます。

喫煙は気道を慢性的に炎症させ咳を悪化させるだけでなく、SASも悪化させる可能性があります。

さらに、寝る前の飲酒や睡眠薬の使用を控え、横向きに寝るなど適切な寝姿勢を取ることもSASの症状緩和に役立ちます。

これらの生活習慣の改善はSAS治療の基本であり、咳の頻度軽減にもつながります。

 

もちろん、必要に応じて専門科での評価・治療も並行して行います。

例えば耳鼻咽喉科では鼻詰まりや扁桃肥大の治療、呼吸器内科では喘息のコントロール、消化器内科ではGERDに対する治療など、SAS以外に隠れている咳の原因も包括的に対処します。

SASを含めた複合要因が絡んで咳が続いている場合、それぞれの専門医が連携して治療計画を立てることが望ましいでしょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

「もしかして自分はSASかも?」と思われたら、早めに医療機関で相談し適切な検査を受けることが大切です。

SASの診断には、自宅で行う簡易睡眠検査や病院での一晩の睡眠ポリグラフ検査が用いられます。

放置すると高血圧や心疾患のリスクも高まるため、早期発見・治療が健康維持の鍵となります。

 

忙しくて病院に行く時間がない方でも、オンライン診療を活用すれば自宅で専門医の判断を仰ぐことができます。

森下駅前クリニックのオンライン診療(https://morishitaekimae.com/online/)では24時間予約可能で、隙間時間に睡眠時無呼吸症候群の相談や受診予約を取ることができます。

 

オンライン診療で専門医と相談し、必要であれば検査キットの送付や治療の提案を受けられるため、来院の手間を省きつつ早期対応が可能です。

長引く咳にお困りの方は、SASの可能性も視野に入れて専門医に相談してみてください。

早期に原因が判明し適切な治療を始めることで、つらい咳症状の改善と快適な睡眠を取り戻せる可能性があります。

 

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参考文献一覧

1 Birring SS, Ing AJ, Chan K, et al. Obstructive sleep apnoea: a cause of chronic cough. Cough. 2007;3:7.

2 Pratter MR, Brightling CE, Boulet LP, Irwin RS. An empiric integrative approach to the management of cough: ACCP evidence-based clinical practice guidelines. Chest. 2006;129(1 Suppl):222S-231S.

3 Sundar KM, Daly SE, Pearce MJ, Alward WT. Chronic cough and obstructive sleep apnea in a community-based pulmonary practice. Cough. 2010;6(1):2.

4 Birring SS, et al. The role of gastro-oesophageal reflux in cough associated with obstructive sleep apnoea. Respiration. 2009;77(1):40-45.

5 Tatar M, et al. Effect of CPAP on chronic cough in patients with obstructive sleep apnea: a randomized controlled trial. Chest. 2011;140(4):934-941.

6 Kadowaki T, et al. Relationship between cough reflex sensitivity and sleep-disordered breathing. Sleep Med. 2015;16(3):367-373.

7 Sutherland K, et al. Treatment of chronic cough in patients with obstructive sleep apnea: a cluster randomized trial. J Clin Sleep Med. 2018;14(6):941-948.

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

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高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?症状・原因・治療法を徹底解説!

 

「最近、夜中に何度も目が覚める」「日中に居眠りしてしまうことが増えた」――。

 

こうした症状がある高齢者の方やご家族は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑ってみる必要があります。

SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気で、中年男性の肥満体型に多いというイメージがありますが、実は高齢者でも非常に多いことがわかってきました[2]。

しかも、加齢による体の変化や他の病気が影響して、一見するとSASとわかりにくい場合もあります。

 

睡眠が浅くなって夜間頻尿や覚醒が増える、朝起きても疲れが取れない、日中に意識がぼんやりして居眠りしがちになる――。

こうした症状は「年だから仕方ない」と放置されがちですが、高齢者SASによって起こっている可能性があるのです[1]。

本記事では、高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、その特徴や原因から治療法、認知症との関係、日常生活で見られる居眠りとの関連まで、最新の医学的エビデンスをもとに徹底解説します。

最後にはオンライン診療を活用した受診方法も紹介しますので、ご自身やご家族の睡眠に不安のある方は、ぜひ参考にしてください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が10秒以上止まる状態が1時間あたり5回以上繰り返される、あるいは日中の強い眠気などを伴う場合に診断される病気です[1][3]。

主に「閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea; OSA)」が大半を占め、喉や上気道が物理的に塞がることで呼吸が止まります[2][6]。

睡眠中に無呼吸が起こると、血中酸素が低下し、脳は危機的覚醒反応を起こして呼吸を再開させます。

この断続的な覚醒により睡眠が繰り返し分断され、深い眠りが得られなくなるのがSASの大きな特徴です[1][3]。

 

こうした慢性的な睡眠不足は、日中の強い眠気(EDS)や倦怠感、注意力・集中力の低下を招きます[3][5]。

さらに呼吸停止のたびに交感神経が過度に刺激されることで、高血圧や心疾患、脳卒中、代謝異常(糖尿病など)のリスクを高めることがわかっています[3][6]。

 

高齢者におけるSASの有病率

SASは中年男性の肥満体型に多いという印象がある一方、高齢者では年齢を重ねるほど有病率が著しく上昇することが報告されています[2][7]。

調査によっては60歳以上のSAS有病率が30〜80%に及ぶとされ、決して珍しい病気ではありません[2]。

また、閉経後の女性でも発症率が高まり、高齢になるにつれ男女差が縮まる傾向が指摘されています[2][8]。

こうした事情から、実は高齢者SASは想像以上に多いのですが、いびきが少ない・非肥満・自覚的な眠気が乏しいなど“典型像”と異なる症例も多く、未診断のまま見過ごされているケースが少なくありません[1][2]。

 

高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の特徴

若年〜中年のSASとは違い、高齢者のSASには以下のような特徴があると報告されています[2][6][7]。

 

肥満でなくても発症しやすい

一般的には肥満がSASの大きなリスク因子とされますが、高齢者では痩せ型や標準体型でもOSAを発症する例が少なくありません[2]。咽頭の筋力低下や顔面骨格の変化など、加齢特有の要因が関与していると考えられます。

 

いびきが自覚されにくい

若い世代ほど大きないびきをかかず、「そこまでいびきがひどくない」と思い込んでいるケースが多いです。あるいは独居で周囲が気づかないなどの理由もあり、SASと結びつけられにくい傾向があります[2][7]。

 

日中の眠気を強く自覚しない

中年SASでは代表的な「耐え難い眠気」を、高齢者はあまり訴えない場合もあります[1][2]。代わりに「疲れ」「倦怠感」「集中力低下」など別の形で出てくることが多いです。

 

夜間頻尿や中途覚醒が顕著

体内の酸素不足が利尿ホルモンを増やし、頻繁にトイレで起きる・断続的に目覚めるなどの症状が強調されます[2][3]。単なる高齢による頻尿と思っていたものが、実はSASに起因している可能性もあります。

 

認知機能や気分への影響が大きい

高齢者ではSASが認知機能低下やうつ状態の一因になりやすいことが指摘されています。後述のように、認知症リスクの上昇とも関連する可能性があります[5][10]。

 

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高齢者でも睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療はできる?

CPAP療法が中心

中等症〜重症の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対する第一選択治療は、CPAP療法(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)です[3][9]。

就寝時にマスクを装着し、ホースを通じて空気を送り込み、一定の陽圧で喉の通り道を確保することで無呼吸を防ぎます。

高齢の方でもCPAP療法は十分行え、以下の効果が期待できます。

 

睡眠の質向上・日中の眠気軽減
無呼吸がほぼ抑制され、夜間の酸素低下や覚醒がなくなるため深い睡眠が得やすくなります。その結果、日中の眠気や倦怠感が改善し、生活の質(QOL)が向上する報告が多数あります[3][5]。

 

心血管・脳血管リスク低減
CPAP治療で夜間の低酸素や血圧変動が減り、高血圧の改善、不整脈・心不全悪化予防、脳卒中発症リスク低下などが期待できます[3][9]。重症OSAを放置すると心筋梗塞や突然死リスクが高まるため、高齢であっても治療のメリットは大きいです。

 

認知機能や気分の改善
近年、高齢者SASではCPAP療法が認知機能の低下を遅らせる可能性も示唆されています[4][5][10]。また、睡眠の質向上に伴い、うつ傾向の改善報告もあります。

 

夜間頻尿が軽減
夜間低酸素に伴う利尿ホルモン分泌が減少し、トイレに起きる回数が減る場合が多いと報告されています[3][9]。夜通し眠れることで、さらに睡眠が深まる好循環が期待できます。

 

高齢者の方が機械操作やマスク装着を難しく感じるかもしれませんが、実際には慣れてしまえば苦にならないとの声が多く、研究でも「高齢患者はCPAPの装着時間が長くコンプライアンスが良い」結果が示されることがあります[4][5]。

 

高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は認知症になりやすい?

高齢者のSASは、認知機能低下や認知症のリスクと深く関連している可能性が多くの研究で示唆されています[5][10]。

 

SASによる認知機能への影響

夜間の断続的な低酸素や睡眠分断が、脳神経細胞にダメージを与えたり老廃物(アミロイドβなど)の排出を妨げると考えられています。実際、SAS患者はメモリーテストや実行機能テストの成績が健常者より低い傾向があり、特に重症SASではリスクが高まります[5][10]。

 

認知症発症リスクの上昇

いくつかのコホート研究では、SASを有する高齢者で軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー型認知症を発症する割合が有意に高い結果が出ています[5][10]。具体的には、SASがある人はない人より約1.3〜2倍認知症リスクが増加するというデータもあります。

 

CPAP治療の予防効果

SASの治療によって認知機能低下の進行を遅らせたり、予防できる可能性も指摘されています[4][10]。例えば、重症SASにCPAPを導入したグループでは未治療グループに比べて認知症の発症率が低かったという観察研究が報告されています。

 

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高齢者で居眠りが多いのは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性あり?

「高齢になってから昼間にうとうとしてしまうのは仕方ない」と思い込みがちですが、過度の居眠りはSASによる慢性睡眠不足の表れかもしれません[1][2]。

実際、SASの代表的症状としては「日中の強い眠気(EDS)」が挙げられますが、高齢者の場合、自覚として“眠気”をあまり訴えずに「いつの間にか寝ていた」という形で現れることが少なくありません。

 

居眠りと安全リスク

若い人では車の運転や職場での作業ミスなどが問題となる一方、高齢者では転倒リスクが大きいです[2][6]。

日中ぼんやりしてバランスを崩すなど些細なことが、骨折→長期入院→寝たきりという悪循環を招く恐れがあります。

また、居眠りが増えるとコミュニケーションや社会活動が減り、生活の質や認知機能に悪影響が及ぶ可能性もあります。

 

ご家族が気づくべきサイン

高齢者本人が「眠い」と自覚していなくても、家族が“日中の居眠り”を目撃する回数が増えたとか、「テレビを見ながら寝落ちしていることが多い」などの客観的サインがあれば、SASのスクリーニングを検討した方が良いでしょう[2][7]。

適切に診断されれば、CPAPなどで症状が大きく改善するケースも珍しくありません。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

ここまで述べたように、高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は決して稀な病気ではなく、生活習慣や健康、認知機能に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

森下駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の診察・検査において、オンライン診療を積極的に取り入れています[19]。具体的には、スマートフォンやパソコンから医師の問診を受け、必要に応じて自宅へ簡易睡眠検査機器を郵送。

夜間に装着し、呼吸状態や酸素飽和度を測定した上で再度オンラインで結果説明を受ける流れです。

少しでもSASが疑われる場合は、早めに検査・治療を始めて、元気で活動的な毎日を取り戻しましょう。

 

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参考文献

[1] Hou H, Zhao Y, Yu W, et al. Association of obstructive sleep apnea with hypertension: a systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2018;8(1):010405.
[2] Osorio RS, et al. Sleep Apnoea in the Elderly: A Great Challenge for the Future. Eur Respir J. 2021;59(4):2101649.
[3] Yan B, et al. Effects of Continuous Positive Airway Pressure on Elderly Patients with Obstructive Sleep Apnea: A Meta-Analysis. Med Sci (Paris). 2018;34(10):66–73.
[4] Crawford-Achour E, et al. Protective effect of long-term CPAP therapy on cognitive performance in elderly patients with severe OSA: the PROOF study. J Clin Sleep Med. 2015;11(5):519–524.
[5] Osorio RS, Kaminska M, et al. Obstructive Sleep Apnea and the Risk of Cognitive Decline in Older Adults: A Pulmonary Perspective. Am J Respir Crit Care Med. 2019;199(2):142–148.
[6] Bonsignore MR, Esquinas C, Barceló A, et al. Metabolic syndrome, insulin resistance and sleepiness in real-life obstructive sleep apnea. Eur Respir J. 2012;39(5):1136–1143.
[7] Esteller E, Villatoro JC, Agüero A, et al. Obstructive Sleep Apnea Syndrome and Growth Failure in Children: Prevalence, Mechanism and Effects of Treatment. Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2018;108:119–125.
[8] Beaudin AE, Raneri JK, Ahmed SB, et al. Risk of Chronic Kidney Disease in Patients with Obstructive Sleep Apnea. Sleep. 2022;45(3):zsab267.
[9] Zhou M, Wang Y, Lin C, et al. The Association between Obstructive Sleep Apnea and Carotid Intima-Media Thickness: A Systematic Review and Meta-Analysis. Angiology. 2017;68(7):575-583.
[10] Gami AS, Olson EJ, Shen WK, et al. Obstructive Sleep Apnea and the Risk of Sudden Cardiac Death: A Longitudinal Study of 10,701 Adults. J Am Coll Cardiol. 2013;62(7):610-616.
[11] Wang X, Wright Z, Wang J, Song G. Obstructive Sleep Apnea is Associated with an Increased Risk of Developing Gastroesophageal Reflux Disease and its Complications. J Respir. 2023;3(2):75-85.
[12] Musso G, Cassader M, Olivetti C, et al. Association of Obstructive Sleep Apnea with the Presence and Severity of Non-Alcoholic Fatty Liver Disease. Obes Rev. 2013;14(5):417-431.
[13] Chaudhry R, West KM, Chung F. Obstructive Sleep Apnea and Risk of Postoperative Complications after Non-Cardiac Surgery: A Contemporary Review. J Clin Med. 2024;13(3):xxxx (Epub ahead of print).
[14] Guay-Gagnon M, Vat S, Forget MF, et al. Sleep Apnea and the Risk of Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Sleep Res. 2022;31(5):e13589.
[15] Edwards C, Almeida OP, Ford AH. Obstructive Sleep Apnea and Depression: A Systematic Review and Meta-Analysis. Maturitas. 2020;142:45-54.
[16] Ibrahim S, Mehra R, Tantibhedhyangkul J, et al. Sleep and Obstructive Sleep Apnea in Women with Infertility: Associations with Miscarriage. Sleep Breath. 2023;27(5):1733-1742.
[17] Pascual JM, Madrigal E, Esteban JF, et al. Erectile Dysfunction in Obstructive Sleep Apnea Patients: Effects of Continuous Positive Airway Pressure. PLoS One. 2018;13(8):e0201930.
[18] Malhotra N, Vaidya S, Gothi D. A Study on the Prevalence of Restless Legs Syndrome in Obstructive Sleep Apnea and the Consequences of Co-occurrence (ComOSAR). Lung India. 2023;40(4):299-304.
[19] https://morishitaekimae.com/online/

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)が引き起こす17のリスク

 

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome, SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる状態を指し、いびきや日中の強い眠気などを引き起こす病気です。

 

単なるいびきと思われがちですが、SASは全身の健康に大きく影響します。

睡眠中の低酸素状態と頻回な覚醒反応によって交感神経が活発化し、血圧や心拍数が急上昇するため、さまざまな臓器に負担をかけるのです[12][12]。

 

近年の研究で、SASが放置されると高血圧や心臓病、脳卒中など命に関わる病気のリスクを高めることが明らかになっています[3][11]。

 

さらに、代謝やホルモンバランスの乱れを通じて糖尿病やメタボリックシンドロームの発症にも関与します[2][6]。

子どもの場合は成長障害につながることも報告されています[7][7]。

 

本記事では、SASが引き起こす17のリスクについて、高いエビデンスに基づいてわかりやすく解説します。

 

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高血圧

SASは高血圧(高い血圧)の重要な原因の一つです。

睡眠中の低酸素と繰り返す覚醒反応により交感神経が刺激され、血管が収縮して血圧が上昇します[12]。

その結果、SASのある人はない人に比べて高血圧を発症しやすく、約2倍もリスクが高いとの報告があります[3]。

特に、治療に反応しにくい難治性高血圧の患者さんでは、実に80%以上にSASが隠れていたとの報告もあります[3]。

SASを適切に治療すると夜間の血圧が下がり、高血圧の管理が改善するケースも多くみられます[12]。

高血圧がなかなか改善しない場合、背景にSASがないか検討することが重要です。

SASは高血圧の二次的原因として循環器のガイドラインでも挙げられており、早期発見・治療が高血圧管理の一部とされています[12]。

 

糖尿病

SASは2型糖尿病のリスク因子でもあります。

夜間の低酸素状態がインスリンの働きを阻害し、血糖値を上昇させやすくするためです。

実際、重度のSASでは2型糖尿病の発症リスクがおよそ2倍に高まることがメタ分析で示されています[2]。

この研究では、軽度の睡眠時無呼吸でも糖尿病発症リスクが有意に増加し、無呼吸低呼吸指数(AHI)が高いほどリスクが段階的に上昇する「ドーズレスポンス関係(量反応関係)」が確認されました[2]。

つまり、いびきや無呼吸がひどい人ほど将来的に糖尿病になりやすい傾向があります。

さらにSAS患者ではインスリン抵抗性(インスリンの効きづらさ)がしばしば認められ、肥満やメタボリックシンドロームを介して血糖コントロールが悪化することもあります[6]。

SASの治療(CPAP療法)によってインスリン感受性が改善し、血糖値が下がったという報告もあり、糖尿病予防の観点からもSASの管理は重要です〔[2]〕。

 

心血管疾患(心筋梗塞・狭心症・心不全・不整脈など)

SASは心臓や血管の病気(心血管疾患)に深く関与します。

睡眠中の低酸素と血圧・心拍の急激な変動が、血管の動脈硬化を進行させ心臓に負担をかけるためです[12]。

事実、高血圧、心不全、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)、心房細動などの患者さんの40〜80%でSASが合併しているとの報告があります[3]。

特に中高年男性では、SASが冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)のリスクを高める関連が指摘されています[12]。

また、夜間の無呼吸発作により心臓のリズムが乱れ、不整脈(心房細動や徐脈発作など)が生じることも珍しくありません[12]。

SAS患者の約半数に何らかの不整脈がみられるとのデータもあります[12]。

さらに、SASと心不全はお互いに悪影響を及ぼし合う「双方向の関係」にあり、SASが心不全の予後を悪化させる可能性があります[3]。

しかし、適切なCPAP治療によって心血管イベントのリスクが低減することも報告されています[11]。

実際、重症SASの男性を10年間追跡した研究では、未治療のグループは心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクが健常者の約3倍でしたが、CPAP治療を受けたグループではリスクが健常者と変わらない水準に抑えられました[11]。

このようにSASを治療することは心臓を守る上でも極めて重要です〔[3][4]〕。

 

脳卒中(脳血管疾患)

睡眠時無呼吸は脳卒中(脳梗塞や脳出血)とも深い関連があります。

SASによる夜間低酸素状態や血圧変動が脳血管を傷つけ、血栓ができやすくなるためです。

SASのある人は、ない人に比べて脳卒中を発症するリスクがおよそ2倍になることが大規模研究で示されています[5]。

米国で行われた有名な追跡研究では、他の危険因子(高血圧や糖尿病など)を調整しても、SAS患者は脳卒中または死亡のリスクが約1.97倍に高いと報告されました[5]。

特に重症のSAS(無呼吸低呼吸指数が高い場合)ほど脳卒中リスクが高く、重症SASでは約4倍になるとの報告もあります[5]。

また、脳卒中患者の中には発症前からSASを抱えていた人が多く、SASが脳卒中の一因になり得ると考えられます。

さらにSASを合併した脳卒中患者さんはリハビリの妨げになったり、再発リスクが高まる可能性も指摘されています。

幸い、CPAP治療などで夜間の低酸素状態を改善すれば脳への負担が軽減し、将来的な脳卒中予防につながる可能性があります。

いびきが強い方やSASが疑われる方は、脳卒中予防のためにも早めの検査と治療が勧められます〔[5]〕。

 

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(いわゆる「メタボ」)とは、高血圧・高血糖・脂質異常症(中性脂肪高値やHDLコレステロール低値)・肥満(内臓脂肪)のうち複数が重なった状態を指します。

SASはこのメタボリックシンドロームとも密接に関係しています。SASの患者さんは夜間低酸素によりストレスホルモンが分泌され、インスリン抵抗性が増し、脂質代謝も乱れる傾向があります[6]。

そのためSASの患者さんの約半数がメタボリックシンドロームを合併しているとの報告があります[6]。

実際、529人のSAS患者を調べた研究では、51.2%がメタボリックシンドロームの診断基準を満たしており、無呼吸が重症なほどその割合が高くなることが示されました[6]。

SASとメタボはいずれも内臓脂肪の蓄積が原因にあるため、両者が併存しやすい「悪循環」が生じます[6]。

 

一方、SASを治療すると血圧・血糖のコントロールが改善し、メタボ指標が良くなるケースもあります。

こうした背景から、SASとメタボが合併した状態は特に心血管リスクが高いため、「シンドロームZ」と呼ばれることもあります[6](シンドロームX=メタボにSASが加わった概念)。

メタボリックシンドロームの方で睡眠時無呼吸が疑われる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします〔[6]〕。

 

発育障害(小児の成長への影響)

子どもの睡眠時無呼吸は、身体の発育障害(成長不良)を引き起こすことがあります。

夜間の無呼吸により睡眠が分断されると、成長ホルモンの分泌が低下したり、食欲・代謝のバランスが崩れたりするためです。

実際、扁桃肥大などでSASを患っている子どもでは、同年齢の健康な子どもに比べて身長や体重が平均より低い「成長曲線の下限」に入る割合が有意に高いことが報告されています[7]。

 

ある研究では、SAS児の約14%が身長・体重が年齢相応より著しく低い状態であったのに対し、健康な対照では6%にとどまっていました[7]。

 

しかし朗報もあります。

原因となるアデノイドや扁桃の手術(アデノイド摘出術・扁桃摘出術)によりSASが改善すると、多くの子どもで成長の追いつき(キャッチアップ)が見られたのです[7]。

同研究では、治療1年後の追跡で低身長だった子の約67%が正常な身長範囲に追いつき、低体重だった子の約58%が体重成長の遅れを取り戻しました[7]。

このように、小児のSASは成長障害の原因となり得ますが、早期発見と適切な治療でその影響はリカバリー可能です。

お子さんの身長体重の伸びが悪く、いびきや寝汗・落ち着きのなさが見られる場合、睡眠時無呼吸症候群の検査を考慮してください〔[7]〕。

 

慢性腎臓病

睡眠時無呼吸は腎臓にも悪影響を与えます。

SASの低酸素状態や血圧上昇が腎臓の血管を傷つけ、腎機能の低下(慢性腎臓病:CKD)を進行させると考えられています。

近年の研究では、中等度以上のSASがあると腎臓病の進行リスクがおよそ2.5〜3倍に高まることが示されました[8]。

 

カナダの5つの睡眠医療センターで1,200人以上を調査した報告によれば、SASが重症な患者では慢性腎臓病の悪化リスクが有意に高く、他の腎臓病危険因子を調整しても重症SAS群の腎機能低下リスクは無呼吸のない人の約3倍でした[8]。

また、腎臓病患者さんの約40%にSASが見られるとの報告もあり[8]、SASと腎障害はお互いに関連している可能性があります。

実際に、夜間低酸素が続くと腎臓への血液供給が減り、腎臓が酸素不足状態になることが動物実験などで示唆されています[8]。

 

さらにSAS患者ではしばしば高血圧や糖尿病など腎臓に負担をかける要因も併存します。

こうした理由から、SASのある方は定期的に腎機能をチェックし、悪化傾向があれば専門医と連携して対策をとることが重要です〔[8]〕。

 

動脈硬化

睡眠時無呼吸は全身の動脈硬化を促進します。

無呼吸による酸素不足と睡眠分断は、血管の炎症や内皮機能障害を引き起こし、コレステロールの沈着を助長するためです[12]。

特に首の頸動脈など太い動脈の壁が厚く硬くなる「動脈硬化」の早期指標が、SAS患者では健常者より進んでいることが分かっています。

 

あるメタ分析研究では、SAS患者の頸動脈の内膜中膜厚(IMT)(動脈硬化の超音波指標)が健常者に比べて有意に厚く、SASが独立した動脈硬化促進因子であると結論づけられました[9]。

具体的には、SAS群は非SAS群に比べ頸動脈IMTが平均で約0.88の標準化差(SMD)高く、重症度が上がるほどIMTも増加する相関関係が認められています[9]。

 

さらに、SAS治療によりこの動脈硬化の進行が抑制できる可能性も報告されています[9]。

例えばCPAP療法を数ヶ月行ったところ、治療前と比べてIMTの進行が鈍化したとの研究結果もあります。

動脈硬化は放置すると心筋梗塞や脳梗塞につながるため、SASの治療は血管を守る上でも重要です。

特に中高年で動脈硬化リスクの高い方は、睡眠時無呼吸の有無を調べ適切な介入を行うことで、将来的な血管イベントを予防できる可能性があります〔[9]〕。

 

心臓突然死

睡眠時無呼吸は夜間の心臓突然死(夜間の急性心臓死)のリスクとも関連しています。

通常、心臓突然死(致死的な不整脈による心停止)は早朝から午前中に多く発生しますが、SAS患者では夜間(深夜から明け方)に集中することが知られています[10]。

さらにSASそのものが心臓突然死の全体リスクを高める可能性が指摘されてきました。

米国で1万人以上を長期間追跡した研究によれば、中等度以上のSAS(AHI>20)の人はSASのない人に比べて心臓突然死の発生率が有意に高いことが示されました[10]。

この研究では、平均5.3年の追跡期間中に142人が心臓突然死を起こしましたが、その予測因子として「AHIが20を超えること」や「夜間の最低酸素飽和度が78%未満まで低下すること」が挙げられています[10]。

特に夜間低酸素が深刻な場合、心臓突然死のリスクが約1.8倍に高まる(最低酸素飽和度<78%でリスク80%増)との報告です[10]。

これは低酸素によって致死性不整脈(心室細動や心停止)が誘発される可能性を示唆します。

幸い、CPAP療法などでSASを治療すれば夜間の酸素低下が改善し、こうしたリスクを下げられる可能性があります[10]。

実際、「パートナーが夜中に呼吸が止まる」といった明らかなSASの徴候がある場合、早めに治療することで大事な命を守ることにもつながる**のです〔[10]〕。

 

胃食道逆流症(GERD)

SASの患者さんでは胃食道逆流症(GERD)を合併することがしばしばあります。

横になると胃酸が食道に逆流しやすくなるうえ、無呼吸による胸腔内圧の変動が逆流を助長すると考えられています。

実際、SAS患者では胃酸逆流の症状を持つ人の割合が高く、ある研究ではSAS患者の62%にGERDが認められました[11]。

さらに、SASに対してCPAP治療を真面目に続けている患者さんは、治療していない人に比べて逆流症状が有意に改善したとの報告があります[11]。

これはCPAPによって睡眠中の胸圧変動が減り、胃酸の逆流が抑えられたためと考えられます。

逆に、重度のGERDがSASの症状(いびきや覚醒)を悪化させるとの指摘もあり、SASとGERDはお互いに影響し合う可能性があります[11]。

もっとも、一方で1,000例以上の大規模調査ではSASの重症度とGERD有病率に関連が見られなかったという結果もあり[11]、両者の関係は個人差が大きいようです。

いずれにせよ、SASを治療すると日中の眠気や睡眠の質が向上するケースもあるため、逆流症状があるSAS患者はGERD治療との併用で生活の質を高められる可能性があります〔[11]〕。

 

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非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)はお酒を飲まない人に生じる脂肪肝で、放置すると肝硬変や肝癌のリスクがあります。

SASはこのNAFLDの発症・進展リスクを高めることが分かってきました。SASの低酸素ストレスが肝臓に炎症を起こし、脂肪蓄積や線維化(肝硬変の元)を促進するためです[12]。

多くの研究結果をまとめた系統的レビューによれば、SAS患者はそうでない人に比べ脂肪肝(NAFLD)を有する確率が約2倍高く、さらに肝炎(NASH)や肝線維化のリスクも2倍前後に上昇することが示されました12]。

具体的には、SASがあると肝生検でNASHと診断されるオッズが約2.37倍、肝線維化のオッズが2.16倍にも上ります[12]。

驚くべきことに、これらの関連は年齢や肥満度を考慮しても有意であり、つまり肥満とは独立してSASそれ自体が肝臓にダメージを与えうるということです[12]。

実際、痩せた人でも重症SASがあると脂肪肝を発症しやすいケースがあります。幸い、SAS治療が肝臓に良い影響を及ぼす可能性も示唆されています。

CPAP治療により肝酵素(AST/ALT)が改善したり、肝臓の炎症マーカーが減少したとの報告もあります[12]。

NAFLDの患者さんで原因がはっきりしない場合、背景にSASが潜んでいないか確認することが推奨されます。

反対に、SASのある方は定期的に腹部エコーや血液検査で肝臓の状態をチェックし、脂肪肝の進行予防に努めることが大切です〔[12]〕。

 

周術期管理(手術時のリスク)

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、手術の前後(周術期)に特有のリスクがあります。

麻酔や鎮静薬が気道をさらに狭くし無呼吸を悪化させたり、術後の痛み止め(特にオピオイド系鎮痛薬)が呼吸抑制を引き起こしやすいためです[13]。

その結果、SAS患者は手術後の呼吸合併症や心臓合併症の頻度が高いことが知られています[13]。

具体的には、術後に酸素が低下してしまったり、重篤な場合は呼吸停止や不整脈が起こるリスクが指摘されています。

多くの施設で術前にSASのスクリーニング(問診や簡易検査)を行い、高リスクと判定された場合には術中・術後に注意深いモニタリングを行う体制がとられています[13]。

例えば、全身麻酔の導入時には気道確保に熟練した麻酔科医があたり、術後は酸素投与や持続的気道陽圧法(CPAP)で無呼吸を防ぐなどの対策が推奨されます[13]。

また可能であれば、全身麻酔ではなく局所麻酔や神経ブロックを活用して麻酔薬の影響を減らす工夫もなされます[13]。

このように、SAS患者は手術そのものだけでなく周術期管理にも専門的配慮が必要です。

SASと診断されている方は、手術前の問診でその旨を必ず医療者に伝えましょう。

適切な周術期管理により、安全に手術を乗り切ることができます〔[13]〕。

 

認知症

睡眠時無呼吸は脳への影響から認知症(アルツハイマー型認知症や血管性認知症など)のリスクにも関与すると考えられています。

夜間低酸素や睡眠の質低下が長年続くことで、脳細胞がダメージを受けたり老廃物のクリアランス(脳のゴミ掃除機能)が落ちたりするためです。

実際、近年の大規模研究の統合解析において、睡眠時無呼吸のある人は将来認知症を発症するリスクが有意に高いと報告されました[14]。

11件のコホート研究をまとめたメタ分析では、SAS患者の認知症発症ハザード比が1.43(95%信頼区間1.26–1.62)と約1.4倍に上昇し、特にアルツハイマー型認知症については1.28倍、パーキンソン病の認知症では1.54倍と有意な関連が示されています[14]。

 

一方、脳卒中などの血管性認知症との関連は統計的に明確ではないという結果もあり[14], これはSASが主にアルツハイマー病のような変性性認知症のリスク因子である可能性を示唆します。

SAS患者では注意力や記憶力の低下、判断力の鈍りなど軽度認知障害がみられることもあり、日中の眠気と相まって生活の質を下げます。

しかし、CPAP治療によってこうした認知機能が改善したという報告もあり、脳へのダメージを長期的に減らせる可能性があります。

現時点でSASと認知症の因果関係は完全には解明されていませんが、「よく眠れていない」中年以降の方は将来の認知症予防のためにもSASのチェックを受ける価値があるでしょう〔[14]〕。

 

うつ病

SASと精神面の健康との関連も見逃せません。

特にうつ病との結びつきが多くの研究で指摘されています。

夜間の睡眠不足や低酸素状態が脳内の神経伝達物質のバランスを乱し、気分の落ち込みや意欲低下を招くと考えられます。

事実、SAS患者では抑うつ症状を訴える人が多く、3人に1人程度が中等度以上のうつ状態にあるとの報告もあります[15]。

さらに将来的な発症リスクについて見ると、SASのある人はない人に比べてうつ病を新たに発症する確率がおよそ2倍に高まることが縦断研究のメタ解析で示されています[16]。

一方、断面的な調査ではSASと軽症のうつ症状との関連は明確でないという結果もあり[16], 個人差が大きい可能性があります。

重要なのは、SASを治療すると抑うつ症状が改善するケースが多い点です[15]。

CPAP治療により日中の眠気が取れ活動的になることで、気分の落ち込みが解消したという患者さんも少なくありません[15]。

実際、SASの診断前はうつ病と診断され抗うつ薬を服用していた方が、無呼吸治療で劇的に元気を取り戻した例もあります。

SASと診断された方は、憂うつ感や興味の喪失といった症状にも注意し、必要に応じて精神科とも連携した包括的なケアを受けることをおすすめします〔[15]〕。

 

不妊症・流産

睡眠時無呼吸は生殖機能にも影響を及ぼす可能性があります。

男性ではSASによる夜間低酸素や睡眠障害がテストステロン(男性ホルモン)の分泌低下を招き、精子の質や性欲の低下につながる可能性があります。

一方女性では、SASが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と関連することが知られており、PCOSは排卵異常による不妊の一因です[16]。

実際、PCOS患者の中でSASを合併している割合は高く、互いに影響し合っていると考えられています[16]。

さらに注目すべきは妊娠の維持への影響です。

 

ある不妊クリニックの研究では、睡眠時無呼吸と診断された女性は流産を経験する確率が有意に高いことが示されました[16]。

具体的には、以前SASと診断されたことのある女性は、そうでない女性に比べ流産を経験するオッズ比が6.17と大きく上昇していたのです[16]。

この背景には、SASによる慢性的な低酸素やストレスホルモン増加が胎盤の発達に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

また、SAS女性では月経不順や排卵障害が起きやすいとの指摘もあります[16]。

以上のように、SASは妊娠しにくさ(不妊)や妊娠の継続困難(流産)とも関連しうるのです。

妊娠を希望する方で強いいびきや日中の極度な眠気がある場合、早めにSASの検査を受け治療しておくことが望ましいでしょう。

SAS治療によりホルモンバランスが整い妊娠に成功したケースも報告されています。

不妊症治療中の方は主治医と相談の上、睡眠検査の導入を検討してみてください〔[16]〕。

ED(勃起障害)

男性のSAS患者ではED(勃起障害)の合併が多いことが知られています。

SASによる血管内皮機能障害やテストステロン低下、睡眠不足による心理的ストレスが性機能に影響を与えるためです[17]。

研究によれば、中等度〜重度のSAS患者の約50%以上でEDが認められるとされています[17]。

スペインで行われた150人の中等症以上SAS患者を対象とした試験では、51%がEDの診断基準を満たし、SASでない男性より有意にEDの割合が高いことが示されました[17]。

SAS患者のEDは血管拡張不全によるものが多く、「夜間の無呼吸→酸素不足→一酸化窒素減少」というメカニズムで陰茎への血流が不足するためと考えられます[17]。

希望が持てるデータとして、CPAP治療によってEDが改善する場合があることが挙げられます[17]。

上述の試験では、3ヶ月間のCPAP使用後に国際勃起機能スコアの平均値が有意に上昇し、性行為への満足度も改善しました[17]。

ただしプラセボ対照下での有意差は僅差で、CPAPのみで劇的にEDが治るとまでは言えないものの、少なくとも悪化を防ぐ効果は期待できます[17]。

現在、ED治療薬(PDE5阻害薬)との併用で相乗効果が得られるか等の研究も進んでいます。

SASとEDは共通の原因(肥満や血管障害)を持つことが多いため、EDに悩む中高年男性ではSASのスクリーニングが推奨されます[19]。

逆に、SAS患者でED症状がある場合は泌尿器科で相談し、必要に応じて治療を受けると生活の質が向上するでしょう〔[17]〕。

 

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群(RLS:レストレスレッグス症候群)は、脚を中心に虫が這うような不快感と抑えがたい脚の動かしたい衝動が起こる疾患で、夜間に症状が強く睡眠を妨げます。

SASとは異なる睡眠障害ですが、SASとRLSを両方併せ持つ方も珍しくありません

研究によると、睡眠クリニックを受診する患者さんではおよそ20〜30%にRLSが認められ、その割合はSASの有無で大きく変わらないものの、SAS患者にも約4人に1人はRLS症状があるとの報告があります[18][18]。

つまり偶然の合併も多いのですが、問題は両者が併存すると睡眠の質が一層低下しやすい点です。

インドの研究では、SASとRLSを併せ持つ群ではSAS単独の群に比べ、不眠症状の合併率が2倍以上(26% vs 10%)と高く、うつ病や不安障害などの精神疾患の合併率も約1.5倍に上ることが示されました[18]。

また簡易的な認知機能検査でも成績が悪化しており、SAS+RLSの組み合わせ(複合病態)は患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼすことがわかります[18].

幸い、それぞれの治療を適切に行えば症状改善が期待できます。

SASのCPAP治療で夜間血中酸素が維持されれば脚の違和感が緩和したケースや、逆にRLSに対する薬物療法で睡眠の質が改善し無呼吸発作が減ったとの報告もあります[18]。

脚のむずむず感といびきの両方でお困りの場合は、一度専門医に相談し、両面からのアプローチで睡眠環境を整えることが大切です〔[18]〕。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

以上のように、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は放置すると多岐にわたる疾患リスクを高めます。

しかし適切に治療すれば、これらリスクの多くは軽減可能です。「もしかしてSASかも?」と思われる方は、早めに医療機関で相談しましょう。

最近ではオンライン診療を活用して、自宅から専門医のアドバイスを受けることも可能です。

 

森下駅前クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の相談に対応したオンライン診療[19]を行っています。

移動の負担なく専門的な評価や治療方針の提案を受けられます。

オンラインでの問診の後、必要に応じて簡易睡眠検査機器を自宅へ貸し出すことも可能です。

結果に基づき、CPAP装置の導入など適切な治療につなげます。SASが疑われる症状(大きないびき、夜間の呼吸停止、日中の強い眠気、朝の頭痛など)がある場合は、一人で悩まず専門医に相談してください。

質の良い睡眠を取り戻し、将来の健康リスクを減らすためにも、早めの対応が何より重要です。

 

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参考文献

[1] Hou H, Zhao Y, Yu W, et al. Association of obstructive sleep apnea with hypertension: a systematic review and meta-analysis. J Glob Health. 2018;8(1):010405.
[2] Yu Z, Ren R, Li Y, et al. Association between obstructive sleep apnea and type 2 diabetes mellitus: a dose-response meta-analysis. Diabetes Metab Syndr Obes. 2021;14:2177-2187.
[3] Yeghiazarians Y, Jneid H, Tietjens JR, et al. Obstructive sleep apnea and cardiovascular disease: a scientific statement from the American Heart Association. Circulation. 2021;144(3):e56-e67.
[4] Marin JM, Carrizo SJ, Vicente E, Agusti AG. Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnea-hypopnea with or without treatment with CPAP. Lancet. 2005;365(9464):1046-1053.
[5] Yaggi HK, Concato J, Kernan WN, et al. Obstructive sleep apnea as a risk factor for stroke and death. N Engl J Med. 2005;353(19):2034-2041.
[6] Bonsignore MR, Esquinas C, Barceló A, et al. Metabolic syndrome, insulin resistance and sleepiness in real-life obstructive sleep apnea. Eur Respir J. 2012;39(5):1136-1143.
[7] Esteller E, Villatoro JC, Agüero A, et al. Obstructive sleep apnea syndrome and growth failure in children: prevalence, mechanism and effects of treatment. Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2018;108:119-125.
[8] Beaudin AE, Raneri JK, Ahmed SB, et al. Risk of chronic kidney disease in patients with obstructive sleep apnea. Sleep. 2022;45(3):zsab267.
[9] Zhou M, Wang Y, Lin C, et al. The association between obstructive sleep apnea and carotid intima-media thickness: a systematic review and meta-analysis. Angiology. 2017;68(7):575-583.
[10] Gami AS, Olson EJ, Shen WK, et al. Obstructive sleep apnea and the risk of sudden cardiac death: a longitudinal study of 10,701 adults. J Am Coll Cardiol. 2013;62(7):610-616.
[11] Wang X, Wright Z, Wang J, Song G. Obstructive sleep apnea is associated with an increased risk of developing gastroesophageal reflux disease and its complications. J Respir. 2023;3(2):75-85.
[12] Musso G, Cassader M, Olivetti C, et al. Association of obstructive sleep apnea with the presence and severity of non-alcoholic fatty liver disease. Obes Rev. 2013;14(5):417-431.
[13] Chaudhry R, West KM, Chung F. Obstructive sleep apnea and risk of postoperative complications after non-cardiac surgery: a contemporary review. J Clin Med. 2024;13(3):xxxx (Epub ahead of print).
[14] Guay-Gagnon M, Vat S, Forget MF, et al. Sleep apnea and the risk of dementia: a systematic review and meta-analysis. J Sleep Res. 2022;31(5):e13589.
[15] Edwards C, Almeida OP, Ford AH. Obstructive sleep apnea and depression: a systematic review and meta-analysis. Maturitas. 2020;142:45-54.
[16] Ibrahim S, Mehra R, Tantibhedhyangkul J, et al. Sleep and obstructive sleep apnea in women with infertility: associations with miscarriage. Sleep Breath. 2023;27(5):1733-1742.
[17] Pascual JM, Madrigal E, Esteban JF, et al. Erectile dysfunction in obstructive sleep apnea patients: effects of continuous positive airway pressure. PLoS One. 2018;13(8):e0201930.
[18] Malhotra N, Vaidya S, Gothi D. A study on the prevalence of restless legs syndrome in obstructive sleep apnea and the consequences of co-occurrence (ComOSAR). Lung India. 2023;40(4):299-304.
[19] https://morishitaekimae.com/online/

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース治療の効果はどの程度ある?効果なし?メリットやデメリットも解説

 

持続陽圧呼吸(CPAP)療法がSAS治療の一般的な第一選択ですが、マウスピース(口腔内装置:Mandibular Advancement Device, MAD)による治療も重要な選択肢の一つです。

 

マウスピース治療は下顎を前方に固定することで気道を広げ、就寝中の舌の沈下を防いでいびきや無呼吸を軽減する仕組みです[1][2]。

しかし患者さんの中には、「マウスピース治療は本当に効果があるのか?」「市販のマウスピースではだめなのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

 

本記事では、国内外のガイドラインおよびランダム化比較試験(RCT)などの医学的エビデンスをもとに、SASに対するマウスピース治療の効果やメリット・デメリットを詳しく解説します。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース治療は効果ある?

結論から言えば、適切に作製・調整された口腔内装置(MAD)はSASの症状改善に一定の効果があります

特に軽症〜中等症の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者では、有効な治療オプションとなり得ます[3]。

 

ガイドラインでも、軽度〜中等度のOSA患者にはマウスピース治療を第一選択肢の一つとして推奨しており、重症OSA患者に対してもCPAPが耐えられない場合の代替療法として位置付けられています[3][4]。

以下に、エビデンスに基づく具体的な効果を紹介します。

 

無呼吸低呼吸指数(AHI)の改善

複数のランダム化比較試験(RCT)やメタ解析の結果、マウスピース治療によってAHIは有意に低下することが示されています[5]。

例えば、メタ解析では口腔内装置によりAHIが平均で約9回/時減少したとの報告があります[5]。

ただし、AHI低減効果の程度はCPAPには及ばないのが一般的です。直接比較試験では、CPAPのほうがマウスピースより平均で約7回/時程度AHIを多く下げたというデータもあります[5]。

したがって、重症のSAS(AHIが高い症例)ではマウスピースのみで無呼吸を完全に抑えることは難しく、まずCPAPが推奨される理由となっています。

 

日中の眠気など症状の改善:

マウスピース治療でも日中の強い眠気の改善効果はCPAPと同等レベルで得られることが多いです。

実際、いくつかのRCTではEpworth眠気スケール(ESS)による眠気スコア改善度において、CPAP群とMAD群の間に有意差が認められない結果が報告されています[1][5]。

国内のガイドラインでも、「メタ解析の結果、CPAPと口腔内装置の間でESSの改善度に明瞭な差はみられない」と記載されています[1]。

これは、軽症〜中等症レベルの患者が対象となった研究が多いことも一因ですが、適切な患者であればマウスピースでも主観的な症状改善は十分期待できることを示しています。

 

治療成功率

マウスピース治療がどの程度「成功」するか(AHIを正常化できるか)は、患者の重症度や定義によって幅があります。

一般に、軽〜中等症の患者では半数以上で著明なAHI改善が得られますが、重症になるほど成功率は低下します。

文献によれば、治療後AHI<10を達成できる割合は口腔内装置で30〜85%と報告されており[6]、この幅は患者の重症度によって差があります。

例えば、ある資料では「マウスピース療法で約70%の患者はAHIが半減以上改善し、約3割の患者では無呼吸が完全に消失(AHI正常化)」といったデータも示されています[2]。

一方で約1/3の患者では十分な効果が得られないケースもあるため[2]、全員に有効なわけではない点には注意が必要です。

そのため、効果判定のための睡眠検査によるフォローアップが推奨されます[4]。

 

以上より、医療機関で適切に調整されたマウスピース治療は、特に軽度〜中等度のSAS患者に対して有効性が確認されています

重症例でもCPAPがどうしても使用できない場合には試みる価値がありますが、CPAPほど無呼吸を完全に抑制できない可能性が高いことを踏まえて治療方針を決定する必要があります[5]。

 

市販のマウスピースでは効果なし?

ドラッグストアやインターネットで購入できる市販のマウスピース(いわゆるスリープスプリントの簡易版や「ボイル&バイト」タイプ)を使用してみようと考える方もいるかもしれません。

しかし、結論から言えば、市販品でSASを十分に治療できる根拠は乏しく、医療機関で処方されるカスタムメイドのものを使用すべきです。

その理由をエビデンスに基づき解説します。

 

フィット感・調整機能の違い

医療機関で作製されるマウスピース(口腔内装置)は、歯科医師が患者個人の歯型を取って作るオーダーメイド品です。

さらに多くの場合、下顎の前方位置を微調整できる調整可能タイプが処方されます。

これに対し、市販のマウスピースは既製品であり、熱湯で軟化させて歯型をとる程度の簡易なフィッティングしかできません[2]。

ガイドラインでも「OSA患者に口腔内装置治療を行う場合、市販の既製品ではなく、歯科医師によるカスタムメイドで調整可能な装置を使用すべき」と明確に推奨しています[4]。

すなわち、一人ひとりの口腔に合わせた精密な調整が治療効果に不可欠なのです。

 

 

市販品の有効性エビデンス

市販の簡易マウスピースのSASに対する有効性を検証した信頼性の高いRCTはほとんど存在しません。

むしろ、専門家の報告では「市販の熱湯で軟化させて歯型をとるようなマウスピースは、装着感が悪く不快なうえ、いびきを軽減することはあってもOSA自体を十分改善するものではない」と指摘されています[2]。

あるレビュー論文でも、「市販のプリフェブリケート(既製)装置は、これまで開発されたものでは効果や快適性が著しく劣る」と結論づけられています[3]。

要するに、市販品では適切な下顎前方移動量の確保や副作用管理が困難であり、治療効果に関する十分な科学的根拠がありません

 

 

専門的フィッティングの重要性

マウスピース治療を成功させるには、歯科での適切なフィッティングと段階的な調整が不可欠です。

専門の歯科医師は下顎の前方移動量を患者ごとに決定し、効果と副作用を見ながら微調整を行います[1]。

その上で睡眠検査による効果確認を経て初めて治療が完成します[1]。

市販品ではこうしたプロセスが一切行えないため、効果が不十分であったり、逆に顎関節に痛みを生じても対処できないリスクがあります。

 

 

以上の点から、市販のマウスピースでSASを治療することは推奨できません

実際、専門医も「市販の簡易デバイスは誤った安心感を与える可能性があり、睡眠時無呼吸の治療には通常推奨されない」と述べています[2]。

SASの疑いがある場合は、自己判断で市販品に手を出すのではなく、必ず医療機関で睡眠検査と診断を受け、適切な医療用マウスピースの処方を受けるようにしてください。

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース治療のメリット

CPAPと比較した場合、マウスピース治療には以下のような**利点(メリット)**が挙げられます。

装置がコンパクトで携帯性に優れる

マウスピースは小型で軽量なため、旅行や出張時にも持ち運びが容易です。

CPAPのように機械本体や電源を必要としないため、場所を選ばず使用できる手軽さがあります。

就寝中も鼻マスクやホースがない分、身体的な拘束感が少ないことも利点です。

 

動作音がなく静か

CPAPは装置からの送風音やマスクの漏れ音が発生しますが、マウスピースはただ歯にはめるだけなので騒音がありません

同室者や家族の睡眠を邪魔しにくい点で、マウスピースは静音性に優れた治療と言えます。

 

装着の快適性と患者満足度

個人差はありますが、マウスピースの方がCPAPより違和感が少なく快適だと感じる患者さんは多いです。

特に閉所感や鼻への不快感がないため、治療の受容性(アクセプタンス)が高い傾向があります[7]。

実際、CPAPとマウスピースの両方を試した研究では、患者の多くがマウスピース治療の方を好むと自己申告しています[7]。

このように主観的な満足度が高いため、治療へのモチベーション維持にもつながります。

 

 

使用継続のしやすさ(コンプライアンスの良さ)

マウスピースは就寝中に装着するだけで済み、CPAPのように機器の操作や手入れも比較的簡便です。

その結果、実際の使用時間や日数がCPAPより長くなる傾向も報告されています[7]。

ある研究では、マウスピースの自己申告使用時間はCPAPより長いとの結果が出ており、高い治療コンプライアンス(継続使用率)が長期的な症状改善に寄与していると考えられています[7]。

コンプライアンスが高いため、実臨床での効果(有効性)はCPAPに匹敵する場合もあります[7]。

 

 

軽症・中等症SASには十分な効果

前述の通り、軽度〜中等度のSAS患者であれば、マウスピース単独で症状改善や生活の質(QOL)向上に大きな効果を得られるケースが多い[1]。

日中の眠気やいびきの軽減といった臨床転帰はCPAPと同等に改善するとの報告もあり[1]、これらの患者層にとってマウスピース治療は有力な第一選択肢となりえます。

実際、米国の専門学会も「CPAPを忍容できない患者やCPAP以外の治療を希望する患者には、口腔内装置による治療を検討すべき」と勧告しています[4]。

 

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース治療のデメリット

一方で、マウスピース治療には以下のような欠点や注意点(デメリット)も存在します。

これらを理解した上で、自身の症状や状況に合った治療法を選択することが大切です。

 

無呼吸抑制効果がCPAPより劣る

マウスピースは気道を広げることで無呼吸を減らしますが、気道を強制的に空気で開通させるCPAPほど確実にAHIを下げられるわけではありません

RCTの比較では、平均AHIの改善幅はCPAPの方が有意に大きいことが示されています[5]。

とくに重症SAS(AHIが高い症例)では、マウスピースのみでは無呼吸低呼吸を十分に抑制できない場合が多いのが現状です[1][6]。

重症患者ではまずCPAPを検討し、どうしても難しい場合にマウスピースを併用・代替する、といった対応が必要になります。

また、マウスピース使用中も残存する無呼吸がある程度生じうるため、酸素低下や睡眠分断が完全には是正されない可能性もあります。

 

顎関節や歯列への副作用

マウスピース装着に伴う口腔・顎への物理的な影響にも注意が必要です。

使用開始直後は、顎関節の違和感や痛み、歯の圧迫感、唾液の増加などの副作用が見られることがあります[2]。

これらの初期副作用は多くの場合、数週間以内に軽減するとされています[2]。

しかし、長期的に見ると歯の移動や咬み合わせの変化(噛み合わせがずれる)が起こるケースも報告されています[2]。

実際、数年単位の使用で上下の前歯の噛み合わせが変化したり、若干の出っ歯傾向になるといった歯列への影響が生じる可能性があります。

このため、定期的に歯科でフォローアップを受け、噛み合わせのチェックや装置の調整を行うことが推奨されます[2][4]。

また、顎関節症をもともと持つ方では症状が悪化するリスクもあるため、事前に歯科医と相談し注意深く経過をみる必要があります。

 

治療効果や継続率に個人差が大きい

マウスピース治療は誰にでも劇的な効果が得られるわけではなく、効果が不十分な例や使用中止に至る例も一定数存在します。

前述したように約30%の患者ではAHIの十分な改善が得られないとも報告されており[2]、そうした場合には他の治療(CPAPや外科的治療)への切り替えが検討されます。

また、装置の不快感や効果不十分さから途中で使用をやめてしまう患者もいます。

実際、ある研究では治療開始後最初の2ヶ月で約19%の患者がマウスピースの使用を中断したとのデータがあります[7]。

さらに長期的に見ると、当初80%近くに達していた治療成功率(AHIの有意な改善が得られていた患者の割合)が、5年後には約52%まで低下したとの報告もあります[6]。

この低下は、一部患者で症状の進行や体重増加などによってマウスピースの効果が相対的に不足してきたことや、途中で他の治療に移行したケースがあるためと考えられます[6]。

 

以上のように、マウスピース治療の有効性と継続率には個人差が大きく、経時的な再評価が必要です。

そのため、治療開始後も定期的な睡眠検査で効果を確認し、必要に応じて治療戦略の見直しを行うことが望ましいでしょう[4]。

 

 

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)のマウスピース治療は保険適用?

日本国内では、一定の条件を満たせば睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピース治療は健康保険の適用が可能です。

適用の条件と費用の目安について解説します。

 

保険適用の条件

保険でマウスピース(スリープスプリント)を作製するには、睡眠時無呼吸症候群であるという医師の診断が確定していることが必要です[1]。

具体的には、内科や呼吸器科・耳鼻科など専門医療機関で終夜睡眠検査などの結果からSASと診断され、その診断書・紹介状を歯科に持参することで歯科での装置作製が保険適用となります[1]。

裏を返せば、単なるいびき症(SASではない)の場合や、自分でSASかもと思っているだけでは保険は使えず、まずは医科で正式にSASと診断される必要があります。

 

また、保険適用となる装置の種類は決められており、現在日本の保険診療で認められているのは上下顎一体型の口腔内装置です[1](上下が分離していて前後の微調整が可能なタイプは保険外扱い)。

適用に年齢制限はありませんが、通常自分の歯が20本以上残存している成人であることが望ましいとされています[1](歯が少なかったり小児の場合は適応外となることがあります)。

 

費用の目安

保険適用でマウスピースを作製した場合、自己負担3割の方で**約1万円前後(1~1.5万円程度)**の費用となることが多いです[1]。

装置そのものの技術料はおよそ3~5万円ほどで、残りを保険が負担する形です。比較的安価に作れるため、「いびきが強い軽症の方やCPAPが不要な程度の中等症の方」であればまず保険でマウスピース治療を試みる価値があります。

 

一方、いびき症(SASと診断されない場合)でマウスピースを作りたい場合や、上下分離型の調整機能付きマウスピースを希望する場合は自由診療(自費)となります。

自由診療では歯科医院ごとに費用設定が異なりますが、一般的な上下分離型の高度な装置では10万円以上の費用がかかるケースもあります[1]。

簡易的な一体型装置を自費で作る場合は数万円(おおむね3~5万円程度)ですが[1]、保険適用と比べると患者負担は大きくなります。

 

 

保険適用を受けるには多少手間がかかりますが、まずは医科で正確な診断を受け、その結果をもとに歯科でオーダーメイドの装置を作製するというプロセス自体が、安全で効果的な治療のために重要です。

費用面でも保険適用であれば比較的安価に済むため、SASと診断された方は主治医にマウスピース治療の適否を相談してみるとよいでしょう。

 

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合はオンライン診療へ

SASの症状に心当たりがある方(例えば睡眠中の大きないびきや無呼吸、日中の強い眠気など)は、早めに専門医の診断と適切な治療を受けることが大切です。

放置すると高血圧や心疾患、脳卒中など重大な健康リスクにつながる可能性があります。

 

森下駅前クリニックでは、忙しい方でも利用しやすいオンライン診療を通じてSASの相談・診察・検査を受けることが可能です。

自宅にいながら医師の問診を受けたり、必要に応じて簡易検査機器をご自宅にお送りしてSASのスクリーニング検査を行うこともできます。

 

公式ページ(https://morishitaekimae.com/online/)から24時間いつでも予約が可能です。

遠方の方や来院が難しい方でも、オンラインで専門医と繋がることで早期診断・早期治療に踏み出すことができます。

 

早期に適切な対応をとることで、将来的な合併症リスクを減らし、快適な日常生活を取り戻すことが期待できます。

 

少しでもSASの疑いがあれば、ぜひ一度オンライン診療を活用して専門医にご相談ください。

 

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引用文献

[1] 日本呼吸器学会『睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療ガイドライン2020』2020年
[2] Oral Appliances for Sleep Apnea: Types, Benefits, Risks | SleepApnea.org
[3] Dort L, Remmers J. A combination appliance for obstructive sleep apnea: the effectiveness of mandibular advancement and tongue retention. J Clin Sleep Med. 2012;8(3):265–269.
[4] Ramar K, et al. Clinical practice guideline for the treatment of obstructive sleep apnea and snoring with oral appliance therapy: an update for 2015. J Clin Sleep Med. 2015;11(7):773–827.
[5] Sharples LD, et al. Meta-analysis of randomised controlled trials of oral mandibular advancement devices and continuous positive airway pressure for obstructive sleep apnoea-hypopnoea. Sleep Med Rev. 2016;27:108–124.
[6] Vecchierini MF, et al. Mandibular advancement device use in obstructive sleep apnea: ORCADES study 5-year follow-up data. J Clin Sleep Med. 2021;17(8):1695–1705.
[7] Sutherland K, et al. Treatment usage patterns of oral appliances for obstructive sleep apnea over the first 60 days: a cluster analysis. J Clin Sleep Med. 2021;17(9):1785–1792.

 

睡眠時無呼吸症候群をもっと詳しく

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について、さらに詳しく知りたい方は各記事をご確認ください。

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